行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな異世界へ

番外編 甘い誘惑 3

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自力で扉を開けるのは諦めて、出入りする人を待って外に出た。早足で戻るとさっきのおっちゃんが来てくれていた。

シュクルさんに戻った事を告げ、お店に出る。おっちゃんに試食したか聞くとまだだと言うので差し出した。仲間の人達にも差し出し、食べてもらう。

「いかがですか?強めのお酒に合わせる人もいるんですよ。」

「そんな食べ方もあんのか。なかなかウマいな。」

「も…もう1回、試食…良い?」

お仲間の1人が言うけどあんまり試食させるのもどうなのか、とシュクルさんを見ると頷いたのでもう1つ口に運んだ。もう1人も口を開けるので食べさせた。

「もっと…」

またしてもお代わりを要求するので今度は気に入ったなら買って下さい、と言うと

「買うから食べさせて?」

それ、どう言うお店?

「当店ではそのようなサービスは行っておりません。」

シュクルさんが助け舟を出すが、おっちゃんがぶはははは!と笑い出す。

「わりいな、コイツこんな可愛い子に優しくしてもらった事無いから舞い上がっちまったんだ。まぁ、おれもどこまで平気なのか見たくて止めなかったけどな。」

もう1人もくっくっくっと笑っている。

「…そう言うお店だなんて人に言わないで下さいよ?ちゃんと買って下さいね。」

味を選ばせて会計をして

「はい、どうぞ。」

指で摘んで口に入れてあげる。ほけっとしているので唇を摘んでちゃんと閉じて。と言うと慌てて食べ始めた。もう1人がオレはこれ!と選んだので会計をして開けて待つ口へ入れた。

「幸せの味…」
「そうでしょう?そうですよね!幸せと快感が口中に広がりますよね!」

心配そうに見ていたシュクルさんが食い気味に言う俺のうっとりした顔に安心したように奥に戻った。明日の分を作るのだろう。

「じゃぁせっかくだからおっちゃんも貰おうかな。」

ココアパウダーをまぶした物を1つ。口に運ぶとぺろりと指を舐められた。

「もう!何するんですか!?」

「指に粉が付いてたからさ。」

にやにやしながらそう言うけど、絶対ただのイタズラだ。

「こんな事してたら坊主の恋人達が心配すると思って、可能性を教えてやったの。」

それは以前、ウェーヌ様に言われた危機感の無さ、かな。

「…教えて下さってありがとうございます。」

むっとした顔で一応そう言うと、かわいい~と言う声が聞こえたが誰の声かは追求しない事にした。


**********************


夕方になって冒険者がちらほらと増えて来た。思った通り大規模討伐の時にカツサンドを振る舞った人がほとんどだ。カツサンドの店を出して欲しいとか毎日カツサンドを食わせてくれとか言われる。プロポーズか!

「このショコラ、俺が毎日食べたいほど好きなお菓子なんですよ?味見して下さいね。」

そう言って試食させるとほとんどの人が美味しいと言ってくれるけど、値段とボリュームに納得がいかないようで思うようには売れない。そこにアラケルが来た。

「タケル!おまえそんなに足見せびらかして大丈夫なのか!?」

見せびらかして、って何だよ!!

「これ、民族衣装なの! 足を見せてる訳じゃないんだよ!!」

折り返しを戻してハーフパンツにする。それでも膝上5cmだから短めか。何人かいた他の客が残念そうな声を出す。やっぱりそんな目で見られてたの?

「変な目で見てた奴らがストゥとティスに殺されたらどうするんだ。」

えーと、それ比喩表現だよね?見てただけで殺すって…殺さなくても殴ったりするの?

「すまなかった。明日は何か考えよう。」

声を聞いて出て来たシュクルさんに軽く目を見張って、アラケルがぼそっと小さな声で

「すっげー美形…」

アラケル美人好きだな。
それより試食してよ、って食べさせると口を押さえて目が輝いた。恍惚の表情。よし!

「どう?めちゃくちゃ美味しいでしょう?客人まろうどの国ではショコラを贈って愛を伝える日があるんだよ?」

「愛を…伝える…」

「アラケル、好きな人できたの?」

「あー、ちょっと色々あってなし崩し的にそうなっちゃったから、ちゃんと気持を伝えてなくってさ。」

「まだ恋人じゃないなら食べさせあって、恋人なら…」

アラケルの耳を引っ張って小さな声で囁く。

「恋人なら口移しで食べさせるのがおススメ。」

バッと離れてあっけにとられた表情のままだんだん赤くなる顔。夜目にも赤い。

「お前…エロくなったなぁ。」

「んな!?何言ってんの?へんな事言うなよ!!」

「いや、だって…なぁ。」

ちょっと胸撫でられただけで泣いてたくせに、とか言われても。そんなにはエロくないでしょ?当たり前の発想じゃない!?
周りの野次馬がアラケルを捕まえてなんて言ったのか教えろって詰め寄ってる。うぅ、失言でした。治まりがつかなそうな野次馬にアラケルが答えた。

「恋人には口移しで食べさせろってさ。」

ごくりと喉を鳴らす音が一斉に聞こえた。

「ショコラの味の舌を絡ませあうのか…」

こらー!!アラケル!追い討ちをかけるな!想像を煽るな!

「6個入り!」
「俺も6個入り!」
「おれは9個入りをくれ!」

「お、おれは3個入りで…」
「ボクは3個入りを5箱!」

その場にいた十数人がみんな購入し、今日の分は完売した。

「あ…オレ…9個入り欲しかったんだけど…」

アラケルが呆然としている。完売はありがたいけど自業自得だよね。

「今日欲しいの?明日ならまた…」

言いかけるとシュクルさんが9個入りを持って来た。

「明日用に作っていた分だが、売ってくれた礼だ。持って行ってくれ。」

「今夜、彼の所に行くのでありがたいです!」

とショコラを受け取り笑顔で帰って行った。

片付けをして着替えて帰る。
途中、酔っぱらいに絡まれたが森の王の加護と水辺の王の加護が発動して相手は水浸しになって風に晒されて冷えてがくがく震えながらどこかへ行った。加護ってこんな風に発動するんだ、と驚いた。


**********************


家に帰って夕飯を作っていると、ティスが帰って来た。おつかれさま、とキスを贈るとただいま、と帰って来る。甘々で新婚みたい。

マカロニサラダ、塊肉入りブラウンシチュー、ピラフ、パン、ピクルス。

食べ終わったらお風呂でいちゃいちゃして部屋に戻っていちゃいちゃして寝るまでベッドでいちゃいちゃする。うん、新婚みたいなものか。

今日も脱衣場まで姫抱きで運ばれたので昨日と同じに耳を食む。でもティスは耳より少し下の首筋の上の方が感じるんだよね。

くちゅくちゅと音を聞かせるためにだけ耳を舐め、首筋の感じる所にちゅっと吸い付く。べろりと舐めて顔をこっちに向かせて唇を舌でつついてキスを強請る。進んで唇を開き早く早くと舌を入れるとティスが噛み付くようなキスをしてくれる。

「あ…っふ…」

こぼれる唾液も気に留めず口内を蹂躙する舌のもたらす快楽を貪る。キスはいつも気持ち良い。今日もキスだけで立ち上がる俺の中心。触られたい、触りたい。

抱き上げられたまま片手でティスの首筋をなぞり、鎖骨を撫でながらシャツのボタンを外す。そこから手を滑り込ませやわやわと胸を揉む。しなやかな筋肉の付いた胸がぴくぴく動く。ふにっとした所を見つけくにくにと指先でイタズラすると直ぐに固く凝って来る。両手が塞がっていてキスしかできないティスの胸を摘んだり押しつぶしたり撫でたりすると喘ぎ声が漏れて来た。

「んっ、ふぅ…」

嬉しくなって夢中で胸の先をこすこすと弄っていたら部屋に戻って来ていた。
ベッドに下ろされ、潤んだ瞳で見つめられてあふれる気持をそのまま言葉にするとティスが言った。

「私もタケルが大好きです。…いつもならこんなに積極的じゃないのに…」

あれ?やっぱり俺、エロくなってる?

「昨日、寂しそうに頑張ってたから今日はいっぱい気持良くなってもらおうと思って…」

えへへ、と笑うと嬉しいって言って抱きしめられた。

「お風呂入らないの?」

「お風呂は後で…」

それじゃぁ、とベッドに座ったままティスのシャツのボタンを外し、鎖骨から肩へ手を滑らせながらシャツを落とす。両腕を指先までなぞって腕の内側を撫で上げるように戻る。腕を背中に回し撫で下ろしながら胸に頬ずりをする。さっき触らなかった方の胸の先端ををちろちろと舌でくすぐる。硬くなって来たそこをちゅっと吸ってから甘噛みするとティスがふるっと揺れた。

胸を弄びながら両手を下にゆっくりとずらして下衣の腰紐を解く。下着ごとずり下ろす動きに合わせて胸からヘソへ舌を滑らせる。途中、立ち上がったティスのそれに俺の胸の先が布越しに擦れてピクッと反応してしまった。

気づいたティスが腰を揺らして擦る。もどかしい。シャツのボタンを外そうと手をかけると、ティスに引き寄せられ、手を外される。

「交代ですよ。」

仕返しとばかり耳を舐められ、こめかみ、まぶた、唇…と順にキスをされる。唇を甘噛みし、歯列をなぞり、口内に進入し上顎をくすぐる舌に舌を絡める。そんなキスをしながらボタンを外され左右同時に胸の先を撫でられる。立ち上がった粒は転がされ、摘まれる。

いつの間にか押し倒され服を全て剥ぎ取られて、焦らされることなく咥えられる。温かいぬるっとした感触に全身が震える。

「…やだっ! 俺だけ気持良くなっちゃうのやだぁ!」

押しのけようにも気持良くて力が入らない。

「さっき私にそれをしたでしょう?お仕置きです。」

うっとりとした笑みを浮かべ、屹立を咥える口から唾液をこぼし、それを指に塗り付けて秘所をゆっくりと撫で回す。少しずつ差し込まれる指はゆるゆると奥へ進み、戻り、また奥へと進む。指を増やして解し、また増やして解す。

「ごめ…なさっ…1人じゃ、や…ぁ…」
「っひぁっ!」

指を引き抜かれ、仰向けになったティスの上に上下逆さにうつ伏せにされる。

「じゃあ、一緒に気持良くして下さいね。」

目の前のティスの象徴に手を伸ばし、鈴口にキスをしてから舐め回す。くびれた所を舌でなぞる。大きく口を開けて咥え、できるだけ深く口に含む。口の中の空気を抜くようにして動くと吸い付く力が強くなり快感が引きずり出される。ティスの腰が揺れ始め、上り詰めて行くのが判る。はやく、もう出ちゃうからティスも早く!!必死で快感を堪えながら唇と舌で扱く。ティスが張りつめたのを感じた瞬間に前立腺を強く刺激されて精を放つ。同時に口いっぱいに温かい物が溢れる。

「浄化」

口の中にあった白濁がなくなる。不味いけど愛しいそれが無くなって寂しい。少し荒い呼吸をしているティスに向き直って跨がって見下ろし、睨みつけて

「飲みたかったのに…」
「!!」

抱きしめられてまたキスをする。何度かキスを重ね、やっと落ち着いて起き上がる。

「早くお風呂入ろう?」

今度は子供抱っこで運ばれる。そして昨日と同じように洗われて膝に座って湯に浸かる。まったり幸せタイム。

お風呂から上がってソファで冷えた果実水を飲みながらショコラの木箱を開ける。

「ティス、食べさせてあげる。」

一粒摘んで膝に跨がり、口に咥えて腕を首に回す。口移しで食べさせて飲み込んだのを見計らって口づけして舌を絡める。

「んっ、おいしい…」

舌を擦りあわせ吸い付き甘噛みすると優しく返してくれる。美味しくて気持ち良い。
裸のままなので跨がって開いた足の間で互いの物が熱を持ち始めるのがはっきりと伝わる。そのまま運ばれてベッドに仰向けに寝かされると、すぐに香油のぬるりとした感触が秘所を押し広げる。良い所を少しずつ刺激しながら香油を足して行く。さっき既に3本を飲み込んだそこはじゅうぶん解れている。

「ティス、早く来て…早くひとつになりたい…」

自分で膝裏を持って腰を浮かせると、蕾に一度ぺろりと舐められた。

「ひゃぁあん!!」

その声に気を良くしたティスがまた舐める。早く入れて欲しいのに、滑る柔らかな舌が動く度に上がる喘ぎを押さえられない。

「ティ…ス、おねが…だからぁ…切ないよぅ…」

なんとか言葉にできた時には涙がぽろぽろ溢れていた。

一瞬はっとして、ようやく入って来きてくれたそれは熱くて長くて、奥をゆっくりと力強く押した。

「ぁぁぁああん!」

ずるる、と引き抜かれ、また押し込まれる熱い楔は良い所をリズミカルに擦り、その度に背がしなり腰を押し付けてしまう。

「ティ、スぅ…あっ…は…ひぅ!」

「タケル! タケル… 」

もう意味のある言葉は名前しか出て来ない。
腕を伸ばせば顔を近づけてくれる。首に腕を回して起こしてもらって対面座位でキスをする。しがみ付いて舌を絡めあいながら揺れると体に挟まれた前が刺激され、すぐに頂へと押し上げられる。

「ティ、スうぅぅぅ!!」
「タケル!!」

名前を呼びながら達した俺の後を追うようにティスもうねる内部に熱を吐き出した。

はぁはぁと肩で息をしながらぺったりと胸をくっつける。入れたまま吸い付くような胸の感触を感じると1つになれた感動が改めて沸き上がって来る。

「タケル、愛しています。」
「俺も…」

大好き、と続けようとしてキスで口を塞がれる。本当は愛してる、と言う気持がこれなのかまだよく判らない。ただ、2人の事が大好きで胸が痛くなる程だと言うだけ。そもそも俺には愛しているなんて言葉を口にするのはハードルが高い。それがティスには分かっていて俺が返事をし易いように先に言ってくれるのかも知れない。

「ティス、大好き。 もう一回しよ?」

優しい微笑みでうなずいて抱きしめながら背中の良い所を撫でられる。のけぞった俺の首にキスをしながら胸の肌の感触を楽しむように触る。ティスがくれる快楽を味わいながら、明け方まで睦み合った。
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