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行ってみたいな異世界へ
番外編 甘い誘惑 2
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「…治癒…」
俺は朝、目覚めてまず治癒術を自分にかけた。完治するのに少し時間がかかった。魔術に感謝を捧げよう。
朝食は、ほうれん草のキッシュとオニオンコンソメスープ、ミモザサラダにパン、バターとジャム。
お弁当はカツサンドにするからカツを揚げてキャベツの千切りと一緒にはさむ。ついでに照り焼きチキンとレタスのサンドイッチも作った。…ポテトサラダサンドも作っちゃった。スープは朝食と同じで良し、と。
シュクルさんも食べるかな?
自分の分を多めにして分ける感じで良いだろう。残ったら持って帰ってくれば良いし。
3人で朝食を食べ、先に出るティスにお弁当を渡しながらいってらっしゃいのキスをして見送る。…挨拶のキスのはずなのに息があがる程翻弄された。昨日我慢したからかな?
時間に余裕のあるストゥがシュクルさんの店まで送ってくれた。いってらっしゃいのキスは家を出る前にしている。やっぱり濃厚になっちゃったのはしばらく会えなくなるからだろう。…寂しい。
さて、気を引き締めてお仕事です!!
-----------------------------
挨拶をして店先とカフェスペースの掃除。店内はシュクルさんが終わらせている。
そこでユニフォームとして出て来た民族衣装。大人も子供も同じデザインだと聞いたけど、サスペンダー付きのハーフパンツ。しかもかなり短い。シュクルさんもこれ着るの?
「僕は似合わなくてね、初日に着てたらお客さんからやめた方が良いと言われたんだ。」
明るく笑って話してるけど、民族衣装が似合わないって傷つかない?って思ったけど甘~いイケメンが花柄刺繍入り半ズボン… 白いシャツに黒いスラックス、こげ茶色のエプロン、この姿の方が絶対良いね!
白い開襟シャツはボタンでなく革ひもが通してある。左右のサスペンダーを繋ぐパーツに花柄の刺繍があしらわれている。薄茶色のハーフパンツには濃い茶色の縁取りがされている。そして白いハイソックス。
ちょっと恥ずかしいんですけど。
「シュクルさん、これ、ちょっと恥ずかしいです…」
恐る恐る出て行くと目を輝かせてぴったりだ!似合ってる!と褒めちぎる。
「でもここはこう、折り返して…こっちは結ばないんだ。良し、できた。」
折り返すと縁取りと同じ色が出るようになっていて、ハーフパンツがショートパンツになった。開襟シャツの襟元を閉じて革ひもを結んでいたんだけど解かれて第2ボタンを外した感じになった。恥ずかしさがUPした。
試食用のチョコを用意して爪楊枝をさす。この店の繁盛が今後のチョコの供給に直結する!
準備完了、呼び込み開始!
「いらっしゃいませ~!
はるばる西の都からやって来た大人気のお菓子ですよ~!どうぞご試食なさって下さい!」
できる限り可愛い声を出す。足を止めた人をすかさず見つけ近寄って声をかける。
「ご試食いかがですか?」
トリュフを8分割した1つを差し出すが躊躇っている。
「良い香りでしょう?」
まずは香りで誘い、ほころんだ口に勝手に入れる。驚きながらすぐに蕩けるチョコにうっとりとする表情を見て内心ガッツポーズをした。
「客人の世界ではこのお菓子を好きな人に贈って愛を伝えるんですよ。」
もう一押し。
「あなたにこんなに蕩けています、って。」
嘘ですけど。製菓会社の企画です。でもそのおかげで毎年素敵な新作が食べられるんです!!
「3種類の味があります。どれでも1粒¥200!」
「え?これ1つで¥200?…確かに美味しいけどねぇ。」
やっぱり値段で渋るよね。まぁ無理強いしなくてもこの場に1人でも見ているお客さんがいる事が重要な訳で。遠くから運んで来た事と手間がかかっている事、それから今は期間限定で安くなっている事を語って引き止めていると次のお客さんがやって来た。
「いらっしゃいませ~!西の都で大人気のお菓子ですよ!ご試食されてみませんか?」
「試食?味見させてくれんのか?」
「はい、こちらです。」
そう言って試食のチョコを差し出すと向こうから食いついて来た。
「うぉ!なんだこりゃ、なんかこう…びっくりする味だな。」
「これがもう、クセになって毎日食べたくなるんですよ。」
うっとりしながら言うと
「アンタみたいなかわいこちゃんが好きそうな味かもな。うん、珍しいし、土産に1つ買ってみるか。」
3個入りを1つ買ってくれた。
「ありがとうございます!」
「そうか、贈り物…」
始めに試食した人がまだ悩んでいた。
「あの、こちらのカフェコーナーでお茶やショコラを溶かしたような飲み物もお召し上がりになれますので、よろしかったらご利用下さい。」
「うーん、そう、だな。誘ってみるよ。」
デートに来てくれると良いなぁ。ありがとうございましたと声をかけ見送る。
「こういう仕事したことあるの?」
シュクルさんにそう聞かれて、お祭りで2~3度手伝った事があります、と答える。高校の文化祭の売り子だけど。その時、先輩から客が1人もいない店は入りにくいからサクラを置くと良いとか、客が少ないうちは世間話でも良いから気安い雰囲気を作れとか教えられた。
「僕はショコラ作りの修行ばかりしていたから、売り方を知らないんだ。良い物を作っていれば売れると思っていたけど、まず知ってもらわないとだよね。」
はぁっ、とため息をついてるけどそれも間違いではないはずだ。ただ、美味しさを伝えられないうちにお店が潰れてしまっては元も子もない。
「タケル!!」
突然大きな声で呼ばれ、驚いて声の方を見れば馬車から駆け下りて来るウェーヌ様。相変わらず自由だな。
「ウェーヌ様、お久しぶ「こんな往来でなんだその可愛い姿は!!」
え?服装?
「あぁ、これはこのショコラを作っている人の国の民族衣装だそうです。」
くるっと回って衣装を見せる。似合いますか?って笑顔で聞くと姫抱っこで運ばれそうになる。
「こんなに可愛いタケルは私の部屋に飾られるのが相応しい!」
「ふふっ、そんな冗談も言えるんですね。」
クスクス笑いながら言うと本気なのだが、と不満そうな顔をする。
「そうだ!このショコラを王様達にもぜひ食べて頂きたいんですけど、どう届けたら良いですか?」
王様達7人分と宰相さん、前王陛下とスキエンティア師にも届けたいかな?
「ショコラ?」
いつまでも下ろしてくれないので抗議しつつ、試食を薦めるとようやく下ろしてくれた。
「はい、これ。」
試食用のショコラをウェーヌ様の口に入れると、驚いた顔で固まっている。どーだ、驚いたか!
「美味しい…」
「あ!シュクルさん、こちら第…「第三王子のウェヌスタだ。」
やっぱりそっちで通すのか。
「え!タケルは王子様と知り合いなの?」
「ええ、俺、客人だから国王陛下が後見してくれてるんです。それで王族の方々とも面識があるんです。」
「面識がある、なんて言い方したらウィオラが怒るよ?」
落ち着きを取り戻したウェーヌ様に突っ込まれる。
「そうですね、ウィオラねえさまに叱られますね。俺、称号の中に「王族の弟」ってあるんですよ?この称号って何なんでしょう?」
ひたすら驚くシュクルさんを放置してケラケラ笑っているといつの間にか来ていたペルさんが王様達へ届けてくれると言うので自分で会計して黒い石に手をかざす。6個入りを10箱購入。1つはペルさんの分。
遠慮するペルさんに押し付けるように渡してお願いする。どこかへ行く途中じゃなかったの?
「あぁ、ちょうど帰って来た所だからまっすぐ王宮へ行くよ。それにしても…」
「ひゃぁ!」
「肌を出し過ぎだ。」
俺もちょっと恥ずかしいと思ってるんだからあんまり言わないで。あとおさわり禁止!!他にお客さんがいなくて良かった。
「そんなに肌出し過ぎかな? 聞いてなかったけど、タケルは何歳?」
「18歳です。」
「えぇ!? 12~13歳じゃないの?」
「…冒険者ギルドで依頼を受けられるのは15歳以上です…」
まぁね、判ってたけどね、でも見た目がどうあれ依頼を受けたんだから15歳以上なんだって気づこうか。
「そうか、18歳でそれはまずい、のか…?」
児ポ的には子供の露出が問題だけど、足はべつに何歳だろうと何でも無いよね?
「あんまり悩まれると恥ずかしくなってくるんですけど……」
他にも言われたら考えましょう、と言ってまた呼び込みを再開した。冒険者とか珍しい物好きそうだけど、依頼で出かけてるのかな?それなら夕方が狙い目かな?
お昼頃少し売れて、closed の札を下げ遅めの昼食を食べる。シュクルさんが昼食を買いに行こうとしたので持って来たサンドイッチを一緒に食べるよう勧めた。スープカップは無かったのでカフェオレボウルを借りた。
「美味い!これは初めての味と食べ方だ。」
ここでもやっぱり大正義!カツサンド様、テリヤキサンド様!デザートにショコラを1つ貰った。ナッツ入りにした。
午後もちらほらとしか売れず、呼び込みも無理せず続ける。夕方以降、冒険者が戻ってくるのを待つ。
「あ!シュクルさん、俺、ちょっと冒険者ギルドに張り紙お願いして来ようと思うんですけど良いですか?」
「冒険者ギルドに張り紙?」
「はい。少し前にカツサンドをみんなに試食してもらった事があって人気だったんですよ。だから俺のおススメ、って張り紙出したら来てくれる冒険者がいると思うんです。」
なるほど、と頷いてくれたので急いでギルドへ行く。
「んぎぎぎぎ…!」
ギルドの扉がまだ開けられない。
全体重をかけてやっと開きかけたと思ったら突然、扉が軽くなって中から開けた人の胸に飛び込んでしまった。
「ご、ごめんなさい!!」
俺がぶつかったくらいではびくともせず受け止めてくれた。
「お?よう坊主!前は治癒してくれてありがとうな!」
誰だっけ?
「すみません、えっと…」
「腕試しで坊主の恋人に投げ飛ばされたおっちゃんだよ。」
あの時の!今は冒険者に戻って鍛え直して「打倒ストゥ!」だそうだ。韻を踏んでいる…
俺はショコラの宣伝をしてぜひ食べてみて下さい、って伝えた。
そして受け付けに相談して張り紙を出す。1週間で¥3,000。広告料だな。
張り紙には「客人おススメ!蕩けるショコラ 食後のデザートに。恋人との甘いひとときに。遥か遠い西の都からお届けに来ました。」と書いてもらった。文才が欲しかったな~。
俺は朝、目覚めてまず治癒術を自分にかけた。完治するのに少し時間がかかった。魔術に感謝を捧げよう。
朝食は、ほうれん草のキッシュとオニオンコンソメスープ、ミモザサラダにパン、バターとジャム。
お弁当はカツサンドにするからカツを揚げてキャベツの千切りと一緒にはさむ。ついでに照り焼きチキンとレタスのサンドイッチも作った。…ポテトサラダサンドも作っちゃった。スープは朝食と同じで良し、と。
シュクルさんも食べるかな?
自分の分を多めにして分ける感じで良いだろう。残ったら持って帰ってくれば良いし。
3人で朝食を食べ、先に出るティスにお弁当を渡しながらいってらっしゃいのキスをして見送る。…挨拶のキスのはずなのに息があがる程翻弄された。昨日我慢したからかな?
時間に余裕のあるストゥがシュクルさんの店まで送ってくれた。いってらっしゃいのキスは家を出る前にしている。やっぱり濃厚になっちゃったのはしばらく会えなくなるからだろう。…寂しい。
さて、気を引き締めてお仕事です!!
-----------------------------
挨拶をして店先とカフェスペースの掃除。店内はシュクルさんが終わらせている。
そこでユニフォームとして出て来た民族衣装。大人も子供も同じデザインだと聞いたけど、サスペンダー付きのハーフパンツ。しかもかなり短い。シュクルさんもこれ着るの?
「僕は似合わなくてね、初日に着てたらお客さんからやめた方が良いと言われたんだ。」
明るく笑って話してるけど、民族衣装が似合わないって傷つかない?って思ったけど甘~いイケメンが花柄刺繍入り半ズボン… 白いシャツに黒いスラックス、こげ茶色のエプロン、この姿の方が絶対良いね!
白い開襟シャツはボタンでなく革ひもが通してある。左右のサスペンダーを繋ぐパーツに花柄の刺繍があしらわれている。薄茶色のハーフパンツには濃い茶色の縁取りがされている。そして白いハイソックス。
ちょっと恥ずかしいんですけど。
「シュクルさん、これ、ちょっと恥ずかしいです…」
恐る恐る出て行くと目を輝かせてぴったりだ!似合ってる!と褒めちぎる。
「でもここはこう、折り返して…こっちは結ばないんだ。良し、できた。」
折り返すと縁取りと同じ色が出るようになっていて、ハーフパンツがショートパンツになった。開襟シャツの襟元を閉じて革ひもを結んでいたんだけど解かれて第2ボタンを外した感じになった。恥ずかしさがUPした。
試食用のチョコを用意して爪楊枝をさす。この店の繁盛が今後のチョコの供給に直結する!
準備完了、呼び込み開始!
「いらっしゃいませ~!
はるばる西の都からやって来た大人気のお菓子ですよ~!どうぞご試食なさって下さい!」
できる限り可愛い声を出す。足を止めた人をすかさず見つけ近寄って声をかける。
「ご試食いかがですか?」
トリュフを8分割した1つを差し出すが躊躇っている。
「良い香りでしょう?」
まずは香りで誘い、ほころんだ口に勝手に入れる。驚きながらすぐに蕩けるチョコにうっとりとする表情を見て内心ガッツポーズをした。
「客人の世界ではこのお菓子を好きな人に贈って愛を伝えるんですよ。」
もう一押し。
「あなたにこんなに蕩けています、って。」
嘘ですけど。製菓会社の企画です。でもそのおかげで毎年素敵な新作が食べられるんです!!
「3種類の味があります。どれでも1粒¥200!」
「え?これ1つで¥200?…確かに美味しいけどねぇ。」
やっぱり値段で渋るよね。まぁ無理強いしなくてもこの場に1人でも見ているお客さんがいる事が重要な訳で。遠くから運んで来た事と手間がかかっている事、それから今は期間限定で安くなっている事を語って引き止めていると次のお客さんがやって来た。
「いらっしゃいませ~!西の都で大人気のお菓子ですよ!ご試食されてみませんか?」
「試食?味見させてくれんのか?」
「はい、こちらです。」
そう言って試食のチョコを差し出すと向こうから食いついて来た。
「うぉ!なんだこりゃ、なんかこう…びっくりする味だな。」
「これがもう、クセになって毎日食べたくなるんですよ。」
うっとりしながら言うと
「アンタみたいなかわいこちゃんが好きそうな味かもな。うん、珍しいし、土産に1つ買ってみるか。」
3個入りを1つ買ってくれた。
「ありがとうございます!」
「そうか、贈り物…」
始めに試食した人がまだ悩んでいた。
「あの、こちらのカフェコーナーでお茶やショコラを溶かしたような飲み物もお召し上がりになれますので、よろしかったらご利用下さい。」
「うーん、そう、だな。誘ってみるよ。」
デートに来てくれると良いなぁ。ありがとうございましたと声をかけ見送る。
「こういう仕事したことあるの?」
シュクルさんにそう聞かれて、お祭りで2~3度手伝った事があります、と答える。高校の文化祭の売り子だけど。その時、先輩から客が1人もいない店は入りにくいからサクラを置くと良いとか、客が少ないうちは世間話でも良いから気安い雰囲気を作れとか教えられた。
「僕はショコラ作りの修行ばかりしていたから、売り方を知らないんだ。良い物を作っていれば売れると思っていたけど、まず知ってもらわないとだよね。」
はぁっ、とため息をついてるけどそれも間違いではないはずだ。ただ、美味しさを伝えられないうちにお店が潰れてしまっては元も子もない。
「タケル!!」
突然大きな声で呼ばれ、驚いて声の方を見れば馬車から駆け下りて来るウェーヌ様。相変わらず自由だな。
「ウェーヌ様、お久しぶ「こんな往来でなんだその可愛い姿は!!」
え?服装?
「あぁ、これはこのショコラを作っている人の国の民族衣装だそうです。」
くるっと回って衣装を見せる。似合いますか?って笑顔で聞くと姫抱っこで運ばれそうになる。
「こんなに可愛いタケルは私の部屋に飾られるのが相応しい!」
「ふふっ、そんな冗談も言えるんですね。」
クスクス笑いながら言うと本気なのだが、と不満そうな顔をする。
「そうだ!このショコラを王様達にもぜひ食べて頂きたいんですけど、どう届けたら良いですか?」
王様達7人分と宰相さん、前王陛下とスキエンティア師にも届けたいかな?
「ショコラ?」
いつまでも下ろしてくれないので抗議しつつ、試食を薦めるとようやく下ろしてくれた。
「はい、これ。」
試食用のショコラをウェーヌ様の口に入れると、驚いた顔で固まっている。どーだ、驚いたか!
「美味しい…」
「あ!シュクルさん、こちら第…「第三王子のウェヌスタだ。」
やっぱりそっちで通すのか。
「え!タケルは王子様と知り合いなの?」
「ええ、俺、客人だから国王陛下が後見してくれてるんです。それで王族の方々とも面識があるんです。」
「面識がある、なんて言い方したらウィオラが怒るよ?」
落ち着きを取り戻したウェーヌ様に突っ込まれる。
「そうですね、ウィオラねえさまに叱られますね。俺、称号の中に「王族の弟」ってあるんですよ?この称号って何なんでしょう?」
ひたすら驚くシュクルさんを放置してケラケラ笑っているといつの間にか来ていたペルさんが王様達へ届けてくれると言うので自分で会計して黒い石に手をかざす。6個入りを10箱購入。1つはペルさんの分。
遠慮するペルさんに押し付けるように渡してお願いする。どこかへ行く途中じゃなかったの?
「あぁ、ちょうど帰って来た所だからまっすぐ王宮へ行くよ。それにしても…」
「ひゃぁ!」
「肌を出し過ぎだ。」
俺もちょっと恥ずかしいと思ってるんだからあんまり言わないで。あとおさわり禁止!!他にお客さんがいなくて良かった。
「そんなに肌出し過ぎかな? 聞いてなかったけど、タケルは何歳?」
「18歳です。」
「えぇ!? 12~13歳じゃないの?」
「…冒険者ギルドで依頼を受けられるのは15歳以上です…」
まぁね、判ってたけどね、でも見た目がどうあれ依頼を受けたんだから15歳以上なんだって気づこうか。
「そうか、18歳でそれはまずい、のか…?」
児ポ的には子供の露出が問題だけど、足はべつに何歳だろうと何でも無いよね?
「あんまり悩まれると恥ずかしくなってくるんですけど……」
他にも言われたら考えましょう、と言ってまた呼び込みを再開した。冒険者とか珍しい物好きそうだけど、依頼で出かけてるのかな?それなら夕方が狙い目かな?
お昼頃少し売れて、closed の札を下げ遅めの昼食を食べる。シュクルさんが昼食を買いに行こうとしたので持って来たサンドイッチを一緒に食べるよう勧めた。スープカップは無かったのでカフェオレボウルを借りた。
「美味い!これは初めての味と食べ方だ。」
ここでもやっぱり大正義!カツサンド様、テリヤキサンド様!デザートにショコラを1つ貰った。ナッツ入りにした。
午後もちらほらとしか売れず、呼び込みも無理せず続ける。夕方以降、冒険者が戻ってくるのを待つ。
「あ!シュクルさん、俺、ちょっと冒険者ギルドに張り紙お願いして来ようと思うんですけど良いですか?」
「冒険者ギルドに張り紙?」
「はい。少し前にカツサンドをみんなに試食してもらった事があって人気だったんですよ。だから俺のおススメ、って張り紙出したら来てくれる冒険者がいると思うんです。」
なるほど、と頷いてくれたので急いでギルドへ行く。
「んぎぎぎぎ…!」
ギルドの扉がまだ開けられない。
全体重をかけてやっと開きかけたと思ったら突然、扉が軽くなって中から開けた人の胸に飛び込んでしまった。
「ご、ごめんなさい!!」
俺がぶつかったくらいではびくともせず受け止めてくれた。
「お?よう坊主!前は治癒してくれてありがとうな!」
誰だっけ?
「すみません、えっと…」
「腕試しで坊主の恋人に投げ飛ばされたおっちゃんだよ。」
あの時の!今は冒険者に戻って鍛え直して「打倒ストゥ!」だそうだ。韻を踏んでいる…
俺はショコラの宣伝をしてぜひ食べてみて下さい、って伝えた。
そして受け付けに相談して張り紙を出す。1週間で¥3,000。広告料だな。
張り紙には「客人おススメ!蕩けるショコラ 食後のデザートに。恋人との甘いひとときに。遥か遠い西の都からお届けに来ました。」と書いてもらった。文才が欲しかったな~。
1
「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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