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行ってみたいな異世界へ
24 現地到着
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キスだけでイクと言う奇跡を経験してしまったので遠征中はディープなキスは禁止です。
…思い出すのもダメ。
優しいキスで眠って優しいキスで目覚める。って、めっちゃ恥ずかしい!めっちゃ幸せ!!
人間がダメになる…。なんなの?夢の世界なの!?
我に返って朝食の配給を受け取りに行く。
パンとスープとスクランブルエッグとウィンナー。昼食は向こうに着いてからだから心配しなくて良い。
大根サラダだけでも作ろうかな?
向こうに早く着いて狩りをしたいと言うのでサラダも作らずにある物だけ食べる。食後にドライフルーツをつまんでデザート代わり。
荷造りをして出発!
**********************
馬車の中ではアラケルさんが色々話しかけてきた。驚いた事に料理に目覚めたらしい。
でも斜め後の席のアラケルさんと喋ってたら馬車に酔った。
酔い止めのハーブを噛みながらストゥさんにぐったりもたれ掛かってたらしてたらティスさんがヤキモチ焼いた。
目的地に到着して馬車から降りる時、ストゥさんが運ぼうとしたらティスさんとケンカになりそうな雰囲気だったので
「ずっと凭れさせてもらってありがとうございました。」
ってストゥさんの耳元でささやいて、ティスさんに抱きついて運んで下さい、ってお強請りしたらうやむやになった。
俺、グッジョブ!
…まぁ、バレバレだとは思うけどね。
ストゥさんが手早くテントを用意してくれて中で休む。ストゥさんが3人分のお昼を持って来る、と言って側を離れた。
「タケル…気を遣わせてすみません…。」
やっぱりバレてるよね。
横になってる俺の隣に膝をついてしょんぼりするティスさんに笑いかける。
「俺の方こそ…振り回してすみません。」
ティスさんの手を撫でながら言うけど反応はない。
「ほら昼飯だぞ。食えそうか?」
だいぶ良くなってきたのでスープをゆっくり飲んで様子見だ。
「ティス、昼飯食べたら夕飯の肉を狩りに行くぞ。」
「美味しくしますからたくさん獲ってきて下さいね。」
そう言っても力なく頷くだけ。頭をガリガリ掻きながらストゥさんが言う。
「欲しいもんは欲しいとはっきり言え。丸ごとは譲れないが順番ぐらい譲ってやる。タケルに気を使わせるな。」
「もう家族と同じ程度しか気を使ってませんけどね。」
俺が混ぜっ返すと驚いた顔をして、ようやく笑った。
パンを残して肉野菜炒めと言うより野菜肉炒めとでも言うべきバランスの1品を食べてお茶を淹れているとストゥさんがにやにやしながら言った。
「タケル、さっきのあれはヤベェから遠征中はすんなよ。」
? あれって???
「お前に耳元で囁かれたら勃つだろうが。」
「お礼言っただけじゃないですか!!」
「あの声は私も危なかったですよ。」
ティスさんには気を逸らそうと思ってたからちょっとは狙ったかも。
「じゃぁ、帰ったらですね。」
えへへと笑って言うと2人からあざとい…って言われた。俺、あざといの?
**********************
みんなが昼食を食べ終わって狩りに出かける。明日から狩りまくると言うのに準備運動とばかり出かけて行く。飽くなき食欲である。
俺を心配して待っててくれたアラケルはストゥさん達と一緒に狩りに行った。
夕飯に添える予定の乾燥豆を水につけておく。
後はまだ仕事は無いのでちょっと地底探査。
グラスやアルミホイルを作った時の地中の素材を調べる応用で温泉探せないかなー、と。
鉱物ではないけどH2Oを探せば温泉じゃなくても水源は探せるんじゃないかな?これだけ草に覆われてる土地に水源が無いなんて絶対おかしい。
そうは言っても初心者の探査術では反応は見つけられなかった。魔方陣が描ければもっと効率よく探し出せるのかな?今度調べてみよう。
手応えの無い探査に飽きて食事の準備の手伝いに行く。
とにかく大量のパンを焼いて大量のシチューを作る。野菜の皮むきを手伝おうとしたら根菜は皮なんて剥かないそうだ。皮に栄養があるって言うしね。でもさすがにタマネギの薄皮は剥くようなので、手伝いを申し出た。ひと撫ですれば薄皮は消滅。いや消却? 火の魔術でいらない部分を燃やしちゃうので一瞬です。
こういうやり方してたら注目を浴びてしまった。
こういうやり方、誰もやらないの?
これも秘密にしておいた方が良かったかな?
野菜を切って鍋を火にかけたらパンを手伝う。今夜の分の無発酵パンと明日以降の分の日持ちのする発酵パンを焼くから、いくら焼いてもキリが無い。それにしても大きな石釜ってかっこいいなー。
3時間くらいして狩人達が戻ってきた。50人を超える狩人は20頭の大鹿と30匹の大ウサギを持ち帰った。唐揚げ祭!大鹿の脂身を追加でもらい昨日の油と合わせて揚げまくる!大鹿5頭は明日の昼食になるようだ。
今までこの大規模討伐で協力しあって狩りをする事はなかったので今年は配給が増えたとみんな大喜びしている。流れってあるよね。
「おかえりなさい!」
ストゥさん達が見えたので笑顔で手を振ると3人でこちらに歩いてくる。凄い数の獲物ですね、と言うと明日は魔獣も狩るからもっと多くなると言う。俺も医療班になるので料理ばかりはしていられないな。
夕食の前に班ごとの顔合わせがあるそうだ。医療班10人。ちょっと緊張する。
下味の付け方も揚げ方も料理班の人は既に教えてあるので、お任せして医療班の顔合わせに行く。
おお!班長さん鮮やかな緑髪だ!青髪に青髪メッシュ、赤髪、オレンジ髪もいる!でも全体的にはっきりした色合いで、パステルカラーは見当たらない。黒髪は俺1人。……チビも俺1人。茶髪も1人。
キリッとしていかにもエリートな班長さんは美人。青髪さんは爽やかイケメン。青髪メッシュはチャラく見えるけどメッシュのせいか?赤髪さんはたれ目のフェロモンだだ漏れ系。オレンジ髪は背もそれほど高くなく可愛い癒し系で人なつこい。色々話しかけてくれる。茶髪は前髪長くて顔が分からない。実は超絶美人?
「今回の医療班はこの7人だ。あまり小さな怪我は治さなくて良い。動ければ充分なので魔力を温存しながら治癒にあたってくれ。毒と麻痺は後が面倒だからしっかり治すように!」
7人しかいなかった。名前だけの自己紹介の後、指示はこれだけ。後、今年初参加は俺だけなので無理しないように、って言ってくれた。護符の追加は救護所の奥にあるから、って言われたけど何の事だろう?
「すみません、護符って…?」
「何!? お前、客人だったな。どうやって治癒してる?」
こうやって、と説明したら呆れられた。
「フォンス!このド新人に教えてやれ!!」
オレンジ髪くんに丸投げされた。救護所の奥に案内されて護符の説明を受ける。
5cm四方の布に淡い色で魔方陣が描かれている。これを光属性の魔力でなぞり描きすれば護符の完成。前もってこれを作っておけば魔力の節約ができる。と言う事だった。10枚セットで200円。護符にしてギルドに売れば800円で買い取ってくれる。そして護符の販売価格は1枚1500円… 商売だからね。
護符は使用期限が無い分、ポーションより高いし起動に魔力を込める必要があるから剣士にとっては戦いながらでは使い勝手が悪い。
だいたいポーション持参で来てるけど、重傷だと効力が足りないから治癒術師が治癒する。
怪我用3セット解毒1セット麻痺解除1セットを購入して護符作りにチャレンジ!
どの順番で描くと楽だとかここはちゃんと繋げるとかフォンス君はとっても親切に教えてくれた。ポイントを教えてもらいながら1つずつ描き終わった所にストゥさんが迎えに来てくれた。
「タケル!…と、フォンス?」
知り合いかな?俺が遅いから呼びに来てくれたんだけどフォンス君と知り合いだったみたい。
「ストゥとよりを戻したくて会いに来たんだよ?」
爆弾発言来たー!!
立ち上がってストゥさんに腕を絡めるフォンスさんを見て胸がきゅうっとなる。これ、嫉妬?
「振ったのはお前だろうが。もうお前に未練はねぇ。」
押しのけて距離を取りながら面倒くさそうに言うストゥさんに諦めるそぶりも見せないフォンス君。行くぞ、と促されて護符をまとめてまた明日、と挨拶してフォンス君から離れる。明日ねー、と明るく言ってくれるのが嬉しい様な複雑な気持ち。
ティスさんとアラケルさんと合流して夕食。水に浸けておいた豆でサラダを作って一品追加。
お酒を飲む3人の所に旧知の人達がちらほらやってくるのを横目で見ながら護符作り。50枚全部完成した頃にはだいぶ遅くなっていた。
立ち上がるとアラケルさんが帰って行く所でちょうど良かったらしい。
テントに入って横になると、ストゥさんが言った。
「ティス、フォンスに会った。俺とよりを戻したいって…」
「フォンスは治療院勤務だと思ってましたが、そうですか。まだ気になりますか?」
俺を挟んでの会話だから俺も聞いて良いんだよね?
「…気にならないと言ったら嘘になるが、よりを戻す気なんかさらさらねぇ。」
「二股掛けられましたのが辛かったんですか?」
え!?二股掛けられたのが辛かったんなら今の状況は?
「タケル…あいつとお前は違う。あいつは取り合いをされたかったんだ。だがオレは甘やかすばかりで相手に譲って…つまらないと振られた。一時期は三股かけられてたみたいだしな。」
「ひどい…」
この優しい人をそんな風に扱うなんて! 良い人だと思ったのに…
「そう言う訳だから、あいつの事は気にしないで欲しい。お前に疑われたり身を引こうとされたりするのが一番不安なんだ。」
俺の手を握るストゥさんの手を はい、と返事をして引き寄せて指先に軽くキスをした。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
「タケル、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
ティスさんにも手の指におやすみのキスをする。
明日、がんばろう。
…思い出すのもダメ。
優しいキスで眠って優しいキスで目覚める。って、めっちゃ恥ずかしい!めっちゃ幸せ!!
人間がダメになる…。なんなの?夢の世界なの!?
我に返って朝食の配給を受け取りに行く。
パンとスープとスクランブルエッグとウィンナー。昼食は向こうに着いてからだから心配しなくて良い。
大根サラダだけでも作ろうかな?
向こうに早く着いて狩りをしたいと言うのでサラダも作らずにある物だけ食べる。食後にドライフルーツをつまんでデザート代わり。
荷造りをして出発!
**********************
馬車の中ではアラケルさんが色々話しかけてきた。驚いた事に料理に目覚めたらしい。
でも斜め後の席のアラケルさんと喋ってたら馬車に酔った。
酔い止めのハーブを噛みながらストゥさんにぐったりもたれ掛かってたらしてたらティスさんがヤキモチ焼いた。
目的地に到着して馬車から降りる時、ストゥさんが運ぼうとしたらティスさんとケンカになりそうな雰囲気だったので
「ずっと凭れさせてもらってありがとうございました。」
ってストゥさんの耳元でささやいて、ティスさんに抱きついて運んで下さい、ってお強請りしたらうやむやになった。
俺、グッジョブ!
…まぁ、バレバレだとは思うけどね。
ストゥさんが手早くテントを用意してくれて中で休む。ストゥさんが3人分のお昼を持って来る、と言って側を離れた。
「タケル…気を遣わせてすみません…。」
やっぱりバレてるよね。
横になってる俺の隣に膝をついてしょんぼりするティスさんに笑いかける。
「俺の方こそ…振り回してすみません。」
ティスさんの手を撫でながら言うけど反応はない。
「ほら昼飯だぞ。食えそうか?」
だいぶ良くなってきたのでスープをゆっくり飲んで様子見だ。
「ティス、昼飯食べたら夕飯の肉を狩りに行くぞ。」
「美味しくしますからたくさん獲ってきて下さいね。」
そう言っても力なく頷くだけ。頭をガリガリ掻きながらストゥさんが言う。
「欲しいもんは欲しいとはっきり言え。丸ごとは譲れないが順番ぐらい譲ってやる。タケルに気を使わせるな。」
「もう家族と同じ程度しか気を使ってませんけどね。」
俺が混ぜっ返すと驚いた顔をして、ようやく笑った。
パンを残して肉野菜炒めと言うより野菜肉炒めとでも言うべきバランスの1品を食べてお茶を淹れているとストゥさんがにやにやしながら言った。
「タケル、さっきのあれはヤベェから遠征中はすんなよ。」
? あれって???
「お前に耳元で囁かれたら勃つだろうが。」
「お礼言っただけじゃないですか!!」
「あの声は私も危なかったですよ。」
ティスさんには気を逸らそうと思ってたからちょっとは狙ったかも。
「じゃぁ、帰ったらですね。」
えへへと笑って言うと2人からあざとい…って言われた。俺、あざといの?
**********************
みんなが昼食を食べ終わって狩りに出かける。明日から狩りまくると言うのに準備運動とばかり出かけて行く。飽くなき食欲である。
俺を心配して待っててくれたアラケルはストゥさん達と一緒に狩りに行った。
夕飯に添える予定の乾燥豆を水につけておく。
後はまだ仕事は無いのでちょっと地底探査。
グラスやアルミホイルを作った時の地中の素材を調べる応用で温泉探せないかなー、と。
鉱物ではないけどH2Oを探せば温泉じゃなくても水源は探せるんじゃないかな?これだけ草に覆われてる土地に水源が無いなんて絶対おかしい。
そうは言っても初心者の探査術では反応は見つけられなかった。魔方陣が描ければもっと効率よく探し出せるのかな?今度調べてみよう。
手応えの無い探査に飽きて食事の準備の手伝いに行く。
とにかく大量のパンを焼いて大量のシチューを作る。野菜の皮むきを手伝おうとしたら根菜は皮なんて剥かないそうだ。皮に栄養があるって言うしね。でもさすがにタマネギの薄皮は剥くようなので、手伝いを申し出た。ひと撫ですれば薄皮は消滅。いや消却? 火の魔術でいらない部分を燃やしちゃうので一瞬です。
こういうやり方してたら注目を浴びてしまった。
こういうやり方、誰もやらないの?
これも秘密にしておいた方が良かったかな?
野菜を切って鍋を火にかけたらパンを手伝う。今夜の分の無発酵パンと明日以降の分の日持ちのする発酵パンを焼くから、いくら焼いてもキリが無い。それにしても大きな石釜ってかっこいいなー。
3時間くらいして狩人達が戻ってきた。50人を超える狩人は20頭の大鹿と30匹の大ウサギを持ち帰った。唐揚げ祭!大鹿の脂身を追加でもらい昨日の油と合わせて揚げまくる!大鹿5頭は明日の昼食になるようだ。
今までこの大規模討伐で協力しあって狩りをする事はなかったので今年は配給が増えたとみんな大喜びしている。流れってあるよね。
「おかえりなさい!」
ストゥさん達が見えたので笑顔で手を振ると3人でこちらに歩いてくる。凄い数の獲物ですね、と言うと明日は魔獣も狩るからもっと多くなると言う。俺も医療班になるので料理ばかりはしていられないな。
夕食の前に班ごとの顔合わせがあるそうだ。医療班10人。ちょっと緊張する。
下味の付け方も揚げ方も料理班の人は既に教えてあるので、お任せして医療班の顔合わせに行く。
おお!班長さん鮮やかな緑髪だ!青髪に青髪メッシュ、赤髪、オレンジ髪もいる!でも全体的にはっきりした色合いで、パステルカラーは見当たらない。黒髪は俺1人。……チビも俺1人。茶髪も1人。
キリッとしていかにもエリートな班長さんは美人。青髪さんは爽やかイケメン。青髪メッシュはチャラく見えるけどメッシュのせいか?赤髪さんはたれ目のフェロモンだだ漏れ系。オレンジ髪は背もそれほど高くなく可愛い癒し系で人なつこい。色々話しかけてくれる。茶髪は前髪長くて顔が分からない。実は超絶美人?
「今回の医療班はこの7人だ。あまり小さな怪我は治さなくて良い。動ければ充分なので魔力を温存しながら治癒にあたってくれ。毒と麻痺は後が面倒だからしっかり治すように!」
7人しかいなかった。名前だけの自己紹介の後、指示はこれだけ。後、今年初参加は俺だけなので無理しないように、って言ってくれた。護符の追加は救護所の奥にあるから、って言われたけど何の事だろう?
「すみません、護符って…?」
「何!? お前、客人だったな。どうやって治癒してる?」
こうやって、と説明したら呆れられた。
「フォンス!このド新人に教えてやれ!!」
オレンジ髪くんに丸投げされた。救護所の奥に案内されて護符の説明を受ける。
5cm四方の布に淡い色で魔方陣が描かれている。これを光属性の魔力でなぞり描きすれば護符の完成。前もってこれを作っておけば魔力の節約ができる。と言う事だった。10枚セットで200円。護符にしてギルドに売れば800円で買い取ってくれる。そして護符の販売価格は1枚1500円… 商売だからね。
護符は使用期限が無い分、ポーションより高いし起動に魔力を込める必要があるから剣士にとっては戦いながらでは使い勝手が悪い。
だいたいポーション持参で来てるけど、重傷だと効力が足りないから治癒術師が治癒する。
怪我用3セット解毒1セット麻痺解除1セットを購入して護符作りにチャレンジ!
どの順番で描くと楽だとかここはちゃんと繋げるとかフォンス君はとっても親切に教えてくれた。ポイントを教えてもらいながら1つずつ描き終わった所にストゥさんが迎えに来てくれた。
「タケル!…と、フォンス?」
知り合いかな?俺が遅いから呼びに来てくれたんだけどフォンス君と知り合いだったみたい。
「ストゥとよりを戻したくて会いに来たんだよ?」
爆弾発言来たー!!
立ち上がってストゥさんに腕を絡めるフォンスさんを見て胸がきゅうっとなる。これ、嫉妬?
「振ったのはお前だろうが。もうお前に未練はねぇ。」
押しのけて距離を取りながら面倒くさそうに言うストゥさんに諦めるそぶりも見せないフォンス君。行くぞ、と促されて護符をまとめてまた明日、と挨拶してフォンス君から離れる。明日ねー、と明るく言ってくれるのが嬉しい様な複雑な気持ち。
ティスさんとアラケルさんと合流して夕食。水に浸けておいた豆でサラダを作って一品追加。
お酒を飲む3人の所に旧知の人達がちらほらやってくるのを横目で見ながら護符作り。50枚全部完成した頃にはだいぶ遅くなっていた。
立ち上がるとアラケルさんが帰って行く所でちょうど良かったらしい。
テントに入って横になると、ストゥさんが言った。
「ティス、フォンスに会った。俺とよりを戻したいって…」
「フォンスは治療院勤務だと思ってましたが、そうですか。まだ気になりますか?」
俺を挟んでの会話だから俺も聞いて良いんだよね?
「…気にならないと言ったら嘘になるが、よりを戻す気なんかさらさらねぇ。」
「二股掛けられましたのが辛かったんですか?」
え!?二股掛けられたのが辛かったんなら今の状況は?
「タケル…あいつとお前は違う。あいつは取り合いをされたかったんだ。だがオレは甘やかすばかりで相手に譲って…つまらないと振られた。一時期は三股かけられてたみたいだしな。」
「ひどい…」
この優しい人をそんな風に扱うなんて! 良い人だと思ったのに…
「そう言う訳だから、あいつの事は気にしないで欲しい。お前に疑われたり身を引こうとされたりするのが一番不安なんだ。」
俺の手を握るストゥさんの手を はい、と返事をして引き寄せて指先に軽くキスをした。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
「タケル、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
ティスさんにも手の指におやすみのキスをする。
明日、がんばろう。
1
「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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