召喚農夫の田舎暮らし

香月ミツほ

文字の大きさ
上 下
26 / 32

番外 りんちゃん

しおりを挟む
スイを見つけたのは2年ほど前。
なんだかやけに魔力濃度の高い場所があって気になって行って見たら、魔獣に囲まれて楽しそうに笑うスイが居た。

人型の……ワームもいる。

スイと寄り添うように地面に座るワームはかなり高位の存在である事が分かるが王だとは思わなかった。……と言うか興味がなかった。

ボクの興味は魔獣と遊ぶニンゲン。

ニンゲンは他の生き物と違って体力も技量も魔力量もてんでバラバラ。個体差が激しい種族。

そしてスイは攻撃力がほとんどなさそうなのに魔力は今まで見た中で1番多い。ボクは誘われるように近づいた。

「だあれ?」
『麒麟か』
「きりん……? じゃあ、りんちゃん!」

勝手に名を付けられたが正式な契約ではないので支配力はほぼ無いに等しい。これほど魔力量が多くなければ、勝手に名付けたとしても支配力は皆無だ。

でも…… 心地良くて支配されたくなる。

麒麟の姿で頭をぐいぐい押し付けていたずらすると、スイは嬉しそうに笑って友達になってね、と言った。



それからしばらくは喚び方が分からなかったようで、スイから喚ばれる事は無かった。

《りんちゃーん!》

1年後、ようやく魔力を乗せた声を出せるようになったスイに契約印を授け、いつでも召喚に応じる意思を伝えた。けれど、契約印を知らないスイはただカッコいいと喜ぶだけだった。

勝手に世話をする事を決めたボクは、精霊や魔獣しかいない異界から常にスイを見つめ、町に出かける時は進んで荷とスイを乗せた。

「りんちゃん、いつもありがとう!」

そう言って撫でてくれるのが気持ちいい。
でも麒麟の姿のままでは言葉が喋れなくて、とてももどかしかった。人型を望まれないと変化へんげはできないし、変化へんげしなくては喋る事が出来ない。

やがてブリアンとファーガスと言うニンゲンがスイを気に入り、交わるようになった。スイが嬉しそうで幸せそうで、覗いているとボクまで嬉しくなる。

でも不満。

なんでスイから溢れた魔力の塊をほんの少ししか飲まずに捨ててしまうのか? ニンゲンには不要な物なのか?

もたもたしていたらワームに先を越された。

「りんちゃんも人型になれるの?」
『スイ、好き。やっと言える』
「りんちゃんがぼくを好きな事なら知ってたよ?」
『ボクたちは人型を望まれなければその姿をとることはできない。ぼくはスイが好きだから何でもしてあげたい。その代わり、スイをちょうだい?』 

初め、ブリアンは嫌がってたけど精が欲しいといったら納得してくれてさらに協力までしてくれた。どうしたらボクが気持ちいいか、スイが喜んで精を注いでくれるか。

疲れているスイをベッドの上で誘い、ささっと精をもらって帰る気で居た。正直、ここまで気持ち良いとは思わなかった。

『スイ、疲れてるでしょ? 早くちょうだい? それで休んで?』

ベッドの上に乗って胎内に直接注いでもらおうとお尻を見せながら振る。口からでは効率が落ちることは本能が教えてくれた。

「えぇっ!? そ…… そこに入れるの? ぼくが?」

戸惑うスイ。
いつもスイは受け入れる側で入れた事は無いから。

『入れて? だって気持良いんでしょ?』
「気持良いけど、巧く出来る自信がないよぅ」
「スイ、まずは様子を見ましょう。りんちゃん、私も手伝っていいですね?」

僕が欲しいのはスイの精だから、スイが巧くできるって事は分かっている。でも確かにブリアンに手伝ってもらった方が確実だと思ったので、良いよー、と答えた。

お尻をフニフニと触られてムズムズしてくすぐったい。人型になったのが初めてだから、触られる感覚がこんなにも直接的だと思わなかった。いつもよりはっきりとスイの小さな、優しい手を感じる。ぬるぬるとした物をまとってその指が中に入ってきた。

「りんちゃん、痛くない?」
『痛くないよ!』
「じゃぁ、これは?」
『んん…… 痛くはないけど、ちょっとだけきつい、かな?』

ボクの心配をしながら内部にぬるぬるを塗り込んでいく。
とてもゆったりとした気分で心地良い。

「りんちゃん、苦しくない?」
『大丈夫』
「そろそろ入れて…… あぁ、スイ、これじゃ入りませんよ。」
「あぁ…… ん……!」

ブリアンがスイの突起を口に含む。
横取り!?
って思ったけど準備してくれてるだけだった。ブリアンはやっぱり良いニンゲンだ。

はやくはやくとくねらせる腰にスイの突起が軽い抵抗だけで入り込んできた。

「ふわぁぁ…… りんちゃん、気持ち良い…… 苦しくない? 動いて平気?」
『硬くて熱い…… 苦しくないから、動いて』

硬くて熱いスイの突起はじわじわと魔力をこぼすものだから、ボクはどんどん気持ちよくなってスイの動きに合わせて体を揺らした。

「りんちゃん、気持ちいっ! ふぁぁっ……、あっ!? なに???」
「スイ…… 私もご一緒してよろしいですか?」 

ブリアンも一緒に? って、どうやるんだろう? と痺れるような快感に霞がかかったような思考でぼんやり考えていたら、スイのお尻にブリアンが挿れたようだ。

「ふにゃぁぁぁぁんっ!」
『あぁぁんっ! スイ、気持良い! すごい……っ!!』
「もう! あっ!! イク!! あっ、あっ、あぁぁぁっ!」
『んあぁぁぁぁぁ……っ!』

スイの突起が少し大きくなって、とぷりと魔力が溢れた。

「あぁぁぁんっ! ブリアン! これ、すごい!! すごく気持ち良い!! だめぇ…… やぁん……」
『ふあぁぁぁぁっ! スイ! スイ! 気持ちい! スイの魔力、気持ち良いよぅ!!』

スイが精を吐き出し、その魔力で身体の芯が快楽で灼かれる。
止まらない。

興奮したスイは身体からも魔力をじわじわと放出させるから、触れられるだけでゾクゾクするし、その手で乳首を摘まれると後孔がきゅうと収縮する。

「あぁぁっ! りんちゃん、締まる! あ、また…… でるぅ!!」
「くっ! スイ、私も、もう……」
『ひゃぁぁぁぁ! スイの、魔力が……! あぁん!!』

スイの魔力だけでも気持ち良いのにブリアンの風属性魔力も混ざっておかしくなるほど気持ちよかった。

スイが4回ほど吐精した後、気を失ったので初めての交合を終了した。

『スイは大丈夫?』
「疲れただけですから、心配要りません」
『良かった。またしてくれる?』
「もちろん。でも今日はもうスイを休ませてあげましょう」
『うん。ブリアンありがとう。ボク、いつでも2人を乗せるからね』
「これは?」
『契約印だよ。これでスイが寝ちゃってもぼくを呼べるから』

スイに何かあった時でも喚んでもらえるようにブリアンにも契約印をあげた。
普段なら勝手に行くけど、万が一、結界の中にいたら喚んでもらわないと入れない。でもこれで大丈夫!

ボクとブリアンと、ファーガスとワームの願いはスイの幸せだから、協力する事もあるかも知れない。でもできる事なら、ボクの力で守りたい。

そのためにスイの魔力をたくさんもらおうと心に決めた。 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

処理中です...