召喚農夫の田舎暮らし

香月ミツほ

文字の大きさ
上 下
20 / 32

領主夫人になる日まで6

しおりを挟む
りんちゃんの周りにバチバチとスパークが輝き、髪がふわふわと揺らめいている。目も金色に輝いてとても神々しい。

『お前……許さない!』

バシーーーーーーンッ!

「ぎゃぁぁぁぁっ!!」

領主様の足元に小さなカミナリが落ちて絨毯が焦げる。
りんちゃんの体を包む輝きがさらに眩しさを増す。

バシーーーーーーンッ!

今度は領主様の靴の先を焦がした。

「わ、悪かった! 許してくれ!! 何でも言う事を聞くから!!」
「じゃぁ栽培用と原種のミツアリツメクサを分けてくれます?」
「やる! やるから!! カミナリを放たないでくれ!!」
「りんちゃん、ありがとう。助かったよ~!」
『スイ、そばを離れてごめん』
「結果良ければ全て良し! だよ」

抱きしめてよしよしすると、少し残ってたピリピリも収まった。りんちゃんて雷属性だったんだね。

『雷は風を操る事で起こすから風属性だよ』
「そうだったんだ。ぼくは召喚術しか使えないから知らなかった! りんちゃんすごいねぇ」

ぎゅうぎゅうちゅっちゅしてたら領主様が逃げ出そうとしてた。

「約束忘れないで下さいね!」

声をかけるとびくーーーーん!としてぶんぶん頷いてから部屋を出て行った。約束できたから帰ろうと周りを見ればりんちゃんが開けた大穴がテラスの窓の横にぽっかり空いていた。ぼくはキリンの姿になったりんちゃんの背に乗って、その穴から宿に帰った。



翌朝早々にミツアリツメクサの鉢植えに育たなかったら追加をくれると言う手紙を添えた物が届いた。カミナリ嫌いらしい領主様はぼく達に会うのも怖くなったのかな? 話が早くて助かるなぁ、と思いながらりんちゃんに乗ってお昼には我が家に着いた。

「ただいまー!」
「お早いお帰りで」
「ロルカン、見て見て! ミツアリツメクサの苗をもらえたよ!」
「奥方様は大変有能でいらっしゃいますね」
「えへへー。これが育てられればミツアリが寄ってきて、みんなが甘いお菓子をたくさん食べられるようになるね!」
「素晴らしいお考えです」

ロルカンがニコニコと聞いてくれるのでやる気満々!
ブリアン、早くお仕事終わらないかなぁ? 





「ブリアン様がお帰りになられます」

ロルカンがタイミングを見計らって呼びに来てくれるので、玄関ホールでお出迎え。

「ブリアンお帰りなさい!」
「ただいま、スイ。ミツアリツメクサは手に入りましたか?」
「うん! もらえたよ。それにもし枯れたらまたくれるって」
「それは良かった」
「んちゅ……ん……はっ……」

お帰りなさいのキスが深い。

「ブリアン様、食事と入浴の準備ができております」
「すぐに風呂だ」
「かしこまりました」

ブリアンに抱っこされてお風呂に向かい、服を脱ぐ前にキスでイかされて恥ずかしい。でもブリアンが嬉しそうだから良いか。

「スイ、スイ、本当に愛らしい……」
「あぁっ! また…… ダメだってば!」

べっとり汚れた下着を洗濯カゴにそのまま放り込もうとするのを止めてお風呂場で手洗いする。こんなのをそのまま使用人に洗わせるなんて恥ずかし過ぎる! って何度言ってもついうっかり、と言って洗濯カゴに放り込む。

ブリアンの唯一の欠点じゃないかな?

ぼくが下着を洗っているうちに自分を洗って、それから僕を丁寧に洗う。自分で洗えるって言っても趣味ですから、って断られるので、お返しにブリアンの髪を洗ってあげた。ブリアンの髪は柔らかくてウェーブがかかっているからよく絡まる。

ゆっくり優しく指を滑らせたら何だか感じてしまった。

「ふふっ……どうしたんですか?」
「ブリアンの髪ね、洗ってると何だか指の間が気持ち良くってドキドキしちゃうの」
「私もスイの小さな手が優しく頭を撫でてくれるのがとても気持ち良いです」
「ブリアンの言う気持ち良いはぼくのとは違うよね?」
「それはどうでしょうね?」

その言葉に吸い寄せられてブリアンの前を覗き込むと、少しふっくらしているぼくよりは、はっきりと大きくなっていた。

「どうして……?」
「髪を洗ってさえ感じるスイが可愛くて興奮しました。もう良いですか? 夕食の前にスイを味わいたい……」

きゃー! もう!!
ロルカンが待ってると思うけどブリアンの誘惑に抗える訳筈もなく、急いで泡を流して無限収納から取り出したローションをブリアンの下腹部にぶちまけた。

「ブリアンのばか! 我慢できなくなっちゃうでしょ!!」

文句を言いながらブリアンのを扱くとあっという間に固くなった。同時にぼくのお尻をブリアンがほぐす。そしてぼくは性急に腰を落とした。

「大丈夫ですか?」
「あ……や、だめぇ……」

情けない事にまたしても入れられただけで達してしまった。
ほとんど毎日いちゃいちゃしてるから時間を掛けずに解れてしまうぼくのお尻は、気持ち良さしか伝えてこない。

「今は時間がありませんから」
「んゃっ! あん! ふにゃぁん……っ!」

イったばかりなのに突き上げられて翻弄される。でもブリアンに気持ち良くなって欲しいから頑張る!

……と言っても、気持ち良さを感じると勝手に中が蠢いてブリアンに絡み付くので身をまかせるだけ。ダメだなぁ。もっとこう、意識してブリアンを気持ち良くしたいのに。

そんな事を考える事が出来たのはブリアンに体を拭かれて服を着せられた後だった。しかもそのまま抱っこで食堂へ連れていかれ、膝の上で美味しい食事をいただきました。

「ブリアン、ぼくを膝に乗せてたら食べにくくない?」
「幸せで料理がより一層美味しくなります」

質問の答えがちょっと変?
でもブリアンを幸せにできるのなら甘えよう。


*********************


『スイ……魔力……ちょうだい?』
「りんちゃん! 何だか元気ない?」
『ん……力、使い過ぎたみたい……』
「向こうの領主さんの所で?」
『結界がとっても強かった……』

「彼は雷が怖くてかなり強力な結界を張っていましたから。りんちゃん、スイを守ってくれたんですね」
『スイをいじめるニンゲンは嫌い』
「りんちゃん、ありがとう!」


*********************


一晩中いちゃいちゃしてブリアンとりんちゃんがツヤツヤになって、ぼくはガクガクになりました。今日は一日休ませてもらいます……。

あ!
もらってきた苗!!
……あ、良かった。日当たりのいい窓辺に置いてもらって元気そう。

しばらくは鉢植えのまま株を増やして…… 収穫祭が終わって朝晩の冷え込みが厳しくなって来たから、あったかい室内で育てよう。

侍従を付けてもらったけど、今日はファーガスさんがお世話してくれると言うので侍従のフランには苗の世話をお願いした。着替えやトイレは恥ずかしいからね!!

「ファーガスさん、トイレは連れて行ってくれればじゅうぶんなんですけど」
「下着も脱がせてやるし、ペニスも持っててやる」

そんな事して楽しいの? って聞いたら力強く頷かれた。 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

青少年病棟

BL
性に関する診察・治療を行う病院。 小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。 ※性的描写あり。 ※患者・医師ともに全員男性です。 ※主人公の患者は中学一年生設定。 ※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

処理中です...