いつまででも甘えたい

香月ミツほ

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第20話

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一生懸命頑張ってるのに、イラリオは余裕で舐め続けるから、強く吸われたり弱い所を刺激されたりするたびに仰け反って口を離してしまう。そのうちやっぱり何もできなくなって、ただひたすら快感を追った。

つまり勝手に腰を振っていて…



何て事してんの!?

しかもずっと指を入れられてるからか、気持良さが連動しちゃって訳が分からない。
我慢できずにイラリオの口の中に出しちゃった…

快楽の余韻が少し引いた頃、はっとして平謝り。

「ごめん!口に…ちゃんと吐き出した!?」
「ヨシキのなら飲みたいよ。それに…不思議な味だった。」
「不思議な味?」
「うーん…上手く言えないけど、美味しかった。」
「えぇ!?そんなはずは…」
「不思議だよね。今まで口にした全ての物と違っていて…今度また飲ませてね?」

「…恥ずかしすぎる…」

「じゃぁ、今度はうつぶせで後ろからの素股して良い?」

そうだ、イラリオはガチガチのままで、苦しくなかったのかな?

「苦しいよ。だからお願い!」

お願いされるがままに腰を高く上げて息が苦しくないように枕を抱えて脚を閉じる。潤滑油を塗られた脚の間にペニスを出し入れされると、またしてももどかしい快感で背がしなる。くちゅくちゅと卑猥な水音を聞きながら前後するペニスを自分の物と擦れるように手で押し付けた。

「んん…それ、すごく良い…すぐ出ちゃうから…離して…」

なんて言われてもこれが気持良いから我慢できない。
速度を上げて擦られて絶頂を迎えた僕に遅れる事10数秒…イラリオも追いついて来た。

「イッてすぐは辛いよね。合わせられなくてごめんね。」
「ん…刺激が強過ぎて怖かったけど、平気。おれが…早いからだし…」

今日3回目なのに我慢できないとか。

「シャワー浴びてシーツ替えなきゃね。」

頷いて一緒にさっぱりしてぐっすり眠った。




二日酔い…頭痛い…気持ち悪い…

「大丈夫?馬車で揺られるのキツイよね。1日遅らせても良いよ。」

そんな申し訳ない事はできない!

「水を飲んで少し休めば大丈夫…だと思う。」
「じゃあこれ、飲んで。二日酔いの薬。」

おぉぉぉぉ…後光が見える。

「良い子に寝ててね。」

頭を撫でてもらってすぐ気を失った。

次に目が覚めたのはそろそろ出発しないと野宿になると言う時間。10:30頃だ。

爽やかな酸味のさっぱりとしたスープとパンを用意してくれてた。お礼を言ったら宿の気遣いだそうだ。

着替えは七分丈のズボンに靴下、布靴。
…で、シャツ(ブラウスとは言いたくない)の背面を見落としていた!
ウエストを絞るように腰に幅広のリボンが付いている。長さがあるから結ばないと邪魔になる。

…腰にふんわりとしたちょうちょ結びを付けた成人男性。これが視覚の暴力か。

無精してたから髪もショートカットくらいになってるし、本当に女装男になりそうだ。歳のせいか元々薄いムダ毛も更に薄くなって腕毛もスネ毛も無い。うぅ…

馬車の用意は既にできていたので乗るだけ。

宿の主人にぜひまた来て下さい、と言われた。理由は昨日のおっちゃん達。彼らは大手の武装集団で用心棒や魔獣討伐や賞金稼ぎをしているんだけど、武闘派の中では1番優良なグループで人気が高く、仕事はそうそう引き受けてもらえない。でも気に入った町の依頼は比較的優先してくれるので、昨日仲良くなったおれが来ると嬉しいそうだ。

…仲良く?

なったっけ?

楽しく一緒に飲んだような気がするけど、よく憶えてない…

おれが部屋に帰ってからもかなり機嫌良く飲んでたんだって。機会があったらまた来ます。

できる男のイラリオがおれが寝込んでるうちにスライムクッションを受け取って来てくれた。平たいからクッションと言うよりシート…いや、もう少し厚みがあるから座布団だな。柔らかい革で包まれた座布団はとても快適だった。

ギリギリのタイミングで毛馬のイタズラから救出してくれた彼がお弁当をくれた。お礼をしなくちゃいけないのはおれの方なのに…
まだ調理師見習いだから見た目が微妙かも知れないけど、って。

練習も兼ねてるなら喜んでいただきます!

来た道を戻りながら揺られていると、やっぱり気持ち悪くなって来る。
荷馬車の中には非常用の簡易ベッドがあると言うので横にならせてもらう。スライム座布団程ではないけど、なかなか快適でうつらうつらする。

ああ、おれ乗り物に乗ると真っ先に寝るタイプだったわ…


ガタン!

馬車が大きく揺れて止まった衝撃で目が覚めた。寝ぼけ眼を擦りながら馭者台を見るとカーテン(?)の隙間から見えるイラリオの後ろ姿はかなり緊張している。

…声を出さない方が良い気がする。

簡易ベッドをそうっと上げて毛布を被って荷物の間に潜り込む。外から下卑た声が聞こえた。
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