いつまででも甘えたい

香月ミツほ

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第7話

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「呼ばれた気がしました!」

イラリオさんが入って来た。
目が合うとダッシュで近寄って来てぎゅっと抱きしめられる。

「わっ!なんで抱きしめるの?」
「可愛いから。」

意味が分かりません。
そしておれはこの微妙な修羅場感に狼狽える。

「やめろ!」
「あ、職権乱用!」

ベリッと剥がされてガウルさんに子供抱っこされる。

「先を越された!!」

セサルさんが奪い取ろうとするのをひょいひょい避けるもんだから振り回されて怖い。首にしがみつくのは不可抗力です。そして食べたばかりで振り回されたら…

「きもちわるい…」

ようやく絞り出した言葉に空気が凍り、ガリコさんが救出してくれた。

「大丈夫?」
「休めば大丈夫です…」

「か弱い…」

「ご、ごめんなさい…」

自己管理できない申し訳なさ…

「謝る事ない。悪いのは隊長達。」

ガリコさんがフォローしてくれて嬉しい。そのまま身体を預けて落ち着くのを待った。えーっと、何をしてたんだっけ?

「イラリオ、買い付けに行ってヨシキの服を調達してきなさい。」
「はっ!了解致しました!」

服の調達が必要なら早い方が良いだろうと、さっそく明日出発する事になった。
町へは馬車で丸1日。町で2泊して帰って来るそうだ。

異世界の町にワクワクする!

「それでは今日は早朝出発の準備をするように。ヨシキはか弱いようだから応急薬をしっかり確認しておけ。ヨシキは無理をしないように。」

「了解であります!」
「ありがとうございます。」

「ヨシキ、俺の部屋で休もう?」
「ヨシキは隊長室に…」

2人がまたバチバチしてるけど、隊長室だと1人になっちゃう。

「ガウルさんはまだお仕事ですよね?セサルさんはお休みだからセサルさんの部屋で休ませてもらいたいです。」

「俺の所でも良いよ?」

ガリコさんもそう言ってくれたけど、調理室の手伝いがあるからと料理長に止められた。

「ありがとうございます。」

もう一度ガリコさんにお礼を言ってからセサルさんに抱っこしてもらった。
めちゃくちゃ甘やかされてる。本当はここは天国なんじゃないだろうか?それとも夢?

いや、もう歩けるんだけどね。

ベッドに寝かされ苦しいだろうとズボンを脱がされ、シャツと下着だけになった。
深呼吸をすると、だいぶ楽になった。

「おかげでだいぶ楽になりました。ありがとうございます。」
「ねぇ、さっきイラリオにはもっとくだけた感じだったけど、どうして?」
「昨日、昼食の手伝いを一緒にした時、敬語は要らないって言われたからです。」
「それなら俺も!もっと仲良くなりたい!!」
「ふふっ…ありがと。じゃぁそうさせてもらうね。」

笑顔でそう言うと感極まったように唇を塞がれた。

流れが良く分からないのですが…

「それにしても、明日から2泊も…イラリオと2人っきりなのか。」

鈍い僕でも流されそうな予感がひしひしとします。

「俺だけを選んで欲しいけど…ダメかな?」

縋るような瞳で見つめられても、すぐに飽きられて捨てられるのではないかと思う恐怖が胸を締め付けて離れてくれない。

「えっと、その…好かれて嬉しいんだけど、僕なんかすぐに捨てられるんじゃないかと言う不安と、何を決め手に選べば良いのか判らないので…戸惑うばかりです。決められないなら拒絶するべき、なんでしょうか?」
「また敬語になってる…」
「あっ…」

「決められないからって拒絶されたら誘う事もできなくなるから困る。自分の気持を大事にしてくれれば良いよ。」

「んぁっ…」

さっきは擽ったかった脇腹が今度は気持良い。セサルさんが驚いた顔で確認するようにゆっくりと身体をなぞった。指先だけで触られると擽ったくて、掌全体で撫でられると気持が良いらしい。上半身だけでなく、足も撫で回されて皮膚の薄い所の気持良さに背がしなる。

腿の裏を撫でて欲しくて片膝を少し持ち上げると嬉しそうに手を差し入れて際どい所まで行き来する。尻と足の境目当たりがものすごく気持良い。セサルさんに促されてうつ伏せになると、気持のいい所を舐められた。

「あぁっ!…そこ…ん…」

じれったい快楽に身を捩れば性器がベッドに擦れてはっきりとした快楽に代わる。恥ずかしくて腰を浮かせば今度はポーズが恥ずかしい事になってしまう。

身体をひねって勘弁してくれと目で訴えたつもりがおねだりと受け取られ、あり得ない所を舐められてしまった。

「ひぁぁぁぁぁっ!!」

大きく足を開かされて、潤滑油をまぶした指で撫でられただけで力が入らなくなったそこへ、ぬるぬるとして軟らかい舌がそれ以上の刺激を与える。

「なんで!?なんでそんな所、汚いよ!でもなんで気持良いの?」

あわあわしながら必死に疑問を伝えても答えは返って来ない。
答えのないまま、セサルさんの長い指がゆっくりと侵入して来た。痛みはなく、異物感があるだけ。ゆっくりと抜き差ししながら陰嚢をぱくりと咥えられ、ねっとりと舐め上げられた。

「ふぅぅぅぅん…!!」

また変な声が出た。
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