*異次元収納*

香月ミツほ

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「あんっ! あっ、ふぅ……んっ、いいっ!!」
「今日のっ、獲物はっ、大きいからっ! もっと、気持ちよくっ、なれよ!!」

今日の獲物はオオウマシカだ。
牛よりも大きな鹿で、解体してから持って帰るのだが、大きな角は高く売れるので大きいまま持ち帰りたいのだ。

うちのポーターは尻が解れると異次元収納の入り口が広がる特異体質なので、恋人でもあるリーダーが嬉々として励んでいる。

予想以上の大きさで、Aランクパーティーである私たちが苦戦を強いられた。強敵との戦闘は激しい興奮状態をもたらすので、発散もできて一石二鳥だろう。

彼らの営みは必要なことなので任せておいて、魔法戦士である私と、元ポーターで現錬金術師の恋人、2人で黙々と解体作業をする。

それにしても大きい。
2人での解体は辛いものがある。都合よく、誰か通りかかって手伝ってくれないだろうか?

ガサガサガサ……

「あのぅ、何か手伝えることはありませんか?」
「ん?」

都合良く人手が通りかかった……?

「僕たち駆け出しですが、解体はできます! 手伝わせてください!」
「「お願いします!!」」

このあたりは、この大物が強い魔獣を追い払っていたので、初級冒険者が狩るのにちょうどいい弱い魔獣しかいない。だがこんな奥まで来ればやはり危険なのだが。

「あの、あの声が聞こえて、淫花にやられた人がいるのかと……。でも治療の声だったのですね」
「あぁ、わざわざ助けに来てくれたのか。だがあれは……、まぁ、いい。解体を手伝ってくれるか?」
「「「はいっ!!」」」

駆け出し3人パーティーは、獲物の大きさに興奮し、嬌声にあてられ、股間を膨らませながらも真面目に解体をしてくれた。

「……余計なお世話ですが、仲間が解体してるのに手伝いもせずにあんなことしてて、いいんですか?」
「あぁ、あれな。仕方ないんだよ。このオオウマシカを角まで全部収納するには、うちのポーターをとろっとろにしないとならないからな。特異体質で、気持ちよくなればなるほど大きな物が収納できるようになるんだ」
「そんな体質があるんですか?」
「あるみたいだな。グラディア、解体終わったぞ」
「任せてばかりで悪いな。ん?」
「通りすがりの駆け出しだ。お前らの声がデカいから心配して来てくれたんだが、解体を手伝ってくれたんだ」
「そうか、報酬は買い取りが済んでからで良いか?」
「「「はいっ!」」」

血生臭い現場を離れ、野営地で休むことにした。

せっかくなのでオオウマシカの肉も少しだけ焼いて皆で味わった。駆け出しには感動ものの味だろう。

「これが超高級食材の味っ!!」
「美味い! さすが美味鹿!!」
「Aランクパーティー、優しいぃぃぃ!!」

駆け出しの頃は依頼達成に必死で自分達の食料まで確保できなかったな、と懐かしく思いながら眺めていたら、錬金術師から袖を引かれた。

「そろそろ……」
「あぁ、そうだな。私達はそろそろ休むが、お前たちのテントは結界付きか?」
「いえ、普通のテントです」
「ならこれを貸してやるから、しっかり休め」
「「「ありがとうございます!」」」

結界を付与するスクロールは魔力を注げば何度でも使えるので、高い。結界付きテントも買えない彼らは交代で見張りをしていただろうから、スクロールを貸さないとうちの恋人の喘ぎ声を聞かれてしまう。

そんな利己的な理由でスクロールを貸し、テントに入って恋人同士の口づけをかわした。

「アリィ、アリィ、アリィ……」
「だいぶ我慢させたな」
「ん、アリィは面倒見がいいから、あの子たちのお世話、するのかと……」
「そんなわけないよ。私にはファルだけだ」
「アリィ、すき。早くちょうだい?」

普段とは打って変わって甘ったれになるファルがかわいい。最近は常にプラグを入れているせいで、仲間の嬌声に当てられやすくなっている。

浄化魔法を付与したプラグは排泄が不要になるので、元々、長期討伐の時は利用していた。それをわざわざ私のモノを型取りしてオーダーするとか、なかなかのスキモノだ。嬉しい。

ファルはまず、口淫をする。
プラグを入れたまま口淫をすると、それだけで達するのだ。私が2人がかりでかわいがっているように感じるそうだ。

……1人では満足させられないのか?

「これ……、取ってぇ……」
「抜いて良いのか? 本物より良いんじゃないのか?」
「んんっ! やだ……。本物が良い……。熱くて、俺にぴったりな、アリィのが良い……」

いつも通りのやり取りで1度達した私のモノがまた勃ち上がる。プラグを数回動かしてから抜くと、蜜壺は自作の特製潤滑剤で潤っている。

前戯不要で挿入すると、ファルはまた爆ぜた。

「私はこっちも可愛がりたいのに、入れただけで達するのか?」
「かわいがって! ちくびも、みみも!」

対面座位で乳首に吸い付き、舌で転がしながら背中を抓ると、よく締まる。後背位の時に噛むと喜ぶ場所だ。耳は舐められただけで腰が砕けるし、鎖骨は甘噛みするといやらしく腰をくねらせる。

散々我慢したのは私も同じ。

いつになく興奮して、ハイポーションなしでは起き上がれないほど貪ってしまった。




「「「おはようございます!」」」
「あぁ、おはよう。よく眠れたか?」
「はいっ! 結界のスクロールのおかげです!」

きゃっきゃとはしゃぐ若者に手伝わせ、朝食を作る。ファルはリーダーにハイポーションを届けに行った。



「ファブリスのポーションはよく効くな」
「あれはハイポーションだ」
「そうだったのか?」
「ポーションでは追いつかなかっただろうからな」

互いに頷き合いながら、ニヤリと笑った。

普通の作り方とは違うらしいが、ファルの作る薬品は質が高い。冒険者を引退したら薬師としてやっていけそうだ。

「おはようございます。あれ?」
「カルテロ、そいつらは昨日、解体作業を手伝ってくれた駆け出しだ」
「はじめまして、オレはポーターのカルテロです。大物だったから大変だったでしょう?」
「美味しかったです!」
「良い経験になりました!」
「声がエロかったです!」
「「おいっ!」」

若者達の愉快なやりとりに笑いながら、帰路についた。草原と森が混在するこの辺りも、ヌシがいなくなったので少しずつ強い魔獣が戻ってくるだろう。

今のうちに経験を積ませようと、遭遇した魔獣は全て、3人組に任せた。魔獣の習性や買い取りが高くなる捌き方、美味い部位。知っている事柄もあっただろうが、素直に話を聞く姿勢が微笑ましかった。



オオウマシカの討伐を報告し、買い取りをしてもらうと半年は仕事をしなくても良い収入になった。

3人組にも肉の1割を渡すと言うと、食欲と収入、どちらを優先するか散々悩んだ末、収入を選んだ。

名残を惜しんでギルドの酒場で夕食を奢ると、私達を褒めそやした。

「アルベリクさん、魔法戦士ってかっこいいですよね! 気さくだし、優しいし!」
「ファブリスさんは美人ですよね。錬金術師って頭良さそうだし、落ち着いてて憧れます!」
「カルテロさんは魅了のアイテムでも持ってるんですか? 何か漏れてません?」
「カルテロは俺のものだからな? おかしな目で見るなよ」
「グラディアさんは……、リーダーなんすよね?」
「どういう意味だ!」

戦闘時にはいなかったから、私達が戦っているところは見ていない。だからリーダーの強さが分からないのか。

あの大きさのオオウマシカの喉笛を一太刀で掻き切るのは至難の技なんだがな。

「まぁ、これも何かの縁だ。何かあったら相談しろよ」


*******


「あの、実は最近気が付いたんだけど……」

ファルが赤い顔で言うから、何かと思った。最近、ポーションや解毒薬、毒の精製能力が上がっている理由が、どうやら性行為のためらしい、とのことだった。

あいつらと同じ?

ファルの場合は素材を合わせて瓶に詰め、異次元収納に入れておくと熟成するらしいのだが、性行為をたくさんするほど速く、質の良いものができる、と。

だから次の仕事に向けて、下準備をしてから抱いて欲しいと。

結構モテる美人な上級錬金術師が、あれこれ言い訳して抱いて欲しいと伝えてくる。

ああ、もう、どこまで惚れさせたら気が済むんだ!

下準備を膝の上でさせて、明け方までヤりまくった。

潮を吹かせたらエリクサーができたのだが、製法が誰にも伝えられないので、売るに売れなかった。

乳首イキさせたら違うものができるだろうか?
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