ほんのちょっと言語チート、くっださーいな!

香月ミツほ

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おお!っと王都で驚いた

なかよし宴会

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大人達がハイレベルな戦いに突入し、置いてけぼりの子供達は見学に飽きて戦いごっこ。それから本日2度目のおやつタイム突入。リーシュ達もこっち側。(笑)

「リーシュもあの剣……タルワール?、使うの?」
「嗜む程度にはね。守ってもらう時に邪魔にならないようにかな」

下手に自信がつくと前に出たくなるってやつか。おれはびっくりすると硬直するタイプだからたぶん、邪魔にならないと思う!(自慢にならない)

……やっぱり邪魔だよね。

「帰国は来週だ。港まで見送りに来てくれ」
「うん! それにしても遠いよね」
「遠いな。今回は見合いだから来たが、気軽に行き来はできないな」
「あ、それが目的だったんだ」

親善大使とか留学とかならもっと近くても良いだろう、と思ってたけどお見合いじゃ仕方ないよね。でもやっぱりこんな遠い国に? って思っちゃう。

「繁栄をもたらす花婿がいる、と神託が下ってね」
「繁栄?」
「ハーレムを作って励んでいるのに世継ぎが生まれにくく、現王の妃は18人いるのだが王子は私と弟の2人しかいないのだ」
「……それで」

エロボイスで少子化対策? と考えながらオスヴァルト殿下を見ると

「私は自分が産むのはあまり乗り気ではないのだが、まぁ、そこはやりようがあるし」
「やりよう?」
「聞かなくて良い」

トラさんに耳を塞がれた。
後でフィールに聞いてみようか。

4人の大人と2人の若者がぜーはー言いながらやって来た。

「勝負はついたの?」
「……いや」

言葉を濁しながらもみんな爽やかな顔してる。マインラートくんをせっついて汗を拭く手拭いや飲み物をエーギンハルトさんに渡し、世話を焼かせる。余計なお世話かな?

「らーと、かーい!」
「ラートやさしい!」
「らーとしゃん、おかお あかい?」
「邪魔しちゃダメだよ」

子供に対する態度とは違う雰囲気を敏感に察知したようで、みんなして無邪気に囃し立てる。こらこら。

最後に追いかけっこをして走り回り、お風呂に入って寝る時間になった。今日は眠くないとかもっと食べるとか騒いでるけど、2度目のおやつはお菓子じゃなくて食事に近いメニューを出してもらってそれを夕飯代わりにした。

エミールさんにお風呂に入れられ、ベッドに放り込まれたら、やっぱり疲れてたみたいで子守唄1曲で眠った。

庭に戻ると夕闇迫る中、明かりが灯され宴会が始まっていた。しかも人数が増えてる。
護衛さん、お仕事終わり?

「シーヴァティ国との婚姻に不満を持つものなんていないし、王太子の命を狙う者も今のところいない。身代金目的の誘拐ならデーメル家は鬼門だ」

デーメル騎士爵の実力は武闘派には有名らしく、狙われる事はほぼない。王宮と同等に安全な場所だ、とトラさんが胸を張る。すごい!

敷物を敷いて胡座をかくエーギンハルトさんの膝にはマインラートくん。オスヴァルト殿下の肩にもたれかかるリーシュ。運ばれてきたご馳走を護衛の騎士達と取り合って食べるディトマールくんとハラルドくん。ご機嫌なギュンターさんと静かに酒を飲む護衛さんに、割り込んで色々質問し始めるエミールさん。

トラさんとザシャさんは少し離れて静かにお酒を飲みながら見守っていた。



「フィールは一緒に飲まないの?」
「いや……」
「テオフィール! 来い!」
「チサトもおいでって!」

ギュンターさんとエミールさんに呼ばれ、素直に輪に入れば膝抱っこされた。がっちりホールドされている……。まぁいいか。

「チサトは手合わせに興味ないのか」
「かっこいいとは思うんですけど、目が追いつかなくて」
「見ていれば慣れるからテオフィールをちゃんと応援してやれ」

ギュンターさんに構われる。応援はしてるよ?

「王太子殿下と同じ歳……には見えないな」
「小柄な民族なんです……」

その中でも小さいけど!

「それでよくテオフィールのが入るよね」
「はいっ!?」
「ギュンターの弟だから大きいでしょ?」
「エミっ「想像させるな!」

護衛さんが話を遮った。
……そうか、やっぱり大きいのか。
民族的なアレなのか個人的なアレなのか、気になってたけど調べようがなかったし。

それにしても護衛さんが怒るのはなんで?

「姫、アニクが大きな声を出してすまない。怖くなかったか?」
「びっくりしたけど大丈夫だよ」
「ならば良かったが弟の話か?」
「弟?」

リーシュ護衛のアニクさんには年の離れた体の弱い弟がいて、溺愛していると言う。だから小さい子が性的に何かされるのを想像するのが嫌いらしい。おれは成人してるけど弟さんと背格好が似てるんだって。

「弟さんがいらっしゃるんですね。……お兄ちゃん? 兄上?」
「ぐふっ!?」

なんて呼んでるか聞いたら驚かせてしまったらしい。スミマセン……。

「チサト、私も兄上と呼んでくれ」
「リーシュは同じ歳でしょ」
「気にするな。さぁ!」
「……兄上」
「弟よ!」
「ぐえっ!」

抱きしめようとするリーシュから守るようにフィールに抱え込まれたけど、苦しいです。あ、アニクさんもリーシュを引き倒してる。

「アニク……」
「怪しい気配がしましたので」
「……そうか」

少しコントみたいだと思った。(笑)
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