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おお!っと王都で驚いた
海水浴
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馬車は10人乗れる大型馬車を借りた。
進んで馭者をするトラさん。おじいちゃん、張り切る!(笑) オットーさんとばかり遊ぶ!と叱られていたので名誉挽回かも?
子供達は大きな馬車に大はしゃぎだった。
海岸プールは30分ほどで到着。干潮時には浅過ぎるし、満潮だと水没するのでタイミングを見計らって来たらしい。
他にも家族連れがいるけど、泳げるようになったら海に行くからここは空いている。
「まま! きらきら! きれーねー?」
「海だよ。キラキラしてきれいだね。怖くないかな?」
「きらきら、しゅき!」
多分、まだきらきらが水だと分かっていないハルトだけど、嬉しそうだから問題ない。
プールに入る前にトイレ。観光地らしく側にトイレがあって、シャワーもある。ハルトはまだオムツだけど漏らす間隔が長くなって来ているので、大丈夫かな?漏らしても海だからヘーキヘーキ!
水着もどきを着て大人用(?)プールに入る。アレクはトラさん、ヨハンはザシャさん、ハルトはマインラート君が子供用プールで見てくれる。マンツーマンだから安心だ。
あ、アレクが!
転んだだけだった。子供用とは言え、腰まであるから波に慣れないとバランスを取るのが難しいのかも。ヨハンとハルトは波に驚いてなかなかプールに入らない。あ、大きな波が顔まで届いた!!
ヨハンは泣き出し、ハルトは笑う。
怖くなくなったハルトはマインラート君に抱えられてプールに入った。
「フィール、ハルトの初めての海なのに人任せで良いの? 寂しくない?」
「人手があるなら私はチサトの世話をしたい。ここから見ているだけでも楽しいし、後で構いに行って来るよ。まずはチサトの泳ぎだろう?」
「ふふふ、ありがとう。結構、身体が浮くんだね。これならすぐ泳げるかも!」
端には段差がつけてあって座れるけど、真ん中は立って胸までの深さがある。試しに頭まで潜って見ればちゃんとしょっぱかった。異世界でも海は塩辛い。
フィールに手を持ってもらってバタ足。
学校にはプールが無くて川は雪解け水。夏でも滝行ができるほどだったから実地で練習した事はない。動画を見せられただけだ。
それでもバタ足はできる。
「うつ伏せで泳ぐのか?」
「え? それが普通じゃない?」
「この辺りではこう泳ぐ」
フィールはプールから出て海で泳ぎだした。
横向き!?
「どうやってるの!?」
説明によると顔を水面につけると陸の方向が分からなくなる事があって危険だから顔を出したまま泳ぐらしい。平泳ぎもあった。潜る人は潜るらしい。
チャレンジしたけど手足の使い方が全然分からなくて泳げなかった。ふと仰向けになってみたらちゃんと浮かぶ。これなら手足を適当に動かせば進む。背泳ぎだ!
動画で見た動きを思い出したら簡単に泳げた。
「フィール! 泳げたよ!!」
「泳げ…… あ、うむ、そうだ、な……?」
「もう! とりあえず助けが来るまで浮かんでられれば良いの!」
歯切れの悪いフィールにむっとする。
初めてで溺れないなら充分でしょう?
「これだけ浮かぶなら海に入ってみたいんだけど、良い?」
「そうだな、私が側を離れなければ危なくないだろう。行ってみるか」
「やった!」
プールの縁を乗り越えると階段が作ってあった。そこを蹴って海面を進む……? あれ?
これ、犬かきだ。
顔を持ち上げるために手を水を押すように動かすとちゃんと顔が持ち上がる。でも前には進まないからバタ足をする。進む。
泳ぐのって簡単なんだー!
……でもなんだか手足が重い。
疲れたから仰向けに浮かんで休もう。
「ぶぇっ! がはっ!」
「チサト! 大丈夫か!?」
油断していたら波が顔にかかり、タイミング悪くそこで息を吸い込んでしまった。フィールに抱えられてプールの外側に戻った。あー、溺れた人はしがみつくから後ろから抱える、は知ってる。
なるほど、横向きで泳ぐとそれがやりやすいのかー、げほげほ。
「大丈夫か?」
「うん、噎せただけだから……。波、侮れない」
「そうだな。呼吸は口の隙間でした方が良い。それに畏れを忘れてもいけないな」
横抱きされて少し休んでから子供達を見に行った。……隣のプールへ。アレクはもう泳いでいる。ハルトはマインラートくんに手を引いてもらって水面をうつ伏せで滑るような感じできゃっきゃ言っていた。ヨハンは浅いプールに座るザシャさんに立ってしがみついた状態だ。
「ハルト、楽しいね」
「まぁま! うみ! おいし!」
ちょっと待って!
この塩加減が美味しいって味覚が心配なんだけど!
「チサトー、ぼくもうあっちのプール行ってくる!」
「こんなに泳げたら向こうでも大丈夫そうだね。アレクすごい! さすがお兄ちゃんだねー」
「えへへへ」
褒められてくねくね照れるアレクがかわいい。
「まぁま、だっこ!」
「ハルト疲れたの?」
「んーん、だっこ」
甘えたいだけかな? と思ったけど何だか身体が熱い?
「痛いの痛いの飛んで行けー!」
「ハルトいたいの?」
「まだ痛くないみたいだけど、日焼けしたような気がして」
「「「ひやけ?」」」
心配してくれたヨハンや他の人達に説明したらみんなが驚いてた。こっちの世界の人は日焼けしないの?
進んで馭者をするトラさん。おじいちゃん、張り切る!(笑) オットーさんとばかり遊ぶ!と叱られていたので名誉挽回かも?
子供達は大きな馬車に大はしゃぎだった。
海岸プールは30分ほどで到着。干潮時には浅過ぎるし、満潮だと水没するのでタイミングを見計らって来たらしい。
他にも家族連れがいるけど、泳げるようになったら海に行くからここは空いている。
「まま! きらきら! きれーねー?」
「海だよ。キラキラしてきれいだね。怖くないかな?」
「きらきら、しゅき!」
多分、まだきらきらが水だと分かっていないハルトだけど、嬉しそうだから問題ない。
プールに入る前にトイレ。観光地らしく側にトイレがあって、シャワーもある。ハルトはまだオムツだけど漏らす間隔が長くなって来ているので、大丈夫かな?漏らしても海だからヘーキヘーキ!
水着もどきを着て大人用(?)プールに入る。アレクはトラさん、ヨハンはザシャさん、ハルトはマインラート君が子供用プールで見てくれる。マンツーマンだから安心だ。
あ、アレクが!
転んだだけだった。子供用とは言え、腰まであるから波に慣れないとバランスを取るのが難しいのかも。ヨハンとハルトは波に驚いてなかなかプールに入らない。あ、大きな波が顔まで届いた!!
ヨハンは泣き出し、ハルトは笑う。
怖くなくなったハルトはマインラート君に抱えられてプールに入った。
「フィール、ハルトの初めての海なのに人任せで良いの? 寂しくない?」
「人手があるなら私はチサトの世話をしたい。ここから見ているだけでも楽しいし、後で構いに行って来るよ。まずはチサトの泳ぎだろう?」
「ふふふ、ありがとう。結構、身体が浮くんだね。これならすぐ泳げるかも!」
端には段差がつけてあって座れるけど、真ん中は立って胸までの深さがある。試しに頭まで潜って見ればちゃんとしょっぱかった。異世界でも海は塩辛い。
フィールに手を持ってもらってバタ足。
学校にはプールが無くて川は雪解け水。夏でも滝行ができるほどだったから実地で練習した事はない。動画を見せられただけだ。
それでもバタ足はできる。
「うつ伏せで泳ぐのか?」
「え? それが普通じゃない?」
「この辺りではこう泳ぐ」
フィールはプールから出て海で泳ぎだした。
横向き!?
「どうやってるの!?」
説明によると顔を水面につけると陸の方向が分からなくなる事があって危険だから顔を出したまま泳ぐらしい。平泳ぎもあった。潜る人は潜るらしい。
チャレンジしたけど手足の使い方が全然分からなくて泳げなかった。ふと仰向けになってみたらちゃんと浮かぶ。これなら手足を適当に動かせば進む。背泳ぎだ!
動画で見た動きを思い出したら簡単に泳げた。
「フィール! 泳げたよ!!」
「泳げ…… あ、うむ、そうだ、な……?」
「もう! とりあえず助けが来るまで浮かんでられれば良いの!」
歯切れの悪いフィールにむっとする。
初めてで溺れないなら充分でしょう?
「これだけ浮かぶなら海に入ってみたいんだけど、良い?」
「そうだな、私が側を離れなければ危なくないだろう。行ってみるか」
「やった!」
プールの縁を乗り越えると階段が作ってあった。そこを蹴って海面を進む……? あれ?
これ、犬かきだ。
顔を持ち上げるために手を水を押すように動かすとちゃんと顔が持ち上がる。でも前には進まないからバタ足をする。進む。
泳ぐのって簡単なんだー!
……でもなんだか手足が重い。
疲れたから仰向けに浮かんで休もう。
「ぶぇっ! がはっ!」
「チサト! 大丈夫か!?」
油断していたら波が顔にかかり、タイミング悪くそこで息を吸い込んでしまった。フィールに抱えられてプールの外側に戻った。あー、溺れた人はしがみつくから後ろから抱える、は知ってる。
なるほど、横向きで泳ぐとそれがやりやすいのかー、げほげほ。
「大丈夫か?」
「うん、噎せただけだから……。波、侮れない」
「そうだな。呼吸は口の隙間でした方が良い。それに畏れを忘れてもいけないな」
横抱きされて少し休んでから子供達を見に行った。……隣のプールへ。アレクはもう泳いでいる。ハルトはマインラートくんに手を引いてもらって水面をうつ伏せで滑るような感じできゃっきゃ言っていた。ヨハンは浅いプールに座るザシャさんに立ってしがみついた状態だ。
「ハルト、楽しいね」
「まぁま! うみ! おいし!」
ちょっと待って!
この塩加減が美味しいって味覚が心配なんだけど!
「チサトー、ぼくもうあっちのプール行ってくる!」
「こんなに泳げたら向こうでも大丈夫そうだね。アレクすごい! さすがお兄ちゃんだねー」
「えへへへ」
褒められてくねくね照れるアレクがかわいい。
「まぁま、だっこ!」
「ハルト疲れたの?」
「んーん、だっこ」
甘えたいだけかな? と思ったけど何だか身体が熱い?
「痛いの痛いの飛んで行けー!」
「ハルトいたいの?」
「まだ痛くないみたいだけど、日焼けしたような気がして」
「「「ひやけ?」」」
心配してくれたヨハンや他の人達に説明したらみんなが驚いてた。こっちの世界の人は日焼けしないの?
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