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おお!っと王都で驚いた
ミローディア音楽堂 ※
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幸せな19歳の誕生日はまだ終わっていなかった。
だってね。
夜にね……。
リーデさんがくれた甘いお酒を飲むんだよー!!
「改めて、誕生日おめでとう。チサトが生まれ育ち、私の元に来て愛を受け入れ、ハルトを生んでくれた事に心から感謝している」
「おれだって! お母さんが産んでくれて、じーちゃんばーちゃんに育ててもらって、フィールに会えて。結婚してハルトが生まれて。こんなにたくさんの家族や友達に大切にしてもらえて、幸せすぎて怖いくらいだよ。フィールのおかげだって思ってる。……あの、あ…… 愛してる」
早々に眠ったハルトはアレクと一緒にザシャさんが預かってくれたので、夜は2人の時間。
ぴたりと寄り添って乾杯して、唇を重ねるまでに時間はかからなかった。
軽く触れるだけのキス、啄ばむようなイタズラなキス、ゆっくりと互いを味わう深いキス。熱い吐息と擦れ合う粘膜、混ざり合い、こぼれ落ちる唾液。
「その酒は美味いか?」
「うん、甘くて美味しいよ。味見して?」
「いや……私は……」
戸惑うフィールに見せつけるようにお酒を口に含み、飲み込んでから舌を差し出すと甘いお酒が苦手なフィールもほっとした様子で吸い付いてきた。
「味、分かる?」
「これではどんな酒も極上の美酒になってしまう」
「甘くて美味しいの!」
「私にとって美味い酒は甘くないのだがな」
くつくつ笑いながらおれの抗議を受け流す。
ワインて酸っぱいし渋いし、美味しくないと思うんだけどなぁ。ブランデーとかウイスキーみたいなお酒もあるんだろうけどおれが飲んだ事ないからこちらのお酒との味の違いは分からない。
フィールが今日、飲んでいるお酒は……
同じように味見させてもらったけど舌がひりひりするばかりで味なんて分からなかった。
「私には美味いがチサトにはどうだ?」
「痛い」
「ぶふっ!」
味の感想が痛い、って激辛料理じゃないんだから。でも痛い。おれの感想はフィールのツボを刺激したようだ。
舐めて治そうと言って口内を蹂躙される。いや、もう痛くないよ!?
……他の所が痛くなってきた。
「フィール、こっちの方が……いたい……」
口内への刺激とこの先の快楽への期待だけでガチガチに張り詰めた股間を押さえ、膝をもじもじと擦り合わせながら言葉を絞り出す。するとフィールが最高にいい笑顔をした。
いそいそとベッドに運ばれ、服を脱がせて露わになるおれの肌に丁寧にキスをしていく。腕や手、指先にまで。
気持ち良いけど張り詰めた中心はますます昂り、どうにもならなくて涙が溢れた。
「チサト?」
「痛いって、言ってる、のに……!」
「すまなかった」
「ひぅっ!」
口では謝りつつ、笑顔で涙を舐め取りながら先走りでぬるぬるの中心を優しく握って擦ってくれる。……一瞬で達した。
「フィールはっ、はやく、入れたくない、の?」
「……入れたいに決まっている。だが全てを可愛がりたいんだ」
絶頂の余韻で息が荒いけど、不満を言わずには居られなかった。そして予想通りの返事。
「中がね、寂しいの……。早く1番奥まで可愛がって?」
「……っ!!」
恥ずかしい事を言えるのはお酒のせい。
フィールのは大きいけど毎日しているし身体も異世界仕様になってるからほぼすんなり入る。前も後ろもぬるぬるだからね!
それにしても中って気持ち良過ぎて困る。
入れただけで気持ちいいし、良いところも刺激されたら頭真っ白になるし、奥なんておかしくなるし。
もう前だけじゃ満足できない気がする……。
まだ前だけでイけない訳じゃないからセーフ? でも自分では前だけって無理かもしれない……フィールにしてもらうのが良過ぎるんだもん!!
「考え事か? 余裕だな」
「ふゃん! あっ! よゆ、なんて…… ないぃっ……!」
軽く揺すられるだけで奥がぐりぐり押されて言い訳すら考えられなくなる。
「フィー、ル……きもちいい、よぅ……」
「もっとだ。私なしでは居られない身体にしたい」
「そんなの、もうなってる、のに」
「どうかな?」
「あぁぁぁぁぁっ!!」
……何がどうなったのか。
謎です。
夢うつつに好き好き言ってた気がするけどあんまり覚えていない……。
きっと覚えてない方が良い事だ!
翌日またベッドの住人になった事は当たり前過ぎてどうでも良い事だよね、うん。
6月に入り、リーデさんの友達の音楽家に会う日が来た。こちらの音楽はワルツっぽいのしか聴いた事ないけど、民族音楽もあるらしい。……おれの知識で何とかなるのかなぁ?
「ようこそ、ミローディア音楽堂へ」
「はじめまして」
ぺこりと頭を下げると寄ってたかって頭を撫でられた。子供扱いかな?
「珍しいダンスを教えてくれるんだって?」
「音楽もだよね?」
「かわいいからなんでも良い」
弦楽器と太鼓と笛。
執事さんが使うのと同じ弦楽器とアフリカの太鼓みたいな細長い4つの太鼓、手に持ったのは縦笛だけど腰についたポケットにも何か入っているみたい。
「ねぇねぇ早速やって見せて!」
挨拶もそこそこにダンスを強請られたので手拍子をしてもらい、誕生日にもやった基本のステップをやって見せた。ポーズを決めると目を輝かせ、みんなは興奮した様子で口々に喋り出した。
だってね。
夜にね……。
リーデさんがくれた甘いお酒を飲むんだよー!!
「改めて、誕生日おめでとう。チサトが生まれ育ち、私の元に来て愛を受け入れ、ハルトを生んでくれた事に心から感謝している」
「おれだって! お母さんが産んでくれて、じーちゃんばーちゃんに育ててもらって、フィールに会えて。結婚してハルトが生まれて。こんなにたくさんの家族や友達に大切にしてもらえて、幸せすぎて怖いくらいだよ。フィールのおかげだって思ってる。……あの、あ…… 愛してる」
早々に眠ったハルトはアレクと一緒にザシャさんが預かってくれたので、夜は2人の時間。
ぴたりと寄り添って乾杯して、唇を重ねるまでに時間はかからなかった。
軽く触れるだけのキス、啄ばむようなイタズラなキス、ゆっくりと互いを味わう深いキス。熱い吐息と擦れ合う粘膜、混ざり合い、こぼれ落ちる唾液。
「その酒は美味いか?」
「うん、甘くて美味しいよ。味見して?」
「いや……私は……」
戸惑うフィールに見せつけるようにお酒を口に含み、飲み込んでから舌を差し出すと甘いお酒が苦手なフィールもほっとした様子で吸い付いてきた。
「味、分かる?」
「これではどんな酒も極上の美酒になってしまう」
「甘くて美味しいの!」
「私にとって美味い酒は甘くないのだがな」
くつくつ笑いながらおれの抗議を受け流す。
ワインて酸っぱいし渋いし、美味しくないと思うんだけどなぁ。ブランデーとかウイスキーみたいなお酒もあるんだろうけどおれが飲んだ事ないからこちらのお酒との味の違いは分からない。
フィールが今日、飲んでいるお酒は……
同じように味見させてもらったけど舌がひりひりするばかりで味なんて分からなかった。
「私には美味いがチサトにはどうだ?」
「痛い」
「ぶふっ!」
味の感想が痛い、って激辛料理じゃないんだから。でも痛い。おれの感想はフィールのツボを刺激したようだ。
舐めて治そうと言って口内を蹂躙される。いや、もう痛くないよ!?
……他の所が痛くなってきた。
「フィール、こっちの方が……いたい……」
口内への刺激とこの先の快楽への期待だけでガチガチに張り詰めた股間を押さえ、膝をもじもじと擦り合わせながら言葉を絞り出す。するとフィールが最高にいい笑顔をした。
いそいそとベッドに運ばれ、服を脱がせて露わになるおれの肌に丁寧にキスをしていく。腕や手、指先にまで。
気持ち良いけど張り詰めた中心はますます昂り、どうにもならなくて涙が溢れた。
「チサト?」
「痛いって、言ってる、のに……!」
「すまなかった」
「ひぅっ!」
口では謝りつつ、笑顔で涙を舐め取りながら先走りでぬるぬるの中心を優しく握って擦ってくれる。……一瞬で達した。
「フィールはっ、はやく、入れたくない、の?」
「……入れたいに決まっている。だが全てを可愛がりたいんだ」
絶頂の余韻で息が荒いけど、不満を言わずには居られなかった。そして予想通りの返事。
「中がね、寂しいの……。早く1番奥まで可愛がって?」
「……っ!!」
恥ずかしい事を言えるのはお酒のせい。
フィールのは大きいけど毎日しているし身体も異世界仕様になってるからほぼすんなり入る。前も後ろもぬるぬるだからね!
それにしても中って気持ち良過ぎて困る。
入れただけで気持ちいいし、良いところも刺激されたら頭真っ白になるし、奥なんておかしくなるし。
もう前だけじゃ満足できない気がする……。
まだ前だけでイけない訳じゃないからセーフ? でも自分では前だけって無理かもしれない……フィールにしてもらうのが良過ぎるんだもん!!
「考え事か? 余裕だな」
「ふゃん! あっ! よゆ、なんて…… ないぃっ……!」
軽く揺すられるだけで奥がぐりぐり押されて言い訳すら考えられなくなる。
「フィー、ル……きもちいい、よぅ……」
「もっとだ。私なしでは居られない身体にしたい」
「そんなの、もうなってる、のに」
「どうかな?」
「あぁぁぁぁぁっ!!」
……何がどうなったのか。
謎です。
夢うつつに好き好き言ってた気がするけどあんまり覚えていない……。
きっと覚えてない方が良い事だ!
翌日またベッドの住人になった事は当たり前過ぎてどうでも良い事だよね、うん。
6月に入り、リーデさんの友達の音楽家に会う日が来た。こちらの音楽はワルツっぽいのしか聴いた事ないけど、民族音楽もあるらしい。……おれの知識で何とかなるのかなぁ?
「ようこそ、ミローディア音楽堂へ」
「はじめまして」
ぺこりと頭を下げると寄ってたかって頭を撫でられた。子供扱いかな?
「珍しいダンスを教えてくれるんだって?」
「音楽もだよね?」
「かわいいからなんでも良い」
弦楽器と太鼓と笛。
執事さんが使うのと同じ弦楽器とアフリカの太鼓みたいな細長い4つの太鼓、手に持ったのは縦笛だけど腰についたポケットにも何か入っているみたい。
「ねぇねぇ早速やって見せて!」
挨拶もそこそこにダンスを強請られたので手拍子をしてもらい、誕生日にもやった基本のステップをやって見せた。ポーズを決めると目を輝かせ、みんなは興奮した様子で口々に喋り出した。
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