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おお!っと王都で驚いた
食べて遊んで戦って
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さすがにお客さんが来ているので膝抱っこでの食事にはならなかった。おれもチビもちゃんと自分用の椅子で食べる。
メニューはスープとサラダを食べたら山盛りの肉。もちろんおれたちはいつもの分量。お客さんは欲しい分だけ。ステーキと煮込みと蒸し焼きの肉。上品にきれいに食べているのに手が止まらず、何度もお代わりしている。
3回お代わりしたところでデザートもありますよ、の言葉にまた目を輝かせる。胃袋が亜空間に繋がってるんじゃないかな?
デザートのフルーツとムースとパウンドケーキももりもり食べてお腹いっぱいになった2人は幸せそうな顔でお礼を言った。
食休みをしているうちにアレクが帰って来た。
「ただいまー」
「あれく! よは! おかりー」
「ハルトきょうもかわいいでしゅね」
「はーとかぁいい! よは、かーいー!」
「ぐはぁ! 姫が2人ぃぃ~♡」
送って来たヨハンの母クレメンスさんもヨハンをかわいいと言うハラルドくんを気に入ったようだ。かわいいよねぇ。仲良しで褒めあってるのがさらに良い!!
アレクが少し疎外感感じていそうだけど。
暑いのでみんなで庭で水遊びをすることになった。抱っこされてるおれの事はスルーしてもらえてるけど、むしろ説明させて欲しい! お願い言い訳させて!!
魔力で動くポンプ式井戸の横に石を敷き詰めた水路が作られていた。……おじいちゃんとオットーさん、他家族達によって。
まさか1日で作ってしまうなんて……。
元々排水が流れやすいよう敷地の高くなった所に井戸があるから簡単に水路が作れたと言う。敷き詰められた石の厚みは分からないけど1mくらいあるから相当重いよ? でもデーメル家の人達は力持ちだからみんなでワイワイやると苦じゃないのかな?
仕事から帰って来たギュンターさんもフィールも嬉々として手伝ってたもんね。
かわいい服が濡れるのも気にせず水に足を入れ、アレク、ヨハン、ハルトの順に縦に並んでじゃぼじゃぼと遡って行く。途中、段差がつけてあって、水のカーテンがキラキラしていて、その下はほんの少し深くなっている。そこにハルトがしゃがみ込んだ。
じゃぼっと。
あ、お尻が。
「「………………」」
ちゃぽん。
ちゃぽん。
ヨハンがハルトの真似をして、見ていたアレクもそれに倣う。
「うぇぇぇぇん!」
水に濡れたオムツが気持ち悪いみたいで、ハルトが泣き出した。アレクとヨハンは濡れても気にならないようできゃいきゃい言いながら寝転んだりうつ伏せになったりして楽しそう。もう脱いじゃえば良いのに……。
おれの呟きを聞いて目を輝かせる2人。
濡れて脱ぎにくそうだけど自分で脱いで裸になった。褌まで取らなくて良いんだよ!?
脱がせるとハルトも機嫌が治り、きゃっきゃと遊び始めた。かわいい裸んぼが3人!
「……あの、今日は」
「悪いがチサトを抱いて稽古をつける事は出来ない」
「降ろしてくれれば良いのに! 悪いのはおれなんだから!!」
とバカップル全開のやり取りをしていたら助け手がやって来た。
「ディトマール、私じゃ不足だろうけどせめて相手してやるよ」
「「ザシャ先生!」」
ゆったりとした薄いブルーのシャツと紺のスラックスと言う動きやすい服装で木剣を3本持って来たザシャさん。戸惑いながらも2人は木剣を受け取った。
その瞬間にザシャさんが踏み込み、ディトマールくんが身を捩って躱す。慌てて傍からハラルドくんが木剣を振り下ろすも軽くいなされて距離を取られる。今度はディトマールくんが低い位置を薙ぎ払うけど飛んで躱して懐に入り込む。下方から切り上げるも間一髪で避けた。めまぐるしい!!
そんな感じで数分。
執事さんの制止の声が掛かった。
「そこまで! 休憩です」
肩で息をする2人と平然とするザシャさん。少しだけ汗をかいていて、髪をかきあげる仕草が見惚れるほどセクシーだ。
……ザシャさん、フィールと同じくらい強いんだよね。
「ザシャ先生かっこいい! こんなに強いのに何故学校ではダンスだけなんですか?」
「私はかわいいチサトの付き添いだ。剣技の授業には関係ないだろう」
「……個人教授をお願いするにはおいくらでしょうか」
「高いよ。けど、今日みたいにひ孫達の遊び相手になってくれるなら子守りの駄賃に相手してやろう」
「!! ありがとうございます!」
5分戦って2分休憩を4セット。
時計ないから体感だけど。
「お茶の時間だ」
「ぜぃ、はぁ……あ、ありが……とう、ございま、した……」
ディトマールくんはちゃんとお礼が言えてるけどハラルドくんは喋る事も出来ない。でも立ってるだけマシなんだって。
大変そうだもんね。(他人事)
庭の四阿に果実水とカットしたフルーツと大きくてひんやり冷たいゼリーが並べられ、みんなで食べた。復活したハラルドくんが子供達にあーんして喜んでる。ホントに子供好きなんだなー。あ、アレクが照れてる。
かわいいからおれもやる!!
3人もお返しにあーんしてくれた♡
水遊びしておやつを食べて眠くなったハルトは少しだけぐずり、抱っこした途端に眠った。
「ほんっと可愛いなぁ」
「そうだな」
ハラルドくんはともかく、ディトマールくんは子供に興味ないのかと思ってたけど接し方が判らないだけなようだ。うちの三位一体の天使たちが可愛くないはずがないもんね!!
メニューはスープとサラダを食べたら山盛りの肉。もちろんおれたちはいつもの分量。お客さんは欲しい分だけ。ステーキと煮込みと蒸し焼きの肉。上品にきれいに食べているのに手が止まらず、何度もお代わりしている。
3回お代わりしたところでデザートもありますよ、の言葉にまた目を輝かせる。胃袋が亜空間に繋がってるんじゃないかな?
デザートのフルーツとムースとパウンドケーキももりもり食べてお腹いっぱいになった2人は幸せそうな顔でお礼を言った。
食休みをしているうちにアレクが帰って来た。
「ただいまー」
「あれく! よは! おかりー」
「ハルトきょうもかわいいでしゅね」
「はーとかぁいい! よは、かーいー!」
「ぐはぁ! 姫が2人ぃぃ~♡」
送って来たヨハンの母クレメンスさんもヨハンをかわいいと言うハラルドくんを気に入ったようだ。かわいいよねぇ。仲良しで褒めあってるのがさらに良い!!
アレクが少し疎外感感じていそうだけど。
暑いのでみんなで庭で水遊びをすることになった。抱っこされてるおれの事はスルーしてもらえてるけど、むしろ説明させて欲しい! お願い言い訳させて!!
魔力で動くポンプ式井戸の横に石を敷き詰めた水路が作られていた。……おじいちゃんとオットーさん、他家族達によって。
まさか1日で作ってしまうなんて……。
元々排水が流れやすいよう敷地の高くなった所に井戸があるから簡単に水路が作れたと言う。敷き詰められた石の厚みは分からないけど1mくらいあるから相当重いよ? でもデーメル家の人達は力持ちだからみんなでワイワイやると苦じゃないのかな?
仕事から帰って来たギュンターさんもフィールも嬉々として手伝ってたもんね。
かわいい服が濡れるのも気にせず水に足を入れ、アレク、ヨハン、ハルトの順に縦に並んでじゃぼじゃぼと遡って行く。途中、段差がつけてあって、水のカーテンがキラキラしていて、その下はほんの少し深くなっている。そこにハルトがしゃがみ込んだ。
じゃぼっと。
あ、お尻が。
「「………………」」
ちゃぽん。
ちゃぽん。
ヨハンがハルトの真似をして、見ていたアレクもそれに倣う。
「うぇぇぇぇん!」
水に濡れたオムツが気持ち悪いみたいで、ハルトが泣き出した。アレクとヨハンは濡れても気にならないようできゃいきゃい言いながら寝転んだりうつ伏せになったりして楽しそう。もう脱いじゃえば良いのに……。
おれの呟きを聞いて目を輝かせる2人。
濡れて脱ぎにくそうだけど自分で脱いで裸になった。褌まで取らなくて良いんだよ!?
脱がせるとハルトも機嫌が治り、きゃっきゃと遊び始めた。かわいい裸んぼが3人!
「……あの、今日は」
「悪いがチサトを抱いて稽古をつける事は出来ない」
「降ろしてくれれば良いのに! 悪いのはおれなんだから!!」
とバカップル全開のやり取りをしていたら助け手がやって来た。
「ディトマール、私じゃ不足だろうけどせめて相手してやるよ」
「「ザシャ先生!」」
ゆったりとした薄いブルーのシャツと紺のスラックスと言う動きやすい服装で木剣を3本持って来たザシャさん。戸惑いながらも2人は木剣を受け取った。
その瞬間にザシャさんが踏み込み、ディトマールくんが身を捩って躱す。慌てて傍からハラルドくんが木剣を振り下ろすも軽くいなされて距離を取られる。今度はディトマールくんが低い位置を薙ぎ払うけど飛んで躱して懐に入り込む。下方から切り上げるも間一髪で避けた。めまぐるしい!!
そんな感じで数分。
執事さんの制止の声が掛かった。
「そこまで! 休憩です」
肩で息をする2人と平然とするザシャさん。少しだけ汗をかいていて、髪をかきあげる仕草が見惚れるほどセクシーだ。
……ザシャさん、フィールと同じくらい強いんだよね。
「ザシャ先生かっこいい! こんなに強いのに何故学校ではダンスだけなんですか?」
「私はかわいいチサトの付き添いだ。剣技の授業には関係ないだろう」
「……個人教授をお願いするにはおいくらでしょうか」
「高いよ。けど、今日みたいにひ孫達の遊び相手になってくれるなら子守りの駄賃に相手してやろう」
「!! ありがとうございます!」
5分戦って2分休憩を4セット。
時計ないから体感だけど。
「お茶の時間だ」
「ぜぃ、はぁ……あ、ありが……とう、ございま、した……」
ディトマールくんはちゃんとお礼が言えてるけどハラルドくんは喋る事も出来ない。でも立ってるだけマシなんだって。
大変そうだもんね。(他人事)
庭の四阿に果実水とカットしたフルーツと大きくてひんやり冷たいゼリーが並べられ、みんなで食べた。復活したハラルドくんが子供達にあーんして喜んでる。ホントに子供好きなんだなー。あ、アレクが照れてる。
かわいいからおれもやる!!
3人もお返しにあーんしてくれた♡
水遊びしておやつを食べて眠くなったハルトは少しだけぐずり、抱っこした途端に眠った。
「ほんっと可愛いなぁ」
「そうだな」
ハラルドくんはともかく、ディトマールくんは子供に興味ないのかと思ってたけど接し方が判らないだけなようだ。うちの三位一体の天使たちが可愛くないはずがないもんね!!
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