ほんのちょっと言語チート、くっださーいな!

香月ミツほ

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言語チート完全習得?

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ーー デーメル side ーー

チサトの部屋を客間代りにして泊めるのは少々不満だが、ほとんど使っていないので良しとする。

ずっと共に寝ているのだから部屋を分ける必要はないかもしれない。今後、了承を得られればチサトの荷物をこちらへ運び込んでも良いだろう。

「ぁ……ん、フィール、疲れてるでしょ?」
「さすがに疲れている。だがそのせいでこう……すまん。それにチサトの言葉が……」

丸3日も会えなかったのだ。
チサトへの欲望が身体の中に燻っている。それにまた子供たちに口づけさせてるのかと思うと嫉妬もある。

「そうだ、あのね……」
「すまん! 余裕がないので後にしてくれ」
「ふぅっ……ごめ……あっ……」

チサトには悪いが性急に進める。
あっという間に蕩けて私を受け止めるチサトはどれだけ言葉を尽くしても足りないくらいに愛らしい。私は夢中だった。

「フィール、あの……」
「何をしに来た!」

手近にあった枕をドアに投げつければドアが開いて不審者の姿が目に入る。エーギンハルトが股間を膨らませて暗い廊下に立っていた。

「おお、すまん。トイレに行って戻ろうとしたんだがあまりにも可愛い声が聞こえてな。ここで足が縫い付けられちまったんだ」
「殺されたいのか?」
「ダメ! フィール、あの…… 殺すのは、ダメ」

私の飛ばす殺気に怯えたチサトが縋り付いてくる。

「エーギンハルトさん、へ、変な声聞かせてごめんなさい。ベッドは小さくないですか?」
「多少足が出るが大事ない」
「チサト、こんな奴に気を使う必要はない。追い出すか?」
「でもこんな時間に……」
「いや、出て行くよ。こうも当てられては収まりがつかん。酒場でナンパでもするわ」

田舎だから娼館はない。だが連れ込み宿付きの酒場はある。そこに行くのだろう。

「ごめんなさい……」
「チサトは何も悪くないのになぜ謝る? こいつが変態なだけだろう」
「誰が変態だ! まぁ、好みが多少幼いのは認めるが成人してなきゃ手は出さないし、合意でしか抱かないぞ」
「どうでも良いから早くそこを閉めろ」
「チサト、気が変わったらいつでも嫁に来い。1番可愛がってやる」
「おれは1番じゃなくて唯一になりたいから、あなたの嫁にはなりません」
「……残念だ。デーメル、いつでも相手をしてやるから気が向いたら手合わせをしよう。なかなか筋が良かったぞ」
「そう言う台詞は下半身を落ち着けて言って欲しいものだが」
「オレも疲れてるんだ。切り離して考えてくれ」

夜中だと言うのに大声で豪快に笑いながら荷物をまとめて出て行った。

「なんだか変な人だったね」
「変わり者だな」
「でも嫌いじゃないよ」
「私は複雑だ」

チサトを狙う輩は警戒しなくてはならないが無理強いする事がないのならばチサトを信じて許容するべきか。他愛ない話をして眠りにつくと、朝にはすっきりと疲れが取れていた。




今日は朝の鍛錬を休んで寝坊するチサトの寝顔を堪能する。頬にかかる髪を払えば擽ったそうに顔を歪め、頭を撫でればふにゃりと笑う。……起きているのか?

「んぁ……フィール……おかり?」
「おはようチサト。私は昨日帰って来たぞ」
「……きのう。よる……だれか……んん」

寝ぼけているのも可愛いがいたずらしたくなって口づけをした。官能を引き出すように舌を絡めれば寝ぼけながらも応えてくれる。

「ふぅ……ん……はぁん……」
「チサト? あまり煽られると我慢ができなくなってしまうよ」
「んん……? あお、る?」

いたずらを仕掛けておいて責任転嫁も甚だしいが、可愛らしく主張する茎を擦りつけられると可愛がりたくて堪らない。

「少しだけ……」

舌を絡めながら互いのモノをひとまとめにして扱くと、どちらも呆気なく精を吐き出した。

「ふにゃぁぁぁ……っ!!」
「んんっ……」

「……え? な、に……?」
「おはよう、チサト。朝だよ」
「おはよ……っ! え? 何? なんで!?」

寝間着の上しか着ておらず、私の手にはべっとりと2人分の白濁。手拭いに手を伸ばす私に慌てている。

「寝ぼけながら私に擦り付けていたから、昨夜物足りなかったのかと」
「知らない! そんな事してないもん!!」

あぁ、泣かせてしまう。

「すまない、嘘だ。口づけで起こそうとしたのだがついうっかり夢中になって……深く舌を絡めたせいでそうなったんだ」
「口づけで……?」
「そうだ。だから泣かないでくれ。言葉の事もあるのだし」
「泣かないもん。あ……あのね、フィールに会えない間、誰ともキスしてないんだよ」

キスをしていない?
だが私が戻った時にもちゃんと喋っていた。どう言う事なのか。

「昨日の夜言いたかったんだけど、フィールが余裕ないって言うから言えなかったんだ」
「そう……なのか?」
「うん。いつまで大丈夫なのかは分からないけど」

体調の変化は特にないとの事なので謎ではあるが心配する必要もないだろう。

私達はぬるま湯のような幸せに浸って過ごした。
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