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職業体験、になるのかな?
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ーー チサト side ーー
「ふゃん!」
「わぁ、かわいいー!」
キスマークのとこ撫でたらかわいい声が出た。やっぱり気持ちいいんだ。
「「チサト!」」
「ふくたいちょーさん、キスマークあったよー?」
「お前のより小さいだろうが!」
「そうかなぁ?」
「やっ! くふっ! ふにゃ……っ!」
「チサト、やめなさい」
キスマークをいたずらしてたらフィールに邪魔された。
「なんでー?」
「見ていられないからだ」
よく分からないけど、まぁ良いか。
「あ! そうだ、コリンさんにこれ見せたかったんだ」
「はぁ……ん、なぁに?」
「このバッグなんだけど」
三角バッグを見せて使い方を説明した。
「面白いね。店に置いて良いよ」
「やった! 売れたらこれを作った子が喜ぶよ」
「1つじゃ商品として寂しいからもっと持って来られる?」
「うん!」
商談(?)が成立したところでお開き。
スタートが遅かったし明日は休みじゃないし。
夜だからって荷馬車で送ってくれた。
「チサト、人の服をめくったり撫で回すのは良くないな」
「でもおれもされたよ?」
「そうだ。だからきっとコリンも叱られてるだろう」
「むー…… わかった。ね、フィールにもキスマーク付けていい?」
「ふふ…… 風呂へ入ってからな」
お風呂上がりに石鹸の香りと混ざったフィールの香りにうっとりしてたら興奮しちゃった。お酒飲んでないのにどうしたんだろう?
3日後、バッグの追加を6つ持ってコリンさんのお店を訪ねると、最初に預けたバッグが売れるとこだった。あの兄弟だ!!
「こんにちは!」
「あ、バッグのおにーちゃん!」
「このまえは ありがとうございました」
「知り合い?」
「はい」
会った時のことを話したら、お兄ちゃんがバッグが気に入って手放せなくて真似して作ろうと考えてたら商品を見つけたので買いに来たのだと言った。
「これも同じのだけど色が少し違うんだ。こっちでも良いよ?」
「あ、作って来てくれたんだね」
「はい。仕立屋さんになりたいマリオンが作ってるから上手なんですよ。ね、マリオン」
「まぁね」
目の前で自分が作ったものが売れるのを見てちょっと照れているようだ。
「にぃ、ぼくも! ぼくのも!!」
「おかねもっともってこないと……」
「買ってもらえそう? だったら後払いでも良いよ」
「あとばらいって?」
「お金は後でいいよ、って事」
「いいの!? どれが良いかな?」
「ぼくこれ! これ、かっこいい!!」
年齢が近いからかな? 弟くんが選んだのはカイがリクエストしたデザインだった。
カイが喜びそう!
お兄ちゃんは最初のが気に入ったようでそのままお買い上げ。コリンさんがマリオンに2つ分の代金を払ってくれた。
「コリンさん、この前はごめんなさい」
「え? 何かあったっけ?」
「服めくったの、フィールに叱られちゃって……」
「あー、あれね。……うん、僕の方こそごめん。僕もオルトに怒られちゃった」
「チサト先生、何したの?」
「いや、その……」
説明したら大人ってそんな事で怒られるんだ、って笑われた。
2日後、あの兄弟がたくさんの焼き菓子を持って孤児院にバッグを返しに来てくれた。
「こんにちは! ここの しぇんしぇいに おしぇわになったので おれいにきました!」
「わぁ! 来てくれたの? 嬉しいなぁ」
「これ、みんなで食べてください」
2人が持って来てくれたのはフルーツ入りの焼き菓子でケーキとクッキーの間みたいな感じで美味しかった。子供たちともすぐ打ち解けて楽しそう。夕方まで一緒に遊んでいたらお父さんが迎えに来た。
「お世話になりましてありがとうございます。アーベル、バルドゥル、帰るぞ」
「こちらこそお土産までいただいてありがとうございました。赤ちゃんが生まれるそうですがそろそろですか?」
「えぇ、もういつ産まれてもおかしくないそうです」
「そうですか。楽しみですね」
院長先生とお父さんが話をしているところへ、カイとバルドゥルが手をつないでやって来た。
「「おとーしゃん! ぼくたち けっこんします!!」」
ぶふぅ!!
今日会ったばかりだよ?
「お、おう、そうか。あー…… じゃぁ、仲良くするんだぞ?」
「「はーい!」」
「院長先生、チサト先生、ありがとうございました」
「いつでも遊びに来てください」
「バル、かえるよ」
お兄ちゃんのアーベルが声をかけると
「バルおやしゅみ」
「かいおやしゅみ」
ちゅぅ。
「カイ!」
「バル!?」
驚く周りの人たちを見ながらさも当然とばかりに説明をする。
「しゅきなこ には おやしゅみの ちゅーしゅるの」
「それはほっぺで良いんです!」
「や! おくちのほうが いい!」
「ぼくも おくちが いい! おとーしゃんとおかーしゃんがしてるも!」
「あぁぁぁ、もう良いよ。ほら、行くぞ」
「「はーい!」」
お父さん、申し訳ないです。
でも話を聞いたらバルドゥルがカイに迫ったらしくて驚いた。
「かっこいいが いっしょなの! だから バルしゅき! ちしゃとせんせーと けっこんできなくて ごめんね?」
ふっ……フラれた!!
子供の初恋は母親だ、って。カイのおれへの気持ちはそれだろう、って院長先生が言ってたし、いつかは他に好きな子ができるって分かってたけど!!
こんなに早いなんて思わなかったーーーーーーーーーーー!!!!
「ふゃん!」
「わぁ、かわいいー!」
キスマークのとこ撫でたらかわいい声が出た。やっぱり気持ちいいんだ。
「「チサト!」」
「ふくたいちょーさん、キスマークあったよー?」
「お前のより小さいだろうが!」
「そうかなぁ?」
「やっ! くふっ! ふにゃ……っ!」
「チサト、やめなさい」
キスマークをいたずらしてたらフィールに邪魔された。
「なんでー?」
「見ていられないからだ」
よく分からないけど、まぁ良いか。
「あ! そうだ、コリンさんにこれ見せたかったんだ」
「はぁ……ん、なぁに?」
「このバッグなんだけど」
三角バッグを見せて使い方を説明した。
「面白いね。店に置いて良いよ」
「やった! 売れたらこれを作った子が喜ぶよ」
「1つじゃ商品として寂しいからもっと持って来られる?」
「うん!」
商談(?)が成立したところでお開き。
スタートが遅かったし明日は休みじゃないし。
夜だからって荷馬車で送ってくれた。
「チサト、人の服をめくったり撫で回すのは良くないな」
「でもおれもされたよ?」
「そうだ。だからきっとコリンも叱られてるだろう」
「むー…… わかった。ね、フィールにもキスマーク付けていい?」
「ふふ…… 風呂へ入ってからな」
お風呂上がりに石鹸の香りと混ざったフィールの香りにうっとりしてたら興奮しちゃった。お酒飲んでないのにどうしたんだろう?
3日後、バッグの追加を6つ持ってコリンさんのお店を訪ねると、最初に預けたバッグが売れるとこだった。あの兄弟だ!!
「こんにちは!」
「あ、バッグのおにーちゃん!」
「このまえは ありがとうございました」
「知り合い?」
「はい」
会った時のことを話したら、お兄ちゃんがバッグが気に入って手放せなくて真似して作ろうと考えてたら商品を見つけたので買いに来たのだと言った。
「これも同じのだけど色が少し違うんだ。こっちでも良いよ?」
「あ、作って来てくれたんだね」
「はい。仕立屋さんになりたいマリオンが作ってるから上手なんですよ。ね、マリオン」
「まぁね」
目の前で自分が作ったものが売れるのを見てちょっと照れているようだ。
「にぃ、ぼくも! ぼくのも!!」
「おかねもっともってこないと……」
「買ってもらえそう? だったら後払いでも良いよ」
「あとばらいって?」
「お金は後でいいよ、って事」
「いいの!? どれが良いかな?」
「ぼくこれ! これ、かっこいい!!」
年齢が近いからかな? 弟くんが選んだのはカイがリクエストしたデザインだった。
カイが喜びそう!
お兄ちゃんは最初のが気に入ったようでそのままお買い上げ。コリンさんがマリオンに2つ分の代金を払ってくれた。
「コリンさん、この前はごめんなさい」
「え? 何かあったっけ?」
「服めくったの、フィールに叱られちゃって……」
「あー、あれね。……うん、僕の方こそごめん。僕もオルトに怒られちゃった」
「チサト先生、何したの?」
「いや、その……」
説明したら大人ってそんな事で怒られるんだ、って笑われた。
2日後、あの兄弟がたくさんの焼き菓子を持って孤児院にバッグを返しに来てくれた。
「こんにちは! ここの しぇんしぇいに おしぇわになったので おれいにきました!」
「わぁ! 来てくれたの? 嬉しいなぁ」
「これ、みんなで食べてください」
2人が持って来てくれたのはフルーツ入りの焼き菓子でケーキとクッキーの間みたいな感じで美味しかった。子供たちともすぐ打ち解けて楽しそう。夕方まで一緒に遊んでいたらお父さんが迎えに来た。
「お世話になりましてありがとうございます。アーベル、バルドゥル、帰るぞ」
「こちらこそお土産までいただいてありがとうございました。赤ちゃんが生まれるそうですがそろそろですか?」
「えぇ、もういつ産まれてもおかしくないそうです」
「そうですか。楽しみですね」
院長先生とお父さんが話をしているところへ、カイとバルドゥルが手をつないでやって来た。
「「おとーしゃん! ぼくたち けっこんします!!」」
ぶふぅ!!
今日会ったばかりだよ?
「お、おう、そうか。あー…… じゃぁ、仲良くするんだぞ?」
「「はーい!」」
「院長先生、チサト先生、ありがとうございました」
「いつでも遊びに来てください」
「バル、かえるよ」
お兄ちゃんのアーベルが声をかけると
「バルおやしゅみ」
「かいおやしゅみ」
ちゅぅ。
「カイ!」
「バル!?」
驚く周りの人たちを見ながらさも当然とばかりに説明をする。
「しゅきなこ には おやしゅみの ちゅーしゅるの」
「それはほっぺで良いんです!」
「や! おくちのほうが いい!」
「ぼくも おくちが いい! おとーしゃんとおかーしゃんがしてるも!」
「あぁぁぁ、もう良いよ。ほら、行くぞ」
「「はーい!」」
お父さん、申し訳ないです。
でも話を聞いたらバルドゥルがカイに迫ったらしくて驚いた。
「かっこいいが いっしょなの! だから バルしゅき! ちしゃとせんせーと けっこんできなくて ごめんね?」
ふっ……フラれた!!
子供の初恋は母親だ、って。カイのおれへの気持ちはそれだろう、って院長先生が言ってたし、いつかは他に好きな子ができるって分かってたけど!!
こんなに早いなんて思わなかったーーーーーーーーーーー!!!!
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