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20.索敵範囲は100m
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公子様が国に戻る日を翌日に控えた日のお昼過ぎ。
唐突にユピピアまで同行するよう言われた。
何で!?
「悪いな。索敵がどこまでできるか調べたいんだ。毒は探らなくていい。敵意のある生き物だけだ」
「……でも、そうするとまた禁欲生活だよね」
そろそろ夢精しそうですよ。
「それは私の部屋にくればいいだろう」
「いいの……?」
「毎晩は無理だがな」
そういうことなら大歓迎!
でも心の準備があるから前もって教えて欲しい。ここへ来て流され上手になったから大丈夫だけどね!!
明日の夜にはえっちができる、とうきうきしながら公子殿下のお世話をした。
男だと判ったら着替えも手伝うよう言われ、少しだけ仕事が増えた。服選びは他の人がしてくれるから気が楽だけどね。
「楽しそうですね」
「えっと、いえ、その……」
「僕のわがままでユピピアまで送っていただくことになり、申し訳ありません。ですが、辛そうでなくて安心しました」
「えぇ、驚きましたけど旅を楽しみにしています」
リンホウ王国との戦場とは方向が違うらしい。
向こうは草原だったけど、ユピピアは森が多いと聞く。薬草といえば森だよね。
街道は両サイドに石を並べ、その間に砂利を敷いて土を被せ、踏み固めたもの。石畳を敷き詰めるより手軽でそれなりに水捌けが良く、使い勝手がいいらしい。
メンテはそれぞれの領主がやる。
街道が荒れるとすぐに流通が滞るのでどこの領地も真面目にやるらしい。正にライフライン!
と、公子殿下が教えてくれた。
「公子殿下はよくご存知ですね」
「基礎ですから」
辺境伯の養子に入ったら領地経営とかするんだろうな。こうして同じ馬車で移動中、この世界の一般常識を教えてくれて、1日目はなかなか楽しい移動だった。
毎日街の宿に泊まれるのも楽しい。国境の街で公子殿下をユピピアの辺境伯へ引き渡して任務終了だ。
*******
「殿下はどうだ?」
「失礼な言い方だけど、いい子だよね。姫様と仲良くなれる気がする」
「政略結婚だから険悪にならなければ問題ない」
「でもどうせなら幸せになって欲しいよ?」
「ま、そうだな」
「それより、そろそろオレを幸せにして」
「なんだ、結婚したいのか?」
「もう! 分かってるくせに……!」
宿に到着し、殿下のお世話が終わってから食事をとった。何かあった時のために護衛は少しずつ時間をずらしてとる。
それにしても丸1日座りっぱなしで疲れた。
だから早く気持ち良くなってぐっすり眠りたいのにベイセルがからかう。オレは今、飢えてるのに!!
護衛のための部屋は殿下の部屋に近いけど、オレ達は1つ下の部屋。階段のそばで何かあったらすぐ駆けつけられるような場所。
「あんまりゆっくりできないでしょう?」
「まぁな」
「なら早くしよう?」
服を脱がせ、自分も脱いでベッドに座らせる。まずは後孔を浄化してもらい、ベイセルの巨根にむしゃぶりつきながらばっちり準備した潤滑油を使って自分で解す。雄臭さにうっとりしてたら愛液が出てきた。便利!!
「も、いいよね」
「ははは、そんなにがっつかれたら嬉しくてすぐ出そうだな」
「絶倫なんでしょ? いっぱい出して」
「……言ったな?」
突然、野獣のようにギラギラとした眼を向けられ、期待にぞくりと身を震わせる。指で具合を確認され、性急に秘所を暴かれると、快楽に翻弄されて何がなんだかわからなくなった。
前から後ろからガツガツと乱暴に穿たれ、幾度となく果てる。緩急をつけて刺激された乳首は赤く腫れ、いやらしく熟している。火照った身体はどこもかしこも敏感で抱きしめられるだけで嬌声がこぼれた。
気がつけば朝。
オレは自力で座ることもできなくて、荷物運搬用の馬車に急遽作られたベッドで運ばれることになった。
煽ったオレが悪いの? 違うよね。暴走したベイセルが悪いんだよね。
心優しい殿下に心配され、しっかりバレていた原因のベイセルが叱られていた。ベイセルはロニーからも叱られている。
オレばっかり溜まってると思ってたけど、もしかしてベイセルも溜まってたのかなぁ?
「敵だ!!」
「どこだ!」
「進路右前方10人! 左後方5人!!」
「進路右前方10人! 左後方5人!!」
馭者さんが復唱して周りに知らせると、護衛の人達が適度な距離を保って馬車の列を囲い、全体で速度を上げた。
しばらくして馬車が止まる。
「タカラ殿、動けますか?」
「あ、ロニー。もう大丈夫」
「では殿下の馬車に移ってください」
まだ少しフラつくものの、歩けるので移動する。どうやらオレの索敵範囲は100m程度で、走られると20秒もかからない距離だ。弓を使われたら役に立たないなぁ。
「そのための鎧です」
護衛達は3分の1ずつ全身鎧、上半身と膝までの前面を覆った鎧、そしてコートの下にチェインメイルを着てヘルメットをかぶった人に分かれている。ベイセルは身分を示すコートを着るためにチェインメイルだそうだ。
思わず惚れ直す格好良さ。
馬車を移ると殿下が興奮を隠せずにいた。
「タカラが初めに敵に気づいたと聞きました。どうして判ったんですか?」
「えっと……、話していいのかなぁ?」
「あぁ、そうですよね。軍事機密ですね」
がっかりさせてしまった。
でもこの子なら悪用しないと思うんだけどな。
「許可がでたらお教えしますね」
「はいっ!」
この索敵は範囲は100m程度だけど、オレの意識がある限り大した魔力を使わずに出しっぱなしにできる。意識が他に向くとせっかく反応があっても見逃す可能性もあるけど。悪意や殺気は怖いからちゃんと判った。
襲撃者15人の内、捕縛できたのは5人。どうやらただの野盗らしい。
待って!
明らかに偉い人を護衛してます、って雰囲気のオレ達をただの野盗が襲うの? おかしくない?
「こちらは囮だから大した戦力はないと唆されたらしい」
「様子見の捨て駒ってこと?」
「そうだ」
ってことは、公子の命か身柄を狙ったのか、うちとユピピアを仲違いさせたいのか、その両方か。
あの毒侍女さんも唆されたのかもなぁ。
遺体も含め、罪人としてまとめて組み立て式の荷車に乗せて次の街の衛兵に渡す。尋問やらはそちらの仕事だそうだ。
荷車は最後尾の馬車の後ろに繋げて運ぶ。
……遺体が近くにあると思うと落ち着かないなぁ。
「まだ顔色が悪いですね。大丈夫ですか?」
「ええ。……身近に死を感じることが少なかったので、落ち着かないのです。慣れるしかないと解ってはいるのですが」
ここは異世界。
襲ってきた敵を殺したところで過剰防衛には当たらない。
「大丈夫です。皆が守ってくれますから」
公子殿下はそう言って優しく微笑み、両手を握ってくれた。それなりに鍛錬をしているのだろう手は華奢で華やかな見た目と違い、力強かった。
「殿下の手は安心しますね」
「そう言っていただけると鍛錬をした甲斐があります。……タカラの手は貴婦人のようですね」
「怠け者なのです」
「ぷふっ!」
2人で笑い合い、まだ遠い国境の山並みを見ながら雑談をして過ごした。
街に到着し、宿に入る。
野盗は街に入ってすぐ衛兵に引き渡した。
今回の宿にはなんと!
湯船があった!!
お高い部屋でも浴室に大きなタライが置いてあるのが普通なので、とても嬉しい。
とはいえ、ガスで沸かす訳ではないので蛇口から出るのは水。ここに熱した石を入れてお湯を沸かすのだ。もちろん、宿の人が。
「我が国には温泉がありまして、この宿の主人が体験して気に入り、温泉ではなくとも湯に浸かれるように、とこの浴室を作ったのだそうですよ」
「でも……、この部屋だけなんですね」
そう、風呂は超贅沢品。
宿の目玉としてスイートルームにのみ作られている。足を伸ばして入れる小判型の湯船はなかなか味がある。
のに!!
入れないのかぁ……。
唐突にユピピアまで同行するよう言われた。
何で!?
「悪いな。索敵がどこまでできるか調べたいんだ。毒は探らなくていい。敵意のある生き物だけだ」
「……でも、そうするとまた禁欲生活だよね」
そろそろ夢精しそうですよ。
「それは私の部屋にくればいいだろう」
「いいの……?」
「毎晩は無理だがな」
そういうことなら大歓迎!
でも心の準備があるから前もって教えて欲しい。ここへ来て流され上手になったから大丈夫だけどね!!
明日の夜にはえっちができる、とうきうきしながら公子殿下のお世話をした。
男だと判ったら着替えも手伝うよう言われ、少しだけ仕事が増えた。服選びは他の人がしてくれるから気が楽だけどね。
「楽しそうですね」
「えっと、いえ、その……」
「僕のわがままでユピピアまで送っていただくことになり、申し訳ありません。ですが、辛そうでなくて安心しました」
「えぇ、驚きましたけど旅を楽しみにしています」
リンホウ王国との戦場とは方向が違うらしい。
向こうは草原だったけど、ユピピアは森が多いと聞く。薬草といえば森だよね。
街道は両サイドに石を並べ、その間に砂利を敷いて土を被せ、踏み固めたもの。石畳を敷き詰めるより手軽でそれなりに水捌けが良く、使い勝手がいいらしい。
メンテはそれぞれの領主がやる。
街道が荒れるとすぐに流通が滞るのでどこの領地も真面目にやるらしい。正にライフライン!
と、公子殿下が教えてくれた。
「公子殿下はよくご存知ですね」
「基礎ですから」
辺境伯の養子に入ったら領地経営とかするんだろうな。こうして同じ馬車で移動中、この世界の一般常識を教えてくれて、1日目はなかなか楽しい移動だった。
毎日街の宿に泊まれるのも楽しい。国境の街で公子殿下をユピピアの辺境伯へ引き渡して任務終了だ。
*******
「殿下はどうだ?」
「失礼な言い方だけど、いい子だよね。姫様と仲良くなれる気がする」
「政略結婚だから険悪にならなければ問題ない」
「でもどうせなら幸せになって欲しいよ?」
「ま、そうだな」
「それより、そろそろオレを幸せにして」
「なんだ、結婚したいのか?」
「もう! 分かってるくせに……!」
宿に到着し、殿下のお世話が終わってから食事をとった。何かあった時のために護衛は少しずつ時間をずらしてとる。
それにしても丸1日座りっぱなしで疲れた。
だから早く気持ち良くなってぐっすり眠りたいのにベイセルがからかう。オレは今、飢えてるのに!!
護衛のための部屋は殿下の部屋に近いけど、オレ達は1つ下の部屋。階段のそばで何かあったらすぐ駆けつけられるような場所。
「あんまりゆっくりできないでしょう?」
「まぁな」
「なら早くしよう?」
服を脱がせ、自分も脱いでベッドに座らせる。まずは後孔を浄化してもらい、ベイセルの巨根にむしゃぶりつきながらばっちり準備した潤滑油を使って自分で解す。雄臭さにうっとりしてたら愛液が出てきた。便利!!
「も、いいよね」
「ははは、そんなにがっつかれたら嬉しくてすぐ出そうだな」
「絶倫なんでしょ? いっぱい出して」
「……言ったな?」
突然、野獣のようにギラギラとした眼を向けられ、期待にぞくりと身を震わせる。指で具合を確認され、性急に秘所を暴かれると、快楽に翻弄されて何がなんだかわからなくなった。
前から後ろからガツガツと乱暴に穿たれ、幾度となく果てる。緩急をつけて刺激された乳首は赤く腫れ、いやらしく熟している。火照った身体はどこもかしこも敏感で抱きしめられるだけで嬌声がこぼれた。
気がつけば朝。
オレは自力で座ることもできなくて、荷物運搬用の馬車に急遽作られたベッドで運ばれることになった。
煽ったオレが悪いの? 違うよね。暴走したベイセルが悪いんだよね。
心優しい殿下に心配され、しっかりバレていた原因のベイセルが叱られていた。ベイセルはロニーからも叱られている。
オレばっかり溜まってると思ってたけど、もしかしてベイセルも溜まってたのかなぁ?
「敵だ!!」
「どこだ!」
「進路右前方10人! 左後方5人!!」
「進路右前方10人! 左後方5人!!」
馭者さんが復唱して周りに知らせると、護衛の人達が適度な距離を保って馬車の列を囲い、全体で速度を上げた。
しばらくして馬車が止まる。
「タカラ殿、動けますか?」
「あ、ロニー。もう大丈夫」
「では殿下の馬車に移ってください」
まだ少しフラつくものの、歩けるので移動する。どうやらオレの索敵範囲は100m程度で、走られると20秒もかからない距離だ。弓を使われたら役に立たないなぁ。
「そのための鎧です」
護衛達は3分の1ずつ全身鎧、上半身と膝までの前面を覆った鎧、そしてコートの下にチェインメイルを着てヘルメットをかぶった人に分かれている。ベイセルは身分を示すコートを着るためにチェインメイルだそうだ。
思わず惚れ直す格好良さ。
馬車を移ると殿下が興奮を隠せずにいた。
「タカラが初めに敵に気づいたと聞きました。どうして判ったんですか?」
「えっと……、話していいのかなぁ?」
「あぁ、そうですよね。軍事機密ですね」
がっかりさせてしまった。
でもこの子なら悪用しないと思うんだけどな。
「許可がでたらお教えしますね」
「はいっ!」
この索敵は範囲は100m程度だけど、オレの意識がある限り大した魔力を使わずに出しっぱなしにできる。意識が他に向くとせっかく反応があっても見逃す可能性もあるけど。悪意や殺気は怖いからちゃんと判った。
襲撃者15人の内、捕縛できたのは5人。どうやらただの野盗らしい。
待って!
明らかに偉い人を護衛してます、って雰囲気のオレ達をただの野盗が襲うの? おかしくない?
「こちらは囮だから大した戦力はないと唆されたらしい」
「様子見の捨て駒ってこと?」
「そうだ」
ってことは、公子の命か身柄を狙ったのか、うちとユピピアを仲違いさせたいのか、その両方か。
あの毒侍女さんも唆されたのかもなぁ。
遺体も含め、罪人としてまとめて組み立て式の荷車に乗せて次の街の衛兵に渡す。尋問やらはそちらの仕事だそうだ。
荷車は最後尾の馬車の後ろに繋げて運ぶ。
……遺体が近くにあると思うと落ち着かないなぁ。
「まだ顔色が悪いですね。大丈夫ですか?」
「ええ。……身近に死を感じることが少なかったので、落ち着かないのです。慣れるしかないと解ってはいるのですが」
ここは異世界。
襲ってきた敵を殺したところで過剰防衛には当たらない。
「大丈夫です。皆が守ってくれますから」
公子殿下はそう言って優しく微笑み、両手を握ってくれた。それなりに鍛錬をしているのだろう手は華奢で華やかな見た目と違い、力強かった。
「殿下の手は安心しますね」
「そう言っていただけると鍛錬をした甲斐があります。……タカラの手は貴婦人のようですね」
「怠け者なのです」
「ぷふっ!」
2人で笑い合い、まだ遠い国境の山並みを見ながら雑談をして過ごした。
街に到着し、宿に入る。
野盗は街に入ってすぐ衛兵に引き渡した。
今回の宿にはなんと!
湯船があった!!
お高い部屋でも浴室に大きなタライが置いてあるのが普通なので、とても嬉しい。
とはいえ、ガスで沸かす訳ではないので蛇口から出るのは水。ここに熱した石を入れてお湯を沸かすのだ。もちろん、宿の人が。
「我が国には温泉がありまして、この宿の主人が体験して気に入り、温泉ではなくとも湯に浸かれるように、とこの浴室を作ったのだそうですよ」
「でも……、この部屋だけなんですね」
そう、風呂は超贅沢品。
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