ハレムの種馬 〜資格は早漏!?〜

香月ミツほ

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甘い苦痛 7-1

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ボニファー・バルシュミーデの秘密

立地に恵まれ、運良く財を成したバルシュミーデ一族が王として名乗りを上げ、すでに建国500年。名をバルシュ王国という。東西を結ぶ陸路は険しい山と海に阻まれ、我が国を通過しなくてはならない。
国を挙げての事業で海峡の上に跨る橋のような街を作り上げたのだ。

何かあっては困るので、王城は橋の上には無い。険しい山に食い込むように作られているのだ。おかげで他国の商人がどうにかして通行料を払わずに済ませようと、迂回しようとするのも丸見えで、取締りに役立っている。

そして隣国は人的資源に秀でた、というよりそれに頼り切った能天気な国だ。ペーニッツ王国と言いながら、王はお飾りで、議会制を取っている。

我が国の調べによると、ペーニッツ王国では250年に1度、異世界から絶倫・早漏を誇る「主さま」とやらを召喚する。この召喚術は徹底的に秘匿されている。当然だろう。

その術にはかなりの危険が伴うようなので、我が国としては手を出すつもりはない。そのおかげで両国の関係はとても良好だ。

「主さま」召喚に合わせ、末王子を後宮に送り込むのだ。「主さま」は解析不可能な不思議な力を持ち、次々に孕ませ、タチを産ませる。その数、100人。生涯に100人の子を産ませる人間なぞにわかには信じがたい。さらに驚くべきは通常2割以下のはずのタチが8割の確率で生まれてくる。

途方もない時をかけて、異世界から呼び込む価値がある。

我らとは命のことわりが違うのだろうな。

ただし、250年に1度なので、その幸運に預かれる王子は私で3人目。先代の手記はとにかく惚気るばかりで、王室の書物として表には出すことはできない。

時は来た。

私の代で召喚が為されることは事実だ。
どのような好みか判らぬ故、見聞を広め、体を鍛えよう。選ばれるために。

会ってみればどこまでも能天気で毒気がない。街を見るにも貴族街より下町を好む。

愚か者を装って庇護欲を刺激すると、なんの疑いもなく落ちた。

時期を見て我が国にもおいでいただき、有力貴族や功績を挙げたものに子種を授けていただこう。

───────────────────


「ボニファー!」
「主さま!」
「かわいい手紙、ありがとう!!」
「主さまも、素敵な手紙をありがとうございました。宝物にいたします」
「え、やめて? あんな本音だだ漏れ、欲望まみれの手紙なんて、読んだら捨てていいんだよ?」
「本音を書いて下さったのですから、尚更嬉しいのです」

ボニファーはきれいで、かわいくて、かっこいい王子様だ。なのに素直すぎて熱出しちゃうとか、もう、たまらない!!

鍛えてきゅっと盛り上がったお尻は、すべすべのお肌と最高のコラボになっている。

「あ、ん……」
「あっ! ごめん、我慢できなくて……」
「わたくしも堪えられず、恥知らずにもお声かけをおねだりしてしまいました。おあいこですね」

ちゅ、と触れるだけのキスをして微笑むボンボン王子、あざとかわいい!! いや、ちょっとアホだから天然なだけ?

かわいければ、なんでもいい!

好きなだけ撫で回して、舐めて、揉んで、挿入! もっともっと、って素直におねだりするのが、良いんだよなぁ。デレデレ。

タチが生まれたらボニファーの母国に渡さないとならない契約があるそうで、少し寂しい。この国で一緒に暮らせるのは10歳まで。離れ離れになったら、しっかり里帰りさせてあげよう。

ついて行こうかな?

隣国は構造が面白いらしいし!

それに、隣とはいえ、異国。
この国とは毛色の違う美形がいるはずだ。

隣国のお城まで馬車で3日。
ちょいちょい俺を独り占めしたがるボニファーと2人っきりの3日間。子供も一緒だろうけど家族水入らず! 甘やかしちゃうぞー!!


───────────────────



結局、子供が生まれるのを待たず、年に2回は隣国に行くことになった。建国記念日と国王の生誕祭に呼ばれるからだ。

これには王のオーリーも同行するので、移動ハレムになってしまっている。独り占めさせてあげられなくてごめん!

でも豪華な馬車はキャンピングカー仕様で、昼間っから取っ替え引っ替え。馬車の振動で小刻みに突き上げるの、気持ちいいぃのぉぉぉ……! 1日中オーリーとアマンダとボニファーに挿入している。

2人の息子達は乳母に預けてあるので、今回は大人だけだ。

爛れた生活……!|(うっとり)

「ボニファー、疲れやすいの? 大丈夫?」
「大丈夫です。少々、喉が渇くだけです」

喘がせてるから?
トイレ(小)に行ったり、外の空気吸ったりが多いから、乗り物酔いかと思ったけど。この世界の人なら馬車も慣れてるはずだよな。具合が悪くなければいいんだけど。

「主さま、ボニファー様が怪しいのです」
「怪しい?」
「何か隠しているようなのです!」
「……そういうものじゃない?」

時と場合によって、えっちな気分を隠したりするよね?

「そういう事ではありません!!」
「アマンダ、落ち着きなさい。調査はこちらでしています。主さまを煩わせてはいけませんよ」
「王……」
「アマンダ、心配してくれたの? ありがとう。嬉しいよ」
「あんっ! も、もう! 主さまぁ……」

俺は絶倫だけど、みんなはそうじゃないのでちゃんと休憩も挟んでいる。今はまったりタイムです。膝に乗せてお尻なでなで。

3日目の夕方、隣国に到着。
すっげぇ!!
街の向こうの切り立った斜面に穴が開いてる! 窓か! 階段もある!!

すげぇっ!

……でも、俺……。

高所恐怖症……。

外階段、登れない……!!

恥ずかしながら、荷物用のエレベーターに入れて運んでもらいました。うぅ、格好つかない……。3人まとめて乗れたので、2人にしがみついて震えてました。ボニファーは先触れとして上で待っていてくれます。

「主さま、その、こんな事を申してはいけないのでしょうが、お可愛らしいですね」
「うぐっ」
「頼られるのって、とても満たされます」
「あぅあぅ」

話しかけられてもちゃんとした返事ができない。ちゃんとトイレに寄ってから乗ったから漏らしてないよ!

そしてエレベーターを降りたら腰が抜けてて、こっちの国の護衛にお姫様抱っこで運ばれました。(遠い目)

うちの護衛は外階段を登っています。

「うちの護衛を先に運び上げれば、このような役得をバルシュ兵に譲りはしなかったのに」
「役得て。こんなのただの仕事で、喜ぶのはうちの国の子たちだけじゃないの?」
「いいえ、光栄です」

アマンダの不満を不思議に思ったけど、抱っこしてくれてる近衛師団第一団団長のイグナーツは蕩けるような笑顔で言い切った。垂れ目で褐色肌、緩やかなウェーブのかかった淡い金髪。超セクシー!!

「主さま?」
「えっと、本当に役得とか、思ってる?」
「はい」

なら申し訳なく思うことないのか。素直に身を預けよう。

本当はまず王様に挨拶しなきゃいけないんだけど、俺の体調不良として1刻程客室で休ませてもらった。

こんなに豪華な家具、あのエレベーターで運び上げたのかな?

「オーリー、膝枕してぇ~」
「はい、喜んで」
「主さま、果実水はいかがですか?」
「飲む!」

口移しです。うまー!!

うちの護衛は慣れてるけど、団長さんは戸惑ってた。まだいてくれるの? あぁ、気分が良くなったら案内してくれるのか。

呆れる?

「……主さまって、大きな胸、お好きですね」
「えっ!? 突然何? 大きな胸も、ぺたんこも、ふわふわも好きだよ? 感度が良ければなんでもいい!」
「ぶふっ!」

あ、団長さんに笑われた。

「失礼いたしました。我が国のタチの方々とはかなり違いましたので、つい」
「主さまは特別なお方ですから」
「おっしゃる通りです」

タチはアルフレドとヒースしか知らないけど、割と軽いと思うよ? 違うの?

「大切にされますから、尊大な方が多いのです。努力して手に入れた能力でもないのに」
「団長、酷いことされたの?」
「いいえ、余計なことを申し上げました。お忘れください」

話は打ち切られ、謁見室に案内された。うちの国でもそうなのかな?
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