ましゅまろボディ わがままボディ

ましゅまろボディ わがままボディ

「幸せになりたーい！！」

って、とてつもなく大きな流れ星に願った。
それはまさかのメテオストライクで取り乱す暇もなかったけど、この場合、俺の願いは叶うのだろうか？

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「おい！目を覚ませ！おいっ！」
「ん……ここは……？」
「オレの船だ」

都会の片隅にいたはずだが視界には青く広がる空と白い雲、
びしょ濡れのスーツを着た俺を覗き込む赤毛の褐色イケメン。
メテオストライクからのどストライク！！ 
……異世界に転移したんだろうか？

「えぇと……星に願いを叫んだらこうなりました」
「どんな願いだ？」

幸せになりたい。
それほど不幸だった訳でもなく、恋人とか結婚なんて贅沢も言わない。ただイケメンを側で眺められたらじゅうぶんだ。できれば嫌われず、それなりに認めてもらえたらさらに嬉しい、と。
このどストライクのイケメンが命の恩人なので、夢が叶った、のだろうか？　いや、これが夢である可能性も高い。

「オレ達は商人だ。欲しい物はなんでも言え。調達できない物もあるがな」

にかっと笑う褐色イケメンはアラビアンナイトの様な服装なので上半身はボレロ。前ボタンもないから雄っぱいの谷間がドーン！風に吹かれてｔｋｂがチラリ。
ゲイとしては目のやり場に困る。

「あの……お金を持っていないので、まずは働かせて下さい。あと着替えを貸して下さい」
「まぁそうだろうな。家まで送り届けてやりたいがそんな服は見たことがないし、どこに行けば良いのか分からん。顔立ちは星降る島の奴らと似てはいるが……何ができる？」
「掃除、洗濯、計算はそれなりにできると思いますが文字が読めるか分かりません。料理は教えてもらえれば何でもします！」
「戦いはどうだ？」
「からっきしです！」
「じゃ、まず甲板掃除な。新入りはみんなそこからだ」
「ありがとうございます！」

一番下っ端だと言う人に案内されて着替えを借りる。アラビアンナイト……恥ずかしい……ワイシャツのボタンを外したところで下っ端さんが騒ぎ出した。

「おぉ、おまっ！　女だったのかよ！？」
「……男です。太ってるだけです。気にしてるんであんまり言わないで下さい」
「いやいやいや、そりゃ無理だろ。ちょっと！　ちょっと触らせろ！！」
「えっ？　あっ、ちょ……」
「うっわ！　柔らけぇ……　何だこれ……」
「いっ！　痛い！　乱暴はやめて下さい！」
「おい！　ヨス、新入りに何してる！」
「し、身体検査です！　こいつ女じゃないんですか？」
「……確かに柔らかかったな」
「男です！　俺、男ですよ！？」

女の子と間違われてエッチなことされるのは吝かではないが、後で男かよ！って怒られるのは嫌だ。

「けどその胸……」
「太ってるだけです！」
「太る……？」

元々太りやすい上にデスクワークで運動しない、仕事以外で外出しない、買い物は宅配。

「貴族か？」
「えーっと……貧乏な下級貴族です」

独身貴族！（ごめんなさい）
貧乏貴族だから家事は自分でやってた設定でいこう。

「脱いでみろ」
「え……」
「脱いで見せてみろ」
「は、はい！」

羽織っていたワイシャツを脱いで上半身裸になった。ネクタイどこ行ったんだろう？

「女じゃないのか？」
「し、下も脱ぎます！」

さすがに恥ずかしいのでパンイチで勘弁して欲しい。のだけど、短小なのでニットトランクス越しでは説得力が弱いようだ。
「ふゃっ！」

ちゃんとついてんのかなんて言われ、揉まれて変な声が出た。
初めて他人の手でやわやわ揉まれる……気持ち良くないはずがない。しかもどストライクのイケメンがゴツゴツした男らしい
手で……

「ついてはいる、が……子供か？」
「小さいだけ……ちゃんと、おとな、です……！」
「船長、見せて下さい！」
「ひゃぁっ！」

ヨスさんが俺のパンツを下ろした。

「ちっさ！」
「これで大人か？」
「うぅ……20歳です。ちゃんと勃起してるでしょ？」
「まぁなぁ……」
「はひゃっ、あぁん……やぁ……」

直接いじられて変な声がでる。
人に触られるのは気持ちいいって本当なんだ。でも、なんでまだいじってるの？

「まぁ、ここにいる間は大人でも子供でも構わず働かせるがな」
「服、どうします？」
「クイネク着せとけ」
「やぁぁ……っ、やめ、で、出ちゃう！」
「お、悪い」

ここでお預け！？　うそん（涙）
クイネクと言うのはゆったりとした丈の長いワンピースのような服。快適だけど掃除には邪魔だからゆったりしたズボンに入れて押さえた。……空から降りてくる系ヒロインが働く時みたいな感じになっている。

その後、俺を悪夢が襲った。つまり船酔いである。
当たり前だけど、船酔いってきつい。おまけに遮るものが何もない甲板は暑い。うん、倒れるよね。
気づけば医務室らしき船室のベッドにいた。

「気づいたか？　船酔いするなんてやはり陸の人間だな」
「あ……ぅぷ！」
「ほら、これに吐け」

桶を出されて素直に吐く。
水をもらって口を嗽ぎ、残った水を飲み干した。

「しばらく寝てろ」
「は、うぅ、あり、がとう……ございま……」

そう言えばここの所寝不足だったなぁ、と思いながら目を閉じた。早く船酔い治らないかな……

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「おい、メシ食えるか？」
「……え、と。スープくらいなら……」

ヨスさんに揺り起こされた。船酔いは軽くなっている気がする。

「あ、美味しい……」
「だろ？　料理長のメシ、美味いよな！
　この魚はオレが釣ったんだぞ」
「釣りですか？　すごい！　良いなぁ、やってみたいなぁ」
「した事ないのか？
　なら元気になって掃除が終わったら教えてやる」
「良いんですか！？　ありがとうございます！　嬉しいです」

良い人！って思ったけどなんだかニヤニヤしてる。
ちょっとドキドキです。

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翌朝、かなり回復して朝食にリゾットが食べられた。甲板掃除は暑さが堪えるので室内の清掃をさせてもらう。

「よし！　釣りに行くぞ！」

ヨスさんが道具を準備してくれていた。かなりの釣り好きらしく今ここで釣れる魚を説明してくれるけど、魚に詳しくない俺にはちんぷんかんぷんだった。そしてただ指示通り糸を垂らす。

くん！

何かがかかった手ごたえにヨスさんを呼ぶ！

「何かかかりました！　どうしたら良いんですか！？」
「貸してみろ！」

ヨスさんが竿を操り、上がってきた物は……

「ケルプ……」
「……海藻かぁ。食べられます？」

毒はないけど美味しくもない。けどドクターが湿布に使うので捨てずに置いとけ、と言われた。魚を釣りたい。ヨスさんは大物２匹と小魚15匹、超大物１匹。俺は……　ひと抱えもあるケルプ３つ。

使い道はあまり無いけどこんなに採れるのは珍しいと、みんなが集まってきてゲラゲラ笑っている。
笑いが止まらない事を謝ってくれるけど海の男達の眩しい笑顔が見られて幸せだから平気。

採ってきたんだから手伝えと倒れた時にお世話してくれたダンディな人が言った。ドクターらしい。いつでも湿布が作れるようにケルプを真水でよく揉んで滑りを引き出し、それを乾燥させるそうだ。
すごい！
ガゴメ昆布並みのぬるぬる！！
不埒な妄想をしてしまうのは内緒だ。

「こりゃ質が良いな。使わない分は売れるぞ」
「稼げます？」
「多少な」

多少では生活できないなー。
はっ！　夢かも知れないのに生活の心配してる！？　……まだ目が覚めないみたいだから一応、いろいろ考えておこう。

船の食事は１日２回だそうで、お腹が減ってしまった。

ケルプは真水で揉んでサイズが半分になったら捨てる。だけど俺は空腹で、口寂しくて口に入れた。あれ？美味しいよ！

「何、食ってんだ」
「小さくなったケルプ、美味しいですよ！」

醤油が欲しい……。柔らかいだし昆布しゃぶってる感じだ。
ドクターには呆れられたけど、縮んだケルプをもらって食堂へ
行って一口サイズにカットしてもらった。

「それなりに旨味はあるが……」
「醤油があれば良いんですけどね」
「魚醤ならあるぞ」
「あるんですか！？　試させて下さい！」

魚醤は少し生臭いので加熱して臭みを取る。すると昆布の旨みと相まってとても美味しくなった。

「いけるな」
「これ、漬けて干したらツマミになりませんか？」
「やってみるか」

お酒と蜜を入れた魚醤にカットしたケルプを漬け込み、干して一夜干しにする。ヨスさんが追加で釣ってきた魚も試す事になった。うろ覚えだけど料理長がいろいろ提案してくれるので片っ端から試してみる。料理長は塩味の干物しか作った事がなかったらしいので新しい味への挑戦にノリノリだ。

「おい新入り、手伝え」

またしてもドクターに呼ばれて医務室（？）に行くと、船長の右腕が力なくぶら下がっている。魚竜と格闘したらしい。
……魚竜？

「手頃な大きさの魚竜がいたから仕留めたんだが暴れてな」
「肩が外れたようだから嵌めて湿布をして固定する。他の奴らは魚竜の解体に手一杯だから押さえてくれ」

上半身裸の船長に抱きついて良いなんてなんのご褒美！？
指示に従いベッドに座る船長の膝に乗ってしがみつく。これって対面座位じゃないですか！！　あ、ダメだ！　考えたら勃っちゃう。いくらポークビッツでもこれだけ密着してたらバレる。嫌われたくない。

「いくぞ。ふんっ！！」

ゴキッ！っと怖い音がしたものの、船長は顔色ひとつ変えない。大丈夫って事かな？

「なんでお前が震えてんだ？」
「だって痛そうだから……」

相撲部だったからしょっちゅう脱臼してたので、その痛みを思い出しちゃうんだよね。震えてるのはワザとだけど。
膝から降りて肩に湿布を貼って包帯で固定する様子を見守る。
肩が動かせないからボレロも着られないけどtkbは包帯で隠れてしまった…… 残念。

「ん……？」

船長さん、足も痛めたようだ。そっちも湿布した方が良いよね。

「この程度、放っときゃ治る」
「役に立てるかどうかドクターに見て欲しくて。応急処置ならできるんです！」
「肩嵌めるの見て震えてるようじゃなぁ」

２人をなだめて足首の処置をした。

「上手いもんだな」
「あぁ、これなら一晩で治りそうだ」
「役に立ててますか？」
「見習いやってみろ。けど、明後日には島に着くから島で職を見つけるのかこのままここで働くのか、考えとけよ」

島のドクターと知り合いだから島で暮らすなら紹介すると言ってくれた。島か……どんな感じかな？

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今夜はヨスさんともう１人と同室。

「よろしくお願いします」
「よろしく……よろ……」
「落ち着けよヨス。ったく、これだから童貞は」
 「しょうがないでしょう！？　こいつが悪いんですから！！」
「俺、何か悪い事しました！？」
「男しかいない船におっぱいを持ち込んだだろう！」

超言い掛かり！
太ってるだけ！　船に乗ったのも不可抗力！！

「悪いな。こいつまだ成人したばっかで童貞なんだよ。島に着いたら娼館に連れて行ってもらえるんだが、まだな」
「男のおっぱいに興奮するなんて嫌じゃないんですか？」
「あのな。普通、男のおっぱいはそんなに柔らかくないんだよ」
「……そう言えば太ってるのって珍しいんでしたっけ？」
「見たことないぞ」

この世界では男の人は細マッチョかガチムチが普通で、太るのは貴族のごく一部らしい。だから貴族か？って聞かれたのか。俺の国では珍しくなかったと言えば驚かれた。

「よし、見せろ」
「意味が分かりません」
「細けぇコト気にすんじゃねぇ」
「だってヨスさんが乱暴にして痛かったんです」
「おれは痛くしない」

痛くないなら構わないので、言われた通りにシャツのボタンを外した。

「こりゃあ……」

ヨスさんの先輩メルチョさんがニヤリと笑って手を伸ばす。優しくやわやわと感触を確かめる手の動きに変な気分になってきた。

「感じてるのか？」
「へ……　はぅっ！？」
「やっぱ女じゃねぇのか？」

ｔｋｂを摘ままれて変な声が出たのを鼻で笑われるけど、弱い刺激が下腹部に蓄積していく。

「も、いいでしょ？　俺トイレに……」
「ここで出せ」
「そ、それは……」

初対面でおっぱい揉まれて自慰までしろとか……　やばい！　興奮する！！
やっぱり夢だよね……　やっちゃえ！
パンツに手を突っ込んでとっくにヌルヌルのポークビッツを擦り始めたらパンツを脱がされた。……またちっさ！って言われた。
おっぱいを触り続けるメルチョさんとガン見するヨスさんの前であっという間に達した俺。

「いけるな」
「いけますよねっ！？」

２人が何やら目配せしあった後、ケルプのヌルヌルを持ってきて初めての素股をした。気持ちいい……

結局俺は船を降りる事なくドクターの見習いになった。
船長を眺め、先輩たちに可愛がられ、釣りもして毎日楽しく暮らしている。相変わらず高確率でケルプを釣り上げるのは謎だけど他の魚も釣れるようになった。

そして島の商館でおっぱいに興奮しすぎて出禁を食らったヨスさんは何かを拗らせてしまって女より俺の方が良いと言って俺で筆下ろしをした。絆されて恋人みたいになってるけど船長のかっこよさは別格でついつい見惚れてはヤキモチを焼かれている。

メルチョさんや他の人に俺が抱かれるのはそれほど妬かないんだけど、なんで？　え、共有財産的な扱い？

異世界の海の男のルールはよく分からないけど、願いが叶ったって事だろう。だって俺は毎日幸せだから。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《おわり》