感じやすいぼくの話

香月ミツほ

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第1章

感じやすいぼくの話⑦

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「人が堪えていると言うのに無邪気に快楽を求めて腰を揺らすか」
「揺らして、な…あぁん!」

ズンッと根本まで入れられた指が中の良い所を擦る。

「そこ、んぅ…あぁっ…」

指を2本3本と増やされて快楽だけが増して行く。内部の伸縮具合を確かめるようにバラバラに動く指が心地良い。

「フォルク様…きもち…い、です…」

がばりと覆い被さって口内を貪る粘膜がまたしても初めての快楽を教えてくれる。
気持良くて離れたくなくて首に腕を回して唇を夢中で貪っていたら後孔から指が抜かれた。

「やぁ、もっと…」

出て行ってしまった指を強請ると、指3本より太くて熱い塊がぬるりと押し入って来た。

「あぁぁっ!」

少量の白濁を零して軽く絶頂する。少しキツいけれど滑りが良くてあり得ないほど気持良い。

「くぅっ…」

フォルク様が堪える声が耳元で聞こえて、すごく色っぽくて、それだけでも感じてしまう。

「いきなり達してしまいそうになるなんて…こんな事が…」

フォルク様が荒い呼吸で呟く。
フォルク様も気持良いのかな?ぼくはすごく気持良いから、もっと動いて欲しい。

腰をくねらせ、快感を追いかける。

「こ、のっ!」
「きゃうん!」

激しく突き上げられて何も考えられなくなった。ぴゅくぴゅくと吐き出す雫が言葉よりも雄弁に身体の状態を表す。フォルク様は内部の一際強く快感をもたらす部分を熱心に擦り上げ、奥に熱い飛沫を吐き出す時にぼくの背中きゅっとつねってより深い快感を与えてくれた。

気がつけば朝で、フォルク様がレイプ目になっていた。

なんでー???





「お…お早うございます、フォルク様」
「すっ…! …すまなかった。我を忘れて襲いかかるなど、最低、の…行為を…!!」

フォルク様に苦しそうに謝られた。

「ぼくも…我慢できなくてごめんなさい」

気持良すぎるんだもん。初めてだからセックスが全部あんなに気持良いものなのか、この身体のせいなのか、フォルク様が上手なのか判らないけど、思い出したらお腹の奥がきゅんとする。

「そんなに色香を振り撒かないでくれ。また襲いかかってしまう」
「んっと…フォルク様は貴族で、ぼくとは身分が違うから考え方も違うのかも知れないけど、あんまり気に病まないで下さい」
「…辛くはないか?」
「きっ…きっ、き…気持良かったから、辛くない、です」

顔も耳も熱い!!
恥ずかしくて両手で顔を覆ったからフォルク様の表情は判らないけど、優しく抱きしめてくれた。

「あっ…」
「!! すっ、すまない!もう不用意に触れたりしないから… 顔を洗って来る」

フォルク様、動揺してるなー。
ぼくも顔洗いたい。

執事さんに声をかけたら侍従さんが桶に水を入れて持って来てくれた。

「いけません!身なりを整えてからいらして下さい!」

あれ?昨日まではちょっとくらいシャツで出ても何も言われなかったのに、どうしたんだろう?
でも言われた通りに着替える。水が肘までつたって袖が濡れちゃうからパジャマのままで顔洗うのが習慣なのに…

半そでくらいまで捲くって顔を洗った。

えーっと…
なんで胸が濡れたんだろう?

「は!はやく馬車に戻りなさい!!」

戻って来たフォルク様にそう言われたけど、ご飯は外で食べるんだよね?

「これからは食事も馬車の中にしてくれ」
「ぼく…悪い事したんですか?だからずっと馬車の中にいなくちゃダメなの?」
「悪いのは私だ! 昨夜の行為の声と…揺れが…他の者に丸聞こえで…」
「きゃぁぁぁ!!」

ぼくは情けない悲鳴を上げて馬車に逃げ込んだ。

恥ずかしすぎるよー! 誰にも顔合わせられないよー!!

丸1日、ぼくは馬車の中で過ごした。トイレだけは外に出たけどね。(涙)


夜、馬車の中をベッドにする間外に出た。
マントを借りて頭から被って人からの視線を遮って。

「イク…からだ…大丈夫か?」

ローデさんの声だ。

「だいじょうぶ、です。恥ずかしくてみんなの顔が見られないだけで…」
「そっ、そうか。まったくなぁ、お貴族様ってヤツは平民からの税収で暮らしてんだからもっと平民を大事にしろってんだ!」
「返す言葉も無い…」
「わぁ!エ、エーレンフェルス侯爵!」
「あの!ローデさん、ぼく大事にしてもらったよ。大事にしてもらってなかったら、あんなに気持良いはず無いって言うか…」

ローデさんを見上げるとフードがぱさりと落ちた。

「イク?本当にイク、なんだよな?」
「イクだよ。どうして?」
「その、なんだ…あー…印象が変わっちまって…急に大人びたな」
「自分じゃ判らないけど…」
「だから馬車から出るなと言ったんだ」

ため息をつくフォルク様に促されて用意のできた馬車に戻った。
その夜も翌日も、何事も無く過ぎた。腫れ物に触るような扱いになってしまって居心地が悪かったけれど。



夕方に到着した隣国は小さくて、国境からそれほど遠くない場所に王都があった。夜には迎賓館に到着。国土は狭くても希少な宝石の産出国で影響力は大きい。だけど少し前に鉱山に魔獣が住みついて採掘が困難になって、友好国であるうちの国が応援に駆けつけ、無事魔獣を倒した。

両国の更なる友好のため、うちの有力貴族の第2子が隣国の宰相の第3子と婚姻する事となり、フォルク様は兄である宰相の名代として結婚披露パーティーに駆けつけたのだと言う。

難しい事はいいや。

そう言えばお尻にあんな大きなもの入れて痛くないのって、異世界仕様なのかな。
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