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8 失墜するゼフィスとロスフォール大公
とろけるような時間をアイリスと過ごすサスベス
しおりを挟む朝、サスベスは目覚めるとアイリスの腕に包まれてる。
もぞ…と動いて、アイリスにぴったりと肌を寄せると、アイリスの温もりに幸福を感じた。
けど直ぐ、目覚めたアイリスがそっ…と。
サスベスの股間に触れる。
サスベスは直ぐ、アイリスの手に握られて、快感の表情を晒す…。
けれど…。
今はもう、それだけでは足らず。
もぞ…と腰を揺すり、アイリスの首に両腕巻き付けて、せがむ。
「挿入(い)れて…」
アイリスは、くす…。
と笑い、囁く。
「もう…私が欲しいのですか?
こんな…早朝から?」
アイリスの声を耳元で聞くと、サスベスはぞくり…。
と身を、戦慄かせた。
「ん…。
お願い…だ…。
挿入(い)れて、思いっきり…突いてくれ…」
アイリスはまた、クス…と笑う。
「そんなに…気持ち良くなりたいんですか?」
サスベスは問われて、素直にコクン…と頷く。
アイリスの方も、サスベスがすっかり可愛らしく感じていたし…。
年若いのに、頭領と言う重責を担い、亡くなった父を慕い、涙する事もままならない孤独な彼に同情していたから…。
つい、うんと甘やかすように、甘い口づけをし…。
舌を刺し入れたまま、ゆっくりと蕾を分け入って、下をも刺し貫く。
舌で口腔内を突くようにかき回し、下半身の方も、下から激しく抉り上げると、サスベスは快感に背を反らす。
「ん…っ…!」
裸のアイリスにしがみついて、与えられる快感に溺れる。
アイリスもサスベスと快感を分け合うように…腕にサスベスを抱きしめて、ゆっくりと腰を使う…。
「ん…あ…っ。
ああ…っ」
けれど朝は、アイリスは比較的優しく、激しく貫くことをしない。
ゆっくりと腰を使われ、ジラされるように感じて、サスベスの方から、アイリスを飲み込むように腰を打ち付ける。
「んんっ…」
「イイ…ですか?」
アイリスに耳元で囁かれて…サスベスは背を反らしたまま、頷く。
「凄く…」
アイリスの手が、勃ち上がったサスベスに触れて握り込む。
優しく擦り上げられてると言うのに…サスベスは簡単に、解き放つ。
が、足りないというように、直ぐ腰を揺すり…猛ったまま差し込まれたアイリスに後腔を擦りつけてまた直ぐ、自身を勃たせ、アイリスにせがむ。
「して…もっと…。
お前を私にくれ…。
お前が欲しい…ん…っ」
アイリスは煽られて、サスベスを腕に抱き、耳元で尋ねる。
「私が…そんなに欲しい?
もっと…激しく突いて欲しいんですね?」
サスベスは素直に囁く。
「そう…欲しい…。
お前が…」
そう、サスベスに申し入れられると、アイリスの脳天が興奮でかっ!とのぼせ…。
サスベスに導かれるまま、激しく腰を使い始める。
「あっ!」
いつも…アイリスが本気になると、彼の本性の激しい男らしさに、ぞくぞく身が、戦慄きまくる。
せがむと…アイリスは、見せてくれた。
丁寧な言葉。
優しい微笑を取り払い、本当の彼を。
「ああっ!あっ!」
激しく突き上げられる毎に、脳天が白く蕩け…。
そして、二度。
アイリスに突かれて射精し、三度目。
アイリスが、解き放つと同時に昇天し、サスベスは意識を無くす。
次に目を開けた時。
ぞくり…とする、男の艶を纏ったアイリスが、囁く。
「さあもう…朝の、見回りの時間です」
サスベスは素直にコクン。
と頷くと、アイリスはご褒美のように、しっとりとした…優しい口づけをくれた。
そうしてサスベスは衣服を纏い、朝食前にアイリスと城下を見回る。
最初、ゼフィスに命じられたまま、寝室に召して犯した女達と目が合うと。
目を背けられたものだった。
けれどアイリスが背後にいて、共に歩く内、女達もほっとした様子で、見てくれるようになった…。
チラと背後を見ると、アイリスが彼女達に
“もう、大丈夫だから”と言うように、微笑んでる。
サスベスはその都度、自分を恥じ入って、顔を下げた。
けれど…並んで歩く、アイリスにほんの少し、触れただけで…。
もう、彼の優しい笑顔の内の、激しく猛々しい男らしさを感じて、頬が染まる。
…とても美しい笑顔なのに。
その時はとても、男っぽくて…。
ぞくりとする程の、強さを見せるのに…。
でもいつも、一緒にイってくれる。
置いて、行ったりしない。
寄り添ってくれる…。
サスベスはアイリスの存在を確かめると、ほっとした。
目覚めるといつも、腕の中に居て…自然に、包み込んでくれる…。
男らしいのに…けれどとても、優しい…。
銀の一族には、決していない男…。
強さと優しさを、同時に併せ持ってる…。
アイリスはサスベスが、以前よりかなり、落ち着いたと感じた。
幾らしても足りないと、飢えた獣のように始終求め、発情していた頃とは違い。
“欲しい”と言えば、応えてくれる相手がいると、安心したせいか。
城下を歩く間、欲情したりせず、周囲の様子が視界に入ってる。
知り合いの男を見かけると、頷いて挨拶をしたりするし、見知った顔を見かけると、様子を尋ねたりするようになった。
相手はゼフィスが居た頃のサスベスを思い浮かべ、一瞬躊躇するものの。
背後に付き従うアイリスが、微笑んで頷くのを見て、サスベスに言葉を返す。
そうしたふれあいが、サスベスに余裕を持たせているように、感じられた。
けれど二人きりになると。
サスベスは直ぐ、抱きついてキスをねだり。
そしてアイリスの腕に抱かれて、思い切り刺し貫かれる事を望む。
アイリスの方も…こうも一途に求められると、つい煽られて欲情し、彼を思いきり抱きしめ、刺し貫いて、幾度もサスベスと、快感を分かち合った。
抱き合うとサスベスは落ち着きを取り戻し、頭領としての仕事をこなす為、着替えて執務室に入る。
けれどその時ですら、アイリスが側に居ることを確かめ…。
アイリスは邪魔にならないよう、斜め横の椅子にかけて、振り向くサスベスに微笑を送る。
その途端…サスベスはほっとした様子で、部下からの報告を、受け取り、重臣の意見を聞いて、指示を出した。
部下達はサスベスの様子に、気づいていた。
が、アイリスはゼフィスと違い、執務に口を出さない。
無茶な命令も与えず、ただサスベスを、支えてるように見えた。
だから…命令を受けて退出する部下らは皆。
サスベスに礼をした後、背後のアイリスに視線を振り。
そして…アイリスに、会釈する。
感謝を込めて。
けどそんな頃。
ゼフィスが城に、戻って来た。
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