アースルーリンドの騎士達 妖女ゼフィスの陰謀

あーす。

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3 妖女ゼフィス 復讐の始まり

影の一族の城を去るゼフィス

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 が。
影の一族の城で、相変わらずサスベスは、ゼフィスをイかす事が、出来ずにいた。
でもサスベスは、イかせられたと満足げ。

その都度、ゼフィスは部下に女を連れてくるよう、命じる。
最初、部下達はまさか頭領が、連れてきた女を無理矢理、犯してると知らなかった。

が、一人の女が犯された事を部下に告げ
「そんな馬鹿な…」
と笑い、信じない部下に、次に連れてこられた女も。
その次の女にも。

涙目で「強引に…犯されました!」
と言われて初めて、その事実を受け入れる。

年若いサスベスの暴走を諫めようと、寝室をノックするものの…。
逆にサスベスに
「どうして次の女を、連れてこない!!!」
と怒鳴られ…。

そして女を連れて行かないと、サスベスが自身で出向き、目についた女を無理矢理引きずり、寝室へと連れ込んだ。

扉が閉まる前。
部下達は中で笑う、ゼフィスを見た。

「あらやっと、連れてこられたの?
命令を聞かない部下なんて。
処刑しちゃえばいいのよ」

部下らは呆然とした。
なぜならサスベスは
「そうだな…」
と、ゼフィスに同意したから。

それから…。
ゼフィスは楽になった。

サスベスは一人でも女をイかせようと。
次から次々と女を呼んでは、無理矢理組み強いて腰を使う。

とうとう部下から。
「これ以上は…。
妊娠でもしたら…頭領の子供だらけになって、男はあぶれます」

そう言われてサスベスは俯く。
だがゼフィスはサスベスの耳元で、小声で囁く。
「あら。
少年でもいいじゃない?
ちゃんと突っ込む、穴がある事だし」

ゼフィスの言葉を聞いてサスベスは、暴挙は一旦収まると、ほっとしてる部下に言い放つ。

「代わりに少年を、連れてこい…!」

この後はまさに、人身御供だった。
兄や父を処刑されたくない少年らが次々と、何をされるか分かって。
サスベスの寝室に連れてこられる。

サスベスは直ぐ、組み敷くと。
ほぐす事も無くいきなり挿入し、彼らの狭い後腔を、血まみれにした。

血のついた自身を見て、呆然とするサスベスに、ゼフィスは囁く。
「…男は女とは、違いますわ…。
大した傷じゃないから、直ぐに癒えますし。
肝心なのは…彼らでは無く、貴方が楽しんだかと言う事。
彼もあなた様を満足させられて、誇りに思ってるに、決まってるわ?」

そう告げるゼフィスを、犯された少年は睨み付けているというのに…。

けれど城下の者を犯す間に。
サスベスはゼフィスを、求めた。

ゼフィスはまるで、女や少年を犯したご褒美のように、自分を与えた。

「どう…?
私とするのが、最高に良くなるでしょう?
もっと…女や少年を犯した、後に私とすると…。
蕩けそうな快感が、味わえるわよ?」

サスベスはもう、ゼフィスに逆らわなかった。
四六時中快感に脳が痺れ…ゼフィスの、言うがまま。

すっかり執務の事など綺麗に忘れ、次々と寝室に、犯す少年らを寄越すよう、部下に命じ続けた。





 襲撃の急使が舞い込む大公家の豪華な執務室に、ニーシャが姿を見せる。

エラインと大公母は、襲われた領地への指示を、次々に使者へ伝える中。

エルベス大公だけが、振り向く。

ニーシャの、真顔を見つめ囁いた。
「ではやはり…銀髪の、影の一族の仕業なんですか?」

部屋を出ようとした使者らも、大公母もエラインもが。
大公のその言葉に振り向く。

「…宮廷の小物。
ゼフィスとか言う身分の低い、ロスフォール大公の遠い血縁が。
影の城に入り込んで若き頭領を垂らし込み、操ってるらしいわ…」

「ロスフォールの仕業なの?!
あの…強欲な若造!!!
領民が丹精込めて育てた作物満載の、荷馬車を襲わせるなんて!
あの若造のお父様は、狡猾だったけど。
それでもまだ、恥を知っていたわ!!!」

大公母が叫ぶ中、エルベスは苦笑する。
「でも、ロスフォールはそれは私を、嫌っていましたからね…!」

けれどニーシャが、弟を庇うように言う。
「アメリア大公子女が、ロスフォールより貴方に惚れたから?
あんな女も振り向かせられず、貴方を恨むなんて逆恨みもいいとこ。
けど多分、そっちじゃないわよ。
私がロスフォールをこっぴどく袖にした上
『女を満足させられない役立たず』
って人前で罵って。
その悪評で、身分高い女にフラれまくった仕返しに。
自分に取り入るゼフィスって下賤の身分の、野心家の女を焚きつけてるの」

エルベスはそれを聞いて、顔を下げる。
「華やかな場所では姉様の意見は絶対で。
皆、誰が床上手で、誰がダメか…。
姉様の意見を参考にされていますから…。
『役立たず』なんて烙印を押されたら、男として抹殺されたも同然でしょう…?」

ニーシャは顔を下げる弟に言い返す。

「あらそれは私の意見じゃないわよ?
けど私の好き者の友達が、ロスフォールと寝た上での感想なら。
確かなはずよ?」

「それでも姉様の口から、出たのよね?」
妹、エラインにジロリ…と見られ、ニーシャは顔を背けて腕組みする。

「…責任は、取るわよ。
レスルに影の一族の城へ。
潜入出来るよう手配して貰ってるから」

大公母は、亡き夫似の、長女に振り向く。
「…まさか若き頭領を、貴方自身が、寝取り返す算段なの?
銀髪の一族は大層手強い、手練れだらけなのに…?!」

母の心配げな言葉に、ニーシャは微笑む。
「だから、レスルを雇って貰ったんじゃないの。
無事、影の一族の城に潜入させて貰い、目的を果たした後は無事に、脱出させて貰うために」

母はため息を吐きつつ、囁く。
「そりゃ…レスルが付いてるのなら、そんな物騒な所へ。
行って帰っても、来られるでしょうけど…」

「ともかく、ロスフォールと繋がってるゼフィスは、私が退けるから」

そう言い切って、くるり。と背を向けるニーシャに。
エラインも大公母も…。
そして、大公エルベスもが。

心配げな眼差しを向けて、その背を見送った。




 その頃、影の一族の城で、ゼフィスは。
とうとうサスベスを、ほんの僅か、ゼフィスがお風呂に入ってる間ですら。
姿を求め、探しに来る程の、虜にした。

そして、やっと。
ギュンターに毒を盛る事に成功したと、都在駐の部下から報告を受け取って、狂喜する。

「寝たきりで、軍務の間も姿が見えず、葬式は直でしょう」
「…あらまだ、完全に死んでないのね。
しぶとい事。
まあ、いいわ…。
彼が酷い目に遭ってるのは、事実ですものね」

ゼフィスは復讐できて、最高の気分だった。
けれどゼフィスは都に戻り…ギュンターが死に行く様を見届けて、もっと楽しみたいと熱望した。

「(出来れば葬式に、笑って出てやりたいわ!)」

ゼフィスはとうとう疲労の限界をも感じ、一旦都に戻る決意をする。

年若いサスベスは、もう自分の言いなり。
自分が相手出来ない時(休みたい時)は、城の中の女と見れば、手当たり次第に手を出し、盛りの付いた雄同然に励む。

大公から届く命令書を、今やサスベス自身が部下に手渡し、命じ始めていた。

が、城を発つ前、言い含めるのを忘れない。
「大公の使者の、命令書をちゃんと、受け取って命を下してね。
それと、エルベス大公家の者が…特に、女が。
入り込むと、毒殺されかねないから。
絶対、新しい外の女は、ここに入れないようにするのよ?

貴方がエルベス大公家の女に暗殺なんてされたら。
私、悲しくて胸が潰れてしまうわ…。

後は…そうね。
私が不在の間、城下の女か…。
部下達が五月蠅いようなら、少年を代わりに抱くといいわ。
妊娠しないから。

でもきっと、私じゃないから、ご不満でしょうけど…。
必ず、直ぐ戻って来るから。
少しの間、我慢してね?」

ゼフィスは別れがたい少年の、乞うような瞳を振り切って、また例の…。
恐怖の吊り橋を幾つも渡りながら、内心悪態突いた。

「(公爵夫人になったらサスベスの方を、私の城へ呼び出してやるんだから!!!)」

公爵が差し向けた、帰りの馬車の中。
ぐったりしながら…ギュンターの、葬式がまだ出てないことを知った。
そして、大公に頼んでおいた、ギュンターの身辺調書に目を通す。

ギュンターは、貴婦人達と戯れに寝台を共にするものの…。
必ず“惚れてる相手がいるから、遊びなら”
と毎度律儀に相手に言い含め…彼を自分のものにしたいご婦人は
「それでもいいわ」
と答えるものの、一夜過ごしてもギュンターは惚れた相手に忠実なまま。

数多くの女性としとねを共にしながらも、かつて一度も本気になった試し無く、それでも女性は一時(いっとき)彼欲しさに、必死に彼を遊びに誘う、モテモテぶり。

多くの女性が
「惚れた相手なんて忘れさせて、絶対私に振り向かせてみせる!」
と毎度挑戦するが、寝た後も態度を変えること無く、ギュンターは今だ惚れた相手を一途に思い続けているらしい。

ゼフィスはその件(くだり)を読んで、内心鼻で笑った。
「(女と安全に遊ぶ、手管でしょう?
賭けてもいい。
彼に本気の相手なんて、いる訳無いわ)

しかし…。
二枚目の羊皮紙をめくった時。
そこには、ギュンターが本気で惚れてる相手について、書かれていた。

王立騎士養成学校時代のギュンターの後輩、北領地[シェンダー・ラーデン]大公子息、ローランデ。

「(…なんて事。
惚れた相手って女じゃ無く、男なの?!)」
ゼフィスは貪るように次の文字を目で追った。

…王立騎士養成学校時代、大公子息に夢中になり、だが子息に
“相手しきれないから、他で遊んでくれ”
と言われ、ギュンターは仕方無く彼の言葉道理、“遊びで良いのなら”と、女性を相手にしている。

「(…その後の、浮気相手のリストの女性の名前…!
凄い貴婦人達の名が、ズラリと揃ってる…!
舞踏会の華と有名な、アラスト夫人まで?
これだけの女と寝て…それでもまだ、大公子息にベタ惚れ…?!
冗談でしょう?!!!!)」

途中の宿で一泊し、疲れた体をゆっくり休めながらも…。
ゼフィスの脳裏には、ギュンターがマジ惚れしたという、北領地[シェンダー・ラーデン]大公子息の事が浮かび続けた。

だから翌日の午後、再び都目指して馬車が走り始めた時。
とうとう我慢出来ず、ゼフィスは御者に叫んだ。

「自宅に戻る前に、王立騎士養成学校へ寄ってちょうだい!!!」

一目、あれだけの男らしい美貌で数多の女性を虜にした男を、惚れさせたと言う北領地[シェンダー・ラーデン]大公子息を、どうしても見たくて。
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