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帰り道 14
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ギュンターが目を、覚ます。
いつの間にか、腕に抱いたローランデの温もりの安堵感で、寝入ってしまったのだと気づく。
ローランデは腕の中に居た。
昼間の剣士とは同一人物とは思えぬ程…艶やかで美しかった。
閉じた瞼も。伏せた長い睫も。
しっとりと赤い唇も、形の良い鼻も…。
しなだれかかるように身を寄せる、その体は初めて彼の裸体を見た時同様、均整が取れて美しかった。
決してごつく無い。
が、しなやかな筋肉に包まれ、どこもかしこも彫刻に彫り込みたい程整いきった体付きで美しかった。
その時は教練の授業中で上半身だけだったが…。
たまに一緒に成る共同入浴所で見た、彼の足も素晴らしかった。
北国の産まれに相応しい、息を飲む程真っ白な肌で、すらりと長い綺麗な足をしていて…。
彼の股間の、茶の茂みについてる男の印でさえも美しかったから、自分は重傷だと思い…それ以来、気づくと口説いてた。
どうして…彼を見て自分のものにしたい。と思う男が居ないのか、理解出来なかった。
綺麗な少年を我先にペットにしようと、上級の猛者が争う中、彼を対象に争う男は一人も、居ないなんて。
…だが今考えれば、奴らは皆利口だったのだ。
容易く落とせる相手なんかじゃない。と、教練中の誰もが思い知っていた。
北領地[シェンダー・ラーデン]大公子息の大貴族。
身分の高さで対象から外れ、更に剣の腕前とどんな相手の前でも姿勢を正し凜として、決して態度を変えない清冽さ。
下級生らに慕われ、上級生に一目置かれ、講師共にはこぞって気に入られ………。
そんな彼を公然と口説いてから、どれだけの男を敵に回したろう………?
そっ…とあどけなく眠る彼を抱き寄せ、顔を寄せて瞼の上に口付ける。
顔を離すとローランデはゆっくりと美しい、青の瞳を開けた。
「…もう…夜明け?」
あどけなく無邪気で…気品と育ちの良さは決して損なわれやしない。
あんなに…乱れた後でも彼は。
ギュンターは問われて窓の外を見る。
どれくらいだろう?
ともかく、忍んで来る女共に先手を打つ為、素早く行動したから…。
だが夜半は過ぎている筈だ。
けれど余所の部屋の、物音も騒ぐ声も、聞こえては来ない。
男達は皆、意中の女を無事、彼女達の自室に足止めしたろうか?
公爵は俺に成りすまし、ローズマリーを蕩けさせたろうか?
セルダンの居る大公子息の部屋にアナベルは、忍んで行ったのだろうか………?
だが周囲は静かだった。
どの部屋でも相手を変え、皆が情事に耽ってる。
そう考えると、ギュンターは笑い出したくなった。
ローランデがまだうつらうつらと夢見心地で自分を見つめ…ギュンターは身を下げて彼のものを口に銜えたかった。
経験の少ないローランデは口に含まれるとそれは…悦んだから、してやると大抵その後彼は、されるがままだ。
それに…彼が興奮を示し男のそこが勃ち上がると、丸で彼の受け入れ準備を終えたような気に成って一気に煽られた。
もう…彼は自分が散々挿入したせいで、後ろに挿れないと最高潮に達しないと、解ってた。
一度時間が無かった時、彼を銜えて射精に導いてやった。
早い彼はそれだけでとりあえずの満足はしたようだった。
がその表情は明らかに…物足りなさそうで、じれたように微かに腰を、いざらせてた。
それに本人は女のようだ。
と散々嫌がってみせるが、乳首を弄られると半端無く乱れる。
最も、自分が彼を手に入れる為に情事の度毎に、それは敏感に成る塗り薬を、双丘の奥は当然として、乳首にも男のものの先端にも、擦りつけてやっていたから、彼は触れただけでもう、ひどく感じる様を晒していた。
身分の高い男達は身だしなみとして、そういう場所を清潔に、美しく保つ為に常に塗り薬を擦り込んでいたから、ローランデは俺が気を利かせてそうしてくれてる。
と、毎度思っていたようだ。
確かに旅先で森の老婆の調合したその塗り薬はいい香りがしたし、相手を半端なくよがらせるだけで無く、その場所もいつ迄も美しい肌色にしておく為の、美容剤としても優秀だった上、塗り込むと体温の上昇で芳香を放ち、抱く相手も抱かれる方も、媚薬に包まれたようにうっとりとする。
元来首筋や手首に塗り込みその美しさを保つ香料入り美容剤で、敏感な患部に使用するには注意が必要だ。と言われたが、相手を蕩かしたい男は大抵、意中の女に使うのが常だと教えられた。
「相手は間違いなくあんたの虜に成るから…最もあんたが、余程ヘタなら幾ら薬の力を借りても無駄だが。
…そうでなければ、あんたにぞっこんさ。
だからこれ。と言う女以外には、使うんじゃないよ。
えらい面倒を引き起こすからね」
…が、お陰でローランデの胸の突起は本当にいつも初々しいピンクのままで、突いて吸ってやると途端、熟れきって美味しそうな美しい紅色に染まる。
後ろにはたっぷり塗り込んでいたから、蕾の周囲を、舐め上げただけで彼は、じれて気も狂わんばかりによがってくれるし…内股にも時々擦り込むから、唇を這わせてやると感じたように身をくねらす。
いつも精錬潔白で聖人のような彼の艶やかな変わり様は、いつも自分の股間を直撃した。
男のものの先端に、塗りすぎた時等彼は、衣服が触れるだけで反応を示し…そうなると同時に尻の奥も疼きまくるらしく、恥ずかしげに身を捩る様は、処女の乙女が適わぬような初々しい色香を放ち…。
いつも…いつも魅入られ、引きつけられてたまらなくなった。
今迄、どれだけの相手とも情事を過ごして来たがいつも…ローランデだけは、特別だった。
が、幾ら言っても彼は信じない。
山程男とも女とも寝てきているのだから、自分もその中の一人に過ぎないと、自分の魅力を認めない。
だから…いつもたっぷり愛撫で、どれだけ愛しくて特別かを、彼に行為で教えてるつもりだった…………。
いつの間にか、腕に抱いたローランデの温もりの安堵感で、寝入ってしまったのだと気づく。
ローランデは腕の中に居た。
昼間の剣士とは同一人物とは思えぬ程…艶やかで美しかった。
閉じた瞼も。伏せた長い睫も。
しっとりと赤い唇も、形の良い鼻も…。
しなだれかかるように身を寄せる、その体は初めて彼の裸体を見た時同様、均整が取れて美しかった。
決してごつく無い。
が、しなやかな筋肉に包まれ、どこもかしこも彫刻に彫り込みたい程整いきった体付きで美しかった。
その時は教練の授業中で上半身だけだったが…。
たまに一緒に成る共同入浴所で見た、彼の足も素晴らしかった。
北国の産まれに相応しい、息を飲む程真っ白な肌で、すらりと長い綺麗な足をしていて…。
彼の股間の、茶の茂みについてる男の印でさえも美しかったから、自分は重傷だと思い…それ以来、気づくと口説いてた。
どうして…彼を見て自分のものにしたい。と思う男が居ないのか、理解出来なかった。
綺麗な少年を我先にペットにしようと、上級の猛者が争う中、彼を対象に争う男は一人も、居ないなんて。
…だが今考えれば、奴らは皆利口だったのだ。
容易く落とせる相手なんかじゃない。と、教練中の誰もが思い知っていた。
北領地[シェンダー・ラーデン]大公子息の大貴族。
身分の高さで対象から外れ、更に剣の腕前とどんな相手の前でも姿勢を正し凜として、決して態度を変えない清冽さ。
下級生らに慕われ、上級生に一目置かれ、講師共にはこぞって気に入られ………。
そんな彼を公然と口説いてから、どれだけの男を敵に回したろう………?
そっ…とあどけなく眠る彼を抱き寄せ、顔を寄せて瞼の上に口付ける。
顔を離すとローランデはゆっくりと美しい、青の瞳を開けた。
「…もう…夜明け?」
あどけなく無邪気で…気品と育ちの良さは決して損なわれやしない。
あんなに…乱れた後でも彼は。
ギュンターは問われて窓の外を見る。
どれくらいだろう?
ともかく、忍んで来る女共に先手を打つ為、素早く行動したから…。
だが夜半は過ぎている筈だ。
けれど余所の部屋の、物音も騒ぐ声も、聞こえては来ない。
男達は皆、意中の女を無事、彼女達の自室に足止めしたろうか?
公爵は俺に成りすまし、ローズマリーを蕩けさせたろうか?
セルダンの居る大公子息の部屋にアナベルは、忍んで行ったのだろうか………?
だが周囲は静かだった。
どの部屋でも相手を変え、皆が情事に耽ってる。
そう考えると、ギュンターは笑い出したくなった。
ローランデがまだうつらうつらと夢見心地で自分を見つめ…ギュンターは身を下げて彼のものを口に銜えたかった。
経験の少ないローランデは口に含まれるとそれは…悦んだから、してやると大抵その後彼は、されるがままだ。
それに…彼が興奮を示し男のそこが勃ち上がると、丸で彼の受け入れ準備を終えたような気に成って一気に煽られた。
もう…彼は自分が散々挿入したせいで、後ろに挿れないと最高潮に達しないと、解ってた。
一度時間が無かった時、彼を銜えて射精に導いてやった。
早い彼はそれだけでとりあえずの満足はしたようだった。
がその表情は明らかに…物足りなさそうで、じれたように微かに腰を、いざらせてた。
それに本人は女のようだ。
と散々嫌がってみせるが、乳首を弄られると半端無く乱れる。
最も、自分が彼を手に入れる為に情事の度毎に、それは敏感に成る塗り薬を、双丘の奥は当然として、乳首にも男のものの先端にも、擦りつけてやっていたから、彼は触れただけでもう、ひどく感じる様を晒していた。
身分の高い男達は身だしなみとして、そういう場所を清潔に、美しく保つ為に常に塗り薬を擦り込んでいたから、ローランデは俺が気を利かせてそうしてくれてる。
と、毎度思っていたようだ。
確かに旅先で森の老婆の調合したその塗り薬はいい香りがしたし、相手を半端なくよがらせるだけで無く、その場所もいつ迄も美しい肌色にしておく為の、美容剤としても優秀だった上、塗り込むと体温の上昇で芳香を放ち、抱く相手も抱かれる方も、媚薬に包まれたようにうっとりとする。
元来首筋や手首に塗り込みその美しさを保つ香料入り美容剤で、敏感な患部に使用するには注意が必要だ。と言われたが、相手を蕩かしたい男は大抵、意中の女に使うのが常だと教えられた。
「相手は間違いなくあんたの虜に成るから…最もあんたが、余程ヘタなら幾ら薬の力を借りても無駄だが。
…そうでなければ、あんたにぞっこんさ。
だからこれ。と言う女以外には、使うんじゃないよ。
えらい面倒を引き起こすからね」
…が、お陰でローランデの胸の突起は本当にいつも初々しいピンクのままで、突いて吸ってやると途端、熟れきって美味しそうな美しい紅色に染まる。
後ろにはたっぷり塗り込んでいたから、蕾の周囲を、舐め上げただけで彼は、じれて気も狂わんばかりによがってくれるし…内股にも時々擦り込むから、唇を這わせてやると感じたように身をくねらす。
いつも精錬潔白で聖人のような彼の艶やかな変わり様は、いつも自分の股間を直撃した。
男のものの先端に、塗りすぎた時等彼は、衣服が触れるだけで反応を示し…そうなると同時に尻の奥も疼きまくるらしく、恥ずかしげに身を捩る様は、処女の乙女が適わぬような初々しい色香を放ち…。
いつも…いつも魅入られ、引きつけられてたまらなくなった。
今迄、どれだけの相手とも情事を過ごして来たがいつも…ローランデだけは、特別だった。
が、幾ら言っても彼は信じない。
山程男とも女とも寝てきているのだから、自分もその中の一人に過ぎないと、自分の魅力を認めない。
だから…いつもたっぷり愛撫で、どれだけ愛しくて特別かを、彼に行為で教えてるつもりだった…………。
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