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4 頼れる美貌
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ローランデはでも、近衛の宿舎に足を運べなかった。
緊迫感が襲う。
その時が、近づいてた。
だがギュンターからの呼び出しを受け、とうとうローランデは昼間外れの人気の無い草原で、彼を待った。
鮮やかな金髪を長身の肩の上で揺らし、少し緑かがった紺の近衛服をギュンターはそれは素晴らしく着こなしていて、男としてはあんまり立派で眩しいくらいだった。
ギュンターはローランデの様子に、参ってるな。と感じたようで表情を少し、翳らせる。
「…俺を、避けてないか?」
ギュンターは、ローランデの横に座る。
陽光は美しい草原の緑を艶やかに浮かび上がらせ、風がいっせいに、なぜるように吹き渡って緑の絨毯を揺らす。
ギュンターが隣に座った途端、周囲が見えたような気がし、ローランデはギュンターの綺麗な、鼻筋や顎を見つめた。
出来は優美なのに。
その長身のせいか、ギュンターの存在はいつもとても男らしく感じる。
ローランデがつい、ため息を付いて俯く。
途端紫の、とても高貴に見える瞳が輝いて自分を見つめる。
この、品の良さが寝室でどうしてあんな事を平気で出来るのかと思う位の、変わり様だった。
金の髪が風で、たなびく。本人はどこ迄自覚しているのか。
とても目立つ美男だと思った。
デルアンネに似ている。
いつも人の注目を浴び、とてもモテる所が。
彼女を望む男は掃いて捨てる程いる。
…でも彼女は自分が大公子息で無ければ寄って来なかったし、ギュンターは彼が、上級生を押しのける腕前の剣士で優等生で無ければ、奪おうとはしなかったろう。
ローランデは重い口を、開く。
「避けてたのは、君じゃない」
ギュンターは頷いた。
「現実を直視するのが怖いんだな?」
ギュンターはいつも事実を、すぱっとためらい無く口にする。
「…卒業後、父は暫く近衛に残っていてもいいと言った。
勉強になるからと…・。
でもデルアンネは…」
途端ギュンターがため息を付く。
「…すぐ、戻って来いと?」
ローランデが、頷いた。
ギュンターは隣に座る、優しい印象の明るい栗毛を頬に垂らし、色白の肌のとても綺麗な鼻筋の…しかし少し青く見える顔色で青い瞳を伏せるローランデの横顔を、そっ。と見つめる。
彼が、結婚生活をそれは恐れている様子が良く、解った。
上手くやる方法なんて、誠実なローランデには、思いついたりはしないんだろう。
「…デルアンネの気を、変えさせられないのか?」
そうつぶやくと、ローランデの青い瞳が見開かれる。
そうだ、ろうな。ギュンターは請け負った。
「近衛に残れる様、俺が何とかする」
ローランデはだが、顔を揺らす。
「そんな事、出来るのか?」
ギュンターは肩をすくめる。
「で?予定日は、いつだ?」
「………もう、三日後だ………」
緊迫感が襲う。
その時が、近づいてた。
だがギュンターからの呼び出しを受け、とうとうローランデは昼間外れの人気の無い草原で、彼を待った。
鮮やかな金髪を長身の肩の上で揺らし、少し緑かがった紺の近衛服をギュンターはそれは素晴らしく着こなしていて、男としてはあんまり立派で眩しいくらいだった。
ギュンターはローランデの様子に、参ってるな。と感じたようで表情を少し、翳らせる。
「…俺を、避けてないか?」
ギュンターは、ローランデの横に座る。
陽光は美しい草原の緑を艶やかに浮かび上がらせ、風がいっせいに、なぜるように吹き渡って緑の絨毯を揺らす。
ギュンターが隣に座った途端、周囲が見えたような気がし、ローランデはギュンターの綺麗な、鼻筋や顎を見つめた。
出来は優美なのに。
その長身のせいか、ギュンターの存在はいつもとても男らしく感じる。
ローランデがつい、ため息を付いて俯く。
途端紫の、とても高貴に見える瞳が輝いて自分を見つめる。
この、品の良さが寝室でどうしてあんな事を平気で出来るのかと思う位の、変わり様だった。
金の髪が風で、たなびく。本人はどこ迄自覚しているのか。
とても目立つ美男だと思った。
デルアンネに似ている。
いつも人の注目を浴び、とてもモテる所が。
彼女を望む男は掃いて捨てる程いる。
…でも彼女は自分が大公子息で無ければ寄って来なかったし、ギュンターは彼が、上級生を押しのける腕前の剣士で優等生で無ければ、奪おうとはしなかったろう。
ローランデは重い口を、開く。
「避けてたのは、君じゃない」
ギュンターは頷いた。
「現実を直視するのが怖いんだな?」
ギュンターはいつも事実を、すぱっとためらい無く口にする。
「…卒業後、父は暫く近衛に残っていてもいいと言った。
勉強になるからと…・。
でもデルアンネは…」
途端ギュンターがため息を付く。
「…すぐ、戻って来いと?」
ローランデが、頷いた。
ギュンターは隣に座る、優しい印象の明るい栗毛を頬に垂らし、色白の肌のとても綺麗な鼻筋の…しかし少し青く見える顔色で青い瞳を伏せるローランデの横顔を、そっ。と見つめる。
彼が、結婚生活をそれは恐れている様子が良く、解った。
上手くやる方法なんて、誠実なローランデには、思いついたりはしないんだろう。
「…デルアンネの気を、変えさせられないのか?」
そうつぶやくと、ローランデの青い瞳が見開かれる。
そうだ、ろうな。ギュンターは請け負った。
「近衛に残れる様、俺が何とかする」
ローランデはだが、顔を揺らす。
「そんな事、出来るのか?」
ギュンターは肩をすくめる。
「で?予定日は、いつだ?」
「………もう、三日後だ………」
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