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ローフィス親子の会話
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ディアヴォロスと神聖騎士は、まるで口を開かないのに会話してる様子で。
ディラフィスは一人息子、ローフィスに視線を送る。
「苦労したろう?」
ローフィスは気づいて、隣の父親を見る。
「シェイル?
…まあな。
ああ言っとくけど…俺とうとう、シェイルとその…」
「ああ。
それで?
今後もそうか?」
ローフィスは、上目使いで父親を見た。
「怒らないんだな」
「怒って何とかなることか?
お前はずっと自分を抑えてた。
だが解放したって事は…自暴自棄になった時だろうが、そうは見えない。
彼が、絡んでるのか?」
目で、向かいに座るディアヴォロスを指し示す。
ローフィスは頷く。
「彼はシェイルに本気だ」
ディラフィスは、目を見開いた。
「…そうか。
で、シェイルは?」
「…ディアヴォロスも感じてる様子だが、シェイルは不安だと、一人で居られない。
俺の他にディアヴォロスも、許容して甘えてる」
ディラフィスはまだ、目を見開いたまま唸るように告げた。
「あいつ、中身は凄く幼いって、彼は分かってるんだろう?」
ローフィスは頷く。
「多分。
俺のもそうだが。
ディアヴォロスの恋心も多分、シェイルは分かってない」
ディラフィスはため息吐いた。
「お前はほんとーに昔っから、弱い者にメロメロだが、ディアヴォロスまでそうなんて」
そして、大きなため息を吐く。
ローフィスはディラフィスを睨んだ。
「それなんか、嫌味なため息だな?」
ディラフィスは頷く。
「当然だ。
大馬鹿者はお前だけだと思ってたのに」
「…ディアヴォロスまで、大馬鹿者と言う気か?」
「もう言えなくなって、困ってる。
意外にお前は一途だから。
言ってもムダとは思うが。
俺みたいに、お前の母親、リアンナみたいな美女と。
幸せに暮らそうとか言う、選択はまるで無いのか?」
「…けど病で早々と亡くなった」
「まあそれは…俺も迂闊だった。
気づくのが遅くて…あれは確かに、悲劇だ。
だがお前って言う、なかなか楽しい一人息子も授かった。
悪くないぞ?
顔だけ見てると、リアンナに似てる。
…ああ…そう言えば、リアンナもお前と一緒で。
一度言い出したら自分を貫き通す、頑固者だったな…」
「俺は頑固者か」
「そうだ。
手に負えない。
生きてたら、毎度お前の味方に付いて、俺をやり込めようとか、してたな」
ローフィスは呆れて言った。
「親父も好きな女、作ってないじゃないか。
もうシェイルの父親もいるんだし。
シェイルの母親との、形だけの結婚解消して、独り身に戻れるんだろう?
付き合ってる女はいるのか?」
「いる。
だが…あっちも旦那を早く亡くして、互いに傷なめ合ってる、軽い付き合いだ」
「居ないより、いいか」
「お前に言われたくない。
俺は『教練(キャゼ)』に入学し、三年になってもまだ、退学になってない立派な一人息子がいる。
俺の年にお前にそんな息子が居なかったら。
あざ笑ってやるから、そう思え」
「その年にはもう、よぼよぼジジイになってないか?あんた」
「ふざけるな。
神聖神殿隊付き連隊騎士のいいとこはな。
西の聖地に出入り出来るから、いつ迄でも若々しくいられるんだ」
「俺に息子が出来たら。
幾ら外見若くてもあんた、ジジイなんだぜ?」
「『親父よりいい男だ』とお前の息子に、言わせてみせる」
二人はくすくす…と言う笑い声に振り向くと、いつの間にかディアヴォロスと神聖騎士が話を聞いていて、笑いこけていた。
ディラフィスが、肩すくめる。
「そんな、面白いこと言ってたか?
俺達」
ローフィスも肩すくめて言い返した。
「面白いのはあんたで。
多分、俺じゃない」
「笑われてるのは、俺達二人だ」
「違う。
あんた限定だ」
「裏切り者」
「一緒にするな」
けれどディアヴォロスと神聖騎士は、身を折って笑うので、ディラフィスとローフィスはとうとう、黙った。
ディラフィスは一人息子、ローフィスに視線を送る。
「苦労したろう?」
ローフィスは気づいて、隣の父親を見る。
「シェイル?
…まあな。
ああ言っとくけど…俺とうとう、シェイルとその…」
「ああ。
それで?
今後もそうか?」
ローフィスは、上目使いで父親を見た。
「怒らないんだな」
「怒って何とかなることか?
お前はずっと自分を抑えてた。
だが解放したって事は…自暴自棄になった時だろうが、そうは見えない。
彼が、絡んでるのか?」
目で、向かいに座るディアヴォロスを指し示す。
ローフィスは頷く。
「彼はシェイルに本気だ」
ディラフィスは、目を見開いた。
「…そうか。
で、シェイルは?」
「…ディアヴォロスも感じてる様子だが、シェイルは不安だと、一人で居られない。
俺の他にディアヴォロスも、許容して甘えてる」
ディラフィスはまだ、目を見開いたまま唸るように告げた。
「あいつ、中身は凄く幼いって、彼は分かってるんだろう?」
ローフィスは頷く。
「多分。
俺のもそうだが。
ディアヴォロスの恋心も多分、シェイルは分かってない」
ディラフィスはため息吐いた。
「お前はほんとーに昔っから、弱い者にメロメロだが、ディアヴォロスまでそうなんて」
そして、大きなため息を吐く。
ローフィスはディラフィスを睨んだ。
「それなんか、嫌味なため息だな?」
ディラフィスは頷く。
「当然だ。
大馬鹿者はお前だけだと思ってたのに」
「…ディアヴォロスまで、大馬鹿者と言う気か?」
「もう言えなくなって、困ってる。
意外にお前は一途だから。
言ってもムダとは思うが。
俺みたいに、お前の母親、リアンナみたいな美女と。
幸せに暮らそうとか言う、選択はまるで無いのか?」
「…けど病で早々と亡くなった」
「まあそれは…俺も迂闊だった。
気づくのが遅くて…あれは確かに、悲劇だ。
だがお前って言う、なかなか楽しい一人息子も授かった。
悪くないぞ?
顔だけ見てると、リアンナに似てる。
…ああ…そう言えば、リアンナもお前と一緒で。
一度言い出したら自分を貫き通す、頑固者だったな…」
「俺は頑固者か」
「そうだ。
手に負えない。
生きてたら、毎度お前の味方に付いて、俺をやり込めようとか、してたな」
ローフィスは呆れて言った。
「親父も好きな女、作ってないじゃないか。
もうシェイルの父親もいるんだし。
シェイルの母親との、形だけの結婚解消して、独り身に戻れるんだろう?
付き合ってる女はいるのか?」
「いる。
だが…あっちも旦那を早く亡くして、互いに傷なめ合ってる、軽い付き合いだ」
「居ないより、いいか」
「お前に言われたくない。
俺は『教練(キャゼ)』に入学し、三年になってもまだ、退学になってない立派な一人息子がいる。
俺の年にお前にそんな息子が居なかったら。
あざ笑ってやるから、そう思え」
「その年にはもう、よぼよぼジジイになってないか?あんた」
「ふざけるな。
神聖神殿隊付き連隊騎士のいいとこはな。
西の聖地に出入り出来るから、いつ迄でも若々しくいられるんだ」
「俺に息子が出来たら。
幾ら外見若くてもあんた、ジジイなんだぜ?」
「『親父よりいい男だ』とお前の息子に、言わせてみせる」
二人はくすくす…と言う笑い声に振り向くと、いつの間にかディアヴォロスと神聖騎士が話を聞いていて、笑いこけていた。
ディラフィスが、肩すくめる。
「そんな、面白いこと言ってたか?
俺達」
ローフィスも肩すくめて言い返した。
「面白いのはあんたで。
多分、俺じゃない」
「笑われてるのは、俺達二人だ」
「違う。
あんた限定だ」
「裏切り者」
「一緒にするな」
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