若き騎士達の危険な日常

あーす。

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続く情熱

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 正直、ローフィスは自分は。
大して強く無い方だし、一度放てば暫く休みたいタイプだし。
一度放っても直ぐ勃ち、腰を振れると自慢する男らを、色欲馬鹿だと思ってた。

けどどうしてか…シェイル相手だと自分はその、色欲馬鹿になってる…。

抱けば抱くほどシェイルは磨かれていく宝石のように艶を纏って色香を増し、ますます夢中になって一時いっときも惜んで、のめり込んでしまう。

放ったばかり。
息も切れてる。
なのにもうシェイルの…胸元に倒れ込んで、ピンクの揺れる乳首に唇を這わせ…舌で刺激し、ビクっ。
とシェイルが反応を示すと思い切り舐め、吸ってしまう。

「ああんっ!」

シェイルが仰け反ると、ますます熱が増してもう片方の乳首も思い切り、歯を立てて軽くつまみ上げたり舌先で先端をくすぐったりして、ますますシェイルを喘がせる。

「ああんっ!あんっ!…っあ!」

可愛い声を上げて乱れるから、つい…。
シェイルの内股に触れ、性器に指を絡ませ…。

シェイルは泣き濡れたグリンの瞳で見つめ、けど愛撫を加えられてまた長い銀の髪を散らし、仰け反る。

「んんんっ…っあ!」

つい腿を持ち上げると、シェイルは顔を上げて両腕首に巻き付け、目を見つめながら挿入を待つから…。
ローフィスは思わず先端を蕾に数度滑らせ、直ぐ挿入してしまった。

挿入れると、一瞬脳が痺れるほど気持ち良くて…突き始めるとシェイルと一つになってる感覚が、幸福すぎて。
しかもぴったり身を寄せられてしがみつかれると、もう愛おしすぎて泣き出しそうになるんだけど…。

本能は自分とシェイルをもっと快感へ導こうと…シェイルのいい場所を立て続けに突き続けてしまう。

「…あっ!あ!
ああんっ!…っあ!」

シェイルは自分がどうにかなりそうなくらい的確に。
感じる場所ばかりを激しく擦り上げられて、熱さで呼吸が止まりそうに感じた。

「ぅ…ぅんっ!」

けどローフィスの裸の体と抱き合事が、嬉しすぎて…このまま呼吸が、止まってもいいとまで、思った。

達して…ローフィスが荒い吐息と共にシェイルの身を布団の上にそっと落とし、果実酒を飲もうと思い、けれど…シェイルにまた、倒れ込んで甘い果実のようなシェイルの赤く小さな唇を、欲した。

けれどシェイルが一瞬、泣きそうな拒絶の表情を見せ、ローフィスはビクッ。とシェイルに倒れ込もうとする身を止める。

シェイルは直ぐ、両腕を伸ばしてローフィスに抱きついたけど。

ローフィスは顔を下げた。

そして突然、シェイルの抱きつく腕を引き離し、立ち上がるとガウンを羽織る。

「…?」

「トイレ」

一声、振り向かず告げて部屋を出る。

居間に出るとディアヴォロスが。
ソファでグラスを傾けていたから、尋ねる。

「もう…いいのか?」

ディアヴォロスは…とても私的な親しみやすさを感じさせて、笑う。
「ああ。
神聖騎士が居る場では、大抵ワーキュラスが力を使っても回復が早い」

「……………………俺の分も貰える?」

そう聞くローフィスに、ディアヴォロスはグラスに注ごうとした瓶を持ち上げて見せ、それ。と頷くローフィスに
「欲しければ注ぐ」
と促した。

ローフィスは返答せず、ソファへと寄り、一段低い下へと降りると、ディアヴォロスの斜め横に腰掛けた。

ディアヴォロスは無言で、新たなグラスに瓶の果実酒を注ぐ。

そしてローフィスに、差し出した。

ローフィスはグラスを受け取り、口に運びながら尋ねる。
「…あんたなら…もっと上手くやれる?」

ディアヴォロスはローフィスを見る。
「何を?」
「千里眼のくせに、聞くのか?」

ディアヴォロスは少し鋭い青の瞳でローフィスを見る。
「千里眼はワーキュラス。
彼が言ってくれなきゃ、私はただの人間だ」

「…ワーキュラスは…言わないのか?」
ディアヴォロスは首を横に振る。
「何も」
「…そうか。
つまり…」

そう言って、ローフィスは首を垂れる。
それを見て、ディアヴォロスは呟く。

「…シェイルに心から求められて、不満か?」
「不満なのは俺が青臭い、ガキだって事だ」
「…なる程。
それが分かってても、ダメか?」

ローフィスはふと…ディアヴォロスがまるで、対等な親友のような口をきいてるのに気づき、不思議に思った。

「…全然、ダメだ。
まるっきり、配慮が出来ない」
「…分かってるのか?
それが」
「…分かってる俺がいる。
けどソノ気になってる俺は、分かってる俺を無視する」
「制御不能か」

ローフィスは無言で頷いた。

「あんたに泣きついたら、あんた俺の事殴るか?」

顔を上げてそう尋ね、その後ディアヴォロスの真顔を見て、顔を下げた。
「…ああ、斬り殺したいんだっけ」

ディアヴォロスは無言で頷く。

「…だってあんたもう…シェイルとしてるだろ?
その…俺が年上の豊満な美女としてるの見て…シェイルが傷ついてたから、かなり優しく…したらしいけど」

チラ。
とディアヴォロスを見ると、ディアヴォロスは黒い縮れ毛を肩にながし、目を伏せて頷いてる。

ローフィスは自分が。
雑種の小型犬で。
隣に最高級の血統書付きの、優美ながらも猛々しい大型犬が座ってる錯覚に、囚われた。

「…それで…」
「放っとけなかった。あの時」

ディアヴォロスが伏し目がちにしゃべり出すので、ローフィスは黙る。

「あの年、私は…情事の覚え始めで来る者拒まず。
シェイルが私の別邸の生け垣に立ってた時も、別の通い詰めてた少年が、帰る所だった」

ローフィスはそう呟く、ディアヴォロスを見つめた。
「(「左の王家」の男って…みんな男らしさバツグンで精力満々。
相手が10人だろうが平気。
って噂、本当なんだ)」

こっそり内心呟いたけど。
今度は聞こえてるみたいに、ディアヴォロスにジロリ。
と見つめられた。

「とにかく時間があればしまくっていたから。
シェイルのような…何も知らない少年に、手出す気すらなかった。
けれどどうしても…辛そうで放って置けず…」

「抱いた?」

ディアヴォロスはローフィスの問いに、無言で暫く空間を見つめた。
「…普通の…欲望を果たす情事とは…かけ離れていた。
それにシェイルは…怯え、傷ついた小鳥のようで…。
情欲をそそる様子もまるで無かったのに」

「…じゃ自分でも、どうして抱いたのか不明なのか?」

「それは、分かってる。
ワーキュラスがシェイルの事情を、映像で見せてくれたから。
君と女性の情事を見て、絶望に叩き落とされてた。
けれどシェイルには、大人の女から君を取り戻す手立ては、何一つ無い。
シェイルは泣いて…そのまま闇に、飲まれそうに見えて…それで…」

ローフィスはびくん!と身を震わせた。
「じゃもし…あんたが抱かなかったら…」

「私は、教えたかった。
救う、腕はあるのだと。
望めば助けは現れると。
とても、確かな形で。
ずっと忘れていて…再会した時、シェイルはとても綺麗になっていて。
不安になる程。
あんなに綺麗で哀れじゃなければ…これ程惹かれなかったと思う程に」

ローフィスが、見つめているのでディアヴォロスは囁く。

「あんなに綺麗じゃ…私が助けるしか無い場面も出てくる」

ローフィスは、俯く。
「…実際そうで…俺では役不足だった」

ディアヴォロスは頷いた。
「あの美貌が、彼の幸福を邪魔してる」

ローフィスは、顔を下げる。
「…ああ」

ディアヴォロスはそんなローフィスを、横目で見つめ、囁いた。
「彼のように純粋な魂に、私は今まで出会ったことが無い。
人間は大抵、欲があるがシェイルが望むのはただ一つ。
君の、幸福だ」

それを聞いた時。
ローフィスはもうダメだと感じた。

「…なら俺は…離れるしか無い。
俺が多分どれだけ望んでもシェイルはボロボロになろうと応え…俺はシェイルをボロボロにしてしまった自分に絶望する」

ディアヴォロスはそう告げた、心から苦しげなローフィスを、哀しげに見つめた。

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