若き騎士達の危険な日常

あーす。

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新しい自分

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 ディアヴォロスは暫く目を閉じ、懐からペンダントを取り出して、横のローフィスに渡す。
「強力な護符のペンダント…。
大抵の『影』は払える。
使い方は機会を見つけ、私がシェイルに教える。
だが付けてるだけで…『影』から付けてる者の姿が消える。
私は少し動けないから。
君たちは風呂を使った後、寝室へ…」

ディアヴォロスがはきだし窓の横の、右の扉を目で示すから、ローフィスは頷き…ペンダントをシェイルに差し出し、その手に握らせた。

「…行けるか?」

シェイルが頷く。

ローフィスの手を取って立ち上がり、目を閉じるディアヴォロスを見つめる。
ディアヴォロスは目を瞑ったまま、手でさっと
『行け』
と示すから…シェイルは俯いて、マントを引きずりローフィスと一緒に、はきだし窓の左の扉へと、歩き出した。

扉を開けると、湯気の立つ屋内浴場…。
白石の床と壁には黒っぽい石が嵌められていた。
湯船は円形で、大きな男が10人は一気に浸かれるほどの広さ。

ローフィスが衣服を脱ぎ出すから、シェイルはマントを肩から滑らせ、丁寧にたたみ、横の棚に置く。
その上に、そっとディアヴォロスから貰った、ペンダントを乗せた。

ローフィスが先に湯船に浸かり、振り向くから。
シェイルは歩み寄って、そっと屈む。

ローフィスが手を引いてくれたから、湯船の中の、階段を降りた。

壁の一面はガラスの掃き出し窓で、外の景色が見える。
殆ど斜陽していて、庭の美しい花々がオレンジに染まっていた。

シェイルは湯に浸かり…また、自身の心の中を探る。
どこにも…。
もうどこにも、陰も闇も、不安も無い。

横の…ローフィスを見る。
彼は光り輝いて見えた。

「…?」
見つめられ、ローフィスがシェイルに視線を送る。
シェイルはそっとローフィスに、囁いた。

「…やっぱり、大好き」
「…………………………」

ローフィスは愛らしいシェイルに微笑んで言われ、男の顔して見つめた。
けどシェイルの微笑に変化が見られず、ため息を吐く。

「…兄貴として?」
シェイルはふくれっ面をした。
「そんなの、分かんない。
ローフィスはローフィスだよ」

ローフィスは
『分かってない』
と湯面に視線を落とした。

けれどシェイルは、裸のローフィスに抱きつく。

「…お前な。
年頃の男を、ナめてるぞ。
この状況でそんなコトしたら、襲いかかってくれと言ってるようなもんだ」

そう言われて、シェイルはふ…と顔を上げる。
一度抱いたシェイルは、眩しい程美しく見えて、ローフィスは困惑の極みで顔を下げる。

「…僕…と、したい?」
「…抱ける相手とこういう状況なら、勃つのが普通の男だ」
「それ、したいって事?」

ローフィスは降参して、無言で頷く。

シェイルは嬉しそうに微笑む。
「僕と…ホントはいっぱいしたい?」

ローフィスは口にすることを、躊躇った。

けどシェイルは、真顔になる。
「…やっぱりローフィスだって…年頃だからいっぱいえっちな事、したいんだよね?
ディングレーが時々話してくれたけど…。
ホラ、僕が来ると、途端に二人とも喋るの止めてた話題」

ローフィスは、ぎくっ!!!とする。

「ええと…。
色々角度を変えて突いて、自分が一番いい角度を探すんだって…」

ローフィスは内心、ディングレーを思い浮かべ
「(あの…野郎!)」
と睨み付けた。

その時、ディングレーは自室の風呂から上がったばかりでガウンを引っかけ、夕食に出るため着替えの途中で。
一瞬ぞっ!と悪寒が走り、周囲を見回した。

「僕みたいに軽い相手なら、抱え上げて落とせるって。
けど落とし方で、自分も負担かかるから。
ヘタすると使い物にならなくなるって。
何が、使い物にならないの?
ホラ、ディングレーってそういうの…尋ねにくいでしょ?」

「…そういうのは…男の普通の猥談で。
男同士の親密度を上げるアイテムだから、内容なんてどうでもいいんだ(嘘)」

シェイルは抱きついたまま暫く困ってるローフィスを見、そしてやっと…ローフィスの股間も、困った事態になってると、気づく。

「…僕、口でしてみたい」

視線を下げられ、シェイルにそう言われ…ローフィスは暫く、固まる。

「お前それ…かなり過激なセリフだぞ?」
「ローフィスにしか言わないから、大丈夫」
「俺は、大丈夫じゃ無い」
「噛まないから」
「それはありがたいが、どーしてお前は口に入れたがる?!」
「だって女将さんがしてた…」

そう言うと、顔を下げるから…ローフィスはぎょっ!として…。
けどシェイルの小さな舌先が触れ、温かい口の中に咥えられると…もうダメだった。

「…っ!」
「…ん…っ…こう?」
「……………………」
シェイルの可憐な舌先で、先端をなめ回されるともう…ローフィスはおかしくなって。
口なんて、きけないのにシェイルは囁く。
「…あ…なんか汁が出て来た…。
気持ち…いい?」

「…っだか…ら……………」
けどローフィスはもう、ダメで。
咄嗟シェイルの腕を握り、自分から引き剥がす。
けど遅くて…シェイルの口の端に、自分の白濁した液が滴るのを見て、暫くショックで呆然とした。

なのにシェイルは。
ぺろっと舌で舐める。

「………それ……れは、舐めるもんじゃない」
「…爽やかで…少し、甘い…」
「ええとつまり…(良く行く酒場で寝る相手のレージェーンの好きな味で、その味にする為、薬草毎日飲んでるなんて、言えない…)」

シェイルは顔を上げて、ローフィスを見る。
「ローフィスの、好きで美味しい」
「…………………………………………だから…」
「…僕のも…こんな味かな?
ローフィスは僕の味、好きだった?」
「…出す前に挿入れたから…」
「…だって僕、ローフィスに挿入れられたかった」

ローフィスは顔をこれ以上無いほど下げ…内心ディアヴォロスに尋ねた。
「(…『闇の第二』払ったら、シェイルの性格変わってないか?!)」

ローフィスの頭の中に浮かぶディアヴォロスは、ただ笑っていて。
ローフィスは内心
「(役立たず!)」
と思わず、罵った。

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