113 / 171
怯える本能
しおりを挟む
ローフィスはシェイルを抱きしめ、味わった幸福感に浸りきっていた。
けれど直ぐ、顔を上げてシェイルの…あどけない柔らかな、小さく赤い唇を求める。
口づけ、そして舌を差し入れ絡ませ…。
“どうして…唇にキス出来ないと言い続けてたか…分かるか?シェイル…。
ずっと…こうしたかった。
口づけてお前を俺だけのものに…する為に"
ローフィスはシェイルの唇に触れるだけで無く、舌を絡みつかせて思うさま舌で愛撫する。
くねる舌の熱さに、シェイルが震え出し、ローフィスにきつく抱きしめられてシェイルは正体を無くす。
それは暖かく優しい肉親の情愛では無く、間違いなく男の…。
雄としての情愛。
きつく抱かれ、腰を進められて足を開かされ、そして…。
シェイルが一瞬、ローフィスの…あまりの熱さと雄としての激しさに、びくっ!と身を震わす。
けれどローフィスはもう…自分を抑えられなかった。
シェイルの腰を引き寄せる。
顔を見つめまた、口づけてそして…。
シェイルの細い腿を思い切り自分に密着する程に引き寄せ、ゆっくり双丘の間を、自身の猛ったもので擦り挿入場所を見つけ、ゆっくりとめり込ませた。
「…っあっ…!」
シェイルが腕の中でびくん!と大きく身を揺する。
けれどローフィスは一気に奥まで滑り込ませ、シェイルのいい場所を狙い澄まし、ゆっくりと突き始める。
「…っああっん…っ!………っあ!」
ゆっくりだっけど…感じる場所に来ると激しく抉られ、シェイルはその都度、身を震わせて仰け反る。
「…っあ…っ!」
上ずって掠れた…喘ぎ声…。
ローフィスはそれを聞いて少しずつ、速度を速めた。
もっと高める為もあった。
けど…シェイルをもっと。
もっと、感じさせたかった。
声を聞き続け…そしてうんと…乱れさせてそして…。
シェイルはローフィスに、そうされたいと願ってると…自分に言い聞かせた。
でもローフィスに激しく情熱的に突かれた時。
初めて痛烈に感じた。
自分が、男だったのだと…。
ずっとローフィスと…同性として同じ場所に居た。
けれどローフィスに愛されれば…自分は違う場所…男の姿をした女へと…押しやられるのだと。
初めて感じ、内心戸惑った。
まるで激しい熱で、別の場所へと追いやられ、引き離されるように、心は感じた。
体は…ぴったりと、愛しいローフィスと密着し、彼の情熱を注ぎ込まれてるのに…。
シェイルは一層、激しく抉り腰を進めるローフィスに、しがみつく。
“どうして…?
だってこれは、望んだ事なのに…!"
「あんっ!…っあ…あっ…!」
掠れた甘い喘ぎを…自分は発し、ローフィスの熱で自身も火照りきって、正気は遠ざかって行くのに。
きっとどれ程の痴態を晒しても、ローフィスは受け止めてくれる。
なのに残った僅かな理性が…怯えてる…。
怯えて…る?
闇がその向こうに見える。
笑って。
“嘘だ…!
ローフィスは光だ!
闇の手下になんて、ならない!
絶対…ローフィスは伯父やグーデンのようには、ならない!
なったりしない!"
でもその時。
気の毒そうに囁く声がした。
“君の男としての本能が…君を怯えさせている…。
闇は確かに、そこにあるけど。
闇の思惑は別…"
その時。
シェイルにようやく、分かった。
“女"に成り下がる事を自分の男としての本能が…拒絶してるのだと。
シェイルは泣きながら、ローフィスにきつく抱きつく。
ローフィスはようやくそこで、シェイルが気持ち良くなってないのか?
と気遣うようにシェイルを見つめた。
けれどシェイルが身をぴったりと寄せ、抱きつくから…。
続けて良いんだとローフィスは感じ、更にきつく抉り上げる。
「ああっ!…っん…っ」
激しい快感に身を貫かれながら…けれどシェイルは心の中で、囁きかけて来た声に尋ねた。
“…本能が…ローフィスの熱さで消えてしまえば、怖く無くなる?”
“強引に奪う者らは君の本能の恐怖ですらお構いなしだが、ローフィスはとても君を気遣ってる。
だから…君は自らの本能の拒絶を、感じる余裕まである”
シェイルは、頷く。
けれどローフィスは熱くて…抱きすくめてくれる腕は確かで。
“彼の…胸の中にずっといて…。
彼に抱きしめられ続けたいと思うのは…間違い?”
声は気の毒げに囁く。
“子供の頃のように。
とは…もう行かないし、ローフィスも出来ないと本心では強く思ってる。
ローフィスに一番愛される者で居続けるには…君は自分の男としての本能を捨てなければならない。
ローフィスはその事を知っている。
だからローフィスは、自分の一方的な思いで男としての君を消す事を、望んでない”
シェイルは頷く。
ローフィスが大人になるから…。
少年から青年へと、なっていくから…。
だから置いて行かれたくなくて、自分もなろうとしたけど…。
“本当…はまだ、僕は子供のまま…。
そうなんだね?
身体は変わっても、心は…変わってない…。
だから僕の本心は、大人になろうとするローフィスを引き戻そうと願ってる。
子供の、ままで居て欲しいと”
“でもそれ以前に。
君には…君の心には、ずっと昔から男としての自覚が、まず無い。
男と言うより人間であろうとすることすら、君は受け入れられず、人形で居続けなければならないと、思い込んでしまっていたから。
ローフィスが人形だった君を、人間に戻したけど。
けど君は…君の心は。
そこで、止まってしまっている。
男にも女にも、なっていない。
けれど成長は止まらず、体は男だと、主張してる。
つまり…”
“心が体に…ついて行かない?”
“そう。
君が自分のちぐはぐさに怯え、ローフィスを自分から手放す事を…闇は待ち構えてる”
シェイルの心臓が、どっくん!
と鳴った。
ローフィスが高まりきって解き放つ。
シェイルはぐったりしたローフィスの体に、しがみつくようにして抱きついた。
“僕…がローフィスを…手放す…”
“君はそれが嫌で、自分の男としての本能を、ねじ伏せようとする。
けれどそうすればする程、君は辛くなり、いつか疲れてローフィスを手放す。
あの闇は、その時を狙ってる。
たいていの場合、人は欲する物を手に入れても…満足はしばらくの間だけ。
…いずれ思い描く理想とは違って来て…欲したものは以前の輝きを無くし、いらないものへと変貌を遂げる。
変貌するのは…欲する者の心。
欲された物は、変貌などしやしないのに。
それが…人間の不思議だ”
シェイルはその時ようやく…声の主が人間では無く…ディアヴォロスの中に居る、光竜ワーキュラスだと、知った………。
けれど直ぐ、顔を上げてシェイルの…あどけない柔らかな、小さく赤い唇を求める。
口づけ、そして舌を差し入れ絡ませ…。
“どうして…唇にキス出来ないと言い続けてたか…分かるか?シェイル…。
ずっと…こうしたかった。
口づけてお前を俺だけのものに…する為に"
ローフィスはシェイルの唇に触れるだけで無く、舌を絡みつかせて思うさま舌で愛撫する。
くねる舌の熱さに、シェイルが震え出し、ローフィスにきつく抱きしめられてシェイルは正体を無くす。
それは暖かく優しい肉親の情愛では無く、間違いなく男の…。
雄としての情愛。
きつく抱かれ、腰を進められて足を開かされ、そして…。
シェイルが一瞬、ローフィスの…あまりの熱さと雄としての激しさに、びくっ!と身を震わす。
けれどローフィスはもう…自分を抑えられなかった。
シェイルの腰を引き寄せる。
顔を見つめまた、口づけてそして…。
シェイルの細い腿を思い切り自分に密着する程に引き寄せ、ゆっくり双丘の間を、自身の猛ったもので擦り挿入場所を見つけ、ゆっくりとめり込ませた。
「…っあっ…!」
シェイルが腕の中でびくん!と大きく身を揺する。
けれどローフィスは一気に奥まで滑り込ませ、シェイルのいい場所を狙い澄まし、ゆっくりと突き始める。
「…っああっん…っ!………っあ!」
ゆっくりだっけど…感じる場所に来ると激しく抉られ、シェイルはその都度、身を震わせて仰け反る。
「…っあ…っ!」
上ずって掠れた…喘ぎ声…。
ローフィスはそれを聞いて少しずつ、速度を速めた。
もっと高める為もあった。
けど…シェイルをもっと。
もっと、感じさせたかった。
声を聞き続け…そしてうんと…乱れさせてそして…。
シェイルはローフィスに、そうされたいと願ってると…自分に言い聞かせた。
でもローフィスに激しく情熱的に突かれた時。
初めて痛烈に感じた。
自分が、男だったのだと…。
ずっとローフィスと…同性として同じ場所に居た。
けれどローフィスに愛されれば…自分は違う場所…男の姿をした女へと…押しやられるのだと。
初めて感じ、内心戸惑った。
まるで激しい熱で、別の場所へと追いやられ、引き離されるように、心は感じた。
体は…ぴったりと、愛しいローフィスと密着し、彼の情熱を注ぎ込まれてるのに…。
シェイルは一層、激しく抉り腰を進めるローフィスに、しがみつく。
“どうして…?
だってこれは、望んだ事なのに…!"
「あんっ!…っあ…あっ…!」
掠れた甘い喘ぎを…自分は発し、ローフィスの熱で自身も火照りきって、正気は遠ざかって行くのに。
きっとどれ程の痴態を晒しても、ローフィスは受け止めてくれる。
なのに残った僅かな理性が…怯えてる…。
怯えて…る?
闇がその向こうに見える。
笑って。
“嘘だ…!
ローフィスは光だ!
闇の手下になんて、ならない!
絶対…ローフィスは伯父やグーデンのようには、ならない!
なったりしない!"
でもその時。
気の毒そうに囁く声がした。
“君の男としての本能が…君を怯えさせている…。
闇は確かに、そこにあるけど。
闇の思惑は別…"
その時。
シェイルにようやく、分かった。
“女"に成り下がる事を自分の男としての本能が…拒絶してるのだと。
シェイルは泣きながら、ローフィスにきつく抱きつく。
ローフィスはようやくそこで、シェイルが気持ち良くなってないのか?
と気遣うようにシェイルを見つめた。
けれどシェイルが身をぴったりと寄せ、抱きつくから…。
続けて良いんだとローフィスは感じ、更にきつく抉り上げる。
「ああっ!…っん…っ」
激しい快感に身を貫かれながら…けれどシェイルは心の中で、囁きかけて来た声に尋ねた。
“…本能が…ローフィスの熱さで消えてしまえば、怖く無くなる?”
“強引に奪う者らは君の本能の恐怖ですらお構いなしだが、ローフィスはとても君を気遣ってる。
だから…君は自らの本能の拒絶を、感じる余裕まである”
シェイルは、頷く。
けれどローフィスは熱くて…抱きすくめてくれる腕は確かで。
“彼の…胸の中にずっといて…。
彼に抱きしめられ続けたいと思うのは…間違い?”
声は気の毒げに囁く。
“子供の頃のように。
とは…もう行かないし、ローフィスも出来ないと本心では強く思ってる。
ローフィスに一番愛される者で居続けるには…君は自分の男としての本能を捨てなければならない。
ローフィスはその事を知っている。
だからローフィスは、自分の一方的な思いで男としての君を消す事を、望んでない”
シェイルは頷く。
ローフィスが大人になるから…。
少年から青年へと、なっていくから…。
だから置いて行かれたくなくて、自分もなろうとしたけど…。
“本当…はまだ、僕は子供のまま…。
そうなんだね?
身体は変わっても、心は…変わってない…。
だから僕の本心は、大人になろうとするローフィスを引き戻そうと願ってる。
子供の、ままで居て欲しいと”
“でもそれ以前に。
君には…君の心には、ずっと昔から男としての自覚が、まず無い。
男と言うより人間であろうとすることすら、君は受け入れられず、人形で居続けなければならないと、思い込んでしまっていたから。
ローフィスが人形だった君を、人間に戻したけど。
けど君は…君の心は。
そこで、止まってしまっている。
男にも女にも、なっていない。
けれど成長は止まらず、体は男だと、主張してる。
つまり…”
“心が体に…ついて行かない?”
“そう。
君が自分のちぐはぐさに怯え、ローフィスを自分から手放す事を…闇は待ち構えてる”
シェイルの心臓が、どっくん!
と鳴った。
ローフィスが高まりきって解き放つ。
シェイルはぐったりしたローフィスの体に、しがみつくようにして抱きついた。
“僕…がローフィスを…手放す…”
“君はそれが嫌で、自分の男としての本能を、ねじ伏せようとする。
けれどそうすればする程、君は辛くなり、いつか疲れてローフィスを手放す。
あの闇は、その時を狙ってる。
たいていの場合、人は欲する物を手に入れても…満足はしばらくの間だけ。
…いずれ思い描く理想とは違って来て…欲したものは以前の輝きを無くし、いらないものへと変貌を遂げる。
変貌するのは…欲する者の心。
欲された物は、変貌などしやしないのに。
それが…人間の不思議だ”
シェイルはその時ようやく…声の主が人間では無く…ディアヴォロスの中に居る、光竜ワーキュラスだと、知った………。
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
異世界ぼっち暮らし(神様と一緒!!)
藤雪たすく
BL
愛してくれない家族から旅立ち、希望に満ちた一人暮らしが始まるはずが……異世界で一人暮らしが始まった!?
手違いで人の命を巻き込む神様なんて信じません!!俺が信じる神様はこの世にただ一人……俺の推しは神様です!!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
兄のやり方には思うところがある!
野犬 猫兄
BL
完結しました。お読みくださりありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
第10回BL小説大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、そしてお読みくださった皆様、どうもありがとうございました!m(__)m
■■■
特訓と称して理不尽な行いをする兄に翻弄されながらも兄と向き合い仲良くなっていく話。
無関心ロボからの執着溺愛兄×無自覚人たらしな弟
コメディーです。
「かわいい」よりも
すずかけあおい
BL
休日出勤の帰りに電車が止まっていた。ホームで電車を待つ誉に、隣に立っていた羽海が声を掛ける。
〔攻め〕相原 羽海(あいはら うみ)大学生
〔受け〕小長谷 誉(こながや ほまれ)会社員
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる