若き騎士達の危険な日常

あーす。

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懇願

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 シェイルは拉致された時のことを、思い出し続ける。

『僕…は…伯父から目を背け続けた。
心では
“とうとう追いつかれた!
逃げ続けたけど、とうとう!”

僕はずっとそう、叫んでローフィスを探した。
心の中で、ローフィスを呼び続けた。

ローフィスは…黒い靄の向こうに見え隠れして、必死で叫んでる。
“俺を呼び続けろ!”
って…。

僕は…馬で移動中、ずっと叫び続けた。
ローフィスの名を。

けれど黒い靄は広がるばかり。
ローフィスは靄の向こうに姿を消す…。

そんな時、古びた屋敷に連れ込まれた。
僕…はそして…伯父と会った。

縛られた僕の前に立ち、顎に触れる。
たった、それだけで…ぞっとして体が総毛立つ程、おぞましく感じた。

そして…伯父の頭の中で、ずっと陵辱し続けてた父…の姿が、僕…にすり替えられる。

伯父の…性器が僕…の…お尻に…。

それを感じただけで、僕の心は凍り付いた。

けれど僕をさらった盗賊が、伯父を押し退ける。

「貰った金の分は、ここまでだ。
たんまりくれる王族が、直こいつを連れに来る」

伯父は叫んだ。
「幾らだ!
もっと払う!
もっと払ってやるから、私に寄越せ!」

けど盗賊は鼻で笑った。
「確かにあんたはずっと依頼主で、たんまり金を貰ってきた。
だが今までの分だ。
あんたもう…家財道具まで売っ払って、一銭も無いんじゃ無いのか?
悪いが、あんたはもう、金にならない」

そして…伯父から僕は引き離され、ほっとしたのも束の間。

地下室に移され、盗賊らがいやらしい顔で僕を見る、視線に耐え続けなくてはならなかった。

舌なめずりしてる、飢えた狼。
ご馳走の僕…。

そして…何がきっかけだったろう?
二人の男に襲いかかられたのは。

ああそう…。
無理矢理口づけられそうになって、顔を背けた。
それに怒った男が平手を打とうと手を振り上げ、一人が止めてそして…。

二人は、のし掛かり捕まえ衣服を…剥いで手を乱暴に這わせて…。

幾度も幾度も、蕾に指を挿入されてかき回され、必死で抵抗した………。

まるで伯父に代わって、この男達が伯父の妄想を果たそうとするかのように。
…野獣のように。

黒い靄は、笑ってた。
高らかに笑い、叫んでた。

“今度こそ!
今度こそお前を私の物にする…!”

ぞっとした。
触れる男達の手はゴツく、なのに痛いほど冷たくおぞましく感じて。

身が心が、凍って行く。
あの…幼い時に引き戻される恐怖で、僕は叫んだ。
叫び続けた…。

そしてローフィスの姿を、見つけた時。
気づくと僕は駆け…。
抱きつくと、とても、暖かい。

きっと…きっと来てくれると思った。
例え囚われた場所が地獄の底だとしても。
ローフィスは、きっと…!

ディアヴォロスに抱き上げられた時。
嘘のように体から、寒気が引いた。

体がじんわりと暖かく…そして闇が去って、光が胸に灯った………』

ローフィスはシェイルが、座ったままずっと動かず、涙を頬に流し続けてるので、心配すぎて揺さぶろうかと思った。

けどふい…とシェイルが振り向き、胸に顔を埋めたられ、華奢な指でしがみつかれた時。

ローフィスはもう、逃げ場が無いと、感じた。

“抱きたかったのは…いつも俺。
シェイルお前に…性欲なんて無い。

人間で、いるのがやっとのお前に…!

けれどいつも俺に負い目を感じていたから。
だから俺に応えようと…”

ローフィスは、シェイルを抱きしめた。
シェイルが顔を上げる。
大きな、泣き濡れたグリンの瞳。

ローフィスがそっ…と顔を傾けた時。
シェイルの方から、唇をローフィスの唇に、押し当てた。

そして押しつけたまま、尚も一層指を食い込ませてしがみつく。

ローフィスはもう…分かってた。
だからそっと唇を離し、今度は自分から。
シェイルの唇に、唇を押し当てる。

シェイルの全身から、歓喜がほとばしるのを、ローフィスは感じる。

顔を離し、シェイルを見つめる。
聞きたかった。

“もう…後戻り、出来ないんだぞ?”

けれどシェイルが全身で自分を求めていると分かった時。
義兄あにのローフィスは降参した。

シェイルの腕を掴み、ソファの上にシェイルを押し倒す。
上から見つめてまた、顔を傾け口づけし…右に…左に顔を傾け、幾度もそっと、シェイルの唇に唇を触れさせる。

だんだん…熱を帯びてくるのが、ローフィス自身も強く感じる。

とうとうシェイルの細い体を抱き寄せ、思いっきり唇を押しつけそして…唇を割って舌を、滑り込ませた。

「ん…ぅ…んっ…」

シェイルの呻き声に、ローフィスは我に返り、出来るだけシェイルが怯えないよう、そっと優しく舌を絡ませた。

けれどシェイルは、きつくローフィスに喰い込ませた指で、ローフィスの身を自分に引き寄せる。

まるで“僕に欲情して!”
そう懇願するように。

ローフィスはふ…と、既にディアヴォロスと抱き合ってるのだと、思い出す。
が途端、固まった。

“ディアヴォロスと抱き合い、それでも自分を欲しがる?
…どうしてそんな事が、あり得るんだ?”

けれどシェイルは、溺れてるみたいにしがみついて、身を寄せて来るから…。

ローフィスはそっと手を下げて、シェイルの股間を探る。
小さく細い、シェイルに性器に指を絡ませ、ずっと夢想し続けた、シェイルに愛撫を加える。

指先で幾度も擦り上げ、感じる先端に幾度も優しく親指の腹を押しつけ…。

するとシェイルの股間は少しずつ熱を持って固く勃ち上がり始める。

シェイルは顎を上げ、閉じた睫を震わせ、感じる表情を見せるから…ローフィスはあんまり愛おしくて顔を下げ、シェイルの育ち始めた性器を口に含む。

「あっ…!」

シェイルが、甘やかな声を上げる。
それでローフィスはもっとその声を引き出したくって、更に舌先で先端をねぶり、口に咥えて擦り上げる。

「あ…あ…っ!
ダメ…そんな…に…しちゃ!」
シェイルが恥ずかしそうにそう言うから、ローフィスは囁く。
「気持ち…いいのか?」

シェイルは頬を真っ赤に染め、恥ずかしそうに囁く。
「気持ちよすぎて…直ぐ、出ちゃう…」
「出していい」
ローフィスは即答すると、また唇と舌で、シェイルの性器を愛した。

「んんっ…あ…あっ…」

シェイルは唇に指を当てる。

まったりでゆっくり…なのに、時折くっ!と強く愛撫され、感じる場所をローフィスの舌で覆い尽くされると、身がくねり…体が火照ってたまらなく感じた。



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