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宮廷警備長、選任議事堂の一幕
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試合の開催される少し前。
ディアヴォロスはアドラフレンと共に、宮廷役職決定議事堂に馬を走らせていた。
どこから漏れたのか。
ディノス公の刺客が、アドラフレンを噂道理亡き者にしようと、馬で後を追い、剣を抜く。
アドラフレンが振り向き、ディアヴォロスは頷く。
どちらも馬を止めぬまま、剣を抜き、横に併走して剣を振る刺客を、叩き斬った。
が目前に、20数人の刺客が、矢を持って立ち塞がる。
アドラフレンもディアヴォロスも、飛んで来る矢から馬を護り剣を振り続け、阻む刺客へと突っ込む。
通り過ぎ様あっという間に五人を斬り殺すディアヴォロスに、刺客は怖気…。
更にディアヴォロスは、三人を斬り殺して通り抜けたアドラフレンの後ろに馬を付け、振り向き様凄まじい目で刺客らを睨み付けるから…とうとう、刺客らは後を追うのを諦め、二人をそのまま行かせた。
アドラフレンが、王城内の議事堂の、近道である通路へと駆け込む。
がそこにも、大勢の刺客があちこちから湧いて出て来る。
ディアヴォロスはアドラフレンを守るため、時に前へ出て刺客を斬り殺し、背後をも守り抜き、とうとうアドラフレンを、議事堂内へと導いた。
「…候補者がいなければ、ディノス大公の就任となりますが…他の、候補者はいらっしゃっていませんか?!」
宮廷の長老の声に、扉を開けてアドラフレンが、駆けつける。
アドラフレンの一派は彼を信じ、候補者を立ててなかったから…アドラフレン到着でどれ程、ほっとした事だろう…。
「もう一人の候補、アドラフレン殿がおいでになりました。
今からこの二人で、どちらを長とするかの協議を始めます」
アドラフレンが姿を現した時の、ディノス大公の苦虫かみつぶしたような表情。
そして協議と投票後、正式にアドラフレンが長に、選出された。
アドラフレンは議事堂内に着いた時、幾度もディアヴォロスに
「ここはもういいから。
試合に行けば?」
そう囁く。
が、頑としてディアヴォロスはその場を動かない。
選出された後、アドラフレンは隠しておいた、敵の手の者で首謀者格の捕らえた男を、縄を打って引っ立て、叫ぶ。
「ディノス大公!
貴方を逮捕する!
容疑は、私の祖父の暗殺と私の暗殺未遂!」
けれどその時、議事堂の光差す高窓から矢が。
アドラフレン目がけ放たれた。
ディアヴォロスはその矢を、アドラフレンの前に駆け出し、剣で叩き払う。
直ぐ懐から短剣取り出し、矢を射た高窓の刺客に放つ。
どさっ!
議事堂の、床に落ちる暗殺者をアドラフレンは無言で見つめた。
けれどディアヴォロスは、背に庇ったアドラフレンに振り向き、笑顔で言った。
「これでようやく、私はお役御免。
『教練』の試合に行ける」
アドラフレンは呆れて…けれど感謝の眼差しで囁く。
「予見したワーキュラスと…そして君に、感謝だ」
ディアヴォロスは頷く。
「ワーキュラスは数が合わない。
と言ったんだ。
ここまで来るのに倒した刺客の数が。
どうしても、白状した男の頭に浮かぶ、ディノス公が雇った刺客の数と合わない。と。
そして…見つからないのは、射手だと」
アドラフレンは、頷く。
「これで…数が合った?」
「ああ。けれど油断するな。
君さえ死ねば…ディノスはもう長になれずとも、死刑は免れるから」
アドラフレンは微笑んで、頷く。
「夕方の就任式には、来てくれるな?」
「試合で勝てば」
「君が、負けるはずが無い」
そう約束したから…ディアヴォロスはまた、王城に向けて試合後、馬を走らせた。
入れ替わりにグーデンが、『教練』に戻ると知りながら。
ふと振り向き…戻ろうかとも迷い…。
けれどワーキュラスの進言道理、オーガスタスとディングレーに任せ、ディアヴォロスはアドラフレンの就任式と、王の主催する宮廷警備長就任舞踏会に出るため。
馬を王城へと、ひた走らせた。
ディアヴォロスはアドラフレンと共に、宮廷役職決定議事堂に馬を走らせていた。
どこから漏れたのか。
ディノス公の刺客が、アドラフレンを噂道理亡き者にしようと、馬で後を追い、剣を抜く。
アドラフレンが振り向き、ディアヴォロスは頷く。
どちらも馬を止めぬまま、剣を抜き、横に併走して剣を振る刺客を、叩き斬った。
が目前に、20数人の刺客が、矢を持って立ち塞がる。
アドラフレンもディアヴォロスも、飛んで来る矢から馬を護り剣を振り続け、阻む刺客へと突っ込む。
通り過ぎ様あっという間に五人を斬り殺すディアヴォロスに、刺客は怖気…。
更にディアヴォロスは、三人を斬り殺して通り抜けたアドラフレンの後ろに馬を付け、振り向き様凄まじい目で刺客らを睨み付けるから…とうとう、刺客らは後を追うのを諦め、二人をそのまま行かせた。
アドラフレンが、王城内の議事堂の、近道である通路へと駆け込む。
がそこにも、大勢の刺客があちこちから湧いて出て来る。
ディアヴォロスはアドラフレンを守るため、時に前へ出て刺客を斬り殺し、背後をも守り抜き、とうとうアドラフレンを、議事堂内へと導いた。
「…候補者がいなければ、ディノス大公の就任となりますが…他の、候補者はいらっしゃっていませんか?!」
宮廷の長老の声に、扉を開けてアドラフレンが、駆けつける。
アドラフレンの一派は彼を信じ、候補者を立ててなかったから…アドラフレン到着でどれ程、ほっとした事だろう…。
「もう一人の候補、アドラフレン殿がおいでになりました。
今からこの二人で、どちらを長とするかの協議を始めます」
アドラフレンが姿を現した時の、ディノス大公の苦虫かみつぶしたような表情。
そして協議と投票後、正式にアドラフレンが長に、選出された。
アドラフレンは議事堂内に着いた時、幾度もディアヴォロスに
「ここはもういいから。
試合に行けば?」
そう囁く。
が、頑としてディアヴォロスはその場を動かない。
選出された後、アドラフレンは隠しておいた、敵の手の者で首謀者格の捕らえた男を、縄を打って引っ立て、叫ぶ。
「ディノス大公!
貴方を逮捕する!
容疑は、私の祖父の暗殺と私の暗殺未遂!」
けれどその時、議事堂の光差す高窓から矢が。
アドラフレン目がけ放たれた。
ディアヴォロスはその矢を、アドラフレンの前に駆け出し、剣で叩き払う。
直ぐ懐から短剣取り出し、矢を射た高窓の刺客に放つ。
どさっ!
議事堂の、床に落ちる暗殺者をアドラフレンは無言で見つめた。
けれどディアヴォロスは、背に庇ったアドラフレンに振り向き、笑顔で言った。
「これでようやく、私はお役御免。
『教練』の試合に行ける」
アドラフレンは呆れて…けれど感謝の眼差しで囁く。
「予見したワーキュラスと…そして君に、感謝だ」
ディアヴォロスは頷く。
「ワーキュラスは数が合わない。
と言ったんだ。
ここまで来るのに倒した刺客の数が。
どうしても、白状した男の頭に浮かぶ、ディノス公が雇った刺客の数と合わない。と。
そして…見つからないのは、射手だと」
アドラフレンは、頷く。
「これで…数が合った?」
「ああ。けれど油断するな。
君さえ死ねば…ディノスはもう長になれずとも、死刑は免れるから」
アドラフレンは微笑んで、頷く。
「夕方の就任式には、来てくれるな?」
「試合で勝てば」
「君が、負けるはずが無い」
そう約束したから…ディアヴォロスはまた、王城に向けて試合後、馬を走らせた。
入れ替わりにグーデンが、『教練』に戻ると知りながら。
ふと振り向き…戻ろうかとも迷い…。
けれどワーキュラスの進言道理、オーガスタスとディングレーに任せ、ディアヴォロスはアドラフレンの就任式と、王の主催する宮廷警備長就任舞踏会に出るため。
馬を王城へと、ひた走らせた。
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