若き騎士達の危険な日常

あーす。

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王族の私室の乱戦

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 ディングレーの背後から、二年ディングレーの取り巻き大貴族らも姿を見せる。
同じ食卓で食事をしていたから、ディングレーの
「お前らは来るな!!!」
の制止も聞かず、後に続きやって来ていた。

直ぐ、ディングレーは襲いかかるシャンクの拳を身を屈め避け様、蹴りを思い切り入れる。
デルアンダーとテスアッソンは避けるシャンクの横をすり抜けて、寝台下に潜り込むローフィスをデカい身を屈め伺うドナルドに、体当たりして突っ込んで行く。

別の取り巻きらはアルシャノンの周囲を取り囲む。

ディングレーは取り巻きらへと、ドナルドやアルシャノンの拳が振られるのを見て怒鳴る。
「避けろ!!!
並の破壊力じゃ無い!!!」

その時、扉の向こうからの声。

「…そうだ。
試合前の大事な体だ。
避けまくって怒らせとけ!!!」

オーガスタスが、長身の姿を見せる。

ドナルドも…シャンクもアルシャノンも。
オーガスタスが姿を見せた途端、目を殺気でぎらり…!!!と光らせた。

ディングレーは叫ぶ。

「シェイルを!!!早く!!!」

デルアンダーとテスアッソンは頷くと、寝台上に駆け昇り、ドナルドは宿敵オーガスタス目がけ、目前のシャンクとアルシャノンですら弾き飛ばす勢いで、オーガスタス目がけ突っ込んで行く。

ディングレーはその凄い勢いに目を見開き、寸でで横に避けると思いっきり足を持ち上げ、ドナルドの足を引っかけて転ばせた。

どっっっつたん!!!

オーガスタスの目前でドナルドはつんのめって倒れ、オーガスタスは笑う。

アルシャノンとシャンクはその舐めた下級生の余裕に憤り、拳引き構え、突っ込もうとしたその時。

しゅっ!!!

と短剣が飛び、オーガスタスの頬を掠るものの、オーガスタスは首を振って避けていた。

それを見たローフィスは寝台から転がり出ると、オーガスタスに向けて更に短剣投げようとしたザッダンに、飛びかかる。

「貴様…!!!」

ローフィスとザッダンは床を転がりながら争い…。

デルアンダーとテスアッソンはシェイルの手の枷を外し、デルアンダーが上着を素早く脱いでシェイルの肩にかけ、抱き上げて召使い用、私室、そのどちらの出口から出ようかと、首を振って迷った。

ディングレーがそれを見て怒鳴る。

「召使い用だ!!!
全員でシェイルを護り、俺の部屋へ保護しろ!!!」

取り巻きらは頷き、シェイルを抱くデルアンダーを囲み、召使い用の出口へ走る。

グーデンは三年護衛の背後から出て、自分を守っていた男に
「逃がすな!!!」
と怒鳴った。

がその三年護衛は、部屋を出た途端戸口に身を隠した取り巻き二人に、殴られて倒れた。


ザッダンは自分に抱きつくローフィスを、引き剥がそうともがき、ローフィスはほんの僅か身を離すと、ザッダンの腹に拳を振り入れる。

「ぐっ!!!」

ザッダンはみぞおちに喰らい、ローフィスを呪い…意識を薄れさせた。

オーガスタスはとっくに、倒れたドナルドが身を起こしさま顎を思いっきり蹴り上げて沈め、アルシャノンへかかって行き、ディングレーはシャンクに向かって拳を振り込む。

シャンクが笑い、ディングレーの拳を喰らいながらも倒れず、上から拳を振り上げ、振り下ろそうとした時。

オーガスタスはディングレーの危機に気づき、アルシャノンの拳を避け様シャンクを、身を倒して回し蹴った。

どんっ!!!

「っ!!!」

ディングレーが、慌ててシャンクの目前からどく。
シャンクは蹴られて目前の床へと、凄い勢いで突っ込んだ。

どんっ!!!

アルシャノンは避けたオーガスタス目がけ、拳を振り上げる。

その時ローフィスが、大声で叫んだ。

「シェイルは無事、逃げた!!!」

グーデンが怒鳴る。

「ふざけるな!!!
あっちには…一年と三年護衛が…」

怒鳴りかけて、はっ!と気づく。

護衛に掴まらず、ローフィスがどうしてこの部屋に、辿り着いたのか。
「(まさか…あいつが一人で倒したのか?!)」
だが多少の怪我では、沈んでいないはず…。

ローフィスは倒れるザッダンに手を付き、身を起こして呟く。
「眠り針だ。
目覚めないから、逃げたシェイルらを、さえぎることは不可能…!」

ゆらり…と身を揺らし、拳振り上げグーデンに殴りかかるローフィスの胴に、ディングレーが突進し、抱きついて止める。


「…よせ…!
あいつを殴ったら退校だ!」
「放せディングレー!!!」

毛を逆立てて怒鳴るローフィスの、胴に腕を回しディングレーは大声で怒鳴る。

「引く!!!」

アルシャノンと殴り合うオーガスタスはその声を聞く。
ディングレーと同時に、グーデンもが怒鳴った。

「出て行け!!!
アルシャノン、行かせろ!!!
これ以上私の部屋を、血で汚すな!!!」

アルシャノンはその白ける言葉に、拳引く。

オーガスタスはアルシャノンを睨み、けど歩を室内へと進め、グーデンを殴ろうとするローフィスを、必死に抱き止めるディングレーの横に来る。

グーデンは…間近に来るオーガスタスの大きさと逞しさ。
凄まじい迫力に、ごくり…と唾を飲み込む。

が、オーガスタスはいきなり屈んでローフィスの胴を掴み、ディングレーが慌てて腕を引いたその後、強引にローフィスを肩に担ぎ上げて、ディングレーに頷く。

ディングレーは担がれて怒りまくるローフィスと、笑顔で促すオーガスタスを、目を見開いて見つめ…そしてオーガスタスと並んで、室内を出る。

グーデンはオーガスタスが戸口から姿を消し去る直前、我に返って怒鳴った。

「平貴族風情が、王族の私室に!!!」

が、ディングレーが振り向く。

「許可は俺が出す。
俺の、連れだ。
文句は聞かない!!!」

怒鳴ると、バタン!!!と大きな音を立てて、扉を閉めた。

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