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ローフィスの痛みを引き受けるディアヴォロス
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バンっ!
ローフィスがその、薄暗い部屋に飛び込んだ時。
寝台の上のシェイルはローフィスの姿を見、大きく目を見開いた。
ローフィスは室内を見回し…そして仄暗い明かりで浮かび上がる、白い肌のシェイルを、天蓋付き寝台の上に見つけ、両腕を上に吊り上げられて縛られている姿に、目を見開き…。
それを見た途端、ローフィスの理性がふっ飛ぶ。
飛ぶように突っ走る。
が、扉の陰に居たドナルドが、咄嗟太くて長い腕を、豪速で振り込んだ。
「来ちゃ、ダメっ!」
シェイルが叫ぶ。
ドナルドの腕が不意を突いてローフィスの…治ったばかりのアバラに突き刺さる。
「…………っ!!!」
駆けるローフィスの身が、ドナルドの拳が胸にめり込み、前にがくんっ!!!
と崩れる。
ディアヴォロスはその時、グーデンの母レディアヌをアドラフレンと尋問してる最中だった。
証拠はあり、後は口を割らせるだけ。
問い詰めるアドラフレンの横でディアヴォロスは、ローフィスの感謝を僅かに感じ、同時に激しい焦燥感をも感じ取り、再び訪れたシェイルの危機に、微かに顔を揺らして動揺する。
だが次の瞬間、はっきりと脳裏に浮かび上がる。
ドナルドの拳がローフィスのアバラにめり込み…骨は折れて肺に突き刺さり、口から血を吹き出すローフィスの姿。
「っ!!!」
ワーキュラスが瞬間制止し、が、ディアヴォロスは押し切った。
めり込む拳で折れて肺へと突き刺さる、骨を瞬間、全身で押し止める。
ローフィスの痛みがディアヴォロスの身を襲う。
アドラフレンは、ディアヴォロスの異変に振り向く。
が、ディアスは渾身の理性をかき集めて痛みを抑え込み、アドラフレンに続けるよう、微笑を浮かべ首を縦に振った。
アドラフレンは夫人の取引に応じ、ディノス大公が(祖父の暗殺を)命じた証拠を受け取る代わりに、彼女を糾弾しない事を確約した。
ローフィスは…激しいショックが身を駆け巡り…が、どこも痛む様子無く、すぐ前に屈めた身を起こすと短剣を手の平に滑り込ませ、横のドナルドに向かって投げた。
しゅっっ!!!
「がっ!!!」
短距離だから、肩に深く突き刺さる。
シャンクがそれを見てシェイルの横から立ち上がり、アルシャノンはシェイルの背後から…。
だがローフィスの視界に飛び込んで来たのはシャンクでは無く…シェイルの性器にはめ込まれ、微かに動く度きらりと光る、シェイルを苛む金のリング。
ざっっっ!!!
激しい怒りに包まれ感情の赴くまま、ローフィスはシャンク目がけ、素早く短剣を握り投げる。
「ぐっっっ!!!」
シャンクは胸元に突き刺さる小さな剣がめり込み、血が滴るのを見る。
が横をすり抜けて行くローフィスを殴ろうと身を返し、しかし、突き刺さったままの短剣の、激しい痛みで身を崩した。
ローフィスはズボンの隠しポケットの革袋から新たな短剣を取り、シェイルの背後から抜け出て立ち塞がるアルシャノンの、喉目がけて投げる。
しゅっ!!!
アルシャノンは横に身を振り、命すら奪いかねる喉に突き刺さる筈だった短剣を、寸でで避け、が首を掠って血が滴るのを感じ、目を剥く。
「貴様…!!!」
拳を振り上げるアルシャノンの、腹に思い切り短剣を、振り切った。
ざっっっ。
今度アルシャノンは避けきれず…。
横腹に突き刺さる短剣に、激しい痛みで身を折る。
ローフィスは寝台に駆け上がり、シェイルを吊してる滑車の鎖を引く。
けどシェイルはローフィスに振り向き、まだ叫んだ。
「ダメっ!!!
ローフィスここに居ちゃダメっ!!!」
ローフィスは聞かず、鎖が滑車を滑り、シェイルの吊り上げられた腕が降りた途端、枷を外そうと屈み…シェイルに
「後ろ!!!」
と叫ばれ、振り向いて猛烈に怒るドナルドの振る拳を、身を布団に倒し込んで、寸でで避けた。
ぶんっっっ!!!
「…沈めとけ!!!ドナルド!!!」
シャンクは叫び、突き刺さる小さな短剣を、必死に抜こうとするが…。
血で滑り、なかなか抜けない。
「…糞!!!」
アルシャノンもが必死に突き刺さる短剣を抜こうとするが、やはり…小さすぎて、掴めず憤る。
ドナルドは怒りまくり、肩に短剣を突き刺したまま…めちゃくちゃに拳を振り、小回りの利くローフィスは、寝台上から転がり避けた。
はっ!!!と背後からの殺気を感じ、前へ思い切り、身を倒し避ける。
途端、自分同様短剣使いのもう一人の四年、グーデン護衛のザッダンの放った短剣は、殴ろうとローフィスに覆い被さる、ドナルドの腕に突き刺さった。
「ぐっっ!!!」
一番小柄で美形のザッダンは目を見開き
「ゴメン」
とドナルドに言う物の、直ぐ次の短剣を手に滑らせ、がその間に横に転がるローフィスの投げた短剣を、避けたつもりで肩に喰らう。
「ぐっ…………!」
腕から血を滴らせ、顔を歪めてローフィスを睨む。
が、ローフィスは部屋の隅の暗がりに逃れて、短剣の残り本数を指で確かめた。
ドナルドが、高価なテーブルを蹴立てて飛び込んで来る。
ローフィスはまた転がると、今度は寝台の下へと、潜り込む。
その時、私室側の扉が開いてディングレーが、飛び込んで来た。
ディングレーは薄暗い淫靡な部屋の中。
三年護衛の背後で庇われる、小柄なグーデンを見つけ怒鳴る。
「シェイルは返して貰う!!!」
が、グーデンはやっとめり込む短剣を引き抜いた、シャンクとアルシャノンに首を振る。
二人は頷くと、グーデンの実弟、ディングレーを標的に変え、のそりとディングレーの前へ、立ち塞がった。
ローフィスがその、薄暗い部屋に飛び込んだ時。
寝台の上のシェイルはローフィスの姿を見、大きく目を見開いた。
ローフィスは室内を見回し…そして仄暗い明かりで浮かび上がる、白い肌のシェイルを、天蓋付き寝台の上に見つけ、両腕を上に吊り上げられて縛られている姿に、目を見開き…。
それを見た途端、ローフィスの理性がふっ飛ぶ。
飛ぶように突っ走る。
が、扉の陰に居たドナルドが、咄嗟太くて長い腕を、豪速で振り込んだ。
「来ちゃ、ダメっ!」
シェイルが叫ぶ。
ドナルドの腕が不意を突いてローフィスの…治ったばかりのアバラに突き刺さる。
「…………っ!!!」
駆けるローフィスの身が、ドナルドの拳が胸にめり込み、前にがくんっ!!!
と崩れる。
ディアヴォロスはその時、グーデンの母レディアヌをアドラフレンと尋問してる最中だった。
証拠はあり、後は口を割らせるだけ。
問い詰めるアドラフレンの横でディアヴォロスは、ローフィスの感謝を僅かに感じ、同時に激しい焦燥感をも感じ取り、再び訪れたシェイルの危機に、微かに顔を揺らして動揺する。
だが次の瞬間、はっきりと脳裏に浮かび上がる。
ドナルドの拳がローフィスのアバラにめり込み…骨は折れて肺に突き刺さり、口から血を吹き出すローフィスの姿。
「っ!!!」
ワーキュラスが瞬間制止し、が、ディアヴォロスは押し切った。
めり込む拳で折れて肺へと突き刺さる、骨を瞬間、全身で押し止める。
ローフィスの痛みがディアヴォロスの身を襲う。
アドラフレンは、ディアヴォロスの異変に振り向く。
が、ディアスは渾身の理性をかき集めて痛みを抑え込み、アドラフレンに続けるよう、微笑を浮かべ首を縦に振った。
アドラフレンは夫人の取引に応じ、ディノス大公が(祖父の暗殺を)命じた証拠を受け取る代わりに、彼女を糾弾しない事を確約した。
ローフィスは…激しいショックが身を駆け巡り…が、どこも痛む様子無く、すぐ前に屈めた身を起こすと短剣を手の平に滑り込ませ、横のドナルドに向かって投げた。
しゅっっ!!!
「がっ!!!」
短距離だから、肩に深く突き刺さる。
シャンクがそれを見てシェイルの横から立ち上がり、アルシャノンはシェイルの背後から…。
だがローフィスの視界に飛び込んで来たのはシャンクでは無く…シェイルの性器にはめ込まれ、微かに動く度きらりと光る、シェイルを苛む金のリング。
ざっっっ!!!
激しい怒りに包まれ感情の赴くまま、ローフィスはシャンク目がけ、素早く短剣を握り投げる。
「ぐっっっ!!!」
シャンクは胸元に突き刺さる小さな剣がめり込み、血が滴るのを見る。
が横をすり抜けて行くローフィスを殴ろうと身を返し、しかし、突き刺さったままの短剣の、激しい痛みで身を崩した。
ローフィスはズボンの隠しポケットの革袋から新たな短剣を取り、シェイルの背後から抜け出て立ち塞がるアルシャノンの、喉目がけて投げる。
しゅっ!!!
アルシャノンは横に身を振り、命すら奪いかねる喉に突き刺さる筈だった短剣を、寸でで避け、が首を掠って血が滴るのを感じ、目を剥く。
「貴様…!!!」
拳を振り上げるアルシャノンの、腹に思い切り短剣を、振り切った。
ざっっっ。
今度アルシャノンは避けきれず…。
横腹に突き刺さる短剣に、激しい痛みで身を折る。
ローフィスは寝台に駆け上がり、シェイルを吊してる滑車の鎖を引く。
けどシェイルはローフィスに振り向き、まだ叫んだ。
「ダメっ!!!
ローフィスここに居ちゃダメっ!!!」
ローフィスは聞かず、鎖が滑車を滑り、シェイルの吊り上げられた腕が降りた途端、枷を外そうと屈み…シェイルに
「後ろ!!!」
と叫ばれ、振り向いて猛烈に怒るドナルドの振る拳を、身を布団に倒し込んで、寸でで避けた。
ぶんっっっ!!!
「…沈めとけ!!!ドナルド!!!」
シャンクは叫び、突き刺さる小さな短剣を、必死に抜こうとするが…。
血で滑り、なかなか抜けない。
「…糞!!!」
アルシャノンもが必死に突き刺さる短剣を抜こうとするが、やはり…小さすぎて、掴めず憤る。
ドナルドは怒りまくり、肩に短剣を突き刺したまま…めちゃくちゃに拳を振り、小回りの利くローフィスは、寝台上から転がり避けた。
はっ!!!と背後からの殺気を感じ、前へ思い切り、身を倒し避ける。
途端、自分同様短剣使いのもう一人の四年、グーデン護衛のザッダンの放った短剣は、殴ろうとローフィスに覆い被さる、ドナルドの腕に突き刺さった。
「ぐっっ!!!」
一番小柄で美形のザッダンは目を見開き
「ゴメン」
とドナルドに言う物の、直ぐ次の短剣を手に滑らせ、がその間に横に転がるローフィスの投げた短剣を、避けたつもりで肩に喰らう。
「ぐっ…………!」
腕から血を滴らせ、顔を歪めてローフィスを睨む。
が、ローフィスは部屋の隅の暗がりに逃れて、短剣の残り本数を指で確かめた。
ドナルドが、高価なテーブルを蹴立てて飛び込んで来る。
ローフィスはまた転がると、今度は寝台の下へと、潜り込む。
その時、私室側の扉が開いてディングレーが、飛び込んで来た。
ディングレーは薄暗い淫靡な部屋の中。
三年護衛の背後で庇われる、小柄なグーデンを見つけ怒鳴る。
「シェイルは返して貰う!!!」
が、グーデンはやっとめり込む短剣を引き抜いた、シャンクとアルシャノンに首を振る。
二人は頷くと、グーデンの実弟、ディングレーを標的に変え、のそりとディングレーの前へ、立ち塞がった。
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