若き騎士達の危険な日常

あーす。

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暴れるオーガスタス

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 広げられた白く華奢な足…。
腿を掴み、グーデンはシェイルの蕾に先端を捻り込む。

ローフィスは体を揺すってえた。

「今ぐ止めろ!!!
シェイルを犯すなら、俺を殺してからにしろ!!!」



オーガスタスはヤッケルに指さされた小屋に突っ走ってるさ中、ローフィスの怒号どごうを聞く。
一気に速度を上げる。
直ぐ後ろを走ってたリーラス始め、三人の悪友をはるか後ろに置き去りにする程の速さで。
扉を開けざま突っ込み、拳を振り上げ、ローフィスが身を横に屈めた途端、ドナルドを殴り倒す。

がっっっつ!!!

「いやっ…ああ…っ!!!」

グーデンはもう、半分シェイルに捻れ入れていて、ローフィスは気が違ったみたいに遮二無二しゃにむに、腕を掴むシャンクから腕を引き抜こうと暴れ出し…。

オーガスタスがシャンクを殴ろうと振り向く隙に、ドナルドは首を振って身を起こす。
襲いかかろうとこぶし振り上げた途端とたん、振り向くオーガスタスの長い足で回し蹴られて壁に激突する。

どんっ!!!

そのさまを見て、アルシャノンはとうとうザッダン一人にシェイルを任せ、立ち上がる。

「ここに誰か付け!!!」

そう一声えると、暴れるローフィスを捕らえておこうと手こずるシャンクに向かって、拳を振り上げるオーガスタスの、背後から回し蹴る。

どっっっ!!!

オーガスタスは背を蹴られ、体を揺らして振り向く。

「…野郎…!!!」

アルシャノンの拳が、殴ろうと後ろに引かれるのを見て、オーガスタスはかっ!!!と怒って髪を燃えるような赤に染め、鳶色の瞳を黄金きんに輝かせて咄嗟とっさ、身を返し、回し蹴る。

ざっっっっ!!!

アルシャノンはすんでで身を屈め…それでも肩を激しく掠って、顔を歪める。
ドナルドはその隙に壁から身を起こし、オーガスタスに向かって突進した。
気づくオーガスタスは、ひょい。と突然とつぜん横に避け、ドナルドが横を走りすぎざま、足を出して引っかける。
アルシャノンはドナルドに、突進されて倒れかかられ、表情かおを歪めて何とか抱き止めた。

オーガスタスは笑う。
「仲がいな」
ドナルドとアルシャノンは目を剥いて、ほぼ同時にオーガスタスに吠えた。
「てめぇ!!!」
「ふざけやがって!!!」

ローフィスは必死でシャンクの腕から腕を引き抜こうと引き合い、そのあいだいてもたってもいられず、首を振ってシェイルに視線を送る。
シェイルは…アルシャノンの放した腕を、代わって横に付くローズベルタに掴まれ、押さえつけられて泣きながら、身もがいていた。

グーデンは押し込もうとするが、シェイルは腰を揺すって抵抗する。
「愛撫しろ!
狭くて入らない!!!」

グーデンの叫びでザッダンの手がシェイルの胸を這い、きつく乳首をつまみ上げた。

「ああっ!!!」

ずっ!!!

グーデンが、笑う。

「いいぞ。
続けろ」

「嫌!!!嫌っ!!!」

リーラスがとうとう小屋に辿り着き、直ぐさまローフィスとつかみ合う、シャンク目がけて拳を振り下ろす。

がっっっっ!!!

ローフィスは腕が外れた途端、シェイルの元へ突っ走って行く。

後もう少しですっかり挿入はいる、その時。
グーデンは凄まじい怒りを背後に感じ、怖気て飛び退く。

乱闘を見ていた三年のグーデン護衛二人が、駆け出してグーデンの背に拳振り上げる、ローフィスに襲いかかった。

オーガスタスはドナルドとシャンクに交互に拳を振られ、身を左右に倒し避けながら、拳振る機会を狙い澄ます。

どっっっ!!!

ドナルドの背後から、駆けつけた三年オーガスタスの悪友一人が抱きつく。
もう一人の悪友はドナルドの足を、執拗に蹴り始めた。

更に三人目の悪友が、乱闘の間を潜ってローフィスに襲いかかる三年グーデン護衛の一人を、背後から殴り倒す。

がっっっ!!!
がっっっ!!!

が、ローフィスは三年グーデン護衛のもう一人に、ほぼ同時に殴り倒され…。
どたんっ!
助っ人に入って三年護衛を殴り倒した悪友は、目を見開いて床に頃がるローフィスを見る。
「何やってんだ?」

ローフィスを殴った護衛は、今度はそうぼやく三人目の悪友を標的に変え、拳を振り上げる。
悪友は身を横に倒し避けて
がっっっ!!!
拳を振り切った。

だが背後から、さっき殴り倒した三年護衛に腰を蹴りつけられる。
ざしっ!
三人目の悪友は倒れかかったが踏みとどまり、かっかして振り向きさま、顔に拳を喰らって後ろに仰け反った。
もう一人の殴られた三年護衛は、床からふらふらで立ち上がるローフィスに狙いを付け、思いっきり拳振り上げ…。

がっっっっっ!!!

ローフィスにこぶし当てる寸前。
ヤッケルが弾丸のように体当たりして、三年護衛を吹っ飛ばしていた。

フィンスも駆け込み、今やシェイルを放して立ち上がる、四年黒髪のザッダンと向かい合い、ローランデは立ち塞がるローズベルタに、素早く身を横にひるがえして、肘を脇腹に突き入れた。

ローフィスは顔を上げる。
殴られた悪友はきっちり殴り返し、敵に突進して助けてくれた小柄なヤッケルは…。
デカい三年護衛と相対しながら、それでも振り向き、ローフィスに頷いた。

ローフィスは、顔を泣き顔に崩してシェイルに振り向く。
が、手を差し伸べる、その前に。
シェイルは駆けて、ローフィスの胸に飛び込んだ。

「…………………っ………」

本当はローフィスは、飛び込まれ抱きつかれて痛かった。
けれど胸に抱くシェイルの温もりが…ローフィスの痛みを遠ざけた。

シェイルの、背に腕を回す。

気づいたらローフィスは、泣いていた。

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