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荒っぽい新入りの歓迎
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が、別のテーブルにいた目付きの悪い、ガタイのいい一団の一人が歩み寄ると、テーブルに手をだん!と付き、いちゃもん付けて来た。
「よう新入り。いい気になってるようだな?」
テーブルの皆が途端、陽気な笑いを引っ込める。
ギュンターは見られてるのを感じ、チラとそちらに視線を投げた。
奥のテーブルの、どうやらいちゃもん付けて来た奴の、対抗勢力らしき一団が。
じっと視線をこちらに、送って来てる。
体格良く喧嘩慣れしてそうな、面構えのいい連中で、こぞってこちらに顔を向け、味方に付くべきかどうか、伺ってる。
ギュンターは楽しげに食事していた皆が、避けるように顔を下げるのを見、その無礼な狼藉者に視線を戻す。
「俺に用なら、そっちで話そうぜ」
そう告げて、席を立つ。
ロッデスタが、信じられない。と目を見開き、ラッセルダンもダベンデスタも立ち上がるギュンターを、目を丸くして見上げた。
がギュンターは、その男をテーブル横の、少し広い場所へと連れ出す。
ロッデスタが席を立つと、そっ…と身を屈め、大貴族用宿舎に続く、階段へと走り寄る。
だが狼藉者の仲間が先周りし、階段前に立ち塞がり、ニヤついた顔でロッデスタの足を止め、脅すように告げた。
「…ディングレーに、ご注進か?
学年一だとかデカい面しといて、新入りの腕試しも出来ない腰抜けを、本当に呼ぶ気か?」
ロッデスタが背後に振り返ると、そこにももう一人いて。
前後をデカイ男に挟まれ、思い切り狼狽えた。
ギュンターはそれに気づき、目前の狼藉者にぼそり。と告げる。
「あいつは関係無い。
手を出すな」
狼藉者は目を見開き、大声で仲間に告げる。
「聞いたか?
このお綺麗な面構えで、いっちょ前の事言ってるぜ!」
はっはっはっはっはっ!
ロッデスタを挟む前後のデカイ男達は、それを聞いて声を立て、笑う。
が、反対勢力らしき男達の集うテーブルから、一人がガタン!と椅子を鳴らし立ち上がった。
テーブルの連中の中でも、一際高い背と整った顔立ちで、落ち着いた栗色の長髪を後ろで束ねた男。
広い肩幅に太い腕。
深い蒼の瞳の、きりりと引き締まった表情。
皆がその男、デラロッサに期待の視線を送った。
皆の見守る中デラロッサは平然と、大貴族宿舎に続く階段下に歩を進める。
静かな威嚇を滲ませ、体格では劣らぬデラロッサは、猛者に挟まれた小柄なロッデスタの横に付き、その腕を引いて言う。
「奴の言う通りだ。
ディングレーは呼ばないから、好きなだけやれ」
がロッデスタを囲んでいた男二人は、デラロッサの前に立つとその瞳を殺気で輝かす。
「…それで済ます気か?」
「いい恰好、したいようだな?」
ギュンターは彼らが殴り合いの様相を見せるのを目にし、咄嗟叫ぶ。
「獲物は俺だろう!
俺の相手は、たったの一人か?!」
叫ぶと目前の男が、その侮辱に目を剥く。
「お前なんて俺一人で、十分だぜ!」
が、ギュンターは咄嗟、拳を握り肘を引き、そう言った男の腹に突然、拳をめり込ませた。
がつんっ!
目前の奴はいきなり腹に拳を喰らい、顔を歪め腹を押さえ、屈み込む。
皆がその早業に驚く中、ギュンターはその美貌を煌めかせ、視線を大貴族宿舎に続く階段下で睨み合う者らに、向けて叫ぶ。
「これでも必要無いか?!」
デラロッサと睨み合ってた二人が、憤って瞬間デラロッサを突き飛ばし、駆け寄って来る。
「ふい討ちだろう!」
「汚いマネしやがって!」
二つの拳が時間差で、ギュンターの美貌を襲う。
がギュンターは体を屈め、思い切り顔を傾けそれを避け、右の男の腹を右足で蹴り倒す。
どっっっ!
吹っ飛ぶの横の仲間に驚愕する男の、突き出す拳をギュンターは避けると、相手の顔に左拳を、思い切り振り入れた。
がっっっっ!
ほぼ、二人同時に背後に吹っ飛び、どたん!と派手に床に頃がる音と共に、その場に残り立つギュンターを。
皆が驚愕に目を見開き、見つめた。
ギュンターは最初に沈めた男、そしてたった今倒した二人の男の様子に、今だ油断無く視線を送る。
とうとうテーブルに残る、ボスらしき一番体のデカい男が
「ふざけやがって!」
そう唸りながら、席を立つ。
その場はその男の登場に、いきなりしん…と、静まり返った。
「よう新入り。いい気になってるようだな?」
テーブルの皆が途端、陽気な笑いを引っ込める。
ギュンターは見られてるのを感じ、チラとそちらに視線を投げた。
奥のテーブルの、どうやらいちゃもん付けて来た奴の、対抗勢力らしき一団が。
じっと視線をこちらに、送って来てる。
体格良く喧嘩慣れしてそうな、面構えのいい連中で、こぞってこちらに顔を向け、味方に付くべきかどうか、伺ってる。
ギュンターは楽しげに食事していた皆が、避けるように顔を下げるのを見、その無礼な狼藉者に視線を戻す。
「俺に用なら、そっちで話そうぜ」
そう告げて、席を立つ。
ロッデスタが、信じられない。と目を見開き、ラッセルダンもダベンデスタも立ち上がるギュンターを、目を丸くして見上げた。
がギュンターは、その男をテーブル横の、少し広い場所へと連れ出す。
ロッデスタが席を立つと、そっ…と身を屈め、大貴族用宿舎に続く、階段へと走り寄る。
だが狼藉者の仲間が先周りし、階段前に立ち塞がり、ニヤついた顔でロッデスタの足を止め、脅すように告げた。
「…ディングレーに、ご注進か?
学年一だとかデカい面しといて、新入りの腕試しも出来ない腰抜けを、本当に呼ぶ気か?」
ロッデスタが背後に振り返ると、そこにももう一人いて。
前後をデカイ男に挟まれ、思い切り狼狽えた。
ギュンターはそれに気づき、目前の狼藉者にぼそり。と告げる。
「あいつは関係無い。
手を出すな」
狼藉者は目を見開き、大声で仲間に告げる。
「聞いたか?
このお綺麗な面構えで、いっちょ前の事言ってるぜ!」
はっはっはっはっはっ!
ロッデスタを挟む前後のデカイ男達は、それを聞いて声を立て、笑う。
が、反対勢力らしき男達の集うテーブルから、一人がガタン!と椅子を鳴らし立ち上がった。
テーブルの連中の中でも、一際高い背と整った顔立ちで、落ち着いた栗色の長髪を後ろで束ねた男。
広い肩幅に太い腕。
深い蒼の瞳の、きりりと引き締まった表情。
皆がその男、デラロッサに期待の視線を送った。
皆の見守る中デラロッサは平然と、大貴族宿舎に続く階段下に歩を進める。
静かな威嚇を滲ませ、体格では劣らぬデラロッサは、猛者に挟まれた小柄なロッデスタの横に付き、その腕を引いて言う。
「奴の言う通りだ。
ディングレーは呼ばないから、好きなだけやれ」
がロッデスタを囲んでいた男二人は、デラロッサの前に立つとその瞳を殺気で輝かす。
「…それで済ます気か?」
「いい恰好、したいようだな?」
ギュンターは彼らが殴り合いの様相を見せるのを目にし、咄嗟叫ぶ。
「獲物は俺だろう!
俺の相手は、たったの一人か?!」
叫ぶと目前の男が、その侮辱に目を剥く。
「お前なんて俺一人で、十分だぜ!」
が、ギュンターは咄嗟、拳を握り肘を引き、そう言った男の腹に突然、拳をめり込ませた。
がつんっ!
目前の奴はいきなり腹に拳を喰らい、顔を歪め腹を押さえ、屈み込む。
皆がその早業に驚く中、ギュンターはその美貌を煌めかせ、視線を大貴族宿舎に続く階段下で睨み合う者らに、向けて叫ぶ。
「これでも必要無いか?!」
デラロッサと睨み合ってた二人が、憤って瞬間デラロッサを突き飛ばし、駆け寄って来る。
「ふい討ちだろう!」
「汚いマネしやがって!」
二つの拳が時間差で、ギュンターの美貌を襲う。
がギュンターは体を屈め、思い切り顔を傾けそれを避け、右の男の腹を右足で蹴り倒す。
どっっっ!
吹っ飛ぶの横の仲間に驚愕する男の、突き出す拳をギュンターは避けると、相手の顔に左拳を、思い切り振り入れた。
がっっっっ!
ほぼ、二人同時に背後に吹っ飛び、どたん!と派手に床に頃がる音と共に、その場に残り立つギュンターを。
皆が驚愕に目を見開き、見つめた。
ギュンターは最初に沈めた男、そしてたった今倒した二人の男の様子に、今だ油断無く視線を送る。
とうとうテーブルに残る、ボスらしき一番体のデカい男が
「ふざけやがって!」
そう唸りながら、席を立つ。
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