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結局振られた男達
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建物に足を踏み入れ、講師らが集う広間へと入ると、オーガスタスらに二人の女性を任せた講師が、気づいて寄って来る。
顎をしゃくって、広間の隣の応接間に導く。
ソファに皆に座るよう促し、講師は横の、一人がけソファに腰掛けた。
「…つまり送り届けなかったんだな?」
肩までの栗毛、粋な鼻髭を生やした青い瞳の講師に聞かれ、オーガスタスが頷く。
「盗賊を蹴散らした後、そのまま送り届ける予定だったんだが…」
「予定変更の理由は?」
今度はオーガスタスの横に座るローフィスが、口開く。
「送り届けた俺達に、家出の責任を問われると。
その…聞くところによると親父さんが、娘に甘くて…」
講師は、頷く。
「つまりお前達が、家出をそそのかしたと。
誤解されるんだな?
分かった。
ここから使者を出す」
ローフィスの横に座るディングレーは、ローフィスとオーガスタスが、ほっとして腰を浮かすのを見た。
が、講師はオーガスタスらの向かいのソファの、真ん中に座ってる令嬢に振り向く。
「家出の原因は?」
令嬢アレクサンドラは、躊躇った後口開く。
「家出じゃなくて…。
あの、このお手紙が届いて」
と、胸の内ポケットから、手紙を取り出す。
「拝見しても?」
講師に聞かれ、令嬢は頷く。
講師が手紙を開くので、オーガスタスとローフィスは浮かした腰を、ソファに下ろした。
「…これは…ディングレーからの呼び出し?」
講師の問いに、ふいにディングレーが顔を上げる。
令嬢アレクサンドラは頷く。
「ええ…。
ずっと憧れの御方でしたし。
本格的な縁談が進む前に、一目会いたいと言われたら、断れませんわ」
講師は手紙の文字を目で追いながら、尋ねる。
「だが、誰にも内緒で…と言う辺りで、怪しいと思わなかったのか?」
令嬢アレクサンドラは、向かいのソファの端に座ってる、今ではディングレーだと知ってる黒髪の男前を見つめ、尋ねる。
「貴方が…下さった手紙じゃ無いの?」
ディングレーは即座に否定した。
「俺が、出す訳無いだろう?
あんただけじゃなく、他にも山ほど肖像画が届いて、目を通しとけと親父に言われ、逃げ回ってるのに」
令嬢の横に座るグリネスが、ディングレーを睨み告げる。
「幾ら王族で偉そうでも!
もう少し、女性の気持ちを気遣う言い方って、ナイの?!」
ローフィスが横で、ぼそり…とディングレーを庇う。
「王族関係無く、これがいつもの、こいつの話し方だから…。
こいつとの結婚考えるなら、慣れるしか無いと思う」
ディングレーも同意し、頷く。
「…その上、あんたが俺だと思ってる俺の肖像画と、実物の俺は。
似ても似つかない。
肖像画の俺に惚れてるなら、そんなヤツは実在しないと、知っといた方が良い」
講師が、呆れてディングレーを見る。
「お前の肖像画、そんなにお前に似てないのか?」
令嬢がロケットを取り出し、蓋を開いて横のギュンターに手渡し、ギュンターは直ぐ側に座ってる講師に、手渡した。
講師はミニチュアの肖像画を見た途端、ぷっ…と吹き出し、ディングレーの顔を険悪にした。
笑いながらロケットをギュンターに戻し、忠告する。
「この絵は見るからに、宮廷貴公子の典型だな。
実物のディングレーは、近衛騎士の典型だから…」
令嬢アレクサンドラは、笑顔で頷く。
「確かに、どきどきする程、男らしいわ」
ディングレーはチラ…と上目使いで、年より若く見えるアレクサンドラを見る。
アレクサンドラは頬染めてディングレーを見た後、隣に座るギュンターを見
「夫を二人持てたらいいのに…」
と呟く。
それを聞いたローフィスが
「デルアンダーで無くて、正解だったろう?」
と小声で講師に尋ねた。
講師はため息交じりに、頷く。
「で、手紙の本当の送り主の見当は、付いてるんですか?」
顔を上げて令嬢に尋ねるが、令嬢では無く、横のグリネスが口開く。
「多分、ディングレー様に肖像画を送って、嫁の座を狙い澄ましてるブレンダ嬢か、フラウディッサ嬢ね。
二人とも、アレクサンドラ様の方が先に肖像画を送り、有利だから蹴落としたいのよ」
講師は頷く。
「では今度からこんな手紙が届いたら。
誘いに乗らず、『教練』に手紙を出して、ディングレーに直接、問い正して下さい。
いいですね?」
令嬢は頷きながらも
「でも…偶然でも、結局ディングレー様に、お会いできたわ?」
と嬉しそうに言うので。
グリネスの横に座るリーラスですら、顔を下げて呆れ、他の皆も全員が、懲りない令嬢に呆れた。
ディングレーだけが顔を下げ、ぼそり…と呟く。
「…だが、思い描く俺と本物の俺は、かけ離れてたがな」
令嬢は聞くなり、ため息を吐く。
「本当に、貴方とギュンター様と、お二人を足して二で割ったら御方がいらっしゃったらいいのに」
その時、タイミング悪くノックが聞こえ
「入れ」
の講師の声と共に、扉を開けたのがデルアンダーで。
令嬢はデルアンダーを見るなり、一気に頬を染めた。
「…確かに、あの肖像の、髪と目の色を変え、少し逞しくした感じが、デルアンダーだな…」
リーラスの声に、皆が一斉にリーラスを見た。
デルアンダーだけが、状況を知らず、首を傾げて尋ねる。
「もう間もなく補習が始まりますが…ディングレー殿は出席されるのかを尋ねに…。
ギュンターも、監督生ですし」
ディングレーとギュンターは、一気に立ち上がる。
「出席する」(ディングレー)
「手間はかけさせない」(ギュンター)
逃げ出す口実が出来たと、そそくさとデルアンダーの元へ、歩き出す二人に続き。
ローフィスもオーガスタスもが、立ち上がる。
「…後は任せていいよな?」(オーガスタス)
「この後、約束があるのでそろそろ」(ローフィス)
二人が戸口で振り向くと、リーラスだけはグリネスの横に座り、その場を動かない。
講師が、リーラスを見てぼやく。
「お前も、行って良いぞ?」
が、リーラスは横のグリネスを見
「今度、暇があったら出かけないか?」
と口説いてた。
「…16才は、口説かないんじゃ無かったっけ」
戸口で見つめるローフィスが呟き、出て行くオーガスタスも言い放った。
「確かあいつ、処女もパスのハズだ。
もう、ほっとけ」
出て行くオーガスタスの背に続きながら、ローフィスがぼやいた。
「だが面倒な事になると、あいつ毎度俺に“何とかしてくれ”と泣きついてくる…」
戸口から消えたオーガスタスの声が、低い声で響いた。
「無視しとけ」
ローフィスは頷くと、オーガスタスに続いて戸口から姿を消す。
扉が閉まろうとする寸前、リーラスが顔上げて問う。
「…まさか本当に、無視、しないよな?」
横のグリネスが、リーラスに尋ねる。
「面倒な事になるって…どういう事?」
とうとう講師が会話の流れで察し
「彼女が16で処女なら。
絶対、手は出すな。
それでいいなら口説け」
と言い放ち、リーラスは俯く。
後、顔を上げ
「彼女が、良いと言ったら?」
と尋ねる。
講師は即座に言葉を返した。
「嫁にする覚悟があるなら。
良いと言われたらそうしろ」
リーラスは凄く、迷った顔で躊躇い、腰を浮かしかけて座り、また腰を浮かしかけた。
とうとう講師は、グリネスに直談判した。
「君が初体験にこの男を選ぶとしたら。
とてつも無く馬鹿げた選択をしたと、言わざるを得ない。
『教練』に進む、近衛候補の男達の殆どが、身持ちが悪く、浮気性だ。
ディングレーのように、体面を保とうとする身分高い男は、無体な扱いはしないが。
リーラスはそうじゃない」
グリネスは、リーラスに振り向く。
「…つまり…遊びなの?」
リーラスは真顔で言った。
「付き合ってるその時は、本気だ」
講師が、ぼそりと付け足す。
「その本気は続かないと、保証出来る」
「…続かないの?」
グリネスに問われ、リーラスは顔下げた。
「…今までがそうだったから、多分。
だが、そうじゃない場合も、あるかもしれない」
「…凄く、可能性が低そうに聞こえるんだけど」
リーラスも、グリネスの言葉に頷く。
「俺も、本気で好きでい続けたことが無いから、あるとも無いとも、言い切れない」
グリネスはリーラスを、じっ…と見た。
「じゃ、今の所は、私が好きなのね?」
リーラスはグリネスを見て、思い切り男らしく、頷いた。
講師が、呆れて口を出す。
「君が後で後悔しなければいいが。
リーラスの貞操観念は、紙より薄い」
令嬢アレクサンドラは、思わず口挟む。
「まあ!
何て分かりやすい…!」
グリネスも、顔下げた。
「本くらい分厚ければ、もう少し考えたけど」
講師が、グリネスの返事を待ってるリーラスに、顎しゃくる。
「もう、出て行ったらどうだ?」
リーラスは気づいて、講師を見る。
「…俺は、振られたって事か?」
「分からなかったか?」
「全然」
そして、グリネスを見る。
グリネスもがっかりした様子で、リーラスを見て告げた。
「…ごめんなさい」
リーラスは顔を下げ、けれど直ぐ上げて、腰も上げた。
扉の向こうにリーラスが消えかけた時。
講師がグリネスに囁く。
「…立ち直り、早かったろう?」
扉の隙間からリーラスが覗くと。
グリネスは講師の言葉に、がっりした表情で、頷いていた。
顎をしゃくって、広間の隣の応接間に導く。
ソファに皆に座るよう促し、講師は横の、一人がけソファに腰掛けた。
「…つまり送り届けなかったんだな?」
肩までの栗毛、粋な鼻髭を生やした青い瞳の講師に聞かれ、オーガスタスが頷く。
「盗賊を蹴散らした後、そのまま送り届ける予定だったんだが…」
「予定変更の理由は?」
今度はオーガスタスの横に座るローフィスが、口開く。
「送り届けた俺達に、家出の責任を問われると。
その…聞くところによると親父さんが、娘に甘くて…」
講師は、頷く。
「つまりお前達が、家出をそそのかしたと。
誤解されるんだな?
分かった。
ここから使者を出す」
ローフィスの横に座るディングレーは、ローフィスとオーガスタスが、ほっとして腰を浮かすのを見た。
が、講師はオーガスタスらの向かいのソファの、真ん中に座ってる令嬢に振り向く。
「家出の原因は?」
令嬢アレクサンドラは、躊躇った後口開く。
「家出じゃなくて…。
あの、このお手紙が届いて」
と、胸の内ポケットから、手紙を取り出す。
「拝見しても?」
講師に聞かれ、令嬢は頷く。
講師が手紙を開くので、オーガスタスとローフィスは浮かした腰を、ソファに下ろした。
「…これは…ディングレーからの呼び出し?」
講師の問いに、ふいにディングレーが顔を上げる。
令嬢アレクサンドラは頷く。
「ええ…。
ずっと憧れの御方でしたし。
本格的な縁談が進む前に、一目会いたいと言われたら、断れませんわ」
講師は手紙の文字を目で追いながら、尋ねる。
「だが、誰にも内緒で…と言う辺りで、怪しいと思わなかったのか?」
令嬢アレクサンドラは、向かいのソファの端に座ってる、今ではディングレーだと知ってる黒髪の男前を見つめ、尋ねる。
「貴方が…下さった手紙じゃ無いの?」
ディングレーは即座に否定した。
「俺が、出す訳無いだろう?
あんただけじゃなく、他にも山ほど肖像画が届いて、目を通しとけと親父に言われ、逃げ回ってるのに」
令嬢の横に座るグリネスが、ディングレーを睨み告げる。
「幾ら王族で偉そうでも!
もう少し、女性の気持ちを気遣う言い方って、ナイの?!」
ローフィスが横で、ぼそり…とディングレーを庇う。
「王族関係無く、これがいつもの、こいつの話し方だから…。
こいつとの結婚考えるなら、慣れるしか無いと思う」
ディングレーも同意し、頷く。
「…その上、あんたが俺だと思ってる俺の肖像画と、実物の俺は。
似ても似つかない。
肖像画の俺に惚れてるなら、そんなヤツは実在しないと、知っといた方が良い」
講師が、呆れてディングレーを見る。
「お前の肖像画、そんなにお前に似てないのか?」
令嬢がロケットを取り出し、蓋を開いて横のギュンターに手渡し、ギュンターは直ぐ側に座ってる講師に、手渡した。
講師はミニチュアの肖像画を見た途端、ぷっ…と吹き出し、ディングレーの顔を険悪にした。
笑いながらロケットをギュンターに戻し、忠告する。
「この絵は見るからに、宮廷貴公子の典型だな。
実物のディングレーは、近衛騎士の典型だから…」
令嬢アレクサンドラは、笑顔で頷く。
「確かに、どきどきする程、男らしいわ」
ディングレーはチラ…と上目使いで、年より若く見えるアレクサンドラを見る。
アレクサンドラは頬染めてディングレーを見た後、隣に座るギュンターを見
「夫を二人持てたらいいのに…」
と呟く。
それを聞いたローフィスが
「デルアンダーで無くて、正解だったろう?」
と小声で講師に尋ねた。
講師はため息交じりに、頷く。
「で、手紙の本当の送り主の見当は、付いてるんですか?」
顔を上げて令嬢に尋ねるが、令嬢では無く、横のグリネスが口開く。
「多分、ディングレー様に肖像画を送って、嫁の座を狙い澄ましてるブレンダ嬢か、フラウディッサ嬢ね。
二人とも、アレクサンドラ様の方が先に肖像画を送り、有利だから蹴落としたいのよ」
講師は頷く。
「では今度からこんな手紙が届いたら。
誘いに乗らず、『教練』に手紙を出して、ディングレーに直接、問い正して下さい。
いいですね?」
令嬢は頷きながらも
「でも…偶然でも、結局ディングレー様に、お会いできたわ?」
と嬉しそうに言うので。
グリネスの横に座るリーラスですら、顔を下げて呆れ、他の皆も全員が、懲りない令嬢に呆れた。
ディングレーだけが顔を下げ、ぼそり…と呟く。
「…だが、思い描く俺と本物の俺は、かけ離れてたがな」
令嬢は聞くなり、ため息を吐く。
「本当に、貴方とギュンター様と、お二人を足して二で割ったら御方がいらっしゃったらいいのに」
その時、タイミング悪くノックが聞こえ
「入れ」
の講師の声と共に、扉を開けたのがデルアンダーで。
令嬢はデルアンダーを見るなり、一気に頬を染めた。
「…確かに、あの肖像の、髪と目の色を変え、少し逞しくした感じが、デルアンダーだな…」
リーラスの声に、皆が一斉にリーラスを見た。
デルアンダーだけが、状況を知らず、首を傾げて尋ねる。
「もう間もなく補習が始まりますが…ディングレー殿は出席されるのかを尋ねに…。
ギュンターも、監督生ですし」
ディングレーとギュンターは、一気に立ち上がる。
「出席する」(ディングレー)
「手間はかけさせない」(ギュンター)
逃げ出す口実が出来たと、そそくさとデルアンダーの元へ、歩き出す二人に続き。
ローフィスもオーガスタスもが、立ち上がる。
「…後は任せていいよな?」(オーガスタス)
「この後、約束があるのでそろそろ」(ローフィス)
二人が戸口で振り向くと、リーラスだけはグリネスの横に座り、その場を動かない。
講師が、リーラスを見てぼやく。
「お前も、行って良いぞ?」
が、リーラスは横のグリネスを見
「今度、暇があったら出かけないか?」
と口説いてた。
「…16才は、口説かないんじゃ無かったっけ」
戸口で見つめるローフィスが呟き、出て行くオーガスタスも言い放った。
「確かあいつ、処女もパスのハズだ。
もう、ほっとけ」
出て行くオーガスタスの背に続きながら、ローフィスがぼやいた。
「だが面倒な事になると、あいつ毎度俺に“何とかしてくれ”と泣きついてくる…」
戸口から消えたオーガスタスの声が、低い声で響いた。
「無視しとけ」
ローフィスは頷くと、オーガスタスに続いて戸口から姿を消す。
扉が閉まろうとする寸前、リーラスが顔上げて問う。
「…まさか本当に、無視、しないよな?」
横のグリネスが、リーラスに尋ねる。
「面倒な事になるって…どういう事?」
とうとう講師が会話の流れで察し
「彼女が16で処女なら。
絶対、手は出すな。
それでいいなら口説け」
と言い放ち、リーラスは俯く。
後、顔を上げ
「彼女が、良いと言ったら?」
と尋ねる。
講師は即座に言葉を返した。
「嫁にする覚悟があるなら。
良いと言われたらそうしろ」
リーラスは凄く、迷った顔で躊躇い、腰を浮かしかけて座り、また腰を浮かしかけた。
とうとう講師は、グリネスに直談判した。
「君が初体験にこの男を選ぶとしたら。
とてつも無く馬鹿げた選択をしたと、言わざるを得ない。
『教練』に進む、近衛候補の男達の殆どが、身持ちが悪く、浮気性だ。
ディングレーのように、体面を保とうとする身分高い男は、無体な扱いはしないが。
リーラスはそうじゃない」
グリネスは、リーラスに振り向く。
「…つまり…遊びなの?」
リーラスは真顔で言った。
「付き合ってるその時は、本気だ」
講師が、ぼそりと付け足す。
「その本気は続かないと、保証出来る」
「…続かないの?」
グリネスに問われ、リーラスは顔下げた。
「…今までがそうだったから、多分。
だが、そうじゃない場合も、あるかもしれない」
「…凄く、可能性が低そうに聞こえるんだけど」
リーラスも、グリネスの言葉に頷く。
「俺も、本気で好きでい続けたことが無いから、あるとも無いとも、言い切れない」
グリネスはリーラスを、じっ…と見た。
「じゃ、今の所は、私が好きなのね?」
リーラスはグリネスを見て、思い切り男らしく、頷いた。
講師が、呆れて口を出す。
「君が後で後悔しなければいいが。
リーラスの貞操観念は、紙より薄い」
令嬢アレクサンドラは、思わず口挟む。
「まあ!
何て分かりやすい…!」
グリネスも、顔下げた。
「本くらい分厚ければ、もう少し考えたけど」
講師が、グリネスの返事を待ってるリーラスに、顎しゃくる。
「もう、出て行ったらどうだ?」
リーラスは気づいて、講師を見る。
「…俺は、振られたって事か?」
「分からなかったか?」
「全然」
そして、グリネスを見る。
グリネスもがっかりした様子で、リーラスを見て告げた。
「…ごめんなさい」
リーラスは顔を下げ、けれど直ぐ上げて、腰も上げた。
扉の向こうにリーラスが消えかけた時。
講師がグリネスに囁く。
「…立ち直り、早かったろう?」
扉の隙間からリーラスが覗くと。
グリネスは講師の言葉に、がっりした表情で、頷いていた。
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