若き騎士達の波乱に満ちた日常

あーす。

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ヤッケルとシェイルの私室に押しかけるグーデン愛玩達

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 ヤッケルとシェイルは、食後部屋で寛いでた。
と、言ってもヤッケルは寝台でダレきり
「補習ってホント、筋肉ギシギシ言うよな」
とぼやいてた。

シェイルはそんなヤッケルを見
「僕の方は今日、サリアスに教えてて、その後はラナーンが顔出して…。
あんま剣、振ってないかも」
と笑顔で答えた。

ヤッケルはそれを聞くなり、背を弓なりに跳ね上げて起き上がると
「それそれ!
なんでラナーンが補習に来るかな?!」
と勢い込んで尋ねる。

シェイルは暫し考え込んで、囁いた。
「ギュンターと、話してたし…。
ローランデが立ち会ってて。
けど小声だったから」

「お前、なんでそういう時、側寄って聞き耳立てないの?!」
ヤッケルに聞かれ、シェイルは綺麗で愛らしい顔をヤッケルに向け、ピンクの唇を開く。
「僕が、ヤッケルじゃないから」

ヤッケルは肩落とすと
「そういう時は、俺になれ!」
と文句垂れた。

けれどコンコン!とノックがし、ヤッケルとシェイルは顔見合わせる。
ヤッケルが、起こしてた背を寝台に倒すので、シェイルが寝台から出て、扉を開ける。

「…悪い。
ヤッケル、居る?
あんたでもいいけど…」

シェイルはそう言ったのが、二年のグーデン愛玩してるレナルアンで、目を見開いて暫くレナルアンを見つめる。



赤毛で空色の瞳の、かなりの美少年だったけど、貴族ですらない、平民で。
ラフな態度で、タマに授業に顔を出しても、他の愛玩少年と違い、誰にでも気兼ねなく話しかける。
話しかけられた方は…誰もがみんな、戸惑ったけど。

レナルアンは顔をしかめる。
「悪い、早くしてくんないかな?」
シェイルは慌てて
「あ、ごめん!」
と言って、扉を広げ…その途端、更に目をまん丸にした。

なぜなら…ぐったりしたラナーンを、両脇で抱えてるのも…レナルアン同様、グーデンの愛玩してる美少年らだったから。

ヤッケルが
「何やってんの?」
と寄って来る。

レナルアンが、今にも崩れ落ちそうなラナーンを右側で支えてる、三年のセシャルに振り向く。
一番背の高い、長い栗毛で麗人のセシャルは、ラナーンを抱き支え、ヤッケルに素早く告げる。
「シャクナッセルが逃げ出して。
三年宿舎に見張りが居て、ディングレーのとこに逃げ込めなくて」

ヤッケルが見ると、ラナーンは顔を下げて辛そう。
左横で支えてる、二年の愛玩美少年ミーシャが、ヤッケルに直訴する。
「嫌ってるのは知ってる!
けど…」

ラナーンがずり…とまたずり下がり、セシャルとミーシャは慌てて引き上げる。

「…入れよ」
ヤッケルが言うと、レナルアンが即座に
「悪いな」
と言って横に避けるヤッケルの横を通り過ぎて入り、セシャルとミーシャは気絶寸前のラナーンを、両脇から引きずるように…。
けれど急いで、部屋に入る。

セシャルは入るなり
「扉を閉めて!」
と小声だけど鋭い声で言った。

シェイルは慌てて扉を閉める。
けれどヤッケルに
「ローランデ呼んで来い」
と顎しゃくられ、慌ててまた扉を開け、出て行った。

ヤッケルは自分の寝台にラナーンを寝かすよう、セシャルに顎をしゃくる。

セシャルとミーシャは即座に二つ並んだ寝台の、左側にラナーンを引きずり、横たえる。

「…追っ手がいるのか?」
ヤッケルが腕組みして見守るレナルアンに寄って、小声で聞くと、レナルアンは言葉を返す。
「こんだけ居ないんだから、多分直ぐ見つかる」
「…スゴく、マズいじゃないか」
ヤッケルの感想に、レナルアンは頷く。

セシャルは寝台横の水の瓶を取り上げ、蓋代わりのコップに水を注ぎ
「貰う!」
と言い、ラナーンの背を持ち上げ、気を失いかけてるラナーンの口に持っていく。
ラナーンは閉じた目を開け、こくん…と一口飲み、その後二口こくん、こくんと飲むと、がっくり首を垂れたように、気絶した。

ヤッケルはそれを見て
「やっぱ補習時、ギュンターに会いに来たりしたから?」
と小声で尋ねる。

レナルアンはヤッケルを見ると、頷いた。
「それもあるけど。
ラナーンは一番のお気に入りだし、口も上手いからその程度なら言いくるめられるさ。
けど、シャクナッセルさんが逃げたろ?
それでいつもシャクナッセルさんが相手してたヤツら、俺らに相手しろって。
グーデンはシャクナッセルさんに色々シて貰ってから、ラナーン抱いてたけど」

ヤッケルは壮絶なグーデン私室のスケジュールに思わず引いたけど。
素早く口挟む。
「つまりそれでラナーンが気絶するまで…」
レナルアンは頷く。
「グーデンってさ、ラナーン相手だと縛ったり。
色々やるんだ」

ヤッケルはシェイルがここに居なくて、良かった。
とため息吐いた。
去年はシェイルが捕まり…グーデンの遊びに付き合わされかけ、ローフィスがたった一人で飛び込み、体張って護ってた。
けど助けが入るまで、嫌な目に合ってたから、思い出すとまた思いっきり暗くなる。

「…ともかく俺ら、ラナーンのされよう見て。
今はまだ、シャクナッセルさん追って三年も四年も、三年宿舎見張ってて居ないからいいけど。
戻って来たら…ハードだろ?
セシャルさんはコルスティン一人相手すりゃ良かったし。
ミーシャもいっつも、する時相手は一人。
だけどいつも多人数相手にしてたシャクナッセル居なくなって、更に一年の三人も捕まえられないしで。
一人だけ相手する。
なんて贅沢は、この先許さない。
とか言われるし。
俺は大勢居ても平気だけどさ。
…大勢にも…限界あるだろ?
多くて四人が最高だったのに。
五人とか六人とか七に…」
「もう分かった」

ヤッケルに言われ、レナルアンはヤッケルを見る。
見られて、一見美形だし自分より背も高いレナルアンは、間近で見ると結構迫力だったけど。
ヤッケルは顔を下げた。

「…悪い。
こういう話、苦手?」
「いや。
多人数の、相手が女だったら、はりきって会話に加わるし、噂話なら乗る。
が、実体験してるお前の口からだと、流石の俺でも、ナマナマし過ぎて」
「…ヤル事、オンナと大して変わらないぜ?」

が、ヤッケルは顔下げたまま
「すっごく。
違うと思う」
と感想を述べた。

レナルアンはまた気づくと
「ああ、ケツ使うとこ?
まあそこは確かに、違うよな」
と言うので、ヤッケルは改めて顔を上げ、レナルアンを見る。

が、やっぱり口閉じてるレナルアンは、かなりな美形で。
ヤッケルは顔と言葉のギャップが凄すぎて、また、顔を下げた。

「…分かってる。
俺、いっつも言われてるもんな。
口聞くな。白ける。
ってさ。
俺、そんな喋ると幻滅?」

聞かれてヤッケルは、無言で頷いた。

その時、扉が開いて、ローランデとシュルツが入って来る。
ヤッケルは目を見開くと
「ナンでシュルツ?」
と聞くと、二人の背後からシェイルが
「大貴族宿舎への階段上がろうとしたら。
ローランデとシュルツ、玄関扉開けて入って来て、背後から声かけてくるんだもん」
と、息切れ整えて囁いた。

ローランデが入って来ると、セシャルとミーシャは恐縮したように顔を下げるのに。
レナルアンだけはにっこり笑い
「良かった。
あんたなら追っ手が来ても、滅多な事ではあいつら手が出せない」
と言い、ローランデもレナルアンの横に来ると、ほぼ同じ位の身長のレナルアンを見つめ、尋ねる。
「…さっき、三年のシャクナッセルを保護し、ディングレー殿の私室に送ったところだけど…」
と言うと、レナルアンは頷く。

シュルツは入った途端、固まってて、シェイルが横に来ると
「気持ち、分かる。
これだけ抜けたら、グーデンとこ、愛玩からっぽ」
とつぶやき、シュルツは無言で頷く。
「全員こっちに来たら…」

ヤッケルが振り向くと
「グーデン、怒髪天?」
と言い、室内は一気に、しーーーーーーーーん。
と静まり返る。

「ラナーンはどうして…?」
ローランデに聞かれ、セシャルが寝台横で振り向いたけど。
それより先にレナルアンが口開き、ヤッケルは慌てて制止させようと、両手振った。
が、構わずレナルアンはブチかます。
「グーデンにすげぇハードに攻められて。
最近、すげぇエッチな器具、アイツ手に入れて。
ホラ、乳首とか大事な部分の先端とか。
敏感なトコ刺激するような、やらしいヤツ。
それ付けられてイかせて貰えず、延々揺さぶられたんで…キツかったと思う」

ヤッケルは素早く言い切るレナルアンの言葉に項垂れ、チラ…とローランデを見た。

彼はやっぱり、頬を真っ赤に染め、俯いてた。

レナルアンは目を見開くと
「…噂、本当だったんだ。
あんたもしかして、スゴク初心うぶ
いいよ。世話してくれたら、俺幾らでもしゃぶってあげる」

ローランデがもっと真っ赤に成り、ヤッケルは顔を思い切り下げて俯いてるので。
仕方無くシュルツが囁く。

「レナルアン…ローランデはそういうコトは、女性にして貰いたいと思うんだ」

が、めげないレナルアンは、言い返す。
「だって近衛に進んだら、戦闘中は男の“夜付き人”にシテ貰うんだろう?
いっくら、彼でも」

と、ローランデを指さす。

ローランデは真っ赤に成って
「私…は、他の人と違って…戦闘の後、それ程…必要としないから」
と言い、レナルアンはけれど頷く。
「でも今の年頃ってさ。
とにかくやたら、溜まらない?
あんただって、出したいはずだし。
気持ち良く出せたら、嬉しくない?
グーデンんトコの臭くて乱暴なヤツらと比べたら。
あんたなら俺、スゴク楽しく出来ると思う」

ヤッケルがとうとう、レナルアンの肩に手をかけ
「それくらいにしとけ。
ローランデ狙いは諦めて、ディングレーにしたら?」
と言う。

レナルアンは真顔で
「ディングレー、俺にオチるかな?」
と聞き、ヤッケルが口開こうとする間に
「あ、でもギュンターってすんごくオンナにモテてて、上手そうだから。
ギュンターと遊んでも、構わないって、言ってくれそうかな?」
と言うので、室内はしーーーーーーーん。
と静まり返り、誰も口を開かず。

レナルアンは皆を見回し、尋ねた。

「なんで、静か?」

けれど誰も言葉を返せず、かなりの間、室内は静かだった。

とうとうヤッケルはシェイルに
「…フィンス、呼んできて」
と言い、シェイルは顔下げたまま頷き、扉を開けて出て行く。

シュルツはヤッケルに寄ると、小声で
「フィンスなら、何とか出来るのか?」
とびっくりして聞く。

ヤッケルは頷くと
「あれで、猥談わいだん平気。
大人の対応が出来て、柔軟
レナルアン相手でも、柔和に対応出来る」
と、解説した。
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