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アンガスを調教する面々
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その後ディングレーは椅子に座り込み、義兄の悲鳴を、聞いていた。
かなり、痛いらしい。
チラとのぞき窓の向こうを見るが、偶然放った男が身を引く瞬間。
アンガスの尻から、血が伝い落ちるのを見た。
机に腹ばいで両腕は伸ばされ、左右の手首は縄で、机の足にそれぞれ括り付けられ、腿は残り二つの机の脚に縄で緩めに括り付けられ。
お尻はぺろっと丸出しで、次の男がもう、後ろについて、髪を鷲掴んでアンガスの首を上向かせ、強引に突っ込んでいた。
「いぃゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
チラ…と上向けられたアンガスの、表情も伺い見えたが苦痛と苦悶の表情で、涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
「お前も、こうしてハウリィと楽しんだんだろう?
…もっとやらしいポーズ、取らせたのか?
泣いて嫌がる可愛い顔見て、興奮したんだよな?!」
ぐちゃっ!ぐちゃっ!
ディングレーはいつもおどおどして、マレーとアスランの後ろに隠れてる、ふんわりした明るい栗毛の、愛らしいハウリィを思い浮かべる。
青い瞳はいつもどこか影かあって、マレーとアスランといる時にしか、輝きを見せない。
ため息吐くものの、アンガスの
「ぎぃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!ぎっ!ぐうぇっ!」
…と言う、みっともない喘ぎ声を聞くと。
つい顔が下がるし、下げた顔を横に振りまくって、思う。
「(…どうしてあんな男相手に勃つのか、そこからもう分からない)」
次に背後に立ったのが、ギュンターで。
ディングレーはつい、冴えた美貌の金髪の男を注視した。
平気で自分のものを取り出すと、血まみれの美しくない尻に突っ込み
「…どうだ!
痛い所を更に抉られると!
半端なく痛いよな?!」
ぞくりとする紫の瞳を鋭く輝かせ、低い声でそう呟く。
「……………………」
ギュンターの野性味を初めて見た気がして、ディングレーはギュンターのそんな様子に視線を持って行かれた。
「…怒ってるな」
壁に背をもたせかけ、課題の羊皮紙をめくってるローフィスにそう言われ、ディングレーはローフィスに振り向く。
「あんた…知ってたのか?」
聞かれて、ローフィスが顔を上げる。
「え?ああ…。
オーガスタスが気に入るんだ。
顔通りの、可愛い性格のはず、無いだろう?」
「…つまり…中身は猛獣?」
ディングレーのセリフに、ローフィスは歯を剥いて笑った。
「お前と同類のな!」
ディングレーはつい、そう言ったローフィスを見る。
「…俺もオーガスタスも…戦い出すと、野生全開だが…あんたは違う」
ローフィスは、視線を落としてる羊皮紙から顔を上げ、ディングレーを見た。
初めて会った時は、気取って偉そうで。
もっと幼い顔だったけど。
もう男前だったし、いっぱしのデカい態度で。
けれどそんなヤツが、気弱で頼り無げな表情を覗い見せ、気づくと直ぐ、そんな弱い自分の姿を隠した。
必死で虚勢張る。
それが…年少だったから、余計に痛々しく見えて、結局放って置けなかった。
今、ヤツは自分の前では素を見せる。
気弱な表情も、不安な態度も。
自分を見つめるディングレーに、ローフィスは口を開いた。
「…多分、調教師の家系なんだろうな。
親父も近衛の野獣系を、『毎度手玉に取ってやった』と言ってた。
迂闊に怒らせると、喰い付かれるのを上手に交わすのが、スリルだそうだ」
ディングレーはちょっと睨み、顔を背ける。
「親父さん、神聖神殿隊付き連隊だったな…」
ローフィスは、頷く。
「力ずく一辺倒の近衛の腕自慢と違い。
要領よく柔軟じゃないと、務まらない連隊だ」
ディングレーは頷く。
「だから俺も…オーガスタスも…手なづけられるんだな?」
「野生に戻っても、情があるから、言葉も通じる」
ディングレーは頷き、のぞき窓の向こうの、ギュンターに首を振る。
「…あいつは?」
聞かれたローフィスは、目を見開く。
「だってお前に頼まれて…女を振って、こっちに来たんだろう?
そんな男、滅多に居ない。
あのクールな顔に似合わず、情に厚い男だ」
ディングレーは酒場で睨まれた、女を思い出して…頷く。
「確かに。
普通の男だったら、女を取るな」
ローフィスは頷いて、言った。
「だろう?」
その時、扉が開いてオーガスタスが姿を見せる。
「夕食だ!
一区切り付けて、食べたらどうだ?」
ローフィスは頷くと、隣部屋の扉を開けて入って行く。
ディングレーはオーガスタスが両手に持つ、デカいバスケットの一つを受け取り、蓋を開ける。
「適当に、広げとけ」
オーガスタスに言われ、ディングレーは頷いて、幾つか入ってる料理の乗った皿を取り出した。
ローフィスはリーラスを見つけ、寄って尋ねる。
「…どうだ?」
「痛みで、気絶寸前」
「…気絶されるとマズい」
リーラスは頷く。
「みんな、結構アタマに来てるからな」
ローフィスは頷く。
「オーガスタスが夕食持ってきてくれた。
休んでくれ」
リーラスは頷くと、中で群れてる男らに叫ぶ。
「食事だ!」
ぞろぞろと、戸口へ向かう男達。
「こいつ、どうする?」
「血まみれだぜ」
一人が机に顔を突っ伏す、アンガスの髪を掴んで顔を上げさせ、確認する。
「顔も、ぐちゃぐちゃ」
「始末は任せて、食ってくれ」
ローフィスが言うと彼は頷き、アンガスの髪を放し、ローフィスの横を通り過ぎて行く。
残るギュンターは、ローフィスを見る。
「あんたが、首謀者か?」
ローフィスは頷く。
ギュンターは顔を俯け、囁く。
「…ディングレーに頼まれたんだが」
「俺がディングレーに、人手を頼んだ」
ギュンターは頷く。が、机の側から離れない。
ローフィスは気づいて、ギュンターに振り向く。
「?
まだ気が済まないか?」
「…後始末、あんたがするのか?」
ギュンターはそう言って、さらされた血まみれの汚い尻に視線をくべる。
「…そろそろ、薬を塗って感じさせる」
ローフィスの返答に、ギュンターは頷いた。
そして…ローフィスが汚い尻に視線落とし、ため息吐いて布と、消毒用の薬草を浸けた水の瓶を手に取り、拭き始めるのを見、部屋を出た。
準備室の小部屋にいたオーガスタスは、ギュンターが戸口から姿を現すのを見て、目を見開く。
「お前も、参加してたのか?」
ギュンターは金髪の頭を揺らして頷く。
「あんたの言ってたローフィスの用って、これか?」
オーガスタスは、言われて笑う。
「俺の出番は、作ってくれて無いが」
リーラスはバスケットからパンを掴みながら、オーガスタスに振り向く。
「ローフィスが、お前はダメだそうだ。
最初はイタくて死にそうになっても。
その後、覚えたらヨ過ぎて、ヘタするとめちゃくちゃ惚れ込まれ、付きまとわれるようになっても困るから」
バスケットに群がってた皆が、笑いながら一斉にオーガスタスに振り向く。
一人がバケット囓りながら、訳知り顔で頷く。
「あんな立派な一物、俺は見た事無い」
別の男も、肉を手に持ちぼやく。
「俺は女に聞かされた。
オーガスタスにされると死にそうなぐらい、もう凄く、最高だって」
別の一人が話を受け継ぐ。
「あんなサイズにどう対抗出来る?
詰め物したって無理だ」
オーガスタスはそれを聞いて顔を下げ、吐息吐く。
「用なしならそれでいい」
ギュンターの視線を感じ、オーガスタスはチラ…と横のギュンターを見ると、ギュンターは言った。
「そんな見事な、一物なのか?」
オーガスタスは少し照れたように、ぼそりと言った。
「下世話な言い方は、よせ」
一人がギュンターに、声かける。
「共同浴場に、一緒に浸かれば拝めるぜ!」
ギュンターはつい、横のオーガスタスの股間に視線を落とす。
オーガスタスは髪振って抗議した。
「そんなとこ特定で見るヤツと!
俺は絶対、一緒に浸からないからな!!!」
ギュンターは嫌がって怒るオーガスタスを見、ぼそりと言った。
「それは、凄く残念だ」
かなり、痛いらしい。
チラとのぞき窓の向こうを見るが、偶然放った男が身を引く瞬間。
アンガスの尻から、血が伝い落ちるのを見た。
机に腹ばいで両腕は伸ばされ、左右の手首は縄で、机の足にそれぞれ括り付けられ、腿は残り二つの机の脚に縄で緩めに括り付けられ。
お尻はぺろっと丸出しで、次の男がもう、後ろについて、髪を鷲掴んでアンガスの首を上向かせ、強引に突っ込んでいた。
「いぃゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
チラ…と上向けられたアンガスの、表情も伺い見えたが苦痛と苦悶の表情で、涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
「お前も、こうしてハウリィと楽しんだんだろう?
…もっとやらしいポーズ、取らせたのか?
泣いて嫌がる可愛い顔見て、興奮したんだよな?!」
ぐちゃっ!ぐちゃっ!
ディングレーはいつもおどおどして、マレーとアスランの後ろに隠れてる、ふんわりした明るい栗毛の、愛らしいハウリィを思い浮かべる。
青い瞳はいつもどこか影かあって、マレーとアスランといる時にしか、輝きを見せない。
ため息吐くものの、アンガスの
「ぎぃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!ぎっ!ぐうぇっ!」
…と言う、みっともない喘ぎ声を聞くと。
つい顔が下がるし、下げた顔を横に振りまくって、思う。
「(…どうしてあんな男相手に勃つのか、そこからもう分からない)」
次に背後に立ったのが、ギュンターで。
ディングレーはつい、冴えた美貌の金髪の男を注視した。
平気で自分のものを取り出すと、血まみれの美しくない尻に突っ込み
「…どうだ!
痛い所を更に抉られると!
半端なく痛いよな?!」
ぞくりとする紫の瞳を鋭く輝かせ、低い声でそう呟く。
「……………………」
ギュンターの野性味を初めて見た気がして、ディングレーはギュンターのそんな様子に視線を持って行かれた。
「…怒ってるな」
壁に背をもたせかけ、課題の羊皮紙をめくってるローフィスにそう言われ、ディングレーはローフィスに振り向く。
「あんた…知ってたのか?」
聞かれて、ローフィスが顔を上げる。
「え?ああ…。
オーガスタスが気に入るんだ。
顔通りの、可愛い性格のはず、無いだろう?」
「…つまり…中身は猛獣?」
ディングレーのセリフに、ローフィスは歯を剥いて笑った。
「お前と同類のな!」
ディングレーはつい、そう言ったローフィスを見る。
「…俺もオーガスタスも…戦い出すと、野生全開だが…あんたは違う」
ローフィスは、視線を落としてる羊皮紙から顔を上げ、ディングレーを見た。
初めて会った時は、気取って偉そうで。
もっと幼い顔だったけど。
もう男前だったし、いっぱしのデカい態度で。
けれどそんなヤツが、気弱で頼り無げな表情を覗い見せ、気づくと直ぐ、そんな弱い自分の姿を隠した。
必死で虚勢張る。
それが…年少だったから、余計に痛々しく見えて、結局放って置けなかった。
今、ヤツは自分の前では素を見せる。
気弱な表情も、不安な態度も。
自分を見つめるディングレーに、ローフィスは口を開いた。
「…多分、調教師の家系なんだろうな。
親父も近衛の野獣系を、『毎度手玉に取ってやった』と言ってた。
迂闊に怒らせると、喰い付かれるのを上手に交わすのが、スリルだそうだ」
ディングレーはちょっと睨み、顔を背ける。
「親父さん、神聖神殿隊付き連隊だったな…」
ローフィスは、頷く。
「力ずく一辺倒の近衛の腕自慢と違い。
要領よく柔軟じゃないと、務まらない連隊だ」
ディングレーは頷く。
「だから俺も…オーガスタスも…手なづけられるんだな?」
「野生に戻っても、情があるから、言葉も通じる」
ディングレーは頷き、のぞき窓の向こうの、ギュンターに首を振る。
「…あいつは?」
聞かれたローフィスは、目を見開く。
「だってお前に頼まれて…女を振って、こっちに来たんだろう?
そんな男、滅多に居ない。
あのクールな顔に似合わず、情に厚い男だ」
ディングレーは酒場で睨まれた、女を思い出して…頷く。
「確かに。
普通の男だったら、女を取るな」
ローフィスは頷いて、言った。
「だろう?」
その時、扉が開いてオーガスタスが姿を見せる。
「夕食だ!
一区切り付けて、食べたらどうだ?」
ローフィスは頷くと、隣部屋の扉を開けて入って行く。
ディングレーはオーガスタスが両手に持つ、デカいバスケットの一つを受け取り、蓋を開ける。
「適当に、広げとけ」
オーガスタスに言われ、ディングレーは頷いて、幾つか入ってる料理の乗った皿を取り出した。
ローフィスはリーラスを見つけ、寄って尋ねる。
「…どうだ?」
「痛みで、気絶寸前」
「…気絶されるとマズい」
リーラスは頷く。
「みんな、結構アタマに来てるからな」
ローフィスは頷く。
「オーガスタスが夕食持ってきてくれた。
休んでくれ」
リーラスは頷くと、中で群れてる男らに叫ぶ。
「食事だ!」
ぞろぞろと、戸口へ向かう男達。
「こいつ、どうする?」
「血まみれだぜ」
一人が机に顔を突っ伏す、アンガスの髪を掴んで顔を上げさせ、確認する。
「顔も、ぐちゃぐちゃ」
「始末は任せて、食ってくれ」
ローフィスが言うと彼は頷き、アンガスの髪を放し、ローフィスの横を通り過ぎて行く。
残るギュンターは、ローフィスを見る。
「あんたが、首謀者か?」
ローフィスは頷く。
ギュンターは顔を俯け、囁く。
「…ディングレーに頼まれたんだが」
「俺がディングレーに、人手を頼んだ」
ギュンターは頷く。が、机の側から離れない。
ローフィスは気づいて、ギュンターに振り向く。
「?
まだ気が済まないか?」
「…後始末、あんたがするのか?」
ギュンターはそう言って、さらされた血まみれの汚い尻に視線をくべる。
「…そろそろ、薬を塗って感じさせる」
ローフィスの返答に、ギュンターは頷いた。
そして…ローフィスが汚い尻に視線落とし、ため息吐いて布と、消毒用の薬草を浸けた水の瓶を手に取り、拭き始めるのを見、部屋を出た。
準備室の小部屋にいたオーガスタスは、ギュンターが戸口から姿を現すのを見て、目を見開く。
「お前も、参加してたのか?」
ギュンターは金髪の頭を揺らして頷く。
「あんたの言ってたローフィスの用って、これか?」
オーガスタスは、言われて笑う。
「俺の出番は、作ってくれて無いが」
リーラスはバスケットからパンを掴みながら、オーガスタスに振り向く。
「ローフィスが、お前はダメだそうだ。
最初はイタくて死にそうになっても。
その後、覚えたらヨ過ぎて、ヘタするとめちゃくちゃ惚れ込まれ、付きまとわれるようになっても困るから」
バスケットに群がってた皆が、笑いながら一斉にオーガスタスに振り向く。
一人がバケット囓りながら、訳知り顔で頷く。
「あんな立派な一物、俺は見た事無い」
別の男も、肉を手に持ちぼやく。
「俺は女に聞かされた。
オーガスタスにされると死にそうなぐらい、もう凄く、最高だって」
別の一人が話を受け継ぐ。
「あんなサイズにどう対抗出来る?
詰め物したって無理だ」
オーガスタスはそれを聞いて顔を下げ、吐息吐く。
「用なしならそれでいい」
ギュンターの視線を感じ、オーガスタスはチラ…と横のギュンターを見ると、ギュンターは言った。
「そんな見事な、一物なのか?」
オーガスタスは少し照れたように、ぼそりと言った。
「下世話な言い方は、よせ」
一人がギュンターに、声かける。
「共同浴場に、一緒に浸かれば拝めるぜ!」
ギュンターはつい、横のオーガスタスの股間に視線を落とす。
オーガスタスは髪振って抗議した。
「そんなとこ特定で見るヤツと!
俺は絶対、一緒に浸からないからな!!!」
ギュンターは嫌がって怒るオーガスタスを見、ぼそりと言った。
「それは、凄く残念だ」
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