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剣聖との戦い
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ローフィスがそっと気遣うように、真剣そのもののオーガスタスを伺う。
オーガスタスは躊躇い…が呟く。
「最悪の、域だな…」
「やっぱり、そうか………」
リーラスがぼやく。
「去年の方がマシだって?」
オーガスタスもローフィスも同時に頭を揺らし、返答に変えた。
がっ!
がっ!!!
一瞬で身を翻す。
止められても躊躇い無く直ぐ次の攻撃に、流れるような優美な動作で一瞬にして立ち位置を変え、剣を持ち上げ、振る。
上から…いや横…斜め下…。
一振りで幾度も剣筋を変える。
ローランデの動きを目で追い続けたスフォルツァは、とうとう匙を投げた。
「気配が無い上、剣筋を変えるだけで無く。
そのつど“殺気”を送り、紛らす。
あの一瞬の、振りの間に三度!
剣筋を変える度、三度殺気を飛ばし、こっちの剣を誘ってる!
……読み違えたら、間違いなく最後。
あんな…相手に勝つだなんて、実際出来るのか?」
気弱なスフォルツァの言葉に、アイリスは同感だ。と頷く。
「芸術の、域だ。
それにもっと最悪な事に、彼が一瞬で襲い来る剣は随分と…重いらしい」
スフォルツァもがつん!と襲い来る剣を止める、フィンスの表情が歪むのに気づく。
剣を引く…柄を握る手が微かに…震ってるように見える。
フィンスの、呼吸が…少しずつ乱れて来てる。
がそれでも気を取り直し、剣を握り持ち上げ…振ろうとし、はっ!と表情を引き締め、止める。
講堂のあちこちから吐息が、漏れる。
フィンスが動いた一瞬で、ローランデが即座に反応したのを知る者は少ない。
反撃に出ようとしたフィンスは、動いた途端ローランデにその動きを読まれ。
一瞬で決着付けられる事に気づき、反撃を諦めたのを。
ディングレーもオーガスタスも、自分の事のように感じ、「ムゥ…」と思わず呻く。
打つ手が…無い。
あるとしたらフィンスより自分が体格良く、耐久力も、ある事だけ。
オーガスタスはつい真剣に、ローフィスに屈み尋ねる。
「お前なら、どんな手を使う?」
ローフィスは目を、見開いた。
「お前に負けてるのに。
奴に勝つ手が俺に、見つかると思ってんのか?!
…マジで?」
「いいから考えろ。
どうしても奴に勝たなきゃならないとしたら?」
ローフィスはローランデの戦いぶりに視線を戻す、友の横顔につぶやく。
「…俺なら対戦前、ローランデに睡眠薬盛るか、下剤塗った針を飛ばす」
リーラスがくっ!と声を上げ、そのまま笑いに入った。
オーガスタスが呆れたように目を見開いてローフィスに振り向き、ローフィスは頷いて言った。
「だってどうしても奴に、勝つとなるとそれしかない」
フイ!と視線をローランデに戻すオーガスタスに、ついローフィスは怒鳴った。
「だから!
参考になるなんて一っ言も、言ってないぞ!!!」
リーラスがもっと大声上げ、笑い転げた。
がっ!がっ!がっ!
静まりかえる講堂内に、フィンスが決死の表情で瞬殺する剣を、止める音だけが響き渡る。
また…!
また止めた。だけど…。
「ヤバいな…」
ヤッケルの言葉に、シェイルも頷く。
「フィンス…辛そう……」
フィンスが思い切り顔をしかめ、痺れが走る腕をそれでも気合いで振り上げ、ぎりぎりでなんとかローランデの剣を、止めてる。
なのにローランデは呼吸の乱れなく、澄み切った湖のように静かで、足音すら殺し一瞬でフィンスの背後に、滑り込む。
フィンスが振り向いた時。
もうローランデは歩を滑らせ、真横から斬り込んでいた。
スフォルツァが片眉上げ、目を細める。
また…。一振りで剣筋が二度、変わってる。
二度、相手の空振る剣を誘い、殺気を送る。
それも一瞬の内に。
フィンスの腕が、どの“気”に反応しようかと、ぴくぴく動く。
がっ!
が…振り上げたものの途中腕に痺れが走ったのか。
受け止めそびれ、咄嗟にフィンスは身を横に避けた。
一瞬。だった。
フィンスはぴたり…と動きを止める。
感じてはいた。
が後から、ぞっ…。と悪寒を感じる。
その刃は腹に、突き刺さってた。
ローランデが寸止め、しなければ。
ローランデは剣を突き付けたまま、静かに講師の判定を待つ。
講師は声を上げようとし…声が詰まり出ないのに気づき、一度唾を飲み込み。
そしてようやく叫んだ。
「それまで!」
ローランデがすっ…と剣を下げ、フィンスは後から吹き出す冷たい汗に…剣の柄を握る手が震え出し…。
だが、ぐっ…と押さえ込んで、顔を、上げた。
実戦で間違いなく…ローランデは数多の人間を、斬って来ている。
だから、あれ程までに迫り来る殺気は鋭く。
腹に突き付けられた剣に、息が止まりそうな程の恐怖を感じる。
それだけの人間を斬った者がどれ程…ここに居るだろう?
斬るか斬られるか…。
それを体験した者にとって、この練習試合は。
…ただの、お遊びに過ぎない。
フィンスはそれを思い知らされ、首を垂れた。
自分が殺った数は、両手の数より少ない。
場数を踏み自らの命を危険に晒さなければ。
ローランデの満足な相手にすらならない。
シェイルはいつもと態度の変わらぬローランデの背後、首を垂れるフィンスをはらはらして見つめた。
がローランデは気づいて振り向き、そっとシェイルに、囁く。
「知って置く事は重要だ。
自分の未熟さを。
…その方が、この先命を無くさずに済む」
シェイルはそっと…顔を上げ、端正な貴公子…親友の、顔を見た。
ローランデはそれでも優しく囁く。
「敵は決して、容赦してくれない」
だから………。
ローランデの真の思いやりを、シェイルは感じ取り、目を伏せた。
『それにフィンスはきっと、解ってくれる』
ローランデが無言でそう言うのを感じたように、シェイルも首を垂れた。
ヤッケルは戻るローランデの肩を
『その通りだ』の言葉代わりに、励ますように、パン!と叩いた。
優しい少年だ。ローランデは普段は。
けど友達を打ち負かし、それほど厳しいのは…。
戦いの厳しさを、思い知っているから。
ローランデは顔を上げて自分を真っ直ぐ見つめ
『お前は間違ってない』
と告げる、ヤッケルの無言のエールに応える様に…。
俯く面を真っ直ぐヤッケルに向け、微笑みを返した。
アイリスはスフォルツァを、見た。
そして、待った。
スフォルツァはまだ視線を、首を垂れたフィンスに釘付けたまま。
が呟く。
「…一瞬で剣を引き、突き付けた、腹に」
アイリスが、頷く。
がスフォルツァは言葉が、出なかった。
早すぎる。
あんな…一瞬で………。
どうやって………。
どの言葉も無意味だと、スフォルツァは知っていて、アイリスも知っていたから首を、垂れた。
が、すっ…とアイリスは顔を、上げる。
ディングレーは俯き、覚悟を決めるように吐息を、吐き出していた。
オーガスタスは無言で腕組みしてる。
二人がスフォルツァ同様、手が無い。と感じてるのが見て取れた。
負けると解ってる対戦。
それでも、戦うしかない。
三人の男達に共通した気持ち。
スフォルツァが顔を、上げる。
三人共が
『それでも、やるしかない。
例えどこまでやれるか解らなくても』
そう腹を括る、その強さにアイリスは感嘆した。
そんな戦いに挑む男達の、それぞれの横顔を深く心に刻む。
そんな渦中に、居た筈の自分が小細工し、逃げ出した事でシェイムに失望されても、無理は無い。
アイリスはつくづく、自分の元に残る決断をした、シェイムの甘さに感謝した。
彼の事を考えた途端、気配に気づきチラ…!と窓辺を見やる。
シェイムが抜け出した自分の後を追い、窓の外から様子を伺っていた。
解ってる。
スフォルツァの代わりにローランデと対戦するのは、自分のはず。
あんな鎧を着けず、病弱を装ったり、しなければ。
シェイムはそのやり方に反対だったし、こうも言った。
「身分に課された責務を果たせぬ者は、真の尊敬を得られません」
スフォルツァはそれをする。
だから…きっと多くの尊敬を、集めるだろう。
けどシェイム、約束する。
次に、もしその機会あらば。
必ず…逃げずに責務を果たす事を。
だからこの場だけは…頼むから、容赦してくれ。
…シェイムは吐息混じりに諦めを込め、頷いて、くれるだろう。
きっと。
オーガスタスは躊躇い…が呟く。
「最悪の、域だな…」
「やっぱり、そうか………」
リーラスがぼやく。
「去年の方がマシだって?」
オーガスタスもローフィスも同時に頭を揺らし、返答に変えた。
がっ!
がっ!!!
一瞬で身を翻す。
止められても躊躇い無く直ぐ次の攻撃に、流れるような優美な動作で一瞬にして立ち位置を変え、剣を持ち上げ、振る。
上から…いや横…斜め下…。
一振りで幾度も剣筋を変える。
ローランデの動きを目で追い続けたスフォルツァは、とうとう匙を投げた。
「気配が無い上、剣筋を変えるだけで無く。
そのつど“殺気”を送り、紛らす。
あの一瞬の、振りの間に三度!
剣筋を変える度、三度殺気を飛ばし、こっちの剣を誘ってる!
……読み違えたら、間違いなく最後。
あんな…相手に勝つだなんて、実際出来るのか?」
気弱なスフォルツァの言葉に、アイリスは同感だ。と頷く。
「芸術の、域だ。
それにもっと最悪な事に、彼が一瞬で襲い来る剣は随分と…重いらしい」
スフォルツァもがつん!と襲い来る剣を止める、フィンスの表情が歪むのに気づく。
剣を引く…柄を握る手が微かに…震ってるように見える。
フィンスの、呼吸が…少しずつ乱れて来てる。
がそれでも気を取り直し、剣を握り持ち上げ…振ろうとし、はっ!と表情を引き締め、止める。
講堂のあちこちから吐息が、漏れる。
フィンスが動いた一瞬で、ローランデが即座に反応したのを知る者は少ない。
反撃に出ようとしたフィンスは、動いた途端ローランデにその動きを読まれ。
一瞬で決着付けられる事に気づき、反撃を諦めたのを。
ディングレーもオーガスタスも、自分の事のように感じ、「ムゥ…」と思わず呻く。
打つ手が…無い。
あるとしたらフィンスより自分が体格良く、耐久力も、ある事だけ。
オーガスタスはつい真剣に、ローフィスに屈み尋ねる。
「お前なら、どんな手を使う?」
ローフィスは目を、見開いた。
「お前に負けてるのに。
奴に勝つ手が俺に、見つかると思ってんのか?!
…マジで?」
「いいから考えろ。
どうしても奴に勝たなきゃならないとしたら?」
ローフィスはローランデの戦いぶりに視線を戻す、友の横顔につぶやく。
「…俺なら対戦前、ローランデに睡眠薬盛るか、下剤塗った針を飛ばす」
リーラスがくっ!と声を上げ、そのまま笑いに入った。
オーガスタスが呆れたように目を見開いてローフィスに振り向き、ローフィスは頷いて言った。
「だってどうしても奴に、勝つとなるとそれしかない」
フイ!と視線をローランデに戻すオーガスタスに、ついローフィスは怒鳴った。
「だから!
参考になるなんて一っ言も、言ってないぞ!!!」
リーラスがもっと大声上げ、笑い転げた。
がっ!がっ!がっ!
静まりかえる講堂内に、フィンスが決死の表情で瞬殺する剣を、止める音だけが響き渡る。
また…!
また止めた。だけど…。
「ヤバいな…」
ヤッケルの言葉に、シェイルも頷く。
「フィンス…辛そう……」
フィンスが思い切り顔をしかめ、痺れが走る腕をそれでも気合いで振り上げ、ぎりぎりでなんとかローランデの剣を、止めてる。
なのにローランデは呼吸の乱れなく、澄み切った湖のように静かで、足音すら殺し一瞬でフィンスの背後に、滑り込む。
フィンスが振り向いた時。
もうローランデは歩を滑らせ、真横から斬り込んでいた。
スフォルツァが片眉上げ、目を細める。
また…。一振りで剣筋が二度、変わってる。
二度、相手の空振る剣を誘い、殺気を送る。
それも一瞬の内に。
フィンスの腕が、どの“気”に反応しようかと、ぴくぴく動く。
がっ!
が…振り上げたものの途中腕に痺れが走ったのか。
受け止めそびれ、咄嗟にフィンスは身を横に避けた。
一瞬。だった。
フィンスはぴたり…と動きを止める。
感じてはいた。
が後から、ぞっ…。と悪寒を感じる。
その刃は腹に、突き刺さってた。
ローランデが寸止め、しなければ。
ローランデは剣を突き付けたまま、静かに講師の判定を待つ。
講師は声を上げようとし…声が詰まり出ないのに気づき、一度唾を飲み込み。
そしてようやく叫んだ。
「それまで!」
ローランデがすっ…と剣を下げ、フィンスは後から吹き出す冷たい汗に…剣の柄を握る手が震え出し…。
だが、ぐっ…と押さえ込んで、顔を、上げた。
実戦で間違いなく…ローランデは数多の人間を、斬って来ている。
だから、あれ程までに迫り来る殺気は鋭く。
腹に突き付けられた剣に、息が止まりそうな程の恐怖を感じる。
それだけの人間を斬った者がどれ程…ここに居るだろう?
斬るか斬られるか…。
それを体験した者にとって、この練習試合は。
…ただの、お遊びに過ぎない。
フィンスはそれを思い知らされ、首を垂れた。
自分が殺った数は、両手の数より少ない。
場数を踏み自らの命を危険に晒さなければ。
ローランデの満足な相手にすらならない。
シェイルはいつもと態度の変わらぬローランデの背後、首を垂れるフィンスをはらはらして見つめた。
がローランデは気づいて振り向き、そっとシェイルに、囁く。
「知って置く事は重要だ。
自分の未熟さを。
…その方が、この先命を無くさずに済む」
シェイルはそっと…顔を上げ、端正な貴公子…親友の、顔を見た。
ローランデはそれでも優しく囁く。
「敵は決して、容赦してくれない」
だから………。
ローランデの真の思いやりを、シェイルは感じ取り、目を伏せた。
『それにフィンスはきっと、解ってくれる』
ローランデが無言でそう言うのを感じたように、シェイルも首を垂れた。
ヤッケルは戻るローランデの肩を
『その通りだ』の言葉代わりに、励ますように、パン!と叩いた。
優しい少年だ。ローランデは普段は。
けど友達を打ち負かし、それほど厳しいのは…。
戦いの厳しさを、思い知っているから。
ローランデは顔を上げて自分を真っ直ぐ見つめ
『お前は間違ってない』
と告げる、ヤッケルの無言のエールに応える様に…。
俯く面を真っ直ぐヤッケルに向け、微笑みを返した。
アイリスはスフォルツァを、見た。
そして、待った。
スフォルツァはまだ視線を、首を垂れたフィンスに釘付けたまま。
が呟く。
「…一瞬で剣を引き、突き付けた、腹に」
アイリスが、頷く。
がスフォルツァは言葉が、出なかった。
早すぎる。
あんな…一瞬で………。
どうやって………。
どの言葉も無意味だと、スフォルツァは知っていて、アイリスも知っていたから首を、垂れた。
が、すっ…とアイリスは顔を、上げる。
ディングレーは俯き、覚悟を決めるように吐息を、吐き出していた。
オーガスタスは無言で腕組みしてる。
二人がスフォルツァ同様、手が無い。と感じてるのが見て取れた。
負けると解ってる対戦。
それでも、戦うしかない。
三人の男達に共通した気持ち。
スフォルツァが顔を、上げる。
三人共が
『それでも、やるしかない。
例えどこまでやれるか解らなくても』
そう腹を括る、その強さにアイリスは感嘆した。
そんな戦いに挑む男達の、それぞれの横顔を深く心に刻む。
そんな渦中に、居た筈の自分が小細工し、逃げ出した事でシェイムに失望されても、無理は無い。
アイリスはつくづく、自分の元に残る決断をした、シェイムの甘さに感謝した。
彼の事を考えた途端、気配に気づきチラ…!と窓辺を見やる。
シェイムが抜け出した自分の後を追い、窓の外から様子を伺っていた。
解ってる。
スフォルツァの代わりにローランデと対戦するのは、自分のはず。
あんな鎧を着けず、病弱を装ったり、しなければ。
シェイムはそのやり方に反対だったし、こうも言った。
「身分に課された責務を果たせぬ者は、真の尊敬を得られません」
スフォルツァはそれをする。
だから…きっと多くの尊敬を、集めるだろう。
けどシェイム、約束する。
次に、もしその機会あらば。
必ず…逃げずに責務を果たす事を。
だからこの場だけは…頼むから、容赦してくれ。
…シェイムは吐息混じりに諦めを込め、頷いて、くれるだろう。
きっと。
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