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ドラーケンに引っかけられるアシュアーク

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 スフォルツァが教練に上がる頃、ラフォーレンと一緒に、教練に進むからと。
屋敷の当主が、剣の教師を付けてくれた。

アシュアークはその辺りの顛末てんまつを思い返す。

剣の講師は、最高に腕が良くて…。
それに剣を振るのが最高に楽しくって、性に合ってて…。

夢中で剣を振る内に少し、落ちついた。

肌の温もりが無くっても、剣を振り回し続けたから夜は疲れ切って、ぐっすり眠れた。

けどたまに、どうしようも無くスフォルツァを思い出して、彼が欲しくって。
スフォルツァが戻って来る日が待ちきれなくて、我慢できなくって。
ラフォーレンに強請ねだるけど…。

ラフォーレンは
「ダメに決まってるだろう?
教練キャゼ』にいるんだ!
彼が帰ってくるまで、待て!」
って、つれなくて…。

けどとても綺麗な女の人が、僕を訪ねて来て。
僕とスフォルツァの話を尋ね、僕は
「凄く会いたいけど、ラフォーレンがダメだって」
とぼやいたら、言われた。

「どうして、ラフォーレンに内緒で会いに行かないの?
私だったら、絶対押しかけて行くのに」

…それが、今日の昼。

点鐘てんしょう(時)ごろ、彼女は帰ったけど…。
いてもたっても、いられなかった。

だから…剣の練習の後、ヘバるラフォーレンを盗み見て、こっそり屋敷を抜け出し、『教練キャゼ』へと馬を走らせた。

同じ…テールズキースだったし、馬で二点鐘(時間)も駆ければ着いた。
日は暮れかかっていたけれど…でも、我慢出来なかった。
押しかけさえすればきっと後の事は、スフォルツァが考えてくれる。

多分…。

「人を探してるのか?」
声を掛けられて、アシュアークは振り向く。

見ると背の高い少年が、こちらを見つめていた。
跳ねた栗毛。
鷹のような横長に細い、グレーの瞳。
ちょっと間延びした、馬面。

スフォルツァのような品の良さは全然無く、なんか荒っぽい感じ。
けど強そうな感じがして、アシュアークは変に
「(さすが騎士の養成校…。
教練キャゼ』って、自分の強さに自信がある男の人ばっかりなんだ)」
と感心した。

「…スフォルツァを探してるんなら、案内するぜ?」
鼻の上にそばかすを散らし…けど自信に溢れたその少年の態度に、アシュアークはにっこり微笑んで、頷いた。

馬をうまやに繋いでくれて、あごうながされて横を、付いて歩く。
彼は
「こんな時間に出歩いて、家の人は何も言わないのか?」
だとか、スフォルツァとはどういった関係なのかを尋ねて来た。

だからアシュアークは
「スフォルツァは大切な人だし、家族(ラフォーレン)も多分、分ってくれる」
と言葉を返す。

彼は「ドラーケンだ」と名乗った。

連れて行かれた場所は宿舎の一室なのか、剣の練習場らしき広い場所の二階にあって…。
質素な作りで、アシュアークは首を捻った。

だってスフォルツァは、召使いを続き部屋に住まわせられるから、身の回りの事は自分でしなくていい、って言ってたし
「大貴族用の特別宿舎で部屋も綺麗で広い。
田舎の宿屋より、うんとマシだ」
と言ってたのに、田舎の宿屋とここは、変わらなかった。

まだスフォルツァが『教練キャゼ』に上がる前。
貴族の少年達は集まって…たまに遠出もしたから、アシュアークはまだ小さかったけど、強引にスフォルツァに付いて行った。
スフォルツァにねだったら、出先の宿屋に部屋を借りてくれて、そこでした。
みんな、宿屋のある村の周囲で遊び回っていて、人目が有りすぎて、他に場所が無かったから。

スフォルツァは質素なその部屋を珍しがる僕に、言った。
「田舎の宿屋にしては、綺麗だ」

…どのみち寝台があれば、どこだって同じだったけど。

アシュアークはスフォルツァの熱い腕に抱きしめられ、狂おしい時間を過ごした事を思い出し、思わず…股間が反応し、もぞ…と身をよじった。

ドラーケンは気づいたように、突然とつぜん強引に腕を引く。
アシュアークは背の高いドラーケンを見上げ、尋ねた。
「スフォルツァは、どこ?」

けど鷹のような目は、獲物を狙うように鋭くて。
捕まれた腕が、痛い程きつく握られて。
逃すまい。とするようで、アシュアークは顔を傾けた。

途端、ドラーケンの顔が被さって来る。
「…う…んっ………」

突然口づけられて、アシュアークは驚いたけど…。
彼が自分と、したいんだと、直ぐ分った。

スフォルツァとしたかったけど…。
でもずっと飢えていたから、口づけされるともう、体に灯が灯った。
アシュアークは抱きしめられて、思わずドラーケンにしがみつく。

ドラーケンは興奮を高め…口づけたまま寝台の上に、どさっ!と音を立ててアシュアークの背を押し倒す。

アシュアークは上にドラーケンにのし掛かられ、体の重みを感じると、もうじれて体を捻った。

「…っんっ…」

ドラーケンは内心、びっくりした。
だってまだ、ほんの幼い少年なのに。

なのに…しっとりと身を寄せられて、股間すら、寄せて来る。

一気に高まり、挿入したい気、満々になったが、組み敷く少年はそれを、待ち望んでるように感じられた。

「(本当に…?!
挿入れて…いいのか?!)」

ドラーケンは狂喜乱舞し、こんな…エロくてどスケベな幼い少年を、これだけ簡単に抱けるほど仕込む、スフォルツァはあなどれない。
とその時頭の隅で、思った。

小さくて、まだやわらかい金髪の美少年。
少し顔を離すと、真っ赤な熟れた赤い唇を半開き、青い大きな瞳は潤みきり…。
あんまり、愛らしくて綺麗で。

そんな美少年を貫ける悦びに、ドラーケンは舞い上がって、自分の股間を、取り出すために探った。

…時、隣室の扉が、突然開いた。

「…何してんだ?」

ドラーケンはその声の主に、目を見開く。
それは同じグーデン配下の、二年生達で…。

二人は自分が身の下に組み敷く、金髪の育ちの良さそうな、愛らしく色っぽく幼い美少年を見つけ、にやっ。と笑う。
そして、上にまたがってる自分に、鋭い視線を向けた。

ドラーケンは、一気に体の熱が冷えていくのを感じ、心からがっかりした。

…つまり二年達は。
俺達遊ぶから、お前はさっさとどいて。
組み敷いてる、獲物を寄越せ。
とその鋭い目で命じてる。

仕方なしに押し倒したアシュアークから身を起こす。

アシュアークの小さな手が…身を起こす胸の衣服を、引き止めるように掴み…。
ドラーケンの胸は、ちくん…。と小さく痛んだ。

が、一つ大きなため息を吐いてその手をやんわり解くと、身を起こし、立ち上がる。
代わりにアシュアークに屈み込む、二人の猛者に、その場を譲った。

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