アースルーリンドの騎士 幼い頃

あーす。

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第九章 新しい生活

エルベス大公家の別宅から『光の里』へ

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 ファントレイユは起き上がり、目を擦った。
右横にはゼイブンが。
左横にレイファス。

とても大きな天蓋付き寝台で、向かいにも大きな天蓋付き寝台が見え、よく見ると、アイリスとテテュスが、向かい合わせで手を上げ、顔を傾けた、同じポーズで眠っていて。
あんまり安らかで、窓から差す光は美しく室内を照らし出し、窓辺近くにも、大きな二つの天蓋付き寝台。

近い方に、スフォルツァとラフォーレンが。
その向かい側に、ローフィスと、抱きつくようにして眠る、シェイルが。

首を横に振って見回すけど。
オーガスタスとディングレー。
ギュンターとディンダーデンの姿が消えていた。

ローランデは…確か暫く南の療養地の、お母さんを見舞う。
って…挨拶した後、さっ!とマントを払い…外に出て行った。

ローランデの心からの美しい微笑の残像が、まだ脳裏に残ってる。

ふ…と頭の中で響く声を捜すけど。
『光の里』じゃないから、誰も喋っていなかった。

「『光の里』じゃないと、こんなに静かなんだ」
ふとつぶやくと、レイファスがむくっ!と起き上がる。
「分かる。
いっつも頭の中で響く声で
『ご飯だよ!』
とか
『まだ寝てる?』
とか…」

ファントレイユも、頷く。

「…見ると里の子がいて。
いっつも、あんまり人間離れして綺麗で…」
レイファスも、頷く。
「けど接してみると、僕らと変わらない。
背は…みんな、年より高いけど」

ファントレイユも項垂れる。
「僕、凄くチビになった気分になる」
レイファスは意味ありげな青紫の瞳を向け
「僕の気持ち、分かった?」
と聞く。

ファントレイユは思わず、頷いた。

ゼイブンが横に転がり、腕枕して目を閉じたまま、呻く。
「里が、恋しいか?」

ファントレイユは、ゼイブンに振り向く。
「この後…って、屋敷に帰るの?」

ゼイブンは唸る。
「アイリスとローフィスはまだ治療が残ってる。
オーガスタスは昨夜里に発った。
ディングレーが当分、オーガスタスとシェイルの仕事のフォローに回る、って苦虫噛んだような顔で、近衛の左将軍補佐官舎に向かった。
で、多分テテュスはアイリスと一緒に、この後、里に戻るだろうな」

ファントレイユはレイファスに振り向いて、ゼイブンに問う。
「僕とレイファスと…ゼイブンは?」

ゼイブンはものすごく落胆したように顔を背け、告げる。
「俺は…アイリスとローフィスを里に連行する。
おまえらは、ギュンターに頼んでライオネスから護衛連隊の護衛に、屋敷に送り届けられるか。
それとも俺と一緒に、里に戻るか。
だな」

そこまで言うと、ファントレイユとレイファスが満面の笑顔で互いを見合うので、ゼイブンは付け足した。
「俺の用が終わり次第、屋敷に戻る」

レイファスが、あどけなく尋ねる。
「屋敷…って、アイリスのとこ?」
ファントレイユも、頷く。
「僕ら、自分の屋敷に戻ったら。
絶対騎士修業、させてもらえないから、当分テテュスと一緒にいたい」

ゼイブンが、二人から芋虫のように背を丸めて遠ざかると、ぼそり…と告げる。
「テテュスとアイリスは当分里から出られないぞ?」

とうとうレイファスが、きっぱり言った。
「僕らはテテュスと一緒がいい!!!
オーガスタスも居るし!!!」

ゼイブンは、恐る恐るレイファスを見る。
「…シェイルも、居るぞ?」

途端顔を下げるレイファスを、ファントレイユは見た。
そして口を開く。
「大丈夫。
シェイルはローフィスにつきっきりだから」

レイファスは笑顔で顔を上げ
「そうだよね!!!」
と声を弾ませた。


いつまでも眠ってるスフォルツァとラフォーレンをそのままにして。
他のみんなは部屋を出る。

「起こさなくて良いの?」
そう、テテュスがアイリスを見上げて問う。

先を歩くローフィスが、振り向く。
「アシュアークのお守りで大変なんだ。
用がない時ぐらい、ゆっくりさせてやれ」

テテュスはそう言ったローフィスに振り向くけど。
アイリスに背を押され、一緒に廊下を歩き出す。
出かける、仕度をするために。


ファントレイユとレイファスは、馬車の中で。
テテュスがはしゃぐアイリスを、一生懸命なだめてる、親子逆転劇を見た。

レイファスとテテュスの真ん中が、アイリスで。
ファントレイユとシェイルの真ん中が、ローフィス。

ローフィスはうって変わって、昨日のお酒で二日酔いで頭を抱え、背を丸め、ひたすらはしゃぐアイリスを、下目使いで見た。

「命を助けて貰った恩がある上、無事夢の傀儡王の結界から、救い出してくれた恩もある。
が。
俺の我慢も限界だ!
ちっとは静かにしろ!!!」

シェイルとファントレイユが突然の大声に、二人揃って両手で耳を押さえ、ローフィスと反対側に顔を倒し込んだ。

レイファスがアイリスを見ると。
一瞬、真顔。
が直ぐに、座席に座ったまま、ぴょんぴょん跳び跳ね始め、テテュスが慌てて制止する。
「ダメってば!!!」

ローフィスは頭を抱え、テテュスに唸る。
「…跳ねさせとけ。
アイリスは危機を脱すると、突如暫くアホになる。
日頃理性で押さえてる、反動が来るんだ」

シェイルが倒した顔を戻し、ローフィスを見る。
「知らなかった…」

ローフィスは、頷く。
「近衛時代は、戦闘で鬱憤晴らし出来るが。
神聖神殿隊付き連隊では、乱暴事は少ない。
アホになってはしゃぐのが、鬱憤晴らしだ」

レイファスは、ローフィスをきょとん、として見る。
「じゃ、近衛時代は、こんなじゃなかったの?」

ローフィスは、おもむろに頷く。
「危機がデカければデカい程。
後のアホ具合が半端無い」

ファントレイユが、顔を下げる。
「…だからずっと、テテュスが苦労するんだ」

ローフィスも、お通夜みたいに頷く。
「それだけ、洞窟抜けた所でも結界内でも、責任感じて気を張ってたんだろうな」

ローフィスのその言葉で、皆、アホになってはしゃぐアイリスの側で。
全員が暗い顔で顔を下げきった。

テテュス、だけが。
「もう!
なんで、飛び跳ねたいの?!
別の事で発散すればいいのに!」
と必死でアイリスの衣服を握り掴む。

アイリスが、笑ってテテュスに告げる。
「今剣を持たせたら、全部殺しそうだから」

ローフィスが、沈んだ声で呻く。
「なら、仕方無いな。
後で痛むのは自分だ。
テテュス、ほっといて跳ねさせとけ」

テテュスは、はしゃぐアイリスを見た後。
ローフィスに振り向く。
「剣を持ったら皆殺し?」

ローフィスは、無言で頷く。
「中央[テールズキース]で盗賊が出たら。
アイリスを派遣すると、ギュンターが喜ぶ。
が、ミラーレスが許可しないだろうな。
気持ちは分かる。
が、里では舞踏会の時ほど、痛まないはずだ」

アイリスはまた、座席で飛び跳ねてはしゃぐ。
「だから今、多少無茶しても平気なんだ」

テテュスは横で顔を下げ、ぼそり。と言った。
「…僕は、平気じゃない」

ファントレイユもレイファスも、思わずテテュスに同情した。


ゼイブンは騎乗して馬車に併走していたが、馬車内を見て、こぼす。
「俺も馬車に乗れば、昼寝できたな…」

ファントレイユが窓から顔を出し、叫ぶ。
「無理だと思う!」

向かいの、レイファスも顔を出す。
「アイリスが、跳ねまくってるから!」

ゼイブンは肩すくめた。
「滅多に無い、アレ…か?」
ファントレイユの奥のローフィスは、顔を下げたまま、頷いた。


里に着くと、直ぐ全員が、周囲の景色が変わるのを呆然と見守った。

一気に馬車内から部屋へと内装が変わり、アイリスはミラーレスが目前に立ち、にっ!と笑うのを見た。

テテュスとレイファスとファントレイユは、横の長椅子に腰掛けていて。
ローフィスは目前にジューダスを見つけ、顔を下げる。

ミラーレスが、朗らかに声を発する。
「オーガスタスとディアヴォロス殿の今日の治療が、たった今、終わったところです」

アイリスは愛想笑いを浮かべて告げる。
「なら、休憩が必要ですよね?」

ジューダスは怖気るローフィスに、心話で告げる。
“ここは里。
痛くないよう治療出来る”

ローフィスが、どれだけほっとした事か。

ゼイブン、だけが離れた椅子で、飲み物と食べ物を振る舞われ、病人も子供も無視し、ひたすら飲み食いしてた。

サーチボルテスが瞬時に姿を表すと、子供達に告げる。
「見ていても退屈なだけだ。
子供達がみんな、歓迎してる」

が、言って直ぐ。
「…悪い、客人だ」

ファントレイユもレイファスも、また突如景色が変わり、ぎょっ!とした。

花模様の家具と建具の、とても洒落た客間のソファに突然座っていて。
つい、横のお互いを見つめ合う。

「ファントレイユ!」
「レイファス!」

目前の、セフィリアとアリシャが叫び、自分の息子を思いっきり抱きしめる。
ファントレイユはうぐっ、と胸が詰まったし、レイファスは背中が反って、それでもいい匂いのするアリシャの胸に、顔を埋めた。

「…心配した?」
レイファスがそう尋ねると、アリシャは言葉が出なくて、ただひたすら、レイファスをかき抱いた。

セフィリアもファントレイユを放さず。
やっと顔を下げて息子を見つめ
「お熱は?
全然…でなかったの?」
と掠れた声で尋ねる。

「…うん。全然。
みんな…凄かったんだ!
ローランデがもう本当に強くて!!!
ギュンターは…知ってるよね?
矢が刺さっても、顔色も変えず敵に突っ込んでいって!!!
でも一番凄かったのは、ゼイブンなんだ!!!
短剣投げて、どんな敵も僕に近づけなかった!!!
本当に、本当に凄かったよ!!!」

セフィリアは切なげに息子を見る。

ゼイブンは少し離れた椅子に飛ばされ、手にフォークとグラスを持ったまま。
「…なんで食べ物も、運んでくれないかな…」
と、ぼやいてた。

セフィリアはゼイブンに振り向く。
ファントレイユは慌てて叫んだ。
「あれは、ポーズなんだ!!!
本当は…凄く強くて、凄く真剣に護ってくれる!!!
だって…見て?
僕…どこも怪我してないでしょう?
みんなが…本当に必死で、護ってくれたんだ!!!
アイリスなんて…大怪我負って…。
凄く強い敵と戦って、差し違えて、自分が死んでも敵を倒そうとして…テテュスが泣いた…。
ローフィスも他のみんなを護るため、無理して…凄く大きな敵と戦って…死にかけた。
オーガスタスなんて…血まみれでレイファスを護った!!!
シェイルだって、凄かった!!!
短剣で敵を倒して…一撃で倒すんだよ?
ディングレーは…背中を斬られて血を滴らせても駆けつけてくれて…。
怪我してるのに、全然気づいてないんだ…」

レイファスが振り返ると、とうとう…ファントレイユは涙をこぼした。
「こんなに…こんなに凄い騎士達がみんな必死で…。
敵の数、凄く多くて…。
倒した後、近衛の強い騎士達が相手で…。
みん…な…戦い詰めで…それ…でも…怪我…しても…」

「もう、分かったわ、ファントレイユ…」
「僕…みんなが凄すぎて…熱…出してる…暇なんて………」
「分かったから」

セフィリアに、優しく抱きしめられ、ファントレイユはとうとう、セフィリアの衣服を掴んで。
それでも顔を下げ、声を殺して泣いた。

レイファスが、思わずぼそり。と言った。
「僕なら、大声で喚くのに」

ファントレイユは暫く声が出ず。
やっと…顔を上げて、レイファスに尋ねる。
「なんでレイファスは泣かないの?」

レイファスは、肩をすくめた。
「だって僕、オーガスタスが血まみれだったとき、思い切り泣いたから」

ファントレイユは『分かった』と頷き、また顔を下げ、声を出さずに泣き続けた。

ゼイブンは一つ吐息を吐くと、ファントレイユの横に来て、囁く。
「ギュンターのが、移ったのか?」

ファントレイユは泣き顔を上げると、言った。
「…大好きだゼイブン。
ずっと好きだったけど。
もう今は…凄く凄く、凄く好き…。
護ってくれて、本当に…嬉しかった。
本気の本気で…護ってくれて」

セフィリアが、ファントレイユの横に立つゼイブンを見る。
「…普段のあなたしか、私は知らないけど…」

ゼイブンは、顔を下げてファントレイユを見る。
「…激戦だったからな。
正直、子供にはキツ過ぎた。
だが奴ら、子供が弱点だと、狙って来やがるから…。
俺も、きっちりキレた。
だって…騎士名乗ってるのに、子供狙うとか…卑怯過ぎるだろう?」

セフィリアは、チラ、と顔を傾け、下から見つめて少し笑うゼイブンを見る。

セフィリアの瞳が、ゼイブンを真っ直ぐ捉える。
ゼイブンは、思わず真剣に見つめてくれる愛しのセフィリアに、内心感激し、口を滑らせた。
「…惚れ直した?」

セフィリアは途端、はっ、と正気に戻り
「その軽口、何人におっしゃったの?」
と、ツン、とする。

ゼイブンはとっさ、セフィリアの腕を掴み、ぐい、と引き寄せ、キスをする。

ファントレイユもレイファスも、アリシャも。
口づける二人の姿を、思わず惚けて見つめた。

ゼイブンが顔を離すと、セフィリアはそれでもかなり冷静に、声を発した。
「ファントレイユを凄く真剣に護ったそうだから。
頬を叩くのは、今回は止めにするわ」

ゼイブンの眉が、途端情けなく下がった。
「いつも無しにしてくれると、嬉しいんだが」

アリシャとレイファスが笑い、ファントレイユが二人に振り向く。

「ゼイブンがおちゃらけてないと、調子狂うわ!」
アリシャが言い、レイファスも笑って言う。
「ゼイブン、真剣だと凄くいい男だけど。
セフィリアの前だと、あんま発揮できてないよね!」

ファントレイユが、しょんぼりして言った。
「僕が見たゼイブン、セフィリアも見たら、絶対惚れ直すのに」

レイファスが叫ぶ。
「里の子供達なら…」

ゼイブンは、慌てて叫んだ。
「あんな血なまぐさいのを、婦人に見せられるか!!!」

レイファスもファントレイユも、死んだ盗賊だらけの草原と、夢の傀儡王の化け物だらけの結界内を思い返し
『そうだね』
と、項垂れた。



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