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第七章『過去の幻影の大戦』
アギラスと戦うアースラフテス、城下を抜け戦場に馳せる仲間達、崖を駆け下りるディアヴォロスとギデオン
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レイファスはその声に、頷く。
そしてテテュスに声にならない心話で促す。
「前に移る!」
走る馬上で…?
テテュスはそう、問おうとし既にレイファスが背後で、鞍の上に立ち上がるのを感じた。
テテュスは身を思い切り横に倒す。
レイファスがすとん!と自分を乗り越え様鞍の上に尻を落とすのを感じ、身を起こす。
瞬間レイファスが光り、同時に神聖神殿隊の長、アースラフテスがその上に、浮かび上がるのを見た。
“回路に負担かけるが、致し方ない!”
アースラフテスはそう叫ぶなり、シェイルの背近くに光を放つ。
途端、何も無い筈の空間から
“ぎゃあっ!”
と叫びが轟く。
その一瞬浮かび上がり消え行く真っ青な姿を目に、テテュスが呻く。
「アギラス…?太古の魔の?」
…青の鱗粉に包んだその獲物を、自分のものとする。
包まれたその者は心迄も奪い取られ、その身はアギラスの奴隷と化す。
そう、思い描いた途端再び、抱きとめたレイファスの上空に浮かび上がるアースラフテスが、駆け行くシェイルの背後横の空間に攻撃を仕掛ける。
“ぎゃあっ!”
その、攻撃を受けた真っ青な魔が姿を見せるのはたった一瞬。
止めを刺されまいと、直ぐ消え行くのが伺えた。
腕に抱くレイファスはぐったりとしている。
今やアースラフテスは、レイファスの意識を全て乗っ取り同化して、アギラスからシェイルを守っていた。
テテュスは手綱を固く握る。
レイファスの腰に腕を回し抱き止め、拍車かけシェイルを抜き先頭に躍り出ようとした。
動揺するシェイルに代わり、道を、指し示す為に。
横を通り過ぎ様シェイルは意識無い、アシュアークを抱いたまま、不安そうな瞳を向ける。
テテュスは励ますように、その瞳をしっかり見つめ、頷く。
シェイルが少し、ほっとした表情でテテュスに、頷き返す。
が途端、シェイルの真横でまた…!
アースラフテスの放つ閃光で一瞬その青い姿を浮かび上がらせ、アギラスは呻く。
“ぎゃっ!糞…!”
呪いの言葉を、レイファスに乗り移るアースラフテスに投げ、その真っ青な魔は再び空間に姿を消し行く。
「マズ過ぎる!」
アイリスの怒鳴り声に、ディンダーデンは壁に這う葉陰に備え付けられた、木の円形の回しに両手かけ、回そうと力込めて唸る。
「ヴ…」
スフォルツァが、そしてラフォーレンもがディンダーデンの手に自分の手添え、一緒に力込め、その回しで開く、からくり扉を、開けようと試みる。
ローランデはアイリスを見つめる。
アイリスは上空を、睨んでいた。
がそっ…と視線をローランデに向け、微笑む。
「私は多分ここから出られない」
「!どうして…!」
ローランデの問いにそれでもアイリスは微笑んだまま。
「私はこの壮大な幻想の到達地点だ。
私に辿り着く事で皆は幻影との融合が解かれる」
ずっ…!
その苔むした木の回しが少しずつ動き出し、同時に木の壁と同化した扉が、僅かに上に持ち上がる。
今や、ディンダーデン、スフォルツァ、ラフォーレンそして…ローランデの瞳にも浮かび上がっていた。
戦場でオーガスタスとディングレーが深手負い、周囲を敵に、囲まれ行く様が。
「糞!」
スフォルツァが怒鳴り、ギッ!と音がし更に、その隠し戸は上に持ち上がる。
小柄な人間なら身を屈め、通れる高さ。
ローランデがアイリスを見る。
アイリスが頷き、ローランデは頷き返すとその戸に身を屈め突っ込み、滑り行き扉のその向こうに姿を、消す。
ラフォーレンが怒鳴る。
「あとちょい!」
ぎぎっ!
更に上に持ち上がるその隙間、ラフォーレンはその場離れ突っ込み、滑り込んでその向こうに身を消す。
スフォルツァとディンダーデンは同時にがくん!ともう一押しして戸を持ち上げると、スフォルツァがさっ!と身を翻し扉の向こうに滑り込む。
ディンダーデンは行こうとし…が、振り向く。
その場に立つアイリスを見つめ、肩を竦めた。
が、アイリスはディンダーデンを睨めつける。
「残ってどうする?!」
「…俺が居ると、タナデルンタスの呪文が使える。
それでこれだけの世界を作る、「夢の傀儡靴王」の裏をかけるとは思え無いが…」
アイリスは冷静に告げる。
「ワーキュラスが居る。
彼が提示するものを、私が解釈し奴のからくりを解明する。
瞑想状態に成るから、居ても退屈なだけだぞ?」
ディンダーデンはこんな事態でも落ち着き払ったアイリスに少し、腹を立てた。
「居場所を教えとけ!どこに居るかくらい…」
「君の…タナデルンタスの部屋に居る」
ディンダーデンはそう告げるアイリスに一つ、頷くとじっ…とアイリスを見つめ背を向け…行きかけて振り向き、咄嗟に戻りアイリスの顔に被さり、その唇を素早く奪って顔を上げ微笑い、一瞬で背を向け身を屈め潜戸の向こうに姿を、消し去った。
ギデオンはぞっ…とした。
風が長い髪を巻き上げる。
その、下。
道等あるとは思えない、凄まじい高さの崖。
急勾配の岩場。
戦場に続く草原は、遙か眼下。
ディアヴォロスは躊躇なく瞬時に駆け下り、小さく成る馬とその背に、ギデオンは遮二無二勇気震い立たせ、拍車かけ、ままよ!と後を追う。
ディアヴォロスにはこの崖を、駆け降りたその先の戦場しか、念頭に無い。
下を周囲を、まるで見ず馬と一体化し、凄まじい速さで手綱繰(く)る。
後を追うギデオンは、必死で昇って来る恐怖と戦う。
馬が足を取られれば、一瞬で共に岩場に叩きつけられたまま崖下へ。
岩に打ち付けられながら転がり落ち、曝す死体は打撲で潰れ、その原型すら止めるかどうか。
だから…先を下りみるみる遠ざかる、ディアヴォロスの背だけに“気”を向けていた。
気づけば、ギデオンはディアヴォロスに同化していた。
彼のように…自分も!
逆さに真っ直ぐ落ち行く恐怖は消え、道筋がハッキリと目に浮かぶ。
左の岩を避け右。横。
馬は自分の“目”を頼りに、凄まじい速さで障害物を避け駆け抜けて行く。
下は見ない。
ほんの少し先。
岩や石を避け岩場を、降りる事だけに集中する。
崖半ば。
恐怖は消え去り、ギデオンには自分が無事ここを抜けられる事が、確信出来た。
スフォルツァはローランデが、ラフォーレンもが、手近な馬の手綱掴み跨り、戦場のその向こうに、駆けて行く様に慌てて馬を探す。
周囲には死体がごろごろしてるが続々と起き上がり、自分を振り向きもせず遥か先へと歩き始める。
やっと見つけた馬の手綱引き、鐙に足を掛けた途端、ディンダーデンが横に居るのに気づく。
馬に跨がった途端、背後、同時に乗り上げたディンダーデンの腕が腰に回り来るのが視界に飛び込む。
手綱引き背後に僅か振り向き様、怒鳴り付ける。
「二人じゃ重すぎる!」
ディンダーデンがその返答のように馬の腹を咄嗟蹴り、馬は駆け出し、スフォルツァは
「糞!」
と怒鳴り手綱を固く握ると、横を続々歩く死体のその向かう先を睨み付け、ディンダーデンを乗せたまま先を突っ走るローランデとラフォーレンの後を追い、馳せた。
そしてテテュスに声にならない心話で促す。
「前に移る!」
走る馬上で…?
テテュスはそう、問おうとし既にレイファスが背後で、鞍の上に立ち上がるのを感じた。
テテュスは身を思い切り横に倒す。
レイファスがすとん!と自分を乗り越え様鞍の上に尻を落とすのを感じ、身を起こす。
瞬間レイファスが光り、同時に神聖神殿隊の長、アースラフテスがその上に、浮かび上がるのを見た。
“回路に負担かけるが、致し方ない!”
アースラフテスはそう叫ぶなり、シェイルの背近くに光を放つ。
途端、何も無い筈の空間から
“ぎゃあっ!”
と叫びが轟く。
その一瞬浮かび上がり消え行く真っ青な姿を目に、テテュスが呻く。
「アギラス…?太古の魔の?」
…青の鱗粉に包んだその獲物を、自分のものとする。
包まれたその者は心迄も奪い取られ、その身はアギラスの奴隷と化す。
そう、思い描いた途端再び、抱きとめたレイファスの上空に浮かび上がるアースラフテスが、駆け行くシェイルの背後横の空間に攻撃を仕掛ける。
“ぎゃあっ!”
その、攻撃を受けた真っ青な魔が姿を見せるのはたった一瞬。
止めを刺されまいと、直ぐ消え行くのが伺えた。
腕に抱くレイファスはぐったりとしている。
今やアースラフテスは、レイファスの意識を全て乗っ取り同化して、アギラスからシェイルを守っていた。
テテュスは手綱を固く握る。
レイファスの腰に腕を回し抱き止め、拍車かけシェイルを抜き先頭に躍り出ようとした。
動揺するシェイルに代わり、道を、指し示す為に。
横を通り過ぎ様シェイルは意識無い、アシュアークを抱いたまま、不安そうな瞳を向ける。
テテュスは励ますように、その瞳をしっかり見つめ、頷く。
シェイルが少し、ほっとした表情でテテュスに、頷き返す。
が途端、シェイルの真横でまた…!
アースラフテスの放つ閃光で一瞬その青い姿を浮かび上がらせ、アギラスは呻く。
“ぎゃっ!糞…!”
呪いの言葉を、レイファスに乗り移るアースラフテスに投げ、その真っ青な魔は再び空間に姿を消し行く。
「マズ過ぎる!」
アイリスの怒鳴り声に、ディンダーデンは壁に這う葉陰に備え付けられた、木の円形の回しに両手かけ、回そうと力込めて唸る。
「ヴ…」
スフォルツァが、そしてラフォーレンもがディンダーデンの手に自分の手添え、一緒に力込め、その回しで開く、からくり扉を、開けようと試みる。
ローランデはアイリスを見つめる。
アイリスは上空を、睨んでいた。
がそっ…と視線をローランデに向け、微笑む。
「私は多分ここから出られない」
「!どうして…!」
ローランデの問いにそれでもアイリスは微笑んだまま。
「私はこの壮大な幻想の到達地点だ。
私に辿り着く事で皆は幻影との融合が解かれる」
ずっ…!
その苔むした木の回しが少しずつ動き出し、同時に木の壁と同化した扉が、僅かに上に持ち上がる。
今や、ディンダーデン、スフォルツァ、ラフォーレンそして…ローランデの瞳にも浮かび上がっていた。
戦場でオーガスタスとディングレーが深手負い、周囲を敵に、囲まれ行く様が。
「糞!」
スフォルツァが怒鳴り、ギッ!と音がし更に、その隠し戸は上に持ち上がる。
小柄な人間なら身を屈め、通れる高さ。
ローランデがアイリスを見る。
アイリスが頷き、ローランデは頷き返すとその戸に身を屈め突っ込み、滑り行き扉のその向こうに姿を、消す。
ラフォーレンが怒鳴る。
「あとちょい!」
ぎぎっ!
更に上に持ち上がるその隙間、ラフォーレンはその場離れ突っ込み、滑り込んでその向こうに身を消す。
スフォルツァとディンダーデンは同時にがくん!ともう一押しして戸を持ち上げると、スフォルツァがさっ!と身を翻し扉の向こうに滑り込む。
ディンダーデンは行こうとし…が、振り向く。
その場に立つアイリスを見つめ、肩を竦めた。
が、アイリスはディンダーデンを睨めつける。
「残ってどうする?!」
「…俺が居ると、タナデルンタスの呪文が使える。
それでこれだけの世界を作る、「夢の傀儡靴王」の裏をかけるとは思え無いが…」
アイリスは冷静に告げる。
「ワーキュラスが居る。
彼が提示するものを、私が解釈し奴のからくりを解明する。
瞑想状態に成るから、居ても退屈なだけだぞ?」
ディンダーデンはこんな事態でも落ち着き払ったアイリスに少し、腹を立てた。
「居場所を教えとけ!どこに居るかくらい…」
「君の…タナデルンタスの部屋に居る」
ディンダーデンはそう告げるアイリスに一つ、頷くとじっ…とアイリスを見つめ背を向け…行きかけて振り向き、咄嗟に戻りアイリスの顔に被さり、その唇を素早く奪って顔を上げ微笑い、一瞬で背を向け身を屈め潜戸の向こうに姿を、消し去った。
ギデオンはぞっ…とした。
風が長い髪を巻き上げる。
その、下。
道等あるとは思えない、凄まじい高さの崖。
急勾配の岩場。
戦場に続く草原は、遙か眼下。
ディアヴォロスは躊躇なく瞬時に駆け下り、小さく成る馬とその背に、ギデオンは遮二無二勇気震い立たせ、拍車かけ、ままよ!と後を追う。
ディアヴォロスにはこの崖を、駆け降りたその先の戦場しか、念頭に無い。
下を周囲を、まるで見ず馬と一体化し、凄まじい速さで手綱繰(く)る。
後を追うギデオンは、必死で昇って来る恐怖と戦う。
馬が足を取られれば、一瞬で共に岩場に叩きつけられたまま崖下へ。
岩に打ち付けられながら転がり落ち、曝す死体は打撲で潰れ、その原型すら止めるかどうか。
だから…先を下りみるみる遠ざかる、ディアヴォロスの背だけに“気”を向けていた。
気づけば、ギデオンはディアヴォロスに同化していた。
彼のように…自分も!
逆さに真っ直ぐ落ち行く恐怖は消え、道筋がハッキリと目に浮かぶ。
左の岩を避け右。横。
馬は自分の“目”を頼りに、凄まじい速さで障害物を避け駆け抜けて行く。
下は見ない。
ほんの少し先。
岩や石を避け岩場を、降りる事だけに集中する。
崖半ば。
恐怖は消え去り、ギデオンには自分が無事ここを抜けられる事が、確信出来た。
スフォルツァはローランデが、ラフォーレンもが、手近な馬の手綱掴み跨り、戦場のその向こうに、駆けて行く様に慌てて馬を探す。
周囲には死体がごろごろしてるが続々と起き上がり、自分を振り向きもせず遥か先へと歩き始める。
やっと見つけた馬の手綱引き、鐙に足を掛けた途端、ディンダーデンが横に居るのに気づく。
馬に跨がった途端、背後、同時に乗り上げたディンダーデンの腕が腰に回り来るのが視界に飛び込む。
手綱引き背後に僅か振り向き様、怒鳴り付ける。
「二人じゃ重すぎる!」
ディンダーデンがその返答のように馬の腹を咄嗟蹴り、馬は駆け出し、スフォルツァは
「糞!」
と怒鳴り手綱を固く握ると、横を続々歩く死体のその向かう先を睨み付け、ディンダーデンを乗せたまま先を突っ走るローランデとラフォーレンの後を追い、馳せた。
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