280 / 389
第七章『過去の幻影の大戦』
強力な助っ人
しおりを挟む
かっっっっ!
放つ、寸前に光る。
レイファスははっ!として横の、テテュスを見た。
がテテュスも、自分を見ている。
「今の…!」
「君が放ったのか?」
問われレイファスは首を横に、振る。
「悪いな!
オーガスタスを君が、助けたかったか?」
声が頭上からし、レイファスもテテュスも上空を、仰ぎ見た。
テテュスとレイファスは、思わず声を、揃えた。
「アーチェラス!」
ギュンターもディングレーも…アシュアークでさえ、敵と剣を合わせながら上空を、見上げた。
白の…神聖騎士の隊服が光に包まれ、眩しく神々しく輝く。
アーチェラスは上空で止まり、飛来する飛び魔(イレギュレダ)を、見据える。
真っ直ぐ手を前に伸ばす。
ばっっっっ!
眩い光がその手から放射され、途端先頭五体の飛び魔(イレギュレダ)が意識を無くし地に、落ちて行った。
ギャアアァァァァァァ!
がその後ろ、二十体程の飛び魔(イレギュレダ)の群れの頭上に、一際大きな竜が、姿を見せる。
飛び魔(イレギュレダ)を三体集めた程の大きさで、黒い鱗に包まれ、目は真っ赤に光り、裂けた赤い口から涎を垂らし、地上の肉のご馳走を、上空から伺い見る。
アシュアークは背後からの殺気に、剣を合わせようとし、が息切れと脇の痛みに剣を、振り遅れた。
「(糞!また傷か!!!)」
がちっ!
その音に目を、見開く。
背が、あった。
見慣れた…。
「…アルファロイス…叔父様…!」
ざしっ!
敵を切り倒し、彼は振り向く。
「珍しいな!
小僧っ子が、傷作るなんて!」
アシュアークは微笑う、叔父である右将軍を見て呟く。
「百人力だ………!」
アルファロイスは年若い甥の言葉に笑い、背後に叫ぶ。
「大公!敵は俺が斬る!
ディアヴォロスが必死でこちらに向かってる!
だから貴方が回路を支えてくれと!『光の国』の光竜から言付かった。
…まだ、神聖騎士が来るらしい!」
エルベスはテテュスの横に付き、傷を押さえ囁く。
「…有難い…。
結構、ずしり!と来るから、戦ってる最中だと堪える」
アシュアークは暫く、突然現れた叔父の、戦いぶりに見惚れた。
剣を合わせ、直ぐ外しざっっっ!と短く振って横から来る男を何気に斬り、また正面向いて振って来る剣を頭を横に避け様、腹を突く。
どの剣も、振りが短く早く、彼が前へ進む毎に敵が血を吹き、倒れ行く。
「…まだ全然、本気じゃない…………!」
雑魚を交わすように首を上体を、振りながら短く剣を振り、敵はどんどん倒れ行く。
「いいから、少し休んでろ!」
言われてアシュアークは下げた、剣を見る。
「出来るか!」
行って敵を見つけ身を下げ、再び突っ込んで行った。
「…そんなに、多いか?」
アーチェラスは横に現れた、ムアールに正面を促す。
ムアールはそのデカイ竜に、口を閉ざす。
「太古に滅びた、セロールか?」
「…仲間が大好物なのにな…。
人間じゃおやつにしか出来ないデカさだ」
が、ムアールはその遥か上空から地を見下ろす。
「狂凶大猿(エンドス)がまた、来てる」
「地を、頼む」
が、ムアールが地に降りようとしたその時、頭の中で声。
「降りなくていい。
こっちは私が引き受ける」
ムアールとアーチェラスは顔を見合わす。
アーチェラスは迫り来る飛び魔(イレギュレダ)の群れに光弾ぶつけながら、返答する。
「…ホールーン。君迄来て、大公は大丈夫か?」
「「右の王家」のアルファロイスは、居るだけで回路を強化する。
だから私くらいなら大丈夫だそうだ」
ムアールはやれやれ。と吐息吐いた。
「じゃ、ドロレスとエイリルは今頃さぞかしむくれてるな」
ホールーンはあくまで冷静な、声で告げた。
「ドロレスには脅され、エイリルには怒鳴られた」
そしてホールーンはテテュスとエルベス大公の、横に現れ、囁く。
「『影』は私達が引き受ける。
が、戦う皆に全て“気”が配れる訳じゃない。
時々、助けてくれ」
テテュスは微笑んで頷き、レイファスは承知した。
と真顔をホールーンに、向ける。
ホールーンはつい、二人をじっ…と見た。
レイファスはディングレーの元に、狂凶大猿(エンドス)が迫るのを見つける。
がホールーンは二人を見つめたまま囁く。
「…ワーキュラス殿も何て無茶を…。
君達、あんなに可愛かったのにこんなに大きく、成ってしまって…」
狂凶大猿(エンドス)が屈み、ディングレーは剣を構え、毛むくじゃらの腕を伸ばす、狂凶大猿(エンドス)のその腕を斬ろう。と待ち構える。
レイファスが、叫ぼうと口を開けたその時、ホールーンはそっちを見もしないでテテュスとレイファスの変わり果てた(?)姿をじっ…と見たまま手を、振り上げ、手首をくるり…!と回す。
途端狂凶大猿(エンドス)は、いきなり宙に浮いてくるり…と回転し、どすん!と頭から、地に落ちた。
ディングレーは地に頭がめり込むその巨体が、巨木のように倒れ来るのに、下敷きに成るまいと慌てて、走ってた。
レイファスは呆けてホールーンを、見る。
「まだ…大丈夫だ。
ぽつり、ぼつりしか来てないから」
レイファスは、それでも…!と呆れ、テテュスは素直に微笑む。
その時ようやくホールーンが、笑った。
「…何だ。
ナリは大きくても、性格はそのままか…!」
その微笑があんまり嬉しそうで、安堵した様子で、思わずテテュスとレイファスは顔を、見合わせた。
「…一番大人になって変わったファントレイユが、ここに居ないのが、ホールーンの救いだな…!」
レイファスが言うと、テテュスは同感だ。と大きく、頷いた。
放つ、寸前に光る。
レイファスははっ!として横の、テテュスを見た。
がテテュスも、自分を見ている。
「今の…!」
「君が放ったのか?」
問われレイファスは首を横に、振る。
「悪いな!
オーガスタスを君が、助けたかったか?」
声が頭上からし、レイファスもテテュスも上空を、仰ぎ見た。
テテュスとレイファスは、思わず声を、揃えた。
「アーチェラス!」
ギュンターもディングレーも…アシュアークでさえ、敵と剣を合わせながら上空を、見上げた。
白の…神聖騎士の隊服が光に包まれ、眩しく神々しく輝く。
アーチェラスは上空で止まり、飛来する飛び魔(イレギュレダ)を、見据える。
真っ直ぐ手を前に伸ばす。
ばっっっっ!
眩い光がその手から放射され、途端先頭五体の飛び魔(イレギュレダ)が意識を無くし地に、落ちて行った。
ギャアアァァァァァァ!
がその後ろ、二十体程の飛び魔(イレギュレダ)の群れの頭上に、一際大きな竜が、姿を見せる。
飛び魔(イレギュレダ)を三体集めた程の大きさで、黒い鱗に包まれ、目は真っ赤に光り、裂けた赤い口から涎を垂らし、地上の肉のご馳走を、上空から伺い見る。
アシュアークは背後からの殺気に、剣を合わせようとし、が息切れと脇の痛みに剣を、振り遅れた。
「(糞!また傷か!!!)」
がちっ!
その音に目を、見開く。
背が、あった。
見慣れた…。
「…アルファロイス…叔父様…!」
ざしっ!
敵を切り倒し、彼は振り向く。
「珍しいな!
小僧っ子が、傷作るなんて!」
アシュアークは微笑う、叔父である右将軍を見て呟く。
「百人力だ………!」
アルファロイスは年若い甥の言葉に笑い、背後に叫ぶ。
「大公!敵は俺が斬る!
ディアヴォロスが必死でこちらに向かってる!
だから貴方が回路を支えてくれと!『光の国』の光竜から言付かった。
…まだ、神聖騎士が来るらしい!」
エルベスはテテュスの横に付き、傷を押さえ囁く。
「…有難い…。
結構、ずしり!と来るから、戦ってる最中だと堪える」
アシュアークは暫く、突然現れた叔父の、戦いぶりに見惚れた。
剣を合わせ、直ぐ外しざっっっ!と短く振って横から来る男を何気に斬り、また正面向いて振って来る剣を頭を横に避け様、腹を突く。
どの剣も、振りが短く早く、彼が前へ進む毎に敵が血を吹き、倒れ行く。
「…まだ全然、本気じゃない…………!」
雑魚を交わすように首を上体を、振りながら短く剣を振り、敵はどんどん倒れ行く。
「いいから、少し休んでろ!」
言われてアシュアークは下げた、剣を見る。
「出来るか!」
行って敵を見つけ身を下げ、再び突っ込んで行った。
「…そんなに、多いか?」
アーチェラスは横に現れた、ムアールに正面を促す。
ムアールはそのデカイ竜に、口を閉ざす。
「太古に滅びた、セロールか?」
「…仲間が大好物なのにな…。
人間じゃおやつにしか出来ないデカさだ」
が、ムアールはその遥か上空から地を見下ろす。
「狂凶大猿(エンドス)がまた、来てる」
「地を、頼む」
が、ムアールが地に降りようとしたその時、頭の中で声。
「降りなくていい。
こっちは私が引き受ける」
ムアールとアーチェラスは顔を見合わす。
アーチェラスは迫り来る飛び魔(イレギュレダ)の群れに光弾ぶつけながら、返答する。
「…ホールーン。君迄来て、大公は大丈夫か?」
「「右の王家」のアルファロイスは、居るだけで回路を強化する。
だから私くらいなら大丈夫だそうだ」
ムアールはやれやれ。と吐息吐いた。
「じゃ、ドロレスとエイリルは今頃さぞかしむくれてるな」
ホールーンはあくまで冷静な、声で告げた。
「ドロレスには脅され、エイリルには怒鳴られた」
そしてホールーンはテテュスとエルベス大公の、横に現れ、囁く。
「『影』は私達が引き受ける。
が、戦う皆に全て“気”が配れる訳じゃない。
時々、助けてくれ」
テテュスは微笑んで頷き、レイファスは承知した。
と真顔をホールーンに、向ける。
ホールーンはつい、二人をじっ…と見た。
レイファスはディングレーの元に、狂凶大猿(エンドス)が迫るのを見つける。
がホールーンは二人を見つめたまま囁く。
「…ワーキュラス殿も何て無茶を…。
君達、あんなに可愛かったのにこんなに大きく、成ってしまって…」
狂凶大猿(エンドス)が屈み、ディングレーは剣を構え、毛むくじゃらの腕を伸ばす、狂凶大猿(エンドス)のその腕を斬ろう。と待ち構える。
レイファスが、叫ぼうと口を開けたその時、ホールーンはそっちを見もしないでテテュスとレイファスの変わり果てた(?)姿をじっ…と見たまま手を、振り上げ、手首をくるり…!と回す。
途端狂凶大猿(エンドス)は、いきなり宙に浮いてくるり…と回転し、どすん!と頭から、地に落ちた。
ディングレーは地に頭がめり込むその巨体が、巨木のように倒れ来るのに、下敷きに成るまいと慌てて、走ってた。
レイファスは呆けてホールーンを、見る。
「まだ…大丈夫だ。
ぽつり、ぼつりしか来てないから」
レイファスは、それでも…!と呆れ、テテュスは素直に微笑む。
その時ようやくホールーンが、笑った。
「…何だ。
ナリは大きくても、性格はそのままか…!」
その微笑があんまり嬉しそうで、安堵した様子で、思わずテテュスとレイファスは顔を、見合わせた。
「…一番大人になって変わったファントレイユが、ここに居ないのが、ホールーンの救いだな…!」
レイファスが言うと、テテュスは同感だ。と大きく、頷いた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

最初からここに私の居場所はなかった
kana
恋愛
死なないために媚びても駄目だった。
死なないために努力しても認められなかった。
死なないためにどんなに辛くても笑顔でいても無駄だった。
死なないために何をされても怒らなかったのに⋯⋯
だったら⋯⋯もう誰にも媚びる必要も、気を使う必要もないでしょう?
だから虚しい希望は捨てて生きるための準備を始めた。
二度目は、自分らしく生きると決めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
いつも稚拙な小説を読んでいただきありがとうございます。
私ごとですが、この度レジーナブックス様より『後悔している言われても⋯⋯ねえ?今さらですよ?』が1月31日頃に書籍化されることになりました~
これも読んでくださった皆様のおかげです。m(_ _)m
これからも皆様に楽しんでいただける作品をお届けできるように頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします(>人<;)
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる