アースルーリンドの騎士 幼い頃

あーす。

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第七章『過去の幻影の大戦』

洞窟での攻防

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 ゼイブンは揺れる馬上で気がつく。
手は手綱を握り、横にローフィスの気配。

いつか、ローフィスと一緒の旅の時、馬上で居眠りしてた時を彷彿とさせ…慌てて顔を上げ周囲を見回す。

既に洞窟の外で、両側に石が聳え立つ岩山を、登ってる最中だった。

横を見るとローフィスが、真っ直ぐの青の瞳で見据える。
「雨は上がってるが、足下は滑る」

ゼイブンは濡れた平らな岩道を見つめる。
そして…自分が明け渡した途端、アースラフテスの明るい輝きと呟きに意識を奪われ…気絶したように眠りに付いたのを思い出す。

が、目前の景色を見つめ、呆然とする。
「…結局、ここに出るしか道が無かったのか…?!」

怒鳴り、隣に速度を緩め、滑る岩山を登る馬を繰る、ローフィスの横顔を見つめる。

外の薄曇りの空の中、ローフィスの空色に近い瞳は、くっきりとした青に浮かび上がる。

前を向いたまま、右手に手綱。左手を痛む脇に添えて呟く。
「…他に方法が、あったか…?!」

ゼイブンが、下を向く。
「…………………………………」

そして…少し高い石の段差を上がると…自分達の時代と同じ光景が目前に広がる。

周囲の岩壁は姿を消し、吹きっ曝しの風に髪を嬲り舞い上げられ、その高台の、下った先に続く岩道はどんどんと狭く、右側にほぼ垂直の崖が聳え立つ。

左は深い谷間の断崖絶壁。
広大なグレーの、雲に覆われた空の下、高い崖と深い渓谷の壮大な景色が目前に広がり、ゼイブンはそれを睨め付けた。

崖に沿った道は曇り空の中、肌色でやけに明るく目に飛び込み、だかその道はどんどんと狭くなり、蛇行し先に続く。

この難所は途中、馬を下りねば無理だった。
他の奴らなら、尻込みして首を横に振って言うに違いない。
「無理だ!」

馬一頭、やっと通れる道幅。
足を滑らせたら、左横三十メートル下の深い渓谷の突き出た岩に、その身を砕かれ死ぬ。

神聖神殿隊付き連隊騎士とてここで馬を降り、来た道を戻れと馬の尻を叩いて解き放ち、自らは徒歩でこの細い、心許ない道を進む。
崖道を抜けて直ぐの宿屋で、新しい馬を調達するのが定石。

が、この時代にそんな宿屋が在る筈も無い。
つまり…馬を捨てればこの先はずっと、徒歩に成る。

チラ…!と横のローフィスを見る。
彼が元気なら、その方法でも何とかなる。

崖道を通った後、どこかで馬を調達し…旅を続けられた。
が………。

横に並び進む、馬の震動で苦しげな、ローフィスの歯を食い縛り痛みと戦う横顔に、内心吐息が漏れる。

ゼイブンは細く延々と雄大な景色の中に続く、崖道を見つめた。
この時代には飛び魔(イレギュレダ)が居る。

幾ら、『光の里』の助力があろうが…崖を行く途中襲われ、バランスを崩し崖下に落ちればそれ迄だ。

ローフィスに振り向くと、告げる。
「…どう思う?
ここを避けるには、もう一つの道を行くしかない。
確かに俺達の時代だと、最危険指定地区だが…。
この時代でも危険だと、思うか?」

ローフィスはもう、その選択しか無い。と言うように、ゼイブンにようやく振り向いた。
「『光の里』の光の力がダイレクトに援護してくれる上に、イザと成ればまたアースラフテスが来てくれる。
崖道を避ける、もう一つの道を選ぶしか無いだろう?」

ゼイブンは少し、ほっと。とする。
ローフィスと一緒の時、いつも彼を頼って来た。

だから…彼の指示と判断につい、安堵感を覚える。
「だな」

笑うと、ローフィスは前をすっ。と見て呟く。
「…笑ってろ。出来るなら。
お前にど・シリアスな表情(かお)されると調子狂うぜ………」

ぼやく、ローフィスを見る。
「どう狂う?」

ローフィスはまだ目前に顔を残し、が振り向くと自分こそ真剣そのものの浮かび上がるくっきりとした青の瞳を向け、告げた。
「お前が真面目な顔だと、突出した美男に見えて調子狂う」

が、ゼイブンはまだ緊張を解かなかった。
「…お前もな」

言って、きつく引き締まる表情の、ローフィスの整う顔が普段と違い、ひどく男らしく見える様子を示す。

が、ローフィスはふい…。と顔を前に向け手綱を繰って、目前の道の左へと馬を、促した。
ゼイブンも、無言で続く。

脇の岩道を、少し下る。
ゼイブンは真剣な表情を、崩さない。

崖の、中の洞窟を進むもう一つの道は、入り口は広く、中は広い。
が丸っと平坦で無い上に途中途切れ、突然床が陥没したように無くなっていて、段差を降り、また登る難所があり更に…。

彼らの時代は最も濃い“影"が出没する場所で、忍び寄る“影"に気づかなければ気が狂って仲間を殺し、そして一人だと自分で自分に刃を突き立て、事切れる恐ろしい場所だった。

生きて戻った者はおよそ、居ない。
そう噂されるこの崖中の洞窟を皆が避け…崖横の細い道を、多くが選びその中の幾人かは足を滑らせ、息絶えた。

がそれでも…この、崖中の道よりはマシ。
そう…思われている場所で、ゼイブンとローフィスですら、不案内な場所だった。

ゼイブンは大きな岩の、亀裂のような入り口を抜け、暗い洞窟に馬を促すと、小声で呪文を唱え、光の結界を自分とローフィスの周囲に張り巡らす。

ローフィスも周囲に、耳を研ぎ澄まし鋭い視線を送る。
中は…旅慣れた彼らなら、乾いていたし飛ばす事も出来る位、広く平坦な道だった。

が二人は現れる魔を、待ち構えるように周囲の気配に気を尖らす。
少し進み呪文の光で先の道が蛇行しながらそれでも続く様を見、ゼイブンがローフィスを見る。

ローフィスも同時にゼイブンに振り向き、同時だった。

二騎が一気に、駆け出したのは。

かっ!かっかっ!

ゼイブンは光の結界を張る呪文を唱え続け、ローフィスは怪我の痛みを抑える呪文を。

それぞれ唱えながら、天井が頭上高く尖り、横に広がる暗い洞窟を駆け抜けて行く。

かっ!かっ!かっ!

表の崖横の道の距離を二人は、知り尽くしていたから、直ぐに自分達がその三分の一迄進んだ。と知った。

がこのままこの快進撃が、続くとは思えない。
直、厄介な難所に出る筈だ。

ゼイブンは目前を睨む。
彼はここで、二人の旅の連れに殺されかけた。

がゼイブンが刃物で無く、呪文で応対すると二人は突然互いを切り殺し合う。

生き残った一人は結局、自身に刃を突き立て事切れた。

ゼイブンはと言えば霞む意識の中、剣の柄に手を添えようとする自分を必死に抑え、代わりに神聖神殿隊の護符を握りしめて正気を保つ呪文を唱えながら、何とか洞窟を、抜け出した。

洞窟を出た所で倒れていたと、木こりに助けられ、その後水桶の水鏡で自分の顔を見たがげっそりと頬が削げ、真っ青な、幽霊のような容貌に変わっていて、自分のその姿に心底ぎよっとした。

神聖神殿に駆け込み、そこで何とか生気を取り戻し、容貌は戻った。
ものの、神聖神殿隊の男に言われた。
「生気をごっそり、吸われてる。
もう少し長く居たら、剣で自分を斬りつけなくても死んでいた」

ゼイブンはまだ、“気”を込め呪文を唱え続け、馬を急かした。
『光の里』の援護でその周囲の光の結界は、普段自分が造り出す、何倍も明るかったから、心底ほっとしながら。

 ローフィスはこの洞窟を通ると、言って聞かない旅人九人と、行動を共にした。
女性も一人居た。

が彼らの一人は突然剣を抜くと仲間を斬り殺し、逃げ惑う仲間を追いかけ回り、が次第に…次々と、剣を抜き殺しに参加する狂人は増え…ローフィスは唯一の女性を背に回し、庇ったがとうとう…その女性に、背後から短剣で斬りつけられた。

傷は浅かったがまだ、その傷跡はうっすらと残ってる。
とっくに癒えた古傷だったが、駆ける度にその時の、刃を喰らった痛みがずきり…!と鋭い痛みを伴うように、蘇る。

ぞっとする、魔女に変わっていた。
若い彼女の綺麗な容貌が。

皺で覆われ、真っ青。そして髪を振り乱し…。
あの顔は思い出すと、身が未だ震った。

神聖呪文で光をぶつけた途端、凄まじい悲鳴を上げて倒れ…そのまま事切れた。

他の狂人達も自分を追って来た。
呪文をぶつけると皆同じ。

が…洞窟の出口間近。
呪文を唱えようにも、自分の“気”も漲らず、結果最後…短剣を放ち最後に追い縋る、相手を殺した。

殺した途端、ぞっとする悪寒が身を包み鳥肌立ち、自分の身にまとわりつく、にやにやと笑う悪意の塊の、ぞっとする何かにのし掛かられ、ローフィスは必死でそれを振り払うように護符を握りしめて、神聖神殿の加護を祈った。

…出口迄、辿り着けたのは奇跡に近い。
そう自分でも思った。

身がからからに干からびて、力なんかまるで出なくて、外の陽を拝んだ途端、気絶してぶっ倒れた。

「………!」
「!」

ローフィスも手綱を引いたが、ゼイブンも同様。

二頭の馬はいきなり止められ、前足を跳ね上げる。
ゼイブンもローフィスもいななく馬の背でそれでもバランスを保ち、顔は正面を、見つめたまま。

目前から、群れ成して押し寄せて来たのは狂気の悪霊で無く、夜盗の群れだった。

「っ!」
ゼイブンは髪を振って、ローフィスを見る。

ローフィスは左脇を押さえたまま、松明を手に洞窟の岩を這うように進み、群れ来る盗賊達を睨め付けていた。

ぐっ。と痛む左脇を手で押さえ込み、叫ぶ。
「幾ら、貰った!
俺ならその、倍は払うぞ!!!」

ローフィスの、肝の据わった声は暗い洞窟内に、響き渡る。
先頭の、いかにも体のデカい長は、にやり…!と笑う。

「黄金を俺の背丈分一山!
お前に、それだけが払えるか?!」

ゼイブンは横のローフィスを見、呟く。
「呪文を、唱えてみるか?」

ローフィスは首を横に、振った。
「無駄だ…。
“影"の攻撃は効かぬと奴らは判断し…人間を雇ってる」

ゼイブンは歯を食い縛る。
そして続々と奥から押し寄せる、賊の群れに目を向け、囁く。

「…どうする。
六十人は居そうだぜ…」

ローフィスは暫く沈黙し、それでもどんどん近づいて来る賊達が、ぎらりと銀の、松明の灯りで光る刃物を手に、仕留めようと歩を進めるのを目にすると、左手を脇から外し、懐を探る。

森の中の宿屋で、ありったけの短剣を集めた。
がその数は、知れてる。

ゼイブンは手持ちの短剣の数に舌打った。
いきり立つ馬をなだめ、前に迫り出すのを引き留め、呻く。
「アースラフテスに出て貰い、人外の力でカタ付けて貰うか?」

ローフィスが唸った。
「“魔”相手の神聖呪文じゃないんだ。
お前の身で彼(アースラフテス)が、そんな能力使えるか?」

ゼイブンは唇を噛む。
だがその通りだった。

人外の力を使う。と成れば、余程融合して無いと…ゼイブンも、ディアヴォロスの二の舞に成る。

ひ弱な男が、自分の許容量を超えて暴れまくって半端なく重い物を持ち上げたりしたら…その後壮絶な筋肉痛が待ってるが、それよりもっと過酷だ。

そう神聖神殿隊の男に、聞いた事を思い出す。
が…………。

自分はどうなってもいい。
ローフィスさえ…ディアヴォロスの元に、辿り着けば。

そう…覚悟をどこかで、決めねばならぬ程の、賊の数の多さ。
「ったく。
どうしても行かせたくない時、やたら数を投入するよな!」

ぼやくと、ローフィスも短剣をすっ!と一番先頭に進み来る男に投げ付け、呻く。
「ギュンターかディングレーなら、喜んで暴れたろうにな!」

どすっ!
胸に刺さるなり、賊は崩れ落ちて地に伏し、周囲の賊達はぎょっ!として歩を止め、倒れる男を見つめる。

「野郎…!」

ゼイブンは苦く笑った。
「ディンダーデンも当然、そうだろうよ!」
シュッ!
どすっ!

二人目の男が倒れるやいなや、賊達は殺気を漲らせ、叫ぶ。
「たった二人だ!
殺っちまえ!」

ぅおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!


ざっ!
ゼイブンは短剣の入った革袋をローフィスに、放る。なり、剣を抜く。
ちゃっ!

ローフィスは革袋を受け取り、やれやれ。と顔を下げる。
ゼイブンは馬の鞍から滑り降りると、ローフィスに怒鳴る。
「馬から絶対、降りるな!
いざと成れば俺を置いて、突っ走れ!」

ローフィスはそのまま、馬をその場に置いて群れ来る盗賊に剣を握り、突っ込んで行くゼイブンの背に怒鳴る。
「お前絶対、ゼイブンじゃないぞ!」

が、真っ直ぐ突っ込むゼイブンの背が遠ざかるのについ、左脇腹を思い切り押さえ、呪文を唱えた。
「アッカデ・ラ。
ラスカンテス!」

ローフィスの胸から、一気に光の炎の火柱が、ゼイブンの横を走り抜けて盗賊達に届く。

暗かったから、いきなり飛んでくる光の火柱の眩しさに、盗賊達は目をしばたかせ、ある者はしっかり目を、閉じた。

どんっ!
火柱は身を屈める賊の間を抜け岩肌にぶつかり、衝撃にずん…!と洞窟が、揺れた。

がゼイブンはローフィスに振り向く。
『こんな“気”を使う高等呪文を、あの体で放つなんて大概無茶だ!』

振り向くゼイブンの見開かれた瞳がそう、語る。
ローフィスは身を屈める盗賊達を見ながらゼイブンの馬を引き、怒鳴る。
「乗れ!ゼイブン!
ぶっ倒れる迄これを続けるしかない!」

「!俺は唱え損なうと、知ってる筈だ!」
がローフィスはじっ…と馬上からゼイブンを見つめ、ゼイブンの横にゼイブンの馬を導き、乗れ。と瞳で示す。

が、ゼイブンは馬に乗らず、ローフィスを見据え怒鳴る。
「ぶっ倒れるのはお前だけで…俺は…!」
「だからお前が俺を、置いて行け!」

ローフィスは………微笑っていた。
ゼイブンは、冗談じゃない。と顔を揺らす。
「幾ら俺が俺らしからぬ事をしようが…」
「いいからとっとと乗れ!
しゃべってる間に奴らが来ちまうぞ!!!」

が、ゼイブンはローフィスを睨む。
が素早く鐙(あぶみ)に足を掛け、馬の背に乗り込もうと身を、上げた時気づく。

近くで見るローフィスの顔の、油汗に。
後、一回でもヤバそうだ…。

ゼイブンはチラ…と、起き上がり、再び刃物を持ち、こちらに向かい来る賊達を見た。

そして、乗り上げた身を戻す。
「…いいから、もう少し控えめなのをブチかまして、奴らの中央を駆け抜けろ!」

ローフィスを見据え、ゼイブンは告げるがローフィスは力なく囁く。
「…だから…無理だ。
直意識を無くし、馬の背から俺は落ちる」

ゼイブンはローフィスの、気力で必死に自分を保つ、苦しげな表情を見つめる。
がローフィスは…震える声で苦しげに尚も、言った。
「…お前がディアヴォロスの元に辿り着かないと、援軍はシェイルの元に届かない」

「……………………」
ゼイブンは眉を寄せて首を、横に振る。

策は無かった。何一つ。
が機会をローフィスに、与えたかった。
どんな、僅かな機会だろうが。

ゼイブンは振り向くと、剣の柄を握り向かい来る賊に、走り寄った。
ローフィスが咄嗟に叫ぶ。
「!
無駄は寄せ!」

がゼイブンは怒鳴った。
「相手は戦い慣れた、騎士じゃない!」
ローフィスも怒鳴り返す。
「だが殺し慣れた、卑劣な賊共だぞ?!」

ざっ!
弧を描き、先頭切って突っ込んで来る敵に剣を振る。

剣が腹を掠め、賊はぎょっとして後ろに跳ね飛ぶ。
次に突っ込んで来る敵に、ゼイブンは足でその腹を蹴り倒す。
が直ぐ、左、真後ろに続々と賊が群れ来る。

ざっ!
どんっ!
真横に、滑り込もうとした敵がいきなり目前で倒れ伏す。

ゼイブンは、助かった。とばかりローフィスに振り向こうとし、その横に騎士が…しかも見たような髪色の、見たような…顔の騎士が…。
隣でいきなり賊相手に剣を振っているのが視界に入り、ぎょっとした。

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