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第六章『光の里での休養』
癒しの時
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夜の帳が降りて、窓の外を真っ暗に塗り潰す。
テテュスも、レイファスもファントレイユも、突然空間から現れた一団が皆に散らばり、その傷の具合を有無を言わさず確かめるのを、呆けて見つめた。
彼らは一様に背が高く美形で、そして真っ白な肌をしていた。
皆は無言で診察相手に夜着をはだけるよう促し、皆は次々に傷を曝す。
ラフォーレンはディングレーの背に、溝の出来た斜めに深く切れ込む刀傷を見、つい一瞬体が揺れたし、スフォルツァはアイリスの左肩から胸にかけての、深く抉れた傷が肉を覗かせる様子に、眉を寄せた。
テテュスはその傷に動揺して顔を真っ青に染め、がアイリスは愛息に向かって青い顔で微笑む。
ファントレイユは『光の民』の癒し手が、ゼイブンの左腕に手を添え癒えかけた傷を曝すその腕を、折り曲げては具合を確かめる様子を目にした。
そしてゼイブンが『光の民』の癒し手に真っ直ぐ見つめられ、それが合図のように左の指を五本次々に、折り曲げて見せ、癒し手は頷く。
レイファスはオーガスタスを見たが、ミラーレスはオーガスタスの前に立つと、二人は瞬間、その空間からかき消えた。
シェイルが自分の矢傷もそこそこで、ローフィスに視線を送ってる。
ローフィスが夜着をはだけると、その脇腹に…くっきりと深い刀傷から肉が抉れて覗き、思わず叫びそうに成って慌てて口を手で押さえた。
ファントレイユも同様ローフィスの傷を目に、今にも泣きそうに成りながらレイファスにそっとささやく。
「あの傷で…でもローフィスはアイリスを後ろに乗せて“里”に、駆け込んだんだ」
レイファスも震えながら、こっくり。と頷く。
ギュンターはあちこちが赤黒い穴だらけで…癒し手が傷に手を当てるが、途中まだ痛む矢傷に顔をしかめると、癒し手はその手から、放出する光の色を落とした。
くっきりとした黄金色が、薄く淡い黄金(きん)に変わる。
途端、痛みが引く様にほっとするギュンターが吐息を吐き、けど額から、玉の汗が頬に伝い滑った。
ローフィスを気遣うシェイルを、その“里”の癒し手は腕を捕んで振り向かせ、夜着を肩から滑り落とし現れた矢傷に手を当てる。
シェイルは一瞬激しく身を揺らし顔をしかめ、が歯を喰い縛って耐えた。
癒し手はそっとつぶやく。
「痛む程、早く治る」
シェイルは頷き、ささやき返す。
「まだ平気だ」
癒し手は送る光の色の濃さを増し、シェイルは眉間を歪ませ唇をきつく、噛みしめる。
がその顔も肩も、ぶるぶると震っていた。
「…やっぱり…痛むんだね………」
ゼイブンが治療を終えて、そうつぶやくファントレイユの横に戻って来る。
「3日分の痛みが一気に襲い、3日経たないと治らない傷が治ってるからな」
レイファスが、ゼイブンにそっと視線を送る。
「…痛む分は結局同じ?」
ゼイブンは肩を竦める。
「そりゃ…酷い傷は麻痺させて治療してるだろう?
痛みのショックで、死ぬ事もあるから」
レイファスが呆れた様に顔を上げる。
「じゃ麻痺させられたまま治されたら、痛く無いじゃないか」
ゼイブンがレイファスの疑問に、顔を向け唸る。
「ずっと眠ってられるか?
だから連中は治療の一環で、喰って眠らせる。
傷が癒えていくのに、うんと体力を使って、何もしなくても消耗してるからな。
食えば眠く成る。
眠ってる間に傷は癒えていく。
だがそれなりに時間はかかる。
早く癒そうとしたら…どうしても痛みは我慢しないと」
ファントレイユがそっと尋ねる。
「…だって…そんなに急がなくてもいいんでしょう?」
レイファスも続いて問う。
「…ギュンターがまだ、護衛連隊長に成ってないから?」
ゼイブンが吐息を吐いて、二人の子供を見つめる。
「多少痛んでも、傷があるままよりは少しでも癒えた方が、怪我人としては嬉しいもんだ」
ファントレイユとレイファスはつい、お互いを見つめた。
レイファスがそっと言った。
「そんな酷い傷負った事無くて、分かんない」
ゼイブンはレイファスの頭を乱暴に撫でて、唸る。
「そりゃいい事だ。
闇の結界の経験者なのにな!」
レイファスはゼイブンに乱暴に撫で回す手の平の感触に、それでも俯くと頷いた。
「僕が傷付く分、オーガスタスが負ってくれた」
ファントレイユはレイファスが泣き出さないか、そっと顔を覗う。
レイファスはファントレイユの人形の様に綺麗な顔が、心配げに覗くのに気づく。
ファントレイユは結果、優しい…。
そして…顔を上げる。
今だ治療中の仲間を見つめ、吐息を吐くゼイブンの横顔。
ゼイブンも…口は悪いけど、その心根はやっぱりファントレイユ同様、優しかった。
ローランデだけは腕組みして皆の傷を見つめながら、その癒し手の様子に感心していた。
注がれる光の色が揺らぎ濃く成ると途端、ギュンターは歯を喰い縛る。
肩が、ぶるぶると震えていたし、アイリスに至っては顔を、下げていた。
濃い栗毛に顔を埋め、上げない。
ローフィスは一瞬、上げそうになる悲鳴を噛み殺し、髪をばさっ!と振った。
癒し手が途端、放射を止める。
がローフィスは呻いた。
「まだ平気だと…知ってる筈だ」
けど…そう…その癒し手は言おうとしたのだろう…。
が、言葉を飲み込み傷に手を当てる。
ローフィスの額から次第に汗が噴き出し、顔を次々伝い行く。
シェイルが泣き出しそうな目をローフィスに向け…が自分の痛みにくっ!と眉を寄せ、唇を噛んだ。
ばさっ!
ディングレーが手当てを終えて夜着を戻す。
が見ていると、ほっ。と吐息を漏らしていた。
ラフォーレンがローランデに寄って行くと小声でささやく。
「『光の民』の癒しは初めて見ましたが…どれも昨日、負った傷ですか?」
ローランデは頷く。
「随分早く治ってるだろう?」
ラフォーレンは頷き、ごくり…!と喉を鳴らした。
「信じられない早さですね」
ローランデが優しい表情を向けて頷く。
「アイリスやローフィスは間違い無く、ここで無ければ今寝台に横に成ってる」
スフォルツァは腕組みしながらじっ…と髪に顔を埋めるアイリスを見つめ、その息子が少し離れた場所で、泣き出しそうな瞳を父親に向けているのに、目を止めた。
濃い栗毛。そして濃紺の瞳と色白の肌。
父親そっくりなその子供に、スフォルツァは寄って行くと、腕をそっと掴み、アイリスから引き離す様に導く。
テテュスは手を握る、その近衛の武人を見上げた。
彼は屈むとそっとささやく。
「君相手にアイリスは絶対、痛む様を見せられない」
テテュスはその言葉に目を見開き、頷くと窓辺へと誘うスフォルツァに従った。
アイリスは一瞬離れて行く息子を、スフォルツァが保護するように付きそう様子に、感謝の滲む視線を送る。
が旧友スフォルツァは、解ってる。とばかり頷いた。
テテュスはアイリスに背を向け、正面の長身の武人を見つめる。
「貴方も…あんな傷を負った事がありますか?」
スフォルツァは見上げるアイリスの息子の真摯な濃紺の瞳に、一辺に親近感を覚え、顔を傾けてつぶやく。
「あれ程はひどく無いけどね」
「それでやっぱりその…とても、痛かった?」
素直にそう問われ、スフォルツァは一瞬黙り…。
が顔をもっとテテュスに傾け、耳元で小声でささやく。
「死んでも『凄く痛かった』と本音は吐けないけどね」
そして顔を上げ、テテュスにウィンクして見せる。
テテュスは彼が一辺に気に入って、微笑む。
品が良くて…けど堂としていて…だけど優しい。
「さて!」
いつの間にか、戻っていたオーガスタスの横で、ミラーレスが言った。
「食事をし、眠って下さい!
ギュンター。貴方は食後もう一度癒します。
明後日には幻影判定だ」
ギュンターが顔を揺らし、大きく吐息を吐き出した。
皆の視線が心配げに一斉に注がれるのに気づく。
顔を、すっ!と上げて告げる。
「傷を負ってるから俺が、ヘマするとでも?」
オーガスタスが、肩を竦めてつぶやく。
「誰もが、お前が傷を負おうが、決して自分を曲げない馬鹿な頑固者だと、知ってるさ」
総大将のその言葉に、皆一斉に
『そうだった』
と思い出してギュンターから視線を外し、ギュンターはその様子に眉を、しかめた。
テテュスも、レイファスもファントレイユも、突然空間から現れた一団が皆に散らばり、その傷の具合を有無を言わさず確かめるのを、呆けて見つめた。
彼らは一様に背が高く美形で、そして真っ白な肌をしていた。
皆は無言で診察相手に夜着をはだけるよう促し、皆は次々に傷を曝す。
ラフォーレンはディングレーの背に、溝の出来た斜めに深く切れ込む刀傷を見、つい一瞬体が揺れたし、スフォルツァはアイリスの左肩から胸にかけての、深く抉れた傷が肉を覗かせる様子に、眉を寄せた。
テテュスはその傷に動揺して顔を真っ青に染め、がアイリスは愛息に向かって青い顔で微笑む。
ファントレイユは『光の民』の癒し手が、ゼイブンの左腕に手を添え癒えかけた傷を曝すその腕を、折り曲げては具合を確かめる様子を目にした。
そしてゼイブンが『光の民』の癒し手に真っ直ぐ見つめられ、それが合図のように左の指を五本次々に、折り曲げて見せ、癒し手は頷く。
レイファスはオーガスタスを見たが、ミラーレスはオーガスタスの前に立つと、二人は瞬間、その空間からかき消えた。
シェイルが自分の矢傷もそこそこで、ローフィスに視線を送ってる。
ローフィスが夜着をはだけると、その脇腹に…くっきりと深い刀傷から肉が抉れて覗き、思わず叫びそうに成って慌てて口を手で押さえた。
ファントレイユも同様ローフィスの傷を目に、今にも泣きそうに成りながらレイファスにそっとささやく。
「あの傷で…でもローフィスはアイリスを後ろに乗せて“里”に、駆け込んだんだ」
レイファスも震えながら、こっくり。と頷く。
ギュンターはあちこちが赤黒い穴だらけで…癒し手が傷に手を当てるが、途中まだ痛む矢傷に顔をしかめると、癒し手はその手から、放出する光の色を落とした。
くっきりとした黄金色が、薄く淡い黄金(きん)に変わる。
途端、痛みが引く様にほっとするギュンターが吐息を吐き、けど額から、玉の汗が頬に伝い滑った。
ローフィスを気遣うシェイルを、その“里”の癒し手は腕を捕んで振り向かせ、夜着を肩から滑り落とし現れた矢傷に手を当てる。
シェイルは一瞬激しく身を揺らし顔をしかめ、が歯を喰い縛って耐えた。
癒し手はそっとつぶやく。
「痛む程、早く治る」
シェイルは頷き、ささやき返す。
「まだ平気だ」
癒し手は送る光の色の濃さを増し、シェイルは眉間を歪ませ唇をきつく、噛みしめる。
がその顔も肩も、ぶるぶると震っていた。
「…やっぱり…痛むんだね………」
ゼイブンが治療を終えて、そうつぶやくファントレイユの横に戻って来る。
「3日分の痛みが一気に襲い、3日経たないと治らない傷が治ってるからな」
レイファスが、ゼイブンにそっと視線を送る。
「…痛む分は結局同じ?」
ゼイブンは肩を竦める。
「そりゃ…酷い傷は麻痺させて治療してるだろう?
痛みのショックで、死ぬ事もあるから」
レイファスが呆れた様に顔を上げる。
「じゃ麻痺させられたまま治されたら、痛く無いじゃないか」
ゼイブンがレイファスの疑問に、顔を向け唸る。
「ずっと眠ってられるか?
だから連中は治療の一環で、喰って眠らせる。
傷が癒えていくのに、うんと体力を使って、何もしなくても消耗してるからな。
食えば眠く成る。
眠ってる間に傷は癒えていく。
だがそれなりに時間はかかる。
早く癒そうとしたら…どうしても痛みは我慢しないと」
ファントレイユがそっと尋ねる。
「…だって…そんなに急がなくてもいいんでしょう?」
レイファスも続いて問う。
「…ギュンターがまだ、護衛連隊長に成ってないから?」
ゼイブンが吐息を吐いて、二人の子供を見つめる。
「多少痛んでも、傷があるままよりは少しでも癒えた方が、怪我人としては嬉しいもんだ」
ファントレイユとレイファスはつい、お互いを見つめた。
レイファスがそっと言った。
「そんな酷い傷負った事無くて、分かんない」
ゼイブンはレイファスの頭を乱暴に撫でて、唸る。
「そりゃいい事だ。
闇の結界の経験者なのにな!」
レイファスはゼイブンに乱暴に撫で回す手の平の感触に、それでも俯くと頷いた。
「僕が傷付く分、オーガスタスが負ってくれた」
ファントレイユはレイファスが泣き出さないか、そっと顔を覗う。
レイファスはファントレイユの人形の様に綺麗な顔が、心配げに覗くのに気づく。
ファントレイユは結果、優しい…。
そして…顔を上げる。
今だ治療中の仲間を見つめ、吐息を吐くゼイブンの横顔。
ゼイブンも…口は悪いけど、その心根はやっぱりファントレイユ同様、優しかった。
ローランデだけは腕組みして皆の傷を見つめながら、その癒し手の様子に感心していた。
注がれる光の色が揺らぎ濃く成ると途端、ギュンターは歯を喰い縛る。
肩が、ぶるぶると震えていたし、アイリスに至っては顔を、下げていた。
濃い栗毛に顔を埋め、上げない。
ローフィスは一瞬、上げそうになる悲鳴を噛み殺し、髪をばさっ!と振った。
癒し手が途端、放射を止める。
がローフィスは呻いた。
「まだ平気だと…知ってる筈だ」
けど…そう…その癒し手は言おうとしたのだろう…。
が、言葉を飲み込み傷に手を当てる。
ローフィスの額から次第に汗が噴き出し、顔を次々伝い行く。
シェイルが泣き出しそうな目をローフィスに向け…が自分の痛みにくっ!と眉を寄せ、唇を噛んだ。
ばさっ!
ディングレーが手当てを終えて夜着を戻す。
が見ていると、ほっ。と吐息を漏らしていた。
ラフォーレンがローランデに寄って行くと小声でささやく。
「『光の民』の癒しは初めて見ましたが…どれも昨日、負った傷ですか?」
ローランデは頷く。
「随分早く治ってるだろう?」
ラフォーレンは頷き、ごくり…!と喉を鳴らした。
「信じられない早さですね」
ローランデが優しい表情を向けて頷く。
「アイリスやローフィスは間違い無く、ここで無ければ今寝台に横に成ってる」
スフォルツァは腕組みしながらじっ…と髪に顔を埋めるアイリスを見つめ、その息子が少し離れた場所で、泣き出しそうな瞳を父親に向けているのに、目を止めた。
濃い栗毛。そして濃紺の瞳と色白の肌。
父親そっくりなその子供に、スフォルツァは寄って行くと、腕をそっと掴み、アイリスから引き離す様に導く。
テテュスは手を握る、その近衛の武人を見上げた。
彼は屈むとそっとささやく。
「君相手にアイリスは絶対、痛む様を見せられない」
テテュスはその言葉に目を見開き、頷くと窓辺へと誘うスフォルツァに従った。
アイリスは一瞬離れて行く息子を、スフォルツァが保護するように付きそう様子に、感謝の滲む視線を送る。
が旧友スフォルツァは、解ってる。とばかり頷いた。
テテュスはアイリスに背を向け、正面の長身の武人を見つめる。
「貴方も…あんな傷を負った事がありますか?」
スフォルツァは見上げるアイリスの息子の真摯な濃紺の瞳に、一辺に親近感を覚え、顔を傾けてつぶやく。
「あれ程はひどく無いけどね」
「それでやっぱりその…とても、痛かった?」
素直にそう問われ、スフォルツァは一瞬黙り…。
が顔をもっとテテュスに傾け、耳元で小声でささやく。
「死んでも『凄く痛かった』と本音は吐けないけどね」
そして顔を上げ、テテュスにウィンクして見せる。
テテュスは彼が一辺に気に入って、微笑む。
品が良くて…けど堂としていて…だけど優しい。
「さて!」
いつの間にか、戻っていたオーガスタスの横で、ミラーレスが言った。
「食事をし、眠って下さい!
ギュンター。貴方は食後もう一度癒します。
明後日には幻影判定だ」
ギュンターが顔を揺らし、大きく吐息を吐き出した。
皆の視線が心配げに一斉に注がれるのに気づく。
顔を、すっ!と上げて告げる。
「傷を負ってるから俺が、ヘマするとでも?」
オーガスタスが、肩を竦めてつぶやく。
「誰もが、お前が傷を負おうが、決して自分を曲げない馬鹿な頑固者だと、知ってるさ」
総大将のその言葉に、皆一斉に
『そうだった』
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