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第五章『冒険の旅』
激闘の後の、ギュンターとレイファス
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ギュンターはローランデを見つめた。
その、いつも表情を変えない金の髪の美貌の男の、謝罪の籠もる紫の瞳が向けられ、ローランデは心が震える程ほっとし、そして…微笑った。
ギュンターは不思議なものを見るように、ローランデの子供のような無邪気な微笑みを見守る。
ローランデは気づくと、少しむくれた顔でつぶやく。
「闇に乗っ取られかけた時、自分がどんなだったか、知らないんだな?」
ギュンターは顔を揺らすと、ローランデをまだ眉を下げて見つめる。
「リアルな映像が見えて頭に血が上り、沸騰したとこ迄は、覚えてる」
「君の瞳は、紫だからいいんだ!」
ギュンターの眉間が、寄る。
もう全員が馬に跨り、ローフィスは飛び乗ってローランデに視線を送る。
ローランデはローフィスに振り向き頷くと、ギュンターがむんず!と行こうとするローランデの腕を、掴む。
途端、馬の背から身を屈めて顔だけ彼らに振り向くシェイルの視線がきつく成り、ローフィスが大丈夫だ。と視線を送る。
ローランデは腕を慌てて掴むギュンターを見上げ、掴むギュンターの手に視線を落とし、再びギュンターを見上げたが、ギュンターはしどろもどろった。
「それは…どういう意味だ?」
ディンダーデンが馬に跨り、手綱を持つ手を鞍の上に降ろし、吐息を吐く。
「化け物よろしく、お前の瞳も真っ赤だったって意味だ!」
ゼイブンも振り向き唸る。
「お前だって、エイリルを見てただろう?」
ギュンターはそう言う二人に青くなって振り向く。
「…嘘だろう?」
ローランデはさっ!と動揺するギュンターの手から自分の腕を引き抜くと、怒鳴った。
「だから!
紫の瞳が嬉しいと、そう言ったんだ!」
言ってさっさと、愛馬ラディンシャに跨る。
ギュンターはまだ呆然と俯き、今度はディングレーを見つめる。
ディングレーは気づいて、ぶっきらぼうに怒鳴った。
「ここに居る全員が、不気味に光るお前の真っ赤な瞳を見てるからな!
いくら俺でも庇いようが無いぞ?」
言って、さっさとエリスに跨ったまま馬の首を前へと向け、ギュンターに背を向けた。
ギュンターはショックでまだ俯き、ローフィスは馬に拍車を掛けて怒鳴った。
「さっさとしないと、置いてくぞ!」
そう言いながら先に駆け出す皆の後を追う、ローフィスの馬の尻を見つめ、ギュンターは愛馬ロレンツォが自分に『乗らないの?』
と見つめる瞳を見上げ、頬を一撫ですると、一息も付かず一気に跨り様両足を広げ、馬の胴に打ち付けようとした。
馬は承知していたように、ギュンターが胴に打ち付ける寸前、前足を跳ね上げ一気に駆け出すと、皆の後を追った。
淡い光蘚(ひかりごけ)のぼんやりとした白い光に照らされる道筋を進みながら、ディングレーがそっ…と、テテュスを前に乗せ、オーガスタスの愛馬の手綱を引くアイリスを覗き込む。
「奴の馬は俺が引こうか?」
アイリスは濃紺の瞳を真っ直ぐ前に向けたままつぶやく。
「彼の怪我は私の責任だ」
テテュスは思わず、後ろに座るアイリスに振り向く。
アイリスはオーガスタスの安否を気遣うような、厳しい表情で、普段の柔らかで優雅な、ゆったりとした雰囲気は微塵も見られない。
ディングレーは一つ吐息を吐く。
「それは…そうだろうが…」
チラと厳しい表情を崩さない、アイリスの整った横顔を見つめる。
「笑って無いお前は、らしくない」
ディングレーに言われ、アイリスは横に並ぶ彼に呆然と振り向く。
「いつも人を小馬鹿にしてると、君には不評なんじゃないのか?」
ローフィスも後ろから怒鳴る。
「だから…それがお前だろう?」
アイリスはローフィスに振り返る。
が、ファントレイユを前に乗せたゼイブンと目が合うと、ゼイブンはローフィスに同感だ。と小声で呻いた。
「…ザマ、無いぜ?」
シェイルもレイファスを前に乗せて言い切った。
「ギュンターがしょげてるのと同じくらい、見るに耐えない!」
レイファスは呆れたように、背後のシェイルを見上げた。
ローフィスはレイファスを気遣い、シェイルにそっとささやく。
「一応子供達にとってアイリスは、憧れで魅力的な、大層立派な騎士なんだぞ?」
シェイルは吐息を吐き、自分を見つめるレイファスに真顔で言った。
「人を見抜く目を、もっと鍛えろ!
お前、俺の事も外見で判断してるだろう?」
レイファスは頷く。
「でも大分、慣れてきた。
薔薇も棘があるけど、釘が生えてる性格でとびきり綺麗な顔の人には、これからはうんと気を付ける」
“釘”でシェイルの眉が思い切り寄る。
ディングレーがぼそりとささやく。
「釘で、済むのか?」
ギュンターが頷くと、吐息混じりに付け足す。
「斧のが、正確だと思うぞ?」
シェイルは二人を睨むと
「ほざいてろ!」
と怒鳴った。
ディンダーデンが笑顔で振り向く。
「俺ならその容姿なら、そこいら中の奴をたぶらかして楽しむがな」
シェイルはきっ!と睨むと
「お前なら!だろう!」
と怒鳴って、一同の失笑を買った。
ローフィスが、前に向かって怒鳴る。
「アイリス!
オーガスタスが居ない今、要(かなめ)はお前なんだ!
皆を不安にさせるな。お前らしく、笑ってろ!」
アイリスは途端、項垂れるとささやく。
「アリシャが倒れた時、彼女に『笑って』と言われた時のレイファスの気持ちが痛い程良く解る」
ゼイブンがぼやいた。
「…普段が笑い顔だから、顔を作るしか性がないだろう?
いつもは作り笑顔じゃないのか?」
アイリスは項垂れた顔を、後ろのゼイブンに向けた。
「違う。楽しくて笑ってる」
全員が、やれやれ。と首を横に振った。
ファントレイユが顔を真上に上げてゼイブンを見た。
「どうして、いけないの?」
ディングレーが、斜め後ろのファントレイユに振り向き、ぼそりと言った。
「そりゃ、敵を陥れる時も、相手を叩きのめす時も、楽しく笑われちゃな」
ローフィスも項垂れたまま、つぶやいた。
「最悪に性格が悪い」
そう言われたアイリスを、テテュスはびっくりして見つめた。
「そうなの?」
そしてテテュスはディングレーを見つめ、振り返って斜め後ろに馬を飛ばす、ローランデを見つめた。
ローランデはテテュスの、尋ねるような無垢な濃紺の瞳が真っ直ぐ自分に向けられ、何とかアイリスを庇いたかったが、言葉が見つからなかった。
それで、ぼそりとつぶやいた。
「…敵の前でそれは、相手に脅威を与えるから…はったりとしては有効だけど………」
そして、顔を上げてアイリスの背を見つめる。
「…本心から、楽しんでいるのか?」
アイリスはローランデに振り向くと、ささやいた。
「だって心から楽しそうじゃないと、嘘と直ぐ、バレるだろう?
それじゃ相手に脅威に感じて貰えない」
ディンダーデンが深い吐息を吐いた。
「…まあ…理屈は通ってるが、それを実際、やれと言われて出来るもんじゃない。
並の人間と、神経の出来が違うだろう?」
アイリスが、素朴に質問した。
「普通は出来ないものなのか?」
再び、皆がやれやれ。と首を横に、振った。
ファントレイユがまた、顔を上げてゼイブンに尋ねる。
「普通出来ない事が出来るって、凄い事じゃないの?」
ゼイブンが投げやりにその質問に答えた。
「そう、思っとけ!
その方が、憧れを無くさずに済む」
ファントレイユがまた質問しようと顔を上げると、レイファスが言った。
「一つの能力も、角度を変えると色んな見方と評価があるから。
君は君の評価が正しいと思ってて、いいって、ゼイブンは言ったんだ」
ファントレイユはにっこり笑い、思い切り頷く。
ディンダーデンはその、鮮やかな栗毛でくっきりとした青紫の大きな瞳の、可憐そのものの女の子のような子供を、まじまじと見て言った。
「お前も外見と中味が違うな」
レイファスはその近衛の色男に口を尖らせ、すかさず言い返す。
「シェイル程凄くない」
皆は内心
『そんな事無いぞ』
と思ったが、オーガスタスと恐怖を体験したレイファスの境遇を思いやって、誰もそれを口にする事は、無かった。
その、いつも表情を変えない金の髪の美貌の男の、謝罪の籠もる紫の瞳が向けられ、ローランデは心が震える程ほっとし、そして…微笑った。
ギュンターは不思議なものを見るように、ローランデの子供のような無邪気な微笑みを見守る。
ローランデは気づくと、少しむくれた顔でつぶやく。
「闇に乗っ取られかけた時、自分がどんなだったか、知らないんだな?」
ギュンターは顔を揺らすと、ローランデをまだ眉を下げて見つめる。
「リアルな映像が見えて頭に血が上り、沸騰したとこ迄は、覚えてる」
「君の瞳は、紫だからいいんだ!」
ギュンターの眉間が、寄る。
もう全員が馬に跨り、ローフィスは飛び乗ってローランデに視線を送る。
ローランデはローフィスに振り向き頷くと、ギュンターがむんず!と行こうとするローランデの腕を、掴む。
途端、馬の背から身を屈めて顔だけ彼らに振り向くシェイルの視線がきつく成り、ローフィスが大丈夫だ。と視線を送る。
ローランデは腕を慌てて掴むギュンターを見上げ、掴むギュンターの手に視線を落とし、再びギュンターを見上げたが、ギュンターはしどろもどろった。
「それは…どういう意味だ?」
ディンダーデンが馬に跨り、手綱を持つ手を鞍の上に降ろし、吐息を吐く。
「化け物よろしく、お前の瞳も真っ赤だったって意味だ!」
ゼイブンも振り向き唸る。
「お前だって、エイリルを見てただろう?」
ギュンターはそう言う二人に青くなって振り向く。
「…嘘だろう?」
ローランデはさっ!と動揺するギュンターの手から自分の腕を引き抜くと、怒鳴った。
「だから!
紫の瞳が嬉しいと、そう言ったんだ!」
言ってさっさと、愛馬ラディンシャに跨る。
ギュンターはまだ呆然と俯き、今度はディングレーを見つめる。
ディングレーは気づいて、ぶっきらぼうに怒鳴った。
「ここに居る全員が、不気味に光るお前の真っ赤な瞳を見てるからな!
いくら俺でも庇いようが無いぞ?」
言って、さっさとエリスに跨ったまま馬の首を前へと向け、ギュンターに背を向けた。
ギュンターはショックでまだ俯き、ローフィスは馬に拍車を掛けて怒鳴った。
「さっさとしないと、置いてくぞ!」
そう言いながら先に駆け出す皆の後を追う、ローフィスの馬の尻を見つめ、ギュンターは愛馬ロレンツォが自分に『乗らないの?』
と見つめる瞳を見上げ、頬を一撫ですると、一息も付かず一気に跨り様両足を広げ、馬の胴に打ち付けようとした。
馬は承知していたように、ギュンターが胴に打ち付ける寸前、前足を跳ね上げ一気に駆け出すと、皆の後を追った。
淡い光蘚(ひかりごけ)のぼんやりとした白い光に照らされる道筋を進みながら、ディングレーがそっ…と、テテュスを前に乗せ、オーガスタスの愛馬の手綱を引くアイリスを覗き込む。
「奴の馬は俺が引こうか?」
アイリスは濃紺の瞳を真っ直ぐ前に向けたままつぶやく。
「彼の怪我は私の責任だ」
テテュスは思わず、後ろに座るアイリスに振り向く。
アイリスはオーガスタスの安否を気遣うような、厳しい表情で、普段の柔らかで優雅な、ゆったりとした雰囲気は微塵も見られない。
ディングレーは一つ吐息を吐く。
「それは…そうだろうが…」
チラと厳しい表情を崩さない、アイリスの整った横顔を見つめる。
「笑って無いお前は、らしくない」
ディングレーに言われ、アイリスは横に並ぶ彼に呆然と振り向く。
「いつも人を小馬鹿にしてると、君には不評なんじゃないのか?」
ローフィスも後ろから怒鳴る。
「だから…それがお前だろう?」
アイリスはローフィスに振り返る。
が、ファントレイユを前に乗せたゼイブンと目が合うと、ゼイブンはローフィスに同感だ。と小声で呻いた。
「…ザマ、無いぜ?」
シェイルもレイファスを前に乗せて言い切った。
「ギュンターがしょげてるのと同じくらい、見るに耐えない!」
レイファスは呆れたように、背後のシェイルを見上げた。
ローフィスはレイファスを気遣い、シェイルにそっとささやく。
「一応子供達にとってアイリスは、憧れで魅力的な、大層立派な騎士なんだぞ?」
シェイルは吐息を吐き、自分を見つめるレイファスに真顔で言った。
「人を見抜く目を、もっと鍛えろ!
お前、俺の事も外見で判断してるだろう?」
レイファスは頷く。
「でも大分、慣れてきた。
薔薇も棘があるけど、釘が生えてる性格でとびきり綺麗な顔の人には、これからはうんと気を付ける」
“釘”でシェイルの眉が思い切り寄る。
ディングレーがぼそりとささやく。
「釘で、済むのか?」
ギュンターが頷くと、吐息混じりに付け足す。
「斧のが、正確だと思うぞ?」
シェイルは二人を睨むと
「ほざいてろ!」
と怒鳴った。
ディンダーデンが笑顔で振り向く。
「俺ならその容姿なら、そこいら中の奴をたぶらかして楽しむがな」
シェイルはきっ!と睨むと
「お前なら!だろう!」
と怒鳴って、一同の失笑を買った。
ローフィスが、前に向かって怒鳴る。
「アイリス!
オーガスタスが居ない今、要(かなめ)はお前なんだ!
皆を不安にさせるな。お前らしく、笑ってろ!」
アイリスは途端、項垂れるとささやく。
「アリシャが倒れた時、彼女に『笑って』と言われた時のレイファスの気持ちが痛い程良く解る」
ゼイブンがぼやいた。
「…普段が笑い顔だから、顔を作るしか性がないだろう?
いつもは作り笑顔じゃないのか?」
アイリスは項垂れた顔を、後ろのゼイブンに向けた。
「違う。楽しくて笑ってる」
全員が、やれやれ。と首を横に振った。
ファントレイユが顔を真上に上げてゼイブンを見た。
「どうして、いけないの?」
ディングレーが、斜め後ろのファントレイユに振り向き、ぼそりと言った。
「そりゃ、敵を陥れる時も、相手を叩きのめす時も、楽しく笑われちゃな」
ローフィスも項垂れたまま、つぶやいた。
「最悪に性格が悪い」
そう言われたアイリスを、テテュスはびっくりして見つめた。
「そうなの?」
そしてテテュスはディングレーを見つめ、振り返って斜め後ろに馬を飛ばす、ローランデを見つめた。
ローランデはテテュスの、尋ねるような無垢な濃紺の瞳が真っ直ぐ自分に向けられ、何とかアイリスを庇いたかったが、言葉が見つからなかった。
それで、ぼそりとつぶやいた。
「…敵の前でそれは、相手に脅威を与えるから…はったりとしては有効だけど………」
そして、顔を上げてアイリスの背を見つめる。
「…本心から、楽しんでいるのか?」
アイリスはローランデに振り向くと、ささやいた。
「だって心から楽しそうじゃないと、嘘と直ぐ、バレるだろう?
それじゃ相手に脅威に感じて貰えない」
ディンダーデンが深い吐息を吐いた。
「…まあ…理屈は通ってるが、それを実際、やれと言われて出来るもんじゃない。
並の人間と、神経の出来が違うだろう?」
アイリスが、素朴に質問した。
「普通は出来ないものなのか?」
再び、皆がやれやれ。と首を横に、振った。
ファントレイユがまた、顔を上げてゼイブンに尋ねる。
「普通出来ない事が出来るって、凄い事じゃないの?」
ゼイブンが投げやりにその質問に答えた。
「そう、思っとけ!
その方が、憧れを無くさずに済む」
ファントレイユがまた質問しようと顔を上げると、レイファスが言った。
「一つの能力も、角度を変えると色んな見方と評価があるから。
君は君の評価が正しいと思ってて、いいって、ゼイブンは言ったんだ」
ファントレイユはにっこり笑い、思い切り頷く。
ディンダーデンはその、鮮やかな栗毛でくっきりとした青紫の大きな瞳の、可憐そのものの女の子のような子供を、まじまじと見て言った。
「お前も外見と中味が違うな」
レイファスはその近衛の色男に口を尖らせ、すかさず言い返す。
「シェイル程凄くない」
皆は内心
『そんな事無いぞ』
と思ったが、オーガスタスと恐怖を体験したレイファスの境遇を思いやって、誰もそれを口にする事は、無かった。
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