アースルーリンドの騎士 幼い頃

あーす。

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第ニ章『テテュス編』

9 心の距離

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 テテュスは、レイファスが頬を紅潮させ、ローフィスに短剣の使い方や腕の振り方、色々な格闘の型を習っているのを見つめ、タメ息を付いた。
…そうだ。夢見心地ですっかり、忘れていた。
男の子、だったんだ…。
こちらの一方的な思い入れで、レイファスはすっかり迷惑していたに違いないのに…。
なのに、自分を気遣ってくれた…。
テテュスはそっ、とレイファスに心の中で謝罪し、そして彼の力になろうと、決めた。
だが…。
ファントレイユに目を移したとき、彼は夢中で、アイリスの繰り出す剣を、刃先を潰した子供用の剣で跳ね返していた。
アイリスはいろいろな場所に剣を繰り出し、ファントレイユは教えられた型でそれを、返す。
たどたどしい剣先が少しずつ、的確になる。
アイリスが本気を誘うよう、剣を繰り出し続け、ファントレイユは必死で跳ね返す。
だんだんと、力を込めて、それは真剣な表情で。

ファントレイユもレイファスも、騎士達とは馴染みが無いと言った。
けど…。
テテュスですら、アイリスにまともに相手を、して貰った事なんて無かった。
ファントレイユの頬が紅潮し、ブルー・グレーの瞳がきらきらし、とても生き生きして見えた。

凄く、楽しいんだ。
…でも、アイリスが彼の相手をするのを見守る間、テテュスにまたあの、寒々とした感覚が蘇ってきた。
妬いているならいいのに。
でもアイリスが誰かと過ごすのを見守るのが、彼のいつもの位置、だった。
アイリスの、居ない屋敷。
弱々しいアリルサーシャとたった二人きりで、自分が彼女の支えになる為、アイリスの存在を補おうと一生懸命だった、あの、時間。

…なんて、頼りなかったんだろう。
アイリスが帰ると途端、彼を出迎えて受ける感覚。
アイリスを目の前にすると自分がどれだけ小さいかを感じ、でも彼の大きさが心から、嬉しかった。
そしていつも決まって彼の手を引き、アリルサーシャの元へと導いた。
その間だけ、アイリスが彼女を引き受けてくれてテテュスは解放された。
死の恐怖と不安との、戦いから。

どれ程の、安堵だったろう?
アイリスが居る間彼は、自分で居られた。
たった、その短い時間の間だけ。
アリルサーシャをアイリスに預け、自分は震える体を解放出来た。
戦いで疲労した心を見つめる事も。
でも………。

レイファスは、気づいたし、ディングレーも彼を見つめていた。
テテュスは思い出に帰り、そんな時テテュスは、たった一人に、なる。
周囲にこれだけ人が居ても、彼は一人なのだった。

ディングレーがまるで引き戻すように、テテュスの肩を乱暴に、引いた。
その手がとても暖かくて、テテュスは振り向いた。
ディングレーの、深い青の瞳が心配げで、テテュスはどうしたの?と彼を見つめた。
ふいに、ディングレーが彼を抱きしめた。
まるで、そこに居るのを確かめるようで、テテュスははっと、した。
ああ………。
「ごめん。僕、ちょっとぼっと、してたよね?」
微笑むテテュスに、ディングレーはぶっきら棒につぶやいた。
「謝らなくていい」
その言葉は凄く乱暴だったけど、泣き出しそうで、ディングレーがそうなのか、自分がそうなのかをテテュスは考えた。
『泣いた方がいい…!』
以前そう叫んだファントレイユが、剣を下げてじっとこちらを見つめていた。
テテュスは慌ててつぶやいた。
「ごめん。邪魔した?」
ファントレイユはアイリスを見た。
が、アイリスはもうテテュスを抱くディングレーの横に付いて、彼を伺った。
「テテュス………」
テテュスは覗き込むアイリスの濃紺の瞳に真っ直ぐ見つめられ、見つめ返す。
そう…。いつも…。
アイリスはアリルサーシャのもので、自分はその時だけ解放され、それだけで…良かった筈だった。
だから………。

でも今はどうして…こんなに遠く感じるんだろう?
ディングレーが彼を放すなり、アイリスが抱き込んだ。
ふいにとても大きなアイリスの温もりに包まれて、テテュスはほっとした。
いつも…アリルサーシャを優先してた。
彼女はずっと、アイリスを待っていた。
だから…気づかなかった。
自分がこれ程…アイリスの温もりで癒されるだなんて。
でも………。

アイリスがどれだけきつくテテュスを抱いても、テテュスに届かない気がして。
涙を滴らせたのは、アイリスの方だった。
テテュスは彼が泣いているのに戸惑って、くぐもった声で、でもやはりとても優しい声音で告げた。
「…………アイリス。とっても好きだ。
けど……」
アイリスは解ってるとばかり、もっときつく、抱き寄せたけど…。
アイリスはやっぱり今でもアリルサーシャのもので有り続けた。
もしくは別の、誰かの。
なぜだかは解らないけれど、テテュスはそれでいいと思った。
アイリスは遠く、でもそれでも、いいんだと。

テテュスが頑なに、今までの自分の居場所を護ろうとしているのが感じられ、アイリスの頬に涙が伝った。
どれだけきつく抱きしめても、心の距離は、埋まらなかった………。

テテュスはローフィスを見つめた。
「…アイリスを、泣かせた」
ローフィスは眉を、寄せた。とても、悲しげに。
まるで誰も、アリルサーシャの代わりには成れないと、知っているように。

皆の瞳にそれが、映った。
寝台に横たわる、アリルサーシャの横に、付き従う騎士のように傅(かしず)く幼いテテュスを。
アイリスの声は掠れていた。
「たい…役を……果たした後だから…君は……」
テテュスはアイリスの髪に顔を埋めた。
「労ってくれるの?みんな?」
テテュスの微笑みに、ローフィスがやりきれない表情をし、レイファスもファントレイユも言葉を無くした。
アイリスのテテュスを抱く腕は震え、彼は微かに、頷いた。

ファントレイユはアイリスの気持ちが痛い程解った。
テテュスは泣かないから…。
とても悲しい筈なのに泣かないから…。
まるで彼の代わりのように、彼を大切に想う者がその心の悼みを感じて、涙するんだ。

テテュスの中にぽっかり大きな空洞があって、テテュス自身もどうやってそれを埋めようか、思案してるみたいだった。彼は、笑ってさえみせた。
『困ってるんだ』
そんな風に。
…決して、笑える事なんかじゃ、ないのに。

でもテテュスは、皆の楽しそうな時間を、自分が止めているのを気遣う様子を、見せた。
「ごめん。アイリス僕は大丈夫だから。
ファントレイユの相手をしてあげて?」

途端、ファントレイユが顔を揺らし、下げて涙が頬を滴る。
テテュス自身がもう、どうしていいのか解らないようで、そんなアイリスとファントレイユを、沈黙して交互に見つめた。
「本当に、大丈夫だから…」
言う、テテュスの肩を抱くアイリスの手が一瞬、否定するように、震えた。
ローフィスが、アイリスの肩に手を、置く。
「テテュスがそう、言っている」
アイリスは肩をびくん!と震わせたけど、ゆっくり顔を上げて幼い騎士を、見つめた。
アイリスの綺麗な夜闇のような濃紺の瞳が濡れていて、テテュスがそれを、まるで夜空の星を見るように遠い瞳で見つめ返したりしたから、アイリスの瞳がまた、潤んだ。
「…私はここに、居るのに!」
低い、でも叫びで。
テテュスはその声がどこから響くのか解らず、一瞬混乱した。
「…アイリス!」
ローフィスが、苦虫噛んだような顔でアイリスの肩の衣服を握り、強引に引く。
だがアイリスは止める気なく、体を振ってローフィスの手を激しく振り払い、今度はテテュスの肩を掴んで、怒鳴った。
「テテュス!ずっと、居る!例え君が、気づかなくてもだ!
ここに!私は!!!」

テテュスは瞬間、足元が無くなった気がして、混乱した。
だって…でも誰も、居ない。ここには。
アリルサーシャがずっと居た筈だけど…。
テテュスは辺りを見回そうとして、途端に思い出した。
テテュスの顔が歪み、ローフィスは叫んだ。
「…解らないのか!テテュスはやっと、バランスをかろうじて保ってる!!
それを、無理に、思い出させるな!!!」

それを………?
ああ、そうだ。もう、アリルサーシャが居ない、事だ………。

どうして居ないんだろう?
何が、いけなかったんだろう?
僕はありったけで、頑張ったのに………。
でもそのまま考え続けると、テテュスは足元の消えた底無しの空間に落ちていきそうで、アイリスとそして、泣くファントレイユを見つめた。

…ああ、そうか……。
僕はずっとアリルサーシャと二人きりで、アリルサーシャが消えて今は本当は、たった、一人だったんだ。
だから、ファントレイユはそっと寄り添ってくれて、アイリスは抱きしめている。

テテュスはやっぱり、可笑しかった。
自分では気づかないのに、アイリスやファントレイユはそれを、知っていたんだ。
「…アリルサーシャが居なく…なったから……」
テテュスは言いかけて、自分が遠くに、いきなり誰も届かない遠くに居る気がして、困惑した。
それで、いいと思ったのは自分なのに。急にその事がとても不安に、成って。

ローフィスが、アイリスの肩を掴んで怒鳴った。
「いいから!思い出させるな!!」
ディングレーも俯いて、つぶやいた。
「…ちゃんと戻ってくると、信じてやれ。アイリス。自分を押しつけず。
出来るだろう?…テテュスの、為なら」
アイリスは顔を揺らし、俯き、涙を頬に、滴らせ、震えた。
そしてきつく握る手の力を、抜いた。
その途端、ようやくテテュスはアイリスが見えて、ささやいた。
「…泣かせて、ごめんなさい」

アイリスが、顔を上げた。
自分が元の場所に戻った途端、テテュスは心の平衝を取り戻す。
でも…とても、遠かった。
そんな場所からしか、自分は彼と接する事は出来ないとアイリスは思い知って、痛手を受けたのは彼の、方だった。
アリルサーシャがまん中に居て、自分とテテュスは両脇に居た。
アリルサーシャが消えた今、彼との距離はどうしてこんなに、離れているのだろう?

アイリスが参っているので、ローフィスが椅子に掛ける彼の横に、付いた。
ファントレイユの涙が止まらず、レイファスは気遣うようにファントレイユを覗き込んでいた。
テテュスは、ディングレーを見上げた。
ディングレーが見つめ返した。くっきりとした青い瞳で。
テテュスが自分のせいで大事な楽しい時間を台無しにしたと、気落ちしているのを見て、つぶやいた。
「…お前のせいじゃない。大概、自分一人で抱え込むな。
餓鬼だって事、いつも忘れてるだろう?
アイリスを泣かせる餓鬼なんて、他に居ないぞ?」
テテュスは笑った。
「アイリスは、いつも泣かない?」
「見た事が、無い」
テテュスが解ってなくて、ディングレーは彼をじっと、見つめた。
「お前は餓鬼の癖に大人みたいに振る舞うから、アイリスもファントレイユも、泣くんだ」

テテュスは困惑した。
「…でもどうすればいいのか、本当に解らないんだ」
ディングレーは言おうとして、口を閉じた。
テテュスは諦め切れない。相手は『死』なのに。
誰にもどうする事も出来ないもの相手に、どうして勝てなかったのかを、考え続けている。
亡くした者がどれ程大切か、身に滲みて知っているからこそ、その場に立ちすくんで、立ち去ろうと、しない。
勝敗の、付いた今でも。
幼く真っ直ぐだから、余計に。

ディングレーはぶっきら棒に告げた。
「アイリスはお前を取り戻したいんだ。
アリルサーシャが居なくなってもうお前しか、居ないから」
テテュスは顔を上げた。
「でも、アイリスにはたくさん仲間が、居る」
ディングレーはテテュスを見つめた。
「お前は、それとは別だ」
「…アイリスは、寂しいの?」
ディングレーは、寂しいのはお前だろう。と言おうとして、止めた。
寂しいどころの喪失感じゃないと、解ったからだ。
あまりにもそれが大きすぎて、テテュスは迂闊に泣く事すら、出来ないくらいだ。
じっと、固まって、その大きさにため息を付いている。
前だけを見ようと決めている。そうしなければきっと…この先そんな大きな空洞を抱えて、どうやって生きていけばいいのかすら、解らなくなってしまうだろう。
大人ですら、酒に溺れて忘れたいくらいの、途方も無い位の、喪失感だった。
彼が真っ直ぐ過ぎて、自分を少しも労ったり逃げ道を作ったりせず、ありったけの全力で『死』に立ち向かったりしたから、余計に。

ファントレイユが、レイファスの心配を振り払って、テテュスの横に付く。
そっ、と気遣うように肩が触れる位置に、俯いて、立つ。
彼を見ないように、肩だけが、触れていた。

ディングレーはその距離の気遣いに、子供のカンだな。と、顔を揺らした。
ディングレーがその場を離れようとし、テテュスがつぶやいた。
「とても、楽しそうだったのに。みんな」
その残念そうな声に、ディングレーは少し、笑うとテテュスの頭にその大きな手を置いて、くしゃっとした。
それが、返事だった。
気に、するな…。

レイファスには解ってた。そんなものは無いと思いたいんだ。テテュスは。
喪失感も、空洞も。
だから…。普通に、笑っていたいんだ。自分は大丈夫と、言い聞かせたいんだ。
そうして無いと………。

レイファスは思い描いてぞっとして、震える腕を握りしめ、震えを止めた。

「解ってやれ…。今はそっとして置け!」
ローフィスはそれでも労るように、俯くアイリスに、ささやき続けた。



 夕食の席は静かで、テテュスはファントレイユを見、ファントレイユが先につぶやいた。
「ごめんね」
テテュスは顔を、揺らした。
レイファスは、俯いた。

でも…。
それは初めから、無かったんだ。
君が、取り上げたりはしてない。
『僕は全然気にして無いから』
テテュスは言おうとし、アイリスがまた悲しむと思って、止めた。
俯くテテュスに、レイファスが言った。
「でもきっと僕思うんだけど…」
皆が一斉に、ふいをつかれたようにその声に顔を、上げた。
「ファントレイユはきっと大人になったら、ゼイブンみたいになると思うな」
ファントレイユが条件反射で尋ねた。
「…どうして?」
「…だって、ゼイブンは自分が美男だと思ってるし、モテるのを知ってるし」
ファントレイユの眉が、思い切り寄った。
「…でもセフィリアと結婚してるのに」
「じゃあ、君は結婚したら、その人だけになると思う?」
ファントレイユがムキになって怒鳴った。
「そんな先の事なんて、解るもんか!」
テテュスが思わずくすくす笑い、ファントレイユは少し頬を、染めた。
「だってその前に教練があるし…。
ゼイブンは僕が彼よりセフィリアに似てると思ってるし…。
セフィリアが教練に入ったら、どうなると思う?」
途端、ローフィスが肩をすくめた。
「並み居る男を、従わせてるだろう」
ファントレイユがびっくりして顔を、上げた。
「どうして?」
ディングレーも、唸った。
「…余程の野蛮人で無い限り、彼女に口をきかれたら大抵の男は戦意喪失するからな」
「殴れなくなるの?」
テテュスに聞かれ、そう。とディングレーは瞳で答えた。
「どうして?」
ファントレイユが聞いたが、レイファスはつぶやいた。
「…そのテがあるか…」

皆がレイファスを、ぎょっと見た。
レイファスは可憐な面を、上げた。
「だって、拳を振るう気を無くさせるのが、一番強いでしょう?」
レイファスの問いに、ディングレーは顔を下げた。
「確かに」
ローフィスは肩をすくめた。
「そいつを磨く気か?」
「だっていくら豪腕でも、振るえなきゃただの腕だもの」
皆が、納得しようとして出来ない自分を、思った。
ディングレーが、ぼそりと告げる。
「…凄く、イレギュラーな戦法だ」
ローフィスはレイファスがやりそうで、彼をチラと見つめた。
ファントレイユがまた、尋ねた。
「イレギュラーって?」
レイファスが言った。
「正統じゃないって意味」
ファントレイユはレイファスを見つめた。
「じゃ、卑怯?」
ローフィスが唸った。
「それに近い」
ファントレイユもそうだったが、テテュスもレイファスを、見つめた。
レイファスは二人の視線を感じたけれど、それでも言った。
「だって僕はうんとハンデがある。
ファントレイユがいつも泣くのは、テテュス。君が凄く、恵まれているからだ」
テテュスはレイファスを見た。
「…恵まれてる?」
「だって体格がいいし。ちゃんと男の子に、見える」
テテュスは顔を、下げた。
「…それって、普通だって事じゃないの?」
恐る恐る聞くが、レイファスは顔を上げた。
「でも同年代の子に混じれば、君くらい立派な子は居ない。
姿が良くて性格が良くて、育ちも良くて、頼りがいがあるし」

テテュスはレイファスを、びっくりして見た。
「僕とファントレイユは、凄く君が羨ましい。代わってもらいたい位だ」
ディングレーとローフィスは彼の言わんとする事が解った。
テテュスは口を開こうとしたが、レイファスが先に、言った。
「君はアイリスにそっくりだし、アイリスは誰が見ても立派な騎士だから君もきっと、誰よりも目立つ素晴らしい騎士になるだろうな」
そう言うレイファスを、ファントレイユが見た。
ファントレイユの視線を受けてレイファスは、ぼやくようにつぶやいた。
「僕やファントレイユが似てるのは、アリシャ秘蔵の、お人形だし」
ファントレイユは俯いた。
「レイファスの所の銀髪の人形は、僕が同じドレスを着るとそっくりだって」
ぶっ!
ディングレーが思わず吹き出し、アイリスに睨まれた。
「…でも本当に、綺麗だもの。ファントレイユは」
テテュスが微笑んでそう言うと、ファントレイユは切なげに顔を上げた。
「女の子ならそう言われたら、きっと嬉しい」
その後に言いたい事を察し、テテュスは俯いた。
ファントレイユは俯くテテュスにささやいた。
「僕は君が小さくても立派な騎士でとても羨ましいと思うけど、でもとっても好きだから、もっと仲良しになりたい」
ファントレイユに素直にそう言われて、テテュスは俯いた。
ローフィスも、いいぞ。と思った。
「僕もだって、言わなきゃ駄目?
でも男の子の僕じゃあんまり、好きになって貰えないかもだけど」
レイファスが落胆するように頬杖付くので、テテュスは慌てて口を開く。
「ちゃんと、男の子でも好きだよ?」
レイファスは顔を上げて、にっこりと笑った。

彼の笑顔はその場を、明るく和ませた。

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