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短編集
キリアンとロレンツ、東尾根のその後
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キリアンは東尾根から帰った後、ロレンツが
「お前本当に、何にも覚えてないの?」
と言われ、「?」だった。
がしかし。
何かの拍子にロレンツの顔がこちらに向く。
何とはなしに、顔を寄せる。
ロレンツも顔を寄せる。
「な・な・な・な・なんだお前ら今の!」
砕けた先輩の一人が叫ぶ。
「………………………………………俺、何かした?」
キリアンが言うと、ロレンツがさっ!と顔を背ける。
「…今だって、キスしたろう?
……………ロレンツに」
皆、アグナータはここに居ず、ロレンツしか居ないのでキリアンをじっ。
と見た。
「アグナータと間違えるには…」
「ロレンツは違いすぎる」
「キス?
したっけ?」
キリアンがロレンツにそう、問う。
が、ロレンツは
「さぁな」
と言葉を濁す。
「…覚えてない?
…ありえない」
「お前、岩から落ちて頭とか打ったの?」
先輩に問われるが、やっぱりキリアンは
「?」
先輩の一人が突然、キリアンに顔を間近に寄せる。
がっっっ!
「…なんで、殴るかな!」
殴られた先輩は、頬に手を当て、叫ぶ。
もう一人の、ちょっと冷静な先輩はロレンツに
「顔、寄せてみろ」
と言う。
ロレンツは溜息交じりに、キリアンにそっ…と顔を寄せる。
キリアンは条件反射で顔を寄せて…。
ロレンツの唇に唇を重ね、ちゅ、をした。
「…今…したよな?」
「なんで俺は殴って、ロレンツには、ちゅ?
いや俺だってキリアンにされたくはない!
されたくはないけれど、殴られるより千倍マシ!」
「………………………?」
キリアンは自分でも訳が分からず、横のロレンツを見上げる。
ロレンツはキリアンに見られても、俯いたまま。
「お前さ。
俺に催眠術とか、使った?」
ロレンツはキリアンに尋ねられ、俯いたまま吐息吐く。
「俺が催眠術使えたら、キスじゃなく、お前の性格変わるようにする」
「………………………………………………………………」
その場の一同が、黙り込んでロレンツを見る。
が、先輩二人は同時に背を向けてその場を離れた。
キリアンだけが残る。
「…俺とキスしたくないのにしてるの?
なんで?」
キリアンに問われ、ロレンツは言い返した。
「お前こそ、なんで?」
「………………………………………………」
問われてキリアンは返答しようと考え続け…考え続けたままその場に、立ち尽くし続けた。
「…あいつ、さっきからずっとあそこに突っ立ってる?」
「おかしくない?
いや、いつもおかしいけど、もっと」
先輩達はこっそりキリアンを見、横に来るロレンツを見た。
「…もしかして、キリアンと一線超えたとか」
「超怖い冗談」
二人は笑いかけて、俯くロレンツを見る。
「…冗談じゃ無いとか?」
「なんで殴られずに出来る?」
先輩らは、顔を見合わせる。
「…キリアンがロレンツにマジ惚れとか?」
「…先輩方それ、冗談にしても怖すぎ」
ロレンツに言われて背を向け、去られ、二人の先輩は言い合った。
「…なんか俺、この件には触れないのが正解な気がする」
「うん、俺も。
掘り起こしちゃいけない恐ろしい物が飛び出てくる気がする」
「それ、キーナンより怖い?」
背後から、長シェナンに聞かれ、二人の先輩は頷いた。
「絶対もっと、凄まじく怖いと思う」
「お前本当に、何にも覚えてないの?」
と言われ、「?」だった。
がしかし。
何かの拍子にロレンツの顔がこちらに向く。
何とはなしに、顔を寄せる。
ロレンツも顔を寄せる。
「な・な・な・な・なんだお前ら今の!」
砕けた先輩の一人が叫ぶ。
「………………………………………俺、何かした?」
キリアンが言うと、ロレンツがさっ!と顔を背ける。
「…今だって、キスしたろう?
……………ロレンツに」
皆、アグナータはここに居ず、ロレンツしか居ないのでキリアンをじっ。
と見た。
「アグナータと間違えるには…」
「ロレンツは違いすぎる」
「キス?
したっけ?」
キリアンがロレンツにそう、問う。
が、ロレンツは
「さぁな」
と言葉を濁す。
「…覚えてない?
…ありえない」
「お前、岩から落ちて頭とか打ったの?」
先輩に問われるが、やっぱりキリアンは
「?」
先輩の一人が突然、キリアンに顔を間近に寄せる。
がっっっ!
「…なんで、殴るかな!」
殴られた先輩は、頬に手を当て、叫ぶ。
もう一人の、ちょっと冷静な先輩はロレンツに
「顔、寄せてみろ」
と言う。
ロレンツは溜息交じりに、キリアンにそっ…と顔を寄せる。
キリアンは条件反射で顔を寄せて…。
ロレンツの唇に唇を重ね、ちゅ、をした。
「…今…したよな?」
「なんで俺は殴って、ロレンツには、ちゅ?
いや俺だってキリアンにされたくはない!
されたくはないけれど、殴られるより千倍マシ!」
「………………………?」
キリアンは自分でも訳が分からず、横のロレンツを見上げる。
ロレンツはキリアンに見られても、俯いたまま。
「お前さ。
俺に催眠術とか、使った?」
ロレンツはキリアンに尋ねられ、俯いたまま吐息吐く。
「俺が催眠術使えたら、キスじゃなく、お前の性格変わるようにする」
「………………………………………………………………」
その場の一同が、黙り込んでロレンツを見る。
が、先輩二人は同時に背を向けてその場を離れた。
キリアンだけが残る。
「…俺とキスしたくないのにしてるの?
なんで?」
キリアンに問われ、ロレンツは言い返した。
「お前こそ、なんで?」
「………………………………………………」
問われてキリアンは返答しようと考え続け…考え続けたままその場に、立ち尽くし続けた。
「…あいつ、さっきからずっとあそこに突っ立ってる?」
「おかしくない?
いや、いつもおかしいけど、もっと」
先輩達はこっそりキリアンを見、横に来るロレンツを見た。
「…もしかして、キリアンと一線超えたとか」
「超怖い冗談」
二人は笑いかけて、俯くロレンツを見る。
「…冗談じゃ無いとか?」
「なんで殴られずに出来る?」
先輩らは、顔を見合わせる。
「…キリアンがロレンツにマジ惚れとか?」
「…先輩方それ、冗談にしても怖すぎ」
ロレンツに言われて背を向け、去られ、二人の先輩は言い合った。
「…なんか俺、この件には触れないのが正解な気がする」
「うん、俺も。
掘り起こしちゃいけない恐ろしい物が飛び出てくる気がする」
「それ、キーナンより怖い?」
背後から、長シェナンに聞かれ、二人の先輩は頷いた。
「絶対もっと、凄まじく怖いと思う」
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