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夢の中の調教
272 縛られた悪魔(アントラン)
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ファオンは何となく騒がしく感じて、ふと目を開ける。
横に…シーリーンはいなかった。
つい、数時間前シーリーンの腕に抱かれたことを思い返し、頬を染める。
「(…やっぱり…シーリーンの腕の中って…あったかくて優しくて…頼もしくて、最高)」
しかし。
キースはファーレーンに腕と足を巻きつけたままアントランの上からどけられ、ファーレーンは横に転がり、上にのしかかろうとするキースから、逃れようと足をバタつかせて身もがいてる。
レオとレドナンドは伸びてるアントランを見下ろし、二人共黙したままロープを探しに行き、二人同時に戻ると、互いの顔を見つめた後、同時に屈んでアントランの手足を、縛り始めた。
シーリーンはふ…と扉に気を引かれる。
つい…応接室の扉を開けてみた。
がちゃっ!
「………………………」
扉の前にいたアリオンとセルティスに同時に振り向かれ、シーリーンは目を見開く。
「悪魔は?」(セルティス)
「悪夢は?」(アリオン)
二人は顔を見合わせる。
セルティスが先に口開く。
「…そのものだろう?」
「…だが、されたらまさしく悪夢だ」
「…された事なんて考えたくも無い」
「…まあ…確かに」
シーリーンはまだ、目を見開く。
「…あんたらも、逃げてたのか?」
セルティスとアリオンは、同時に首を縦に振る。
「…アントランなら、お縄になった」
シーリーンは大きな安堵の溜息吐く、二人の背後で、満面の笑顔のシェナンを見た。
「…レドナンドの他に、シェナンまで来てたのか?」
シーリーンがそう尋ねると、シェナンはにこにこ笑って言った。
「ロレンツが。
キリアン助けに来たのに。
無理矢理抱かされて、泣いててもうここ、降りたい。
って言ってるから。
ファオン連れてきてくれたらついでに一緒に降りるけど」
シーリーンは、ばっ!と髪振って、廊下の先の、レオとレドナンドを見る。
二人は気絶するアントランを縛り終えて立ち上がり、横の転がってるキースとファーレーンが今だ争ってる様子を見て、顔下げて沈黙。
シーリーンは、こそっ…。
と部屋を出て廊下に進み、階段を登って行く。
アリオンはセルティスが、拉致監禁側だった。
と突然気づいて、セルティスに振り向く。
セルティスはアリオンの視線に気づくと、囁く。
「…ファオンを拉致した結果、悪魔が沸いたから。
ファオンは…不吉かも」
アリオンはじっ。とセルティスを見る。
「…だから、連れて降りても何も言わない?」
「俺は何も見てない」
シェナンがにこにこ笑って、セルティスの肩を叩く。
「それでこそ、一緒に逃げた仲間!」
セルティスはシェナンに手を握り込まれて気づくと握手していて、にこにこ笑うシェナンから、握手したまま顔を背けた。
夢見てるレオが呻く。
「今後の事考えたら、確かにファオンがいないと《皆を繋ぐ者》不在で困るだろうけど…。
アントランが出る事考えたら、無難な決断だな」
セルティスが呻く。
「ファオンに代わる、凄い美形の綺麗系可愛い子ちゃんが、全然いないってのが問題だと思う」
シーリーンも頷く。
「…ファオンはあれで素直だから。
してやると恥ずかしがるけど喜ぶし」
アリオンも俯く。
「…最中、健気にしがみつかれると…心も体も全部、持って行かれる」
キース、だけが顔上げて言った。
「あ、それ。
俺、ファーレーンだとそうなる」
セルティスとシーリーンがキースを軽く睨み、レオとアリオンは顔を背けた。
横に…シーリーンはいなかった。
つい、数時間前シーリーンの腕に抱かれたことを思い返し、頬を染める。
「(…やっぱり…シーリーンの腕の中って…あったかくて優しくて…頼もしくて、最高)」
しかし。
キースはファーレーンに腕と足を巻きつけたままアントランの上からどけられ、ファーレーンは横に転がり、上にのしかかろうとするキースから、逃れようと足をバタつかせて身もがいてる。
レオとレドナンドは伸びてるアントランを見下ろし、二人共黙したままロープを探しに行き、二人同時に戻ると、互いの顔を見つめた後、同時に屈んでアントランの手足を、縛り始めた。
シーリーンはふ…と扉に気を引かれる。
つい…応接室の扉を開けてみた。
がちゃっ!
「………………………」
扉の前にいたアリオンとセルティスに同時に振り向かれ、シーリーンは目を見開く。
「悪魔は?」(セルティス)
「悪夢は?」(アリオン)
二人は顔を見合わせる。
セルティスが先に口開く。
「…そのものだろう?」
「…だが、されたらまさしく悪夢だ」
「…された事なんて考えたくも無い」
「…まあ…確かに」
シーリーンはまだ、目を見開く。
「…あんたらも、逃げてたのか?」
セルティスとアリオンは、同時に首を縦に振る。
「…アントランなら、お縄になった」
シーリーンは大きな安堵の溜息吐く、二人の背後で、満面の笑顔のシェナンを見た。
「…レドナンドの他に、シェナンまで来てたのか?」
シーリーンがそう尋ねると、シェナンはにこにこ笑って言った。
「ロレンツが。
キリアン助けに来たのに。
無理矢理抱かされて、泣いててもうここ、降りたい。
って言ってるから。
ファオン連れてきてくれたらついでに一緒に降りるけど」
シーリーンは、ばっ!と髪振って、廊下の先の、レオとレドナンドを見る。
二人は気絶するアントランを縛り終えて立ち上がり、横の転がってるキースとファーレーンが今だ争ってる様子を見て、顔下げて沈黙。
シーリーンは、こそっ…。
と部屋を出て廊下に進み、階段を登って行く。
アリオンはセルティスが、拉致監禁側だった。
と突然気づいて、セルティスに振り向く。
セルティスはアリオンの視線に気づくと、囁く。
「…ファオンを拉致した結果、悪魔が沸いたから。
ファオンは…不吉かも」
アリオンはじっ。とセルティスを見る。
「…だから、連れて降りても何も言わない?」
「俺は何も見てない」
シェナンがにこにこ笑って、セルティスの肩を叩く。
「それでこそ、一緒に逃げた仲間!」
セルティスはシェナンに手を握り込まれて気づくと握手していて、にこにこ笑うシェナンから、握手したまま顔を背けた。
夢見てるレオが呻く。
「今後の事考えたら、確かにファオンがいないと《皆を繋ぐ者》不在で困るだろうけど…。
アントランが出る事考えたら、無難な決断だな」
セルティスが呻く。
「ファオンに代わる、凄い美形の綺麗系可愛い子ちゃんが、全然いないってのが問題だと思う」
シーリーンも頷く。
「…ファオンはあれで素直だから。
してやると恥ずかしがるけど喜ぶし」
アリオンも俯く。
「…最中、健気にしがみつかれると…心も体も全部、持って行かれる」
キース、だけが顔上げて言った。
「あ、それ。
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