アグナータの命運

あーす。

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夢の中の調教

271 ファーレーンを離したくないキース

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 夢の中のキースはその時、必死だった。

胸に抱くファーレーンを離したくなくて。
必死で起き上がろうとするファーレーンを下から抱きしめる。
が。

下敷きにしたアントランが…あらぬ場所を、にぎにぎしていた。
両手でお尻を掴み、揉んでいる。

「………っ!」
キースは咄嗟、肘を思い切り後ろに引いた。

どすっ!
「うっ…!」

「逝った…」

屈んで見ていたキリアンが呟く。

ファーレーンが怒鳴る。
「手を貸せ!」

キリアンは一番上に乗り、俯せてキースの上にのしかかってるファーレーンを、チラと見る。
「でも…」

「何が、でもだ!」

キリアンはキースと接着部分…胸と胸辺りにキースの握り拳でファーレーンの胸の衣服を握り込み、もう片腕ファーレーンの背に回し、起き上がるのを阻止してる様子を見た。

「そんな…熱烈なの俺、とっても引き離せない」

キリアンが呟くと、キースはにんまり笑い、ファーレーンは歯を剥いた。

「熱烈じゃない!」

「けど…キースと…したんだろ?」

「だが熱烈じゃ無い!」
「熱烈に決まってるだろう…?」

キースの艶を含んだ眼差しは、抱き寄せるファーレーンに向けられる。

が、キリアンが囁く。

「…アントラン…潰れて伸びてるぜ…。
アントラン敷き布団にして…そこでえっちする気?」
ファーレーンが直ぐ歯を剥いて怒鳴り付ける。
「しない!」

キースの両足が、ファーレーンの腰にまきつき、腰の上で足首を交差させて笑う。
「…起き上がれないだろ?」
「いい加減にしろ!」

その時、こそっ…とレオとレドナンドが、真ん中のシーリーンの腕を掴み拉致し、階段を降りて来る。

屈んで三人を見てるキリアンが、気配に振り向く。

「…色情魔(アントラン)は?」

レドナンドに聞かれ、キリアンは一番下で潰れてるアントランを指差す。

レオが、見た途端叫ぶ。
「…でかした!キース!」

が、ファーレーンはキースの胸に両手付いて起き上がろうとし、キースの胸の衣服掴む手と戦い…。
キースは両足をファーレーンの腰に巻き付けたまま、何とか起き上がろうとするファーレーンを、引き寄せて口づけようとしながら、レオに怒鳴る。

「良くやったって思うんなら、ちょっと上から、ファーレーンの背中下に沈めてくれる?」

「……………………………」

レオとシーリーンとレドナンドがその様子を固まって見てる中、キリアンだけが身を起こして言った。

「…アントランを敷き布団にして、ファーレーンをコマしたいらしい」

レオとシーリーンとレドナンドは、黙してこっくり。
と頷いた。


夢見てるシーリーンが呟く。
「…ファーレーン抱いてると…場所も場合も、関係無いのか?!」

聞かれたキースは振り向く。
「…機会(チャンス)は逃すな。
が、ファーレーンから学んだ俺の教訓だ」

レオが無言で顔を下げ、セルティスとアリオンもそれに習った。
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