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夢の中の調教
264 遅れて来たアリオン、非常事態に巻き込まれる
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アリオンが階段を駆け上がった時…。
控え室は大騒ぎだった。
レオとセルティスは部屋の壁に張り付いて緊張状態。
レドナンドとアントランはテーブルを挟み、牽制し合ってる。
アントランが右に進むと、レドナンドも右に逃げる。
とうとうアントランがテーブルの上へ駆け上がると、レドナンドは咄嗟壁に張り付くレオに駆け寄り、腕を掴み自分の前に立たせて、盾にする。
「!よせ!レドナンド!
理性はどうした!」
レオは叫ぶ。
が、自分より少しとはいえ上背で体格良い《勇敢なる者》のレドナンドに腕をがっちり掴まれ、外せず焦る。
アントランはテーブルの上から、レオとその後ろに隠れるレドナンドを見、怒鳴る。
「二人一辺に、頂いてやるぜ!」
アリオンは呆然と戸口で立ち竦んでいた。
が、自分に向かって来るセルティスと、どん!とぶつかり、抱き合う。
が、セルティスはアリオンを押し退けようと掴みかかる。
「…どこ行くんだ!」
アリオンの声に、セルティスがまだアリオンを押し退けようと揉み合いながら、叫ぶ。
「逃げるに決まってる!
巻き添えはゴメンだ!」
アントランは戸口で揉み合うセルティスとアリオンをも見て、怒鳴る。
「よしっ!
お前らも頂いてやる!
セルティス!
アリオン!
…どっちも、すんごく美味そうだぜ…!」
レドナンドとレオがその隙に、脱兎の如く調教部屋へと駆け込む。
ばん!
テーブルから飛び降り、駆け込むアントランの目前で扉が閉まる。
「くそっ!」
アントランが、戸口の二人へと振り向く。
「!放せアリオン!」
が、アリオンはセルティスの胸ぐらを掴む。
「今離したら俺が!
餌食だ…!」
「俺には好都合だ!」
二人はまだ、揉み合い続け、アントランがテーブルを回り込んでやって来ると
「!」
と目を見開き、二人同時に階段を駆け下り始めた。
「待て!」
夢見てる皆が、沈黙。
「…もう…大丈夫かと目を向けたら…」
レオが言って、セルティスも俯く。
「…全然大丈夫じゃない…」
キースが、夢の自分と替われなくて、フテきって呟く。
「…まだ、キリアンのがマシだよな。
襲う相手、シーリーンかロレンツだし。
アントランみたく、手当たり次第じゃない」
アリオンが、ぼそっ。と言う。
「…目当てのあんたとシーリーンが居ないから。
暴走してるんだろう?」
シーリーンとキースは心から、ほっとした。
夢の中の自分で別人とは言え…少なくとも、愛する相手と一緒に居られて。
アリオンが、ふてくされきって、大きな溜息を吐く。
が、夢の中とは言え、貞操の危機にある自分らも同様のレオとセルティスも、アリオンに遅れて深い溜息を吐き出した。
レオが、ぼそっ…と尋ねる。
「この夢の中の事態って、収拾付くのか?
誰がアントランの暴走止める?!」
全員が俯き加減で一斉に
「さあ…?」
と呟き返した。
控え室は大騒ぎだった。
レオとセルティスは部屋の壁に張り付いて緊張状態。
レドナンドとアントランはテーブルを挟み、牽制し合ってる。
アントランが右に進むと、レドナンドも右に逃げる。
とうとうアントランがテーブルの上へ駆け上がると、レドナンドは咄嗟壁に張り付くレオに駆け寄り、腕を掴み自分の前に立たせて、盾にする。
「!よせ!レドナンド!
理性はどうした!」
レオは叫ぶ。
が、自分より少しとはいえ上背で体格良い《勇敢なる者》のレドナンドに腕をがっちり掴まれ、外せず焦る。
アントランはテーブルの上から、レオとその後ろに隠れるレドナンドを見、怒鳴る。
「二人一辺に、頂いてやるぜ!」
アリオンは呆然と戸口で立ち竦んでいた。
が、自分に向かって来るセルティスと、どん!とぶつかり、抱き合う。
が、セルティスはアリオンを押し退けようと掴みかかる。
「…どこ行くんだ!」
アリオンの声に、セルティスがまだアリオンを押し退けようと揉み合いながら、叫ぶ。
「逃げるに決まってる!
巻き添えはゴメンだ!」
アントランは戸口で揉み合うセルティスとアリオンをも見て、怒鳴る。
「よしっ!
お前らも頂いてやる!
セルティス!
アリオン!
…どっちも、すんごく美味そうだぜ…!」
レドナンドとレオがその隙に、脱兎の如く調教部屋へと駆け込む。
ばん!
テーブルから飛び降り、駆け込むアントランの目前で扉が閉まる。
「くそっ!」
アントランが、戸口の二人へと振り向く。
「!放せアリオン!」
が、アリオンはセルティスの胸ぐらを掴む。
「今離したら俺が!
餌食だ…!」
「俺には好都合だ!」
二人はまだ、揉み合い続け、アントランがテーブルを回り込んでやって来ると
「!」
と目を見開き、二人同時に階段を駆け下り始めた。
「待て!」
夢見てる皆が、沈黙。
「…もう…大丈夫かと目を向けたら…」
レオが言って、セルティスも俯く。
「…全然大丈夫じゃない…」
キースが、夢の自分と替われなくて、フテきって呟く。
「…まだ、キリアンのがマシだよな。
襲う相手、シーリーンかロレンツだし。
アントランみたく、手当たり次第じゃない」
アリオンが、ぼそっ。と言う。
「…目当てのあんたとシーリーンが居ないから。
暴走してるんだろう?」
シーリーンとキースは心から、ほっとした。
夢の中の自分で別人とは言え…少なくとも、愛する相手と一緒に居られて。
アリオンが、ふてくされきって、大きな溜息を吐く。
が、夢の中とは言え、貞操の危機にある自分らも同様のレオとセルティスも、アリオンに遅れて深い溜息を吐き出した。
レオが、ぼそっ…と尋ねる。
「この夢の中の事態って、収拾付くのか?
誰がアントランの暴走止める?!」
全員が俯き加減で一斉に
「さあ…?」
と呟き返した。
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