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夢の中の調教
260 脱出し、解き放たれたシーリーンとアントラン
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シェナンとロレンツは、話合いをしていた。
「…けどキリアンは、お前と…しないと、正気に戻らないんだろ?」
シェナンの問いに、ロレンツが答える。
「頭、カチ割っちゃ駄目?」
アリオンは横で、ロレンツの返答にぞっ…とした。
結局デュランは、そこにいると睡眠薬盛ったのを突っ込まれるので、部屋に鍵をかけて、外で安堵の溜息を吐いていた。
その時、歩哨は暖房の為の火を、一番下の階で炊いていた。
この大窯で焚いた熱は、各部屋へ通風口として通じていて…。
ほんの少しだけど、暖を取れるようになっている。
けど何せ、階上の幾つもある部屋全部に暖かい空気を送るもんだから、四六時中薪をくべてないとダメ。
歩哨は溜息交じりに、枝を取り上げて見た。
「(…これなんか…幻覚作用を起こすランカの木に似てる…)」
そうは思った。
が
「ま、いっか」
と窯に放り込んだ。
しかしこの時、窯に放り込まれた枝は、まさにランカの枝。
やがて枝は燃え…各部屋の通気口から、幻覚作用のある微かな煙が立ち上った。
ばきっ!
デュランは横の囚人部屋の木の扉が、音立てて破られ…シーリーンとアントランが姿を見せて、慌てる。
シーリーンは直ぐ、デュランに駆け寄り胸ぐらを掴み上げて怒鳴る。
「ファオンは、どこだ!」
「う…う…上の調教部屋で………。
さっきキースがファーレーンの調教に行ったから…多分…レドナンドが代わりに……」
「レドナンド?!」
シーリーン横のアントランに怒鳴られ、デュランは頷く。
シーリーンは血相変えて、階段を駆け上がる。
横に並び駆け上がるアントランが喚く。
「俺ずっとレドナンド狙ってたのに!
ファオンに先越された!」
シーリーンは駆け上がる階段を、踏み外しそうになる。
「…レドナンドに………もう…されちゃったってのか?!」
アントランは肩竦める。
「レドナンドに迫られて断る馬鹿はいない」
ばん!
レオとセルティスは目を見開く。
「レドナンドは?!」
駆け込むシーリーンとアントランに怒鳴られ、セルティスは背後の扉に振り返る。
二人は凄い勢いでセルティスの横を通り過ぎて扉を蹴立てて空け、直ぐ向こうに姿を消した。
呆けながら、セルティスはレオを見る。
レオは椅子に座ったまま、酒瓶を持ち上げた。
「まあ…ゆっくり飲もうぜ」
セルティスも頷くと、グラスを差し出す。
レオがそのグラスに酒を、なみなみ注いだ。
シーリーンは横のアントランが、先に扉を開けるのをチラ見する。
アントランは扉を開けて怒鳴る。
「そのえっち、待った!」
シーリーンも、直ぐアントランの背に続いて、駆け込んだ。
夢見てるレオが、皆だれきっているのに目を向ける。
「…アントランの登場のせいか?」
キースがみんなに
「レドナンドがアントランに襲われるかどうか、賭けないか?」
と聞き、シーリーンが直ぐに言った。
「絶対襲われる方に賭ける」
アリオンが聞く。
「…ランカの枝を焚き火に混ぜる事故って、今まで頻繁に無かったか?」
アリオンの問いで、突然皆が
「あの時の誰々の言動はおかしかった」
と、一斉にしゃべり出して…レオは思わず肩を竦めた。
「…けどキリアンは、お前と…しないと、正気に戻らないんだろ?」
シェナンの問いに、ロレンツが答える。
「頭、カチ割っちゃ駄目?」
アリオンは横で、ロレンツの返答にぞっ…とした。
結局デュランは、そこにいると睡眠薬盛ったのを突っ込まれるので、部屋に鍵をかけて、外で安堵の溜息を吐いていた。
その時、歩哨は暖房の為の火を、一番下の階で炊いていた。
この大窯で焚いた熱は、各部屋へ通風口として通じていて…。
ほんの少しだけど、暖を取れるようになっている。
けど何せ、階上の幾つもある部屋全部に暖かい空気を送るもんだから、四六時中薪をくべてないとダメ。
歩哨は溜息交じりに、枝を取り上げて見た。
「(…これなんか…幻覚作用を起こすランカの木に似てる…)」
そうは思った。
が
「ま、いっか」
と窯に放り込んだ。
しかしこの時、窯に放り込まれた枝は、まさにランカの枝。
やがて枝は燃え…各部屋の通気口から、幻覚作用のある微かな煙が立ち上った。
ばきっ!
デュランは横の囚人部屋の木の扉が、音立てて破られ…シーリーンとアントランが姿を見せて、慌てる。
シーリーンは直ぐ、デュランに駆け寄り胸ぐらを掴み上げて怒鳴る。
「ファオンは、どこだ!」
「う…う…上の調教部屋で………。
さっきキースがファーレーンの調教に行ったから…多分…レドナンドが代わりに……」
「レドナンド?!」
シーリーン横のアントランに怒鳴られ、デュランは頷く。
シーリーンは血相変えて、階段を駆け上がる。
横に並び駆け上がるアントランが喚く。
「俺ずっとレドナンド狙ってたのに!
ファオンに先越された!」
シーリーンは駆け上がる階段を、踏み外しそうになる。
「…レドナンドに………もう…されちゃったってのか?!」
アントランは肩竦める。
「レドナンドに迫られて断る馬鹿はいない」
ばん!
レオとセルティスは目を見開く。
「レドナンドは?!」
駆け込むシーリーンとアントランに怒鳴られ、セルティスは背後の扉に振り返る。
二人は凄い勢いでセルティスの横を通り過ぎて扉を蹴立てて空け、直ぐ向こうに姿を消した。
呆けながら、セルティスはレオを見る。
レオは椅子に座ったまま、酒瓶を持ち上げた。
「まあ…ゆっくり飲もうぜ」
セルティスも頷くと、グラスを差し出す。
レオがそのグラスに酒を、なみなみ注いだ。
シーリーンは横のアントランが、先に扉を開けるのをチラ見する。
アントランは扉を開けて怒鳴る。
「そのえっち、待った!」
シーリーンも、直ぐアントランの背に続いて、駆け込んだ。
夢見てるレオが、皆だれきっているのに目を向ける。
「…アントランの登場のせいか?」
キースがみんなに
「レドナンドがアントランに襲われるかどうか、賭けないか?」
と聞き、シーリーンが直ぐに言った。
「絶対襲われる方に賭ける」
アリオンが聞く。
「…ランカの枝を焚き火に混ぜる事故って、今まで頻繁に無かったか?」
アリオンの問いで、突然皆が
「あの時の誰々の言動はおかしかった」
と、一斉にしゃべり出して…レオは思わず肩を竦めた。
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