アグナータの命運

あーす。

文字の大きさ
上 下
246 / 286
夢の中の調教

246 動けるようになったシーリーン、今だ自由には成れず

しおりを挟む
 シーリーンはまだ、掴み合ってるアントランとキリアンに怒鳴る。
「いい加減、止めてこの手枷外してくれ!」

が、アントランが振り向いて怒鳴る。
「外したら、お前襲えなくなるじゃないか!」

シーリーンは腹の底から怒りまくって怒鳴る。
「どうしてお前だ!
アリオンだったら助けたぞ!」

アントランはまた、振り向いて怒鳴る。
「そのアリオンはさっさと逃げたじゃないか!」

シーリーンは言葉に詰まる。
けど怒鳴った。
「いいから外せ!
リチャードが気絶してる隙に!
大体キリアンとずっとやりあってたら、どっちもくたばって俺襲う体力も無くなるぞ!」

アントランはその時、利口になった。
…つまり、正気に戻ったのである。

「…確かに」

キリアンの髪を手放す。
そして壁にもたれかかって気絶してる、リチャードの腰から手枷の鍵をじゃらり。と取り出す。
振り向いた時、もう…キリアンははだけたシーリーンの…リチャード曰く、タケノコに顔を寄せ、ぱくっ!と口に含んでいた。

「こら…キリアン!
よせキリ………ん…………っ」

アントランは呟きながら寄って来る。

「…やっぱ美男の感じてる顔、ってサマになるよな」

そう言いつつ、シーリーンの股の間に屈むキリアンのお尻を軽く蹴って、上に釣り上げられてるシーリーンの、手首を揃えて上下から挟んでる、木の手枷の留め金に鍵を入れて、回す。

じゃら…。
挟んでいた板が真ん中で割れ、シーリーンは手首を下ろす。
一息付く間も無く、キリアンがさっさと身を起こしてお尻を両手で開きながら、乗ろうとするから…シーリーンは眉間を寄せる。

その時アントランがキリアンの胸を回し蹴った。

どおん!

キリアンが吹っ飛んで、リチャードみたいに壁に背を打ち付け、床にお尻付けて眉間寄せる。

「いっ・てーーーーーーーーーー!」

アントランは叫ぶキリアンを見、そしてやっと釣り上げられてた腕を下げて、手首をさすって床に座り込むるシーリーンを見下ろし、囁く。
「…なんで、自分で蹴らないかな…」

シーリーンは俯く。
「(…ちょっと期待しちゃったから…。
って言ったら…今度はアントランに乗られそう…?)」

シーリーンは素早く腰布を直し、タケノコをしまう。
「…どうしてしまう?」
アントランに聞かれたが、振り向かない。
「さっさと出ようぜ」
そう言って誤魔化し、素早く立ち上がる。

がちゃ!
シーリーンはドアノブを引いて、扉が開かず眉間寄せる。

がちゃ。がちゃっ!

アントランが横に来ると、リチャードが持ってた鍵束…と言っても、二個程度しかついてなかったので、シーリーンの手枷外した鍵じゃない鍵を出す。

が、鍵穴に入らない。

「…あれ?」

シーリーンはまだ、ドアノブを引く。

がちゃ!がちゃ!

アントランはシーリーンの手枷用鍵も差し込んでみた。
が、空回り。

シーリーンに見つめられ、アントランはリチャードに屈み込み、鍵を探す。

シーリーンは直ぐ見つかる。
と思って扉の前に待機してたけど、アントランが
「あれ?あれ?」
と言っていつ迄経っても探してるので、とうとう横に屈んで一緒にリチャードの衣服を探る。

「ここは?見たか?」
シーリーンの問いに、アントランが言う。
「そっちもそっちも、探った」

二人は目を見交わし合う。
そしてついに…気絶してるリチャードの衣服を剥いだ。

剥いだ衣服を下げて振っても、出て来るのはせいぜい小銭。

アントランが、じっ…。と裸に剥かれたリチャードを見る。
「後、隠すとしたら…」

シーリーンは腕組みして頷く。

アントランが、シーリーンを見る。
見て、見て…じっと見る。

シーリーンはずっと、ばっくれていた。
が、とうとう怒鳴る。
「さっさと探せば?!」
「俺?
…がするの?!」

シーリーンはぷんぷん怒ると、そっ…とリチャードの横に屈む。

床に付けたお尻を見て、言う。
「…見るからに、無さそう」

アントランがぼやく。
「でも後はそこしかない」

シーリーンは仕方無く…リチャードの…最後の隠し場所。
お尻の穴に指を入れる。

「…うーん…無い。
俺散々リチャード蹴ったから。
その時吹っ飛んだのかも」

アントランは石の床を見回す。
「…凄く、無さそう。
箪笥とかの家具一切無いし」

言って、とっ手付の木桶を持ち上げる。
「…排泄用の…バケツの下も中も無い。
…出す前で良かったぜ…。
出してたら…中探すの地獄」

けれど、シーリーンがアントランに振り向く。
「…でも、鍵見つからないと、いずれ…使用しないと駄目かも」

アントランが桶手に持ったまま、シーリーンを見る。
そして…手に持つ桶を見る。

「……………………………」

無言で固まるアントランを見、シーリーンは扉を蹴破るべく、蹴り始めた。

がん!
がん!
がんっ!

「…扉が壊れる、前に俺の足が壊れそう…」

アントランは手桶を置くと、横に来て蹴った。

がんっ!

「……………俺、一度で壊れそう」

けれど二人は目を見交わす。

「…これしかないぜ?」
シーリーンの言葉に、アントランも頷く。
「…だな」

その後二人は、交代で扉を蹴り続けた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

処理中です...